【長野デート】安曇野ジャンセン美術館で世界的画家の作品を堪能!周辺観光も楽しむカップルプラン
雄大な北アルプスの名峰を望む安曇野市。長野県にある安曇野市には多くの美術館が点在しているため、アート好きのカップルにぴったりのエリアです。
今回は、世界中から高い評価を受ける画家、ジャン・ジャンセンの作品を多数収蔵する「安曇野ジャンセン美術館」をメインとしたデートプランを紹介します。
安曇野ジャンセン美術館は、森の中にある洋館が舞台。四季折々の美しい景色とともに、ゆっくりと作品鑑賞を楽しんでいただけます。
おすすめカップル:アート好きのカップル、知的なデートを楽しみたいカップル
どんなデート?:安曇野でアートを満喫するデート
目安時間:半日
目安予算:2人で6,000円
安曇野ジャンセン美術館を軸にした芸術鑑賞デートの流れ
美術館で作品を鑑賞する際、空腹では集中力が低下してしまいます。安曇野ジャンセン美術館へ向かう前に、まずは腹ごしらえをしておきましょう。
安曇野は、北アルプスの清らかな水を使った蕎麦が名物のひとつです。美術館のすぐ近くにある蕎麦の名店「時遊庵あさかわ」で、香り高く絶妙なのどごしの蕎麦を堪能することをおすすめします。
12:00〜13:00 | そば処「時遊庵あさかわ」でランチ |
---|---|
13:00〜14:00 | 安曇野ジャンセン美術館で作品鑑賞 |
14:00〜15:00 | ミュージアムショップに立ち寄り、喫茶コーナーでひと休み |
15:00〜16:00 | 碌山美術館に移動して作品鑑賞 |
安曇野ジャンセン美術館はミュージアムショップや喫茶コーナーを併設しているのも魅力的です。心に残った作品を思い返しながら、ゆっくりと時間を過ごしてみてください。
芸術の街・安曇野では、複数の美術館を巡ることをおすすめします。安曇野ジャンセン美術館の後に訪れるなら、碌山美術館がおすすめです。
西洋のアートと東洋のアートを続けて鑑賞することで、それぞれの魅力をより深く感じられるでしょう。
それでは、メインとなる安曇野ジャンセン美術館について詳しく解説していきます。
世界が認めるジャン・ジャンセンの作品群:安曇野ジャンセン美術館の魅力
草木の生い茂る小径を歩いていくと、美しい洋館が姿を現します。それが安曇野ジャンセン美術館です。
ジャンセンはフランスで活躍したアルメニア出身の画家です。その卓越したデッサン力と美しい線描、そして淡く情感のある色彩が高く評価され、フランスではレジオンドヌール勲章を、母国アルメニアでも国家勲章を受章しました。
ジャンセンの作品にはそれぞれ独特の魅力があり、美術館で鑑賞した当日はもちろんのこと、その後時間が経っても、ふとした瞬間に繰り返し思い浮かぶような印象深さがあります。
美術館での体験は、後々二人で懐かしい気持ちに浸ることができる、思い出深いデートスポットとなるでしょう。
今回は、安曇野ジャンセン美術館の館長を務める塚原章夫さんにお話を伺いました。
安曇野ジャンセン美術館はジャンセンの作品を集めた世界初の美術館
編集部
まず、安曇野ジャンセン美術館について教えてください。ジャンセンの作品にはどのような特徴があるのでしょうか?
塚原さん
当館は、ジャンセンの作品を集めた世界初の美術館です。多数のジャンセン作品を鑑賞していただけます。また、木立に囲まれた静かな森の中で四季折々の景色を眺めながら、ゆったりとジャンセンの世界に浸っていただけます。
ジャンセンが一貫して見つめ描いた世界は、彼自身が美しいと感じたもの、社会の影となり私たちが見落としてしまうもの、見ようとしないものでした。たとえ貧しくても精いっぱい毎日を生きている人々の日常に心揺さぶられて描いた作品を楽しんでいただけたらと思います。
ジャンセンは「鑑賞者が自分自身で受け止めて自由に解釈してほしい」と言っていました。そのため、当館ではジャンセンの作品にはキャプションをつけていません。先入観を持たず、さまざまな視点から彼の描いた世界を自由に感じていただけたらと思います。
ジャンセンの収蔵作品は多数あるので、年に1〜2回展示替えもしています。何度来ても新たな発見があります。
編集部
ジャンセンはフランスで活躍したアルメニア人の画家だそうですね。パリ市美術館をはじめ、世界各地の主要な美術館で展示されるような巨匠の作品を、次々と鑑賞できるのは素晴らしい体験です。
ジャンセンの作品にキャプションがないことで、鑑賞者は自ら感じたり考えたりする機会を得られます。作品の世界に浸りつつも、自分の想像の中に身を置くような感覚があり、独特の鑑賞体験ができます。
ジャンセンの絵は淡い色彩と繊細なタッチで描かれていて、不思議な魅力があります。モデルたちが観る側になにかを訴えかけているような印象を受けます。奥深い魅力に引き込まれそうです。
開館30周年に向け企画展を開催
安曇野ジャンセン美術館では、令和5年の開館30周年に向け、複数の企画展を開催しました。
2022年3月1日〜6月12日までは「マルク・シャガール」展を開催し、シャガールのリトグラフ27点を展示しました。
10月1日〜12月27日は「ビュッフェ展」を実施しています。常設のジャンセン作品に加えて、世界的に活躍した様々な画家たちの作品も鑑賞できます。
期間 |
2022年3月1日(火)〜6月12日(日) |
---|---|
開館時間 | 9:00〜16:30入館受付 |
休館日 | 展示替え等で臨時休館あり ※詳細は電話にてお問い合わせください |
料金 |
大人850円 小人500円(2022年2月時点) |
圧巻の大作「オペラ座の大舞台」:ジャンセン最大サイズの作品
編集部
展示している作品について詳しく教えてください。塚原さんおすすめの作品はどちらでしょうか?
塚原さん
当館でのメインの作品は、フランスとアルメニアの国家勲章を受けたジャン・ジャンセンの作品で、常時50~80点を展示しています。
私が特に気に入っている作品は、ジャンセンの代表作でもあるバレリーナシリーズです。
バレリーナシリーズには、パリのオペラ座のバレリーナ達が描かれています。きらびやかな衣装を着た彼女たちの、舞台に立つまでの苦悩や大変さなど、普段私たちが舞台で見ることのない姿を描いた作品には心揺さぶられます。
バレリーナシリーズのひとつである「オペラ座の大舞台」は、ジャンセンが描いた中で最大サイズの作品でして、200cm×500cmもの大きさがあります。
▲「オペラ座の大舞台」は、そのスケール感はもちろんのこと、絶妙な描写と色づかいにも胸が高鳴る
編集部
バレリーナというと、舞台で踊っている華やかな姿をまず思い浮かべそうなものですが、ジャンセンが注目したのはそこに至るまでのバレリーナの素顔なのですね。
表情が緻密に描かれているわけでないのに、不安や落胆やけだるさ、自分を奮起させようとする気持ちなど、1枚ごとにさまざまな心情が描かれているように感じました。
ジャンセンは、さまざまな思いを抱えたバレリーナの、この日常の姿こそ美しいと考えたわけですね。
結果やフィナーレではなく、どのようなプロセスを踏み、どう工夫するかの方が大事で、それこそが人間らしさであると考えたのでしょうか。
人によっては、作品鑑賞を通じて勇気づけられているように感じる方もいるかもしれませんね。
巨匠たちの競演:ピカソ、ミュシャ、フジタなど世界的画家の収蔵作品
編集部
安曇野ジャンセン美術館には、ジャンセン以外にも有名な画家の作品が多数収蔵されているようですね。主にどのような作品がありますか?
塚原さん
常設のジャンセン作品に加え、随時、次のような世界的に著名な物故作家や現代作家の絵画を展示しています。
- ミレー
- コロー
- ルオー
- ピカソ
- シャガール
- ビュッフェ
- ミロ
- ユトリロ
- ヴラマンク
- ローランサン
- ミュシャ
- ゴーギャン
- モディリアーニ
- ダリ
- デュフィ
- ワイズバッシュ
- マチス
- ルノアール
- イカール
- 藤田嗣治
- 荻須高徳
ロダンなどのブロンズ彫刻や木彫彫刻の展示もあります。
また、企画展も定期的に開催しております。2021年9月27日まではジョルジュ・ルオー展を行っていました。現在開催中の企画展「バルビゾン時代」は12月26日までです。今後も、約3か月ごとに新しい企画展を開催する予定です。
当館は2023(令和5)年に開館30周年を迎えます。2021年現在、記念事業を計画中ですので、ご期待ください。
編集部
教科書で学んだような巨匠の名前が連なり、圧倒されてしまいました。
企画展「バルビゾン時代」では、ペーニャ、トロワイヨン、ミレー、コローなどの絵画を展示されているそうですね。バルビゾン派と呼ばれる画家たちの作品を通じて、その時代に彼らが共有していた思いや芸術観を感じることができそうです。こちらも心に響く展示になりそうですね。
開館30周年を記念した展示は、通常以上に力の入った内容になることでしょう。今から大変楽しみです。今後の情報にも注目していきたいと思います。
アートな休憩タイム:ジャンセン作品をモチーフにしたカフェ
編集部
作品以外の楽しみについて教えてください。鑑賞中や鑑賞後の小休止にぴったりの場所はありますか?
塚原さん
各展示室内にはソファや椅子がありますので、絵を眺めながらゆったりとお過ごしください。
館内には喫茶コーナーもございます。ジャンセン作品の中でも人気の高いひなげしをあしらったカップ&ソーサーで、コーヒーや紅茶を召し上がっていただけます。
▲喫茶コーナーは大きな窓を配した開放的な雰囲気も魅力
▲窓外には深緑や紅葉など四季折々の美しい景色が広がる
また、このカップ&ソーサーはミュージアムショップにてご購入いただけます。ショップではクリアファイルやポスター、ポストカード、額装ポスター、アートフレームなどを扱っています。クリアファイルは表裏が柄違いになっており大変人気です。
▲選びきれなければ大人買いもあり!お手頃さも嬉しい種類豊富なポストカード。中央にあるのが「ひなげし」
▲ジャンセンの作品集を購入すればお家でもアート鑑賞ができる!
▲ジャンセン作品の額装ポスター。1枚飾るだけで部屋がセンスアップしそう
なお、美術館までのアプローチにはフォトスポットがあります。美術館の特徴的な外観を、季節の風景と共に写真におさめることができますよ。
編集部
喫茶コーナーでいただける飲み物のカップやソーサーに、ジャンセン作品があしらわれているとは嬉しくなってしまいます!淡い色調の可愛らしいひなげしに目を細めながら、鑑賞後の幸せな余韻にカップルで浸ることができそうです。
喫茶コーナーでは、専門店から仕入れたコーヒーや紅茶がいただけるそうですね。ゆっくりと味わいながら二人で感想を語り合うのも素敵だなと思いました。
ミュージアムショップも楽しみですね!気に入った作品が使われたアイテムがあると、つい欲しくなるものです。お手頃なグッズがいろいろと揃っているようなので、あれこれ買ってしまいそうです。
来館者の声:安曇野ジャンセン美術館の魅力と評判
編集部
来館者の方からよく聞く感想を教えてください。
塚原さん
「美術館までのアプローチや森に囲まれた静かな雰囲気が素敵で、ゆっくりと作品を楽しむことができた」とのご感想をよくいただきます。
「ジャンセン以外の作品も一緒に楽しむことができてよかった」といったお喜びの声もいただけています。
編集部
私もインターネットで口コミを拝見したところ、次のようなものを見つけました。
- 森の中にあるので新緑・深緑・紅葉など四季折々の美しさも魅力
- 展示室はほの暗く、展示物にだけ照明が当たっていて別世界に来た気分
- 500号の大きな作品は迫力抜群
- どこか物悲しく惹き込まれる作品ばかり
- 少し影のある作品が美術館の雰囲気にマッチしている
- 喫茶コーナーの壁にも絵がさりげなく飾ってあり嬉しかった
塚原さんが紹介してくださったご感想と同じように、森の中に佇んでいるという自然豊かなロケーションへの好評も多く見られました。
作品の奥深さに感銘を受け、すっかり魅了されているような口コミが多かったです。
リピーターの方もいるようなので、カップルでファンになったら定番のデートスポットになりそうです。
館長インタビュー:安曇野ジャンセン美術館の魅力とカップルへのメッセージ
編集部
デートでの来館を検討しているカップルやご夫婦へのメッセージをお願いします。
塚原さん
ジャンセンはもちろんのこと、それ以外の作家の作品も展示していますので、さまざまな好みや興味を持つ方に楽しんでいただけると思います。美術に詳しくない方でも気軽に楽しめる空間ですので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
編集部
ありがとうございました。
安曇野ジャンセン美術館:アクセス・営業時間・料金などの基本情報
公式サイト | http://www.musee-de-jansem.jp/ |
---|---|
住所 | 〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明4018-6 |
アクセス | 【車】 長野自動車道「安曇野IC」から車で20分 【電車】 JR大糸線穂高駅からタクシーで6分 |
営業時間 | 9:00~16:30まで入館可能 |
休館日 | 年末年始 ※展示替え等で臨時休館の場合あり。事前に公式サイトでご確認ください。 |
駐車場 | あり(無料) |
料金 | ・大人:1,100円 ・小人(小中学生):660円 ※身体障害者手帳のご提示で本人のみ100円割引 |
問い合わせ | 電話:0263-83-6584 |
予約 | 不要 |
比較的空いている時間帯 | 9:00〜10:00頃 |
※最新の情報は公式ホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
美術館周辺のデートスポット:鑑賞後の安曇野観光プラン
安曇野ジャンセン美術館の滞在時間の目安は1〜2時間です。ジャンセンの芸術世界を堪能した後は、周辺の魅力的なスポットにも足を運んでみましょう。
編集部
塚原さん、おすすめのデートスポットを教えていただけますか?
塚原さん
当館の周辺には複数の美術館が点在しているので、美術館巡りをお楽しみいただけます。また、安曇野は蕎麦の名産地としても知られていますので、ランチなどで地元の美味しい蕎麦を味わうのもおすすめです。
さらに、近隣にはしゃくなげの湯や松伯などの日帰り温泉施設もあります。美術鑑賞の後に温泉でゆったりとくつろぐのも素敵な過ごし方だと思います。
おすすめのデートスポット
地元の味「そば処 時遊庵あさかわ」:安曇野の二八蕎麦を堪能
安曇野ジャンセン美術館から徒歩12分のところにある蕎麦屋です。
約1,000坪もの広大な庭があり、四季折々の花や野草が心を潤してくれます。
安曇野の特産であるわさびの花芽の薬味とともにいただく二八蕎麦は感動もの。いつもにぎわっていて少し並ぶこともあるようですが、待ってでも食べる価値ありです。
そば処 時遊庵あさかわ:https://tabelog.com/nagano/
日本近代彫刻の先駆者「碌山美術館」:荻原碌山の作品鑑賞
日本人として初めてロダンに師事し、日本近代彫刻の扉を開いたと言われる彫刻家、碌山の作品と資料を保存している美術館です。
日本近代彫刻の最高傑作のひとつと言われる「女」は息を呑む美しさ!高村光太郎や中原悌二郎などの作品も鑑賞することができます。
安曇野ジャンセン美術館からは車で約7分です。
碌山美術館:http://rokuzan.jp/
安曇野エリアの魅力:温泉や自然を楽しむおすすめデートスポット
アートで心豊かに:安曇野ジャンセン美術館デートプランのまとめと魅力
今回は、安曇野エリアで美術鑑賞を楽しむデートプランを紹介しました。
アートというと、難しそうだと感じる方もいるかもしれませんが、ジャンセン作品の多くは日常の何気ないシーンに焦点を当てています。そんなふとした瞬間の中に潜む、モデルの思いや葛藤などが描かれているので、自分の経験と重ね合わせて共感したり、新たな視点を発見したりと、さまざまな楽しみ方ができるでしょう。
ぜひ美術館を訪れて、自分だけのお気に入りの作品を見つけてみてください。その1枚をじっくりと鑑賞することで、自分の中の新しい一面に出会えるかもしれません。美術鑑賞を通じて、お二人の会話も更に深まることでしょう。