【広島】平山郁夫美術館で芸術鑑賞!尾道市・生口島の自然も楽しむカップルデート
今回は広島県尾道市にある「平山郁夫美術館」を中心に巡る、自然とアートを楽しむデートプランを紹介します。
美しい風景画や平和への祈りが込められた絵画を鑑賞しながら、穏やかで優しい気持ちになれるデートを楽しめます。
また、美術館のある生口島(いくちじま)はフォトジェニックなスポットがたくさんあることでも知られています。島の豊かな自然に触れながらアートを楽しみ、思い出に残る写真をたくさん撮れるデートをご紹介します。
おすすめカップル:アートや自然、写真撮影が好きなカップル
どんなデート?:学び、自然、体験
目安時間:半日
目安予算:5,000円/1人
平山郁夫美術館を中心とした芸術と自然のフォトジェニックデートプラン
今回メインで紹介する「平山郁夫美術館」は、心が穏やかになるような美しい絵画を鑑賞できる美術館です。周辺にはデートにおすすめのスポットがたくさんあるので、美術館を中心に半日楽しめるようなデートプランを考えました。
11:00~12:00 | 「御食事処ちどり」でランチ |
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12:00~13:00 | 「平山郁夫美術館」到着、展示内容を楽しむ |
13:00~14:00 | 美術館併設の「喫茶オアシス」で休憩 |
15:00~17:00 | 「未来心の丘」でアートや写真撮影を楽しむ |
※移動時間は省略しています
平山郁夫美術館がある生口島は、自転車に乗って約3時間で一周できる小さな島です。レモンの出荷量が日本一であることから「レモンの島」とも呼ばれています。
時間に余裕があれば、美味しいレモングルメを味わいながら、のんびりと島を散策するのもおすすめです。爽やかなレモンの香りに包まれて、心身ともにリフレッシュできるデートが楽しめます。
では、さっそくメインとなる平山郁夫美術館の解説に移りましょう。
世界平和への祈りが込められた「平山郁夫美術館」の魅力
▲展示室は、全3部屋。それぞれ違うテーマの作品が鑑賞できます
広島県尾道市にある「平山郁夫美術館」では、日本画家・平山郁夫の絵画が展示されています。
美術館では瀬戸田の風景画やシルクロードシリーズなど、代表作を鑑賞できるだけでなく、下絵や遺品なども展示されているため、平山郁夫の生涯と芸術性を深く理解することができます。
特に注目すべきは、幼少期に描かれたスケッチや絵日記です。10歳の頃の作品からすでに独特の絵のタッチや色使いが見られ、13歳の頃に描いた人物画は驚くほど成熟した技術を示しています。
館内では、フラッシュを使用しなければ撮影が可能です。2人でお気に入りの絵画を撮影し、その後喫茶店で感想を語り合うのも素敵なデートプランになるでしょう。
今回は「平山郁夫美術館」の学芸員である幸野さんにお話を伺いました。
幼少期から晩年までの作品展示:平山郁夫の芸術人生を辿る
編集部
平山郁夫美術館は美しい日本庭園に囲まれており、とても穏やかな気持ちで絵画を鑑賞できる美術館ですね。
改めまして、平山郁夫美術館で展示している作品についてご紹介ください。
幸野さん
当館では平山郁夫の日本画作品を展示しています。
平山郁夫が幼少の頃に描いた絵画や絵日記、東京藝術大学の助手時代に描いた瀬戸内の風景、そしてシルクロードを描いた代表作などを鑑賞できます。
また当館は平山郁夫の生地にあります。平山の美意識を育んだ風景を体験しながら代表作をご覧いただけるのも、当館の魅力の1つです。
▲展示室には、平山郁夫の作品がずらり。大作は迫力満点!
平山郁夫は日本文化の源流を求めてシルクロードを旅し、作品を描いてきました。旅の中で、自然劣化や内戦等によって崩壊の危機に瀕している文化財を目の当たりにし、その保護活動にも取り組みました。
文化財赤十字を提唱し、文化財の保護を通じて世界の人々の相互理解と交流を深めることが世界平和につながると考えて活動してきました。この背景には、中学時代の被爆体験があります。平山郁夫が作品に込めた平和への祈りを感じてほしいと思っています。
編集部
美術館のあるこの地で平山郁夫が美意識を育んできたことは、とても感慨深いですね。また、画家としてだけでなく、文化財の保護活動にも取り組んできたのですね。シルクロードの絵からは穏やかな世界観が伝わってきます。
美術館には数々の名作があるかと思いますが、その中で幸野さんのお気に入りの展示があれば、詳しく教えてください。
幸野さん
私が好きな作品は、平山郁夫が小学4年生のときに描いた「絵日記」です。夏休みなどの長期休暇中に毎日描いていたものです。
母親に見せて、「よし」と言われるまで遊びに行けなかったそうですが、この絵日記を描くことで、画家としての基礎訓練になると同時に「物事を辛抱しながらやり遂げる」という躾もされたそうです。平山郁夫の基礎を作った絵日記だと言えます。
編集部
平山郁夫美術館は展示内容はもちろんですが、建物の設計や庭園にもこだわりがあるそうですね。
幸野さん
当館は平山郁夫の絵画作品を展示するために設計された日本画専門の美術館です。建築設計は両国国技館を設計した今里隆氏によるものです。
また、日本庭園は平山郁夫が幼少の頃に見て美意識を育んだ、瀬戸内海の海と島をモチーフにしています。
編集部
庭園は平山郁夫の原点である故郷をモチーフにしているのですね。緑豊かな日本庭園は美しく、眺めているとほっと穏やかな気持ちになってきます。
注目の企画展:「風神雷神図屏風」の陶板再現展示
編集部
平山郁夫美術館で開催されている企画展について教えてください。
幸野さん
年に2回、主に春と秋に企画展を開催しています。
過去には、中国の砂漠の大画廊と呼ばれ、仏教美術の宝庫である「敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)」を最新のデジタル技術で再現したスーパークローン文化財の企画展を行いました。このスーパークローン文化財技術により、壁画の色彩や質感まで精密に再現することができます。
2022年の春には、俵屋宗達と尾形光琳が描いた「風神雷神図屏風」の陶板再現の展示をしました。国宝級の作品を間近で鑑賞できる貴重な機会となりました。
令和4年11月28日(月)~令和5年3月15日(水)には、「平山郁夫の文化財保護活動と平和の祈り」展を開催しています。平山郁夫がシルクロードを旅する中で見た、内戦の爪痕を取材したスケッチなどを紹介しています。この展示を通じて、平山郁夫の平和への願いと文化財保護の重要性を感じ取ることができます。
編集部
様々な時代や地域の芸術作品を最新技術で再現し、身近に体験できる機会を提供されているのですね。現在の展覧会も、平山郁夫の思いが詰まった貴重な作品群を見られる興味深い内容だと思います。
カップルで楽しめる日本画・模写体験ワークショップ
編集部
平山郁夫美術館では、カップルで楽しめるワークショップなどは実施されていますか?
幸野さん
期間限定で、日本画教室や模写教室を開催しています。これらは初心者の方でも気軽に参加できる内容となっています。
編集部
日本画教室や模写教室は、習い事として教室に通うとなると道具がたくさん必要そうでなかなか手が出せないので、体験としてできるのはとても嬉しいです。デートで参加しても楽しいでしょうね。
幸野さん
また第3展示室では年に一度、軽音楽やクラシックのコンサートも開催しています。美術館で絵画を鑑賞したあとにコンサートと、心が洗われる一日になるのではないでしょうか。
編集部
デートで訪れた場合、その思い出を写真におさめたいというカップルは多いと思いますが、写真撮影できるスポットはありますか?
幸野さん
平山郁夫の作品を含めて、館内では写真撮影が許可しております。日本を代表する画家の作品と一緒に写真を撮ってください。ただし、他の来館者の迷惑にならないよう、フラッシュ撮影はご遠慮いただいています。
美術館で楽しむオリジナルグッズとレモングルメ
▲レモンの飾りで爽やかな雰囲気漂う喫茶オアシス。
編集部
平山郁夫美術館には、絵画鑑賞のあとにゆっくりとくつろげる「喫茶オアシス」があるそうですが、どんなメニューがありますか?
幸野さん
地元の瀬戸田レモンを使ったレモンティーやレモンスカッシュ、レモンケーキ、季節のメニューを提供しています。
また、シルクロードをイメージしたチャイや、企画展にちなんだメニューも用意しています。
▲平山郁夫美術館の作品について語り合うのに最適な空間!
編集部
瀬戸田はレモンの出荷量が日本一なんですよね。レモンの名産地ならではのメニューが楽しめそうです。カップルでそれぞれ違うメニューを注文して、食べ比べするのも面白そうですね。日本庭園を眺めながらチャイをいただくのも、ユニークな体験になりそうです。
また、美術館を訪れた記念にお土産を買って帰る人も多いかと思いますが、ミュージアムショップではどのようなグッズが販売されていますか?
幸野さん
平山郁夫作品の絵葉書やカレンダー、書籍等を販売しております。当館オリジナルの「平山郁夫作品集」が好評です。
▲平山郁夫の作品集や絵葉書などが購入できるミュージアムショップ
編集部
ミュージアムショップでは作品をモチーフにしたグッズの購入ができるのですね。作品集があれば自宅でも平山郁夫の絵画を楽しめるので、人気なのも納得です。
来館者の声:平山郁夫美術館の魅力と感想
編集部
来館された方からよく聞く感想や、嬉しい声などがあれば教えてください。
幸野さん
「良質な木材をふんだんに使った暖かみのある展示室で、ゆっくり作品が鑑賞できる」と喜んでいただけています。また、大作を間近で見られることで、作品の迫力を体感できるとの声も多く頂いています。
編集部
瀬戸田の穏やかな雰囲気に合った展示室は、訪れる人の心を落ち着かせてくれますね。間近で鑑賞する平山郁夫の作品からは、迫力と同時に優しさが伝わってくるように感じます。
SNSで話題の平山郁夫美術館:美しい風景画と癒しの空間
編集部でもGoogleの口コミやポータルサイト、SNSなどでリアルな感想を調べましたので、要約して紹介します。
- 瀬戸田の風景画が印象的でした。平山郁夫さんの故郷への深い愛着が作品を通じて伝わってきます。
- 平山郁夫さんの幼少期の作品から、既に卓越した才能が感じられました。美術館訪問を機に、平山郁夫が私の最も好きな画家になりました。
- 美術館は規模こそ大きくありませんが、静かな環境で作品に集中できます。美術館までの道中の景色も含めて、心が癒される素晴らしい体験でした。
平山郁夫の作品はシルクロードシリーズが有名ですが、美術館を訪れた多くの方が瀬戸田の風景画に心惹かれたと感想を述べています。また、日本庭園や生口島自体の景色が美しく、訪れる人に癒しを与えているようです。ぜひ、実際に足を運んで、作品と周辺の自然美を体感してみてください。
学芸員からのメッセージ:カップルで楽しむ平山郁夫美術館
編集部
平山郁夫美術館への来館を検討しているカップルへ向けて、メッセージをお願いします。
幸野さん
シルクロードを歩きながら、平和の祈りを込めて絵を描き続けた平山郁夫の生涯がわかる美術館です。平山の作品には、中央アジアの風景や人々の姿が多く描かれており、異文化への深い理解と尊重が感じられます。
世の中にはまだまだいろいろな争いごとがありますが、平和な世界を願った平山が描き出す空間に浸っていただければ嬉しいです。カップルの皆さまには、作品を通じて互いの価値観や平和への思いを共有する機会になればと思います。
編集部
本日はありがとうございました。平山郁夫美術館は、芸術を通じて平和について考え、お二人の絆を深める素晴らしい場所になりそうですね。
平山郁夫美術館:アクセス・営業時間・料金情報
住所 | 〒722-2413 広島県尾道市瀬戸田町沢200-2 |
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アクセス | 【船】 ・瀬戸田港から徒歩10分 【バス】 ・生口島からタクシーで15分 【車】 ・しまなみ海道生口島北ICから12分 ・しまなみ海道生口島南ICから15分 ・瀬戸田沢港から4分 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 原則無休 |
駐車場 | 専用駐車場(無料) ※乗用車約40台まで駐車可能 |
料金・予算 | 一般:920円 大学・高校生:410円 中学・小学生:210円 |
公式ページ | https://hirayama-museum.or.jp/ |
※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
平山郁夫美術館周辺のおすすめデートスポット
平山郁夫美術館の滞在時間は約40~60分です。
近隣エリアにはイタリアの白い大理石と瀬戸内の海のコントラストが美しい「彫刻庭園」など、魅力的なデートスポットがあります。美術館と合わせて訪れることで、より充実した時間を過ごせるでしょう。
周辺のおすすめデートスポット
芸術作品の鑑賞だけでなく、尾道市の豊かな自然や郷土料理も2人で堪能しながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
純白の芸術空間「未来心の丘」:フォトジェニックなデートスポット
「未来心の丘」は平山郁夫美術館から車で2分の場所にある、大理石で造られたアートが楽しめるスポットです。純白の大理石は光が当たると眩しく輝き、日本にいることを忘れさせるような非日常的な空間を体験できます。
使用されている大理石は全てイタリアから運ばれてきたもので、各モニュメントは精巧に造形されています。丘全体がひとつの大きな芸術作品として完成されており、訪れる人々を魅了します。モニュメントの間から顔を覗かせたり、上に登ったりと、ただ鑑賞するだけでなく、自分自身も作品の一部となって楽しめるのが特徴です。
真っ白な大理石を背景に撮影した写真は、まるで海外リゾートにいるかのような雰囲気を醸し出し、フォトジェニックな画像を多数撮影することができます。他では得られない独特な写真が残せるため、カップルのデート記念には最適のスポットといえるでしょう。
公式サイト:https://www.kousanji.or.jp/hill_of_hope.html
生口島の郷土料理を楽しむ「御食事処ちどり」
ランチには郷土料理が味わえる「御食事処ちどり」がおすすめです。ちどりは昭和40年(1965年)から続く老舗のお食事処で、島の二大特産物「蛸」と「レモン」を使った料理が楽しめます。生口島の清浄な水で育ち、豊富な餌を食べ、潮流に揉まれた蛸は、とても味わい深いのが特徴です。
ちどりの看板メニュー「蛸飯」は創業当初から受け継がれる伝統の味です。サクサクの衣ととろとろの卵、ぷりぷりの蛸の食感が絶妙に調和し、絶品の一品となっています。
また、しまなみ海道名物のレモン鍋は、爽やかな風味とSNS映えする見た目が魅力的です。人気メニューのため数に限りがあるので、ぜひ予約をしてから訪れることをおすすめします。
公式サイト:http://chidori-onomichi.com/index.html
まとめ:平山郁夫美術館で楽しむ芸術と自然のハーモニー
今回は、平山郁夫美術館を中心に生口島のデートスポットをめぐるプランを紹介しました。広島県尾道市にある生口島は、瀬戸内海に浮かぶ美しい島で、芸術と自然が調和する魅力的な場所です。
2人で「平山郁夫美術館」の平和を祈る絵画を鑑賞したあとは、島内の他のスポットも巡ってみてください。レモンの産地として有名な生口島ならではの、爽やかな香りに包まれながら、ゆっくりと島の魅力を満喫してください。芸術鑑賞と島の自然を楽しむ、フレッシュで心に残るデートになることでしょう。