【三重県】鈴鹿市にある「伊奈冨神社」の古式ゆかしい神前式を紹介

今回は、三重県鈴鹿市にある「伊奈冨(いのう)神社」で行う神前式についてご紹介します。

伊奈冨神社は、日本人の食の源ともいえる稲の豊穣を守護される神様をお祀りし、二千年以上の古い歴史がある神社です。

F1日本グランプリなどでも知られる鈴鹿サーキットの近くにあり、伊奈冨神社の周辺には豊かな自然とのどかな田園風景が広がっています

神前式は、長い参道を歩み進む「花嫁行列」から始まる、本格的なスタイルで行われます。

歴史ある神社で厳かな挙式をしたい、静かな環境で心に残る結婚式をしたい、というカップルにおすすめですよ。

今回は、伊奈冨神社の禰宜(ねぎ)である吉田さんに、神社の歴史や特色、神前式についてお話を伺いました。
※)神職の役職の一つ

「伊奈冨神社」は厳かな挙式をしたい方におすすめ

伊奈冨神社の外観と参道の脇に咲く紫ツツジ

「伊奈冨(いのう)神社」は、食物を司る神様を御祭神とし、五穀豊穣、諸業繁栄、良縁成就などのご利益がある神社として、古くから信仰されてきました。

境内には数千本の紫ツツジが群生していて、花の開花時期である4月上旬ごろには、境内一面が美しい紫色に染められることから、別名「ツツジ山」とも呼ばれています。

そんな伊奈冨神社で行われる神前式は、二千余年の歴史を感じながら古式ゆかしく行われます。

100mほどの長い参道を歩く花嫁行列は、境内の豊かな緑に美しく映え、日本の伝統儀式の素晴らしさを実感することができますよ。

それでは、禰宜の吉田さんに伊奈冨神社について詳しく伺っていきましょう。

食を司る神様が御祭神の「稲生の氏神」

伊奈冨神社の正面鳥居から見た外観

編集部

まずは、伊奈冨神社がどんな神社なのか、ご由緒を教えてください。

吉田さん

伊奈冨神社は、稲が生まれる地「稲生(いのう)」の氏神様で、その始まりは約二千百年前、崇神(すじん)天皇5年と云われております。
※)日本の第10代天皇。在位紀元前97年~紀元前30年

伊奈冨神社の御祭神、保食神(うけもちのかみ)である稲生の大神様は、私達の生命の根元である様々な食物をお生みになる「生みの神」として、二千百年の昔より私達をお守りいただいております。
※)日本書紀に登場する食物を司る神

編集部

食物の神様と聞くと、とても身近に感じますね。はるか二千年以上前の人々も現代人も、食が生命の源であることには変わらないので、同じ思いを共有できたような感覚を覚えます。

稲生の地を見守る小高い丘に鎮座

編集部

伊奈冨神社はどんな場所にあるのか、ロケーションや周囲の環境について教えてください。

吉田さん

伊奈冨神社は、鈴鹿の代名詞ともいえる鈴鹿サーキットからも近く、最寄り駅は伊勢鉄道の「鈴鹿サーキット稲生駅」です。

古くから「神路岡(かみじがおか)」と呼ばれる小高い丘に鎮座しており、周辺には稲が生まれる地「稲生」の名前の通り豊かな田園が広がっています。

伊奈冨神社の周辺に広がる田園風景
▲一面に広がる日本の原風景のようなのどかな景色

また、冬場には丘の東から日の出が拝めます。

伊奈冨神社の境内から見た日の出
▲小高い丘に鎮座する境内から日の出が美しく見える

編集部

稲生の神様にふさわしい、心癒される田園風景ですね。そして境内から見る日の出は、他の場所で見るよりも神秘的に感じます。冬に見られるのなら、初日の出を拝むのにピッタリですね。

重要文化財&名勝に指定された美しい境内は見どころ満載

編集部

鈴鹿サーキットをはじめ、自然豊かな鈴鹿エリアに観光に来る方は多いと思います。伊奈冨神社に観光で立ち寄る場合の見どころを教えてください。

吉田さん

伊奈冨神社は、二千百年の歴史を誇る古社として、それを物語る多くの文化財に恵まれています。

国の重要文化財になっている「男神坐像」や「扁額(へんがく)」は大変貴重なものです。
※)門や鳥居など高い位置に掲げる額のこと

伊奈冨神社の男神坐像
▲男神坐像:崇神天皇像とされる平安時代後期の作品

伊奈冨神社に所蔵されている扁額
▲扁額:楷書、行書、草書で「正一位稲生大明神」と書かれている。鎌倉時代の作品

また、「紫ツツジ」の名所としても知られています。毎年見頃を迎える4月にツツジまつりが開催され、大勢の人で賑わいますよ。

>>ツツジまつりの詳細はこちら

伊奈冨神社の境内に紫ツツジが咲き誇る様子
▲境内には数千本といわれる紫ツツジが群生し、春を美しく彩る

弘法大師が一夜にして掘られたとの伝説が残る「古代庭園・七島池」も、日本最古の庭園造りと云われる県指定の名勝です。

伊奈冨神社の境内にある七島池
▲七つの島を浮かべた細長い形の「七島池」

もうひとつぜひ見ていただきたいのが、正面のチタン製の鳥居です。全国的にも数少ない珍しい鳥居ですよ。

伊奈冨神社の境内にあるチタン製の鳥居
▲古き良き伝統と最先端の技術がコラボレーションしたチタン製の鳥居

チタン製の鳥居をくぐると、右手に「紫ツツジ」、左手に「七島池」を眺めながら長い参道を歩くことができます。

伊奈冨神社境内のほぼ全域が県の名勝に指定されているので、広い境内をゆっくりと散策して楽しんでいただけると思います。

編集部

平安時代に遡る文化財から近代技術が使われたチタン製の鳥居まで、見どころのバリエーションが豊富ですね!二千年以上の歴史を誇る神社ならではだと感じました。

そして境内全体が紫ツツジに染まった景色は圧巻ですね。ぜひとも開花時期に訪れてみたいと思います。

伊奈冨神社の神前式は夫婦の誕生を神様と共に祝うもの

編集部

伊奈冨神社の神前式は、どのようなものですか?

吉田さん

伊奈冨神社では、神前式とは新たな夫婦の誕生を神様と共に祝うものと考えています。

「結婚」とはおふたりの「むすび」を意味し、また「むすび」とは新たなるものが「生まれる」ことを意味します。

伊奈冨神社の尊い大神様のご神前で行われる結婚式は、まさに新たな夫婦が「生まれる」こと、そしておふたりの誓いから新たな幸せが「生まれる」ことを、神様と人々が一緒になって祝福するものです。

編集部

神様と共に祝うという捉え方にとても共感が持てました。神前式はハードルが高いのでは?と思っていたカップルにもとても理解しやすいと思います。

格調高く神々しい雰囲気の拝殿

編集部

神前式が行われる場所について教えてください。

吉田さん

伊奈冨神社の神前式は、鎮守の森の中に位置する拝殿で執り行います。拝殿内は、古式ゆかしい建築様式そのままに、まさにご神前であることを実感するような雰囲気に包まれています。

伊奈冨神社の拝殿内
▲窓から差し込む光が幻想的に拝殿内を照らし出す

編集部

マス目に組まれた格子天井は、繊細な技術と制作時間を要するため、格式の高い建物に使われると聞いたことがあります。伊奈冨神社の拝殿が、古くから重んじられていたことが分かりますね。

神前式ができる神社や結婚式場がたくさんある中で、伊奈冨神社はどのような理由で選ばれていると思われますか?

吉田さん

伊奈冨神社ならではの古い歴史、拝殿や参道を含めた境内全域の雰囲気が、悠久の時を感じさせるところだと思います。

編集部

紡いできた歴史が醸し出す雰囲気は、決して他では真似できない魅力ですよね。

伊奈冨神社の神前式は、どんな結婚式を希望するカップルに向いていると思いますか?

吉田さん

本格的な神前での結婚式を、きちんとした形で挙げたいとお考えのカップルに向いていると思います。

伊奈冨神社では、伝統に基づく厳粛な儀式でありながらも、ご両家がより一層近づけるような挙式を行いますので、家族やご友人たちに見守られながらアットホームな式をしたい、とお望みのカップルにも向いていると思います。

編集部

心地よい緊張感と心あたたまる場面、両方の要素がある結婚式が叶うということですね。

鎮守の森との一体感を感じる神前式

編集部

伊奈冨神社で行われる神前式の、具体的な流れを教えてください。

吉田さん

まず儀式に先立ち、長い参道をご両家の列がゆっくりと進み、境内の雰囲気を感じながら拝殿へとお入りいただきます。

伊奈冨神社の神前式参進の様子
▲参進の儀(花嫁行列)で一歩ずつ拝殿へと歩んでゆく

神前式を行う拝殿は、時期によっては戸を開け放つことで、屋内に居ながらにして鎮守の森の空気を感じることができます。

伊奈冨神社の拝殿内で儀式を行う神職
▲ピンと張りつめた静寂な空間で、ふたりが結婚することを神様に奉告

伊奈冨神社の拝殿内で神前式が行われている様子
▲親族だけでなく友人たちも参列することができる

また挙式中は、希望により雅楽の生演奏を行うこともできます。

伊奈冨神社の拝殿内で巫女が舞を奉納している様子
▲雅楽に合わせて巫女が舞を奉納する

編集部

花嫁行列や巫女さんの舞など、これぞ日本の結婚式という雰囲気で憧れますね。後世にずっと受け継いでいってほしい文化だと思います。

伊奈冨神社の神前式を通して、どんなことを感じてほしいと思われますか?

吉田さん

伊奈冨神社の特徴といえば、歴史の古さと鎮守の森との一体感を感じる拝殿だと思っています。

挙式中は、拝殿へと参進する参道から殿内に至るまで、神気漂う雰囲気を全身で感じていただきたいと思います。

伊奈冨神社の参道
▲長い参道をゆっくり歩みを進めながらハレの日の喜びを感じて

編集部

花嫁行列で100mほどの長い参道を歩きながら、境内に満ちた神々しい空気や美しい自然をゆっくりと味わうことができるでしょうね。

四季を通して美しい景色が見られる境内

編集部

境内全体が名勝に指定されている伊奈冨神社ですが、季節によってどんな雰囲気に変わっていくのでしょうか。

吉田さん

伊奈冨神社の鎮守の森は、季節に関わらず自然の瑞々しさを感じていただけます。4月上旬から中旬にかけては境内全域の紫ツツジが満開を迎え、境内中が紫色に染まります。

伊奈冨神社の境内に紫ツツジが咲き誇る様子
▲満開の紫ツツジは圧巻の眺め!

花の時期を過ぎると、次は新緑鮮やかな境内へと様変わりします。

伊奈冨神社の境内が新緑に包まれている様子
▲生命力がみなぎる新緑の季節も結婚式にぴったり

伊奈冨神社の秋の境内
▲秋が進むにつれ、赤や黄に染まる紅葉も見られる

伊奈冨神社の冬の境内
▲うっすらと雪が積もった境内もまた風情がある

編集部

趣ある社殿と季節を彩る自然とのコントラストが美しいですね。

吉田さんが結婚式でおすすめしたい季節はいつですか?

吉田さん

ツツジや桜の花盛りの時期はもちろんおすすめしたいですが、神社のお祭りの時期とも重なるので、とても混雑することがあります。

花の季節が終われば人の出も落ち着きますし、瑞々しい緑が鮮やかな新緑の季節が、気候的にもおすすめになるかと思います。

編集部

ツツジや桜の時期はとても美しい写真が撮れるので、希望する方も多いでしょうね。花の季節に前撮りだけ実施して、挙式を別の季節に行えば、違った魅力も味わえて良いなと思いました。

衣裳の紹介可能&撮影は誰でもOK

編集部

衣裳やヘアメイクをお願いすることはできますか?

吉田さん

伊奈冨神社自体での衣裳貸し出しはございません。ご希望の方には提携業者を紹介させていただいております。ヘアメイクも同様です。

編集部

写真撮影についてはどうでしょうか?

吉田さん

撮影に関しても、ご希望であれば業者をご紹介することも可能ですが、伊奈冨神社では、式中の一部を除き、写真や映像の撮影はどなたでも自由に行っていただいております。

おふたりの人生でも、大変貴重な機会となる結婚式は、ご親族の皆様、ご友人の皆様にとっても大切な時間ですので、余すところなく、自由にたくさん撮影をしていただきたいと考えています。

編集部

神社によっては、提携カメラマン以外は撮影不可という場合もあるので、誰でも撮影自由というのは嬉しいと思います!今はカメラの性能がとても良いので、一般の方でも十分素敵なお写真を撮れるのではないでしょうか。

挙式前や挙式後、ご家族の記念写真などにおすすめの撮影スポットはありますか?

吉田さん

伊奈冨神社で前撮りを希望される方は、境内の至るところで撮影が可能です。特に、木々に囲まれた長い参道、拝殿前や拝殿内で絵になるシーンを撮っていただけると思いますよ。

伊奈冨神社の境内の長い参道
▲真っすぐに伸びる参道は写真に奥行が出る絶好のフォトスポット

挙式当日は、式後に拝殿前での集合写真を撮られる方が多いですね。

伊奈冨神社の拝殿前で記念写真を撮っている様子
▲拝殿前が緩やかな階段になっているので写真に立体感が出る

編集部

写真に残したくなる素敵なスポットがたくさんありますね。やはり当日だけでなく、前撮りでゆっくり撮影を楽しむことをおすすめしたくなります!

伊奈冨神社を利用した人の声!「雰囲気が良かった」

編集部

伊奈冨神社で実際に結婚式を挙げた新郎新婦からの感想で、印象に残っている言葉はありますか?

吉田さん

「伊奈冨神社を選んで、ここで式を挙げられて本当に良かった」という言葉は大変誇らしく、心に残っています。

また、結婚式をきっかけに、お宮参り、七五三、厄祓いなどの節目の行事にご来社される方も多く、喜ばしく感じております。

編集部

数ある神社の中で選ばれたことも光栄ですし、結婚式後にも家族の成長を報告しに来てくれることが何よりも嬉しいですね。

神前式に参列されたゲストの方々からは、どんなお声が寄せられますか?

吉田さん

はい、以下のようなお言葉をいただいています。

アイコン
今まで知らない神社だったけど、雰囲気が良かったのでまたお参りに来ます
アイコン
周辺道路がかなり狭く心配でしたが、来てみると大変大きなお社でびっくりしました

編集部

神社に来る前と来た後の、良い意味でのギャップに驚かれているようですね。神前式は、伊奈冨神社のことを知らなかった方との縁を繋ぐ大切な機会でもありますね。

毎年紫ツツジを見に神社に訪れる人が多数!

編集部ではさらに、伊奈冨神社に参拝された方の口コミをGoogleマップなどで調べてみましたので、一部を要約してご紹介します。

アイコン
毎年紫ツツジを見に行くのが楽しみ
アイコン
いつ訪れても境内がキレイに手入れされている
アイコン
神社と自然が一体になっていて居心地が良い

やはり紫ツツジの美しさを称賛する声がとても多く、例年通っている方も少なくないようです。

また、ツツジの開花時期で混み合う時には、地域の方々がボランティアで駐車場の案内をするという口コミもあり、地元に愛されている神社であることが改めて分かりました。

結婚式を考えているカップルへのメッセージ

編集部

最後に、これから結婚式のことを考えるカップルへのメッセージをお願いします。

吉田さん

確たる歴史のある伊奈冨神社は、神気に満ちた境内や社殿において、本格的な式を挙げられるお宮です。

決して規模の大きなお宮ではありませんが、真心をこめたご奉仕をさせていただきます。

編集部

結婚式は新しい夫婦の誕生を祝うもの、儀式を行う場所の立派さや規模の大きさではなく、おふたりの幸せを願う心が一番大切だと思います。

本日は参考になるお話をたくさんお話いただきまして、ありがとうございました!

伊奈冨神社の基本情報

伊奈冨神社の境内に紫ツツジが咲き誇る様子

伊奈冨神社の境内にあるチタン製の鳥居

伊奈冨神社の拝殿内

伊奈冨神社の紫ツツジに囲まれて舞う巫女

伊奈冨神社の鳥居と桜

おすすめポイント
  • 名勝に指定された美しい境内が魅力的
  • 生命の根源「生みの神様」の御前で挙式できる
  • 挙式中の一部を除き写真撮影は自由!美しいシーンをたくさん残せる
挙式スタイル 神前式
対応人数 ~50名程度
予算目安 初穂料5万円~

住所 〒510-0204
三重県鈴鹿市稲生西2-24-20
アクセス

【電車】
・伊勢鉄道「鈴鹿サーキット稲生駅」より徒歩5分
・近鉄「白子駅」よりCバス「ベルシティ行き」10分、「稲生局前」下車徒歩5分

【車】
・鈴鹿I.C.より、鈴鹿サーキット方面へ車で30分

電話番号 059-386-4852
駐車場 約50台あり
付帯設備 ・新郎新婦控室(10名程度)
・親族控室(40名程度)
衣裳・ヘアメイク 提携先なし、紹介可能
写真 提携先なし、紹介可能
公式サイト https://inou-jinja.com/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。

まとめ:伊奈冨神社で由緒ある神前式を挙げよう

今回は、三重県鈴鹿市にある「伊奈冨神社」で行う神前式の魅力についてご紹介しました。

伊奈冨神社には、二千百年もの歴史があり、社殿や境内全体に、長い歴史を感じさせる趣が漂っています。

また、伊奈冨神社の境内や裏山一帯には、数千本の紫ツツジが群生し、春の開花時期には辺り一面が紫色に染まることから、別名「ツツジ山」と呼ばれ親しまれています。

古式ゆかしいスタイルで行われる神前式は、厳粛ながらも両家の結びつきを感じることができる、あたたかな雰囲気です。

三重県内で結婚式を考えているカップルは、ぜひ参考にしてください。