箱根ドールハウス美術館で楽しむミニチュアの世界!温泉も満喫できる日帰りデートプラン

この記事では、観光地として人気がある箱根町「芦之湯(あしのゆ)」で、美術館と歴史的な文化財(*1)、「箱根ドールハウス美術館」、日帰り温泉を楽しむデートプランを紹介しています。

最初に訪れる予定のスポットは、テレビで何度か紹介されたことがある「箱根ドールハウス美術館」です。日本で唯一のミニチュアを専門とした美術館で、さまざまな国や年代のドールハウスを見ることができます。

こちらの美術館は写真撮影が許可されており、「美術館は少し入りづらい」という人も、作品を眺める以外の楽しみ方ができます。カフェも併設されているオシャレな雰囲気の美術館なので、デートにぴったりのスポットです。

今回は、学芸員の小山さんに魅力を教えていただきながら「箱根ドールハウス美術館」デートの楽しみ方を解説します。

※最新の営業時間については、公式ホームページをご覧ください。
(*1)人間の文化的な活動から生み出され、残されているもののうちで歴史的・文化的に価値が高いもの。

このデートプランの特徴
向いている年代:20歳〜39歳
おすすめカップル:歴史や美術品が好き、アクティブな人
どんなデート?:学びながらくつろぐ
目安時間:1日
目安予算:7,000円程度(1人分)

箱根ドールハウス美術館と温泉を楽しむ芦之湯デートプラン概要

紹介するのは、美術館と歴史スポット、温泉旅館をめぐるデートコースです。どれも箱根湯本駅から車やバスで約1時間で行けるスポットばかり。1日で「芦之湯(あしのゆ)」の魅力を堪能できる、少し贅沢なデートプランです。箱根の自然と文化を楽しみながら、二人の絆を深められる内容となっています。

10時 箱根湯本駅集合
10時半~12時 美術館を見学する
12時~13時 カフェで昼食タイム
13時~14時 歴史散策
14時~ 日帰り温泉で疲れを癒す

予算は、美術館とランチ代・温泉の代金で1人7,000円ほど。半日~1日で、美術館での芸術鑑賞や歴史資料からの学び、そして日帰り温泉でのリラックスが体験できます。カップルで楽しめる多彩な要素が詰まったプランです。

では、最初に訪れる予定の「箱根ドールハウス美術館」について解説します。この美術館は、箱根の自然に囲まれた静かな環境にあり、二人で落ち着いて芸術を楽しむのにぴったりです。

箱根ドールハウス美術館の魅力と見どころ

神奈川県足柄下郡箱根町にある箱根ドールハウス美術館の外観

今回は、「箱根ドールハウス美術館」の学芸員をされている小山さんに、施設の魅力や特徴についてお伺いしました!

編集部

ドールハウスの美術館は珍しいですね。館内にはどのような作品が展示されているのでしょうか?

小山さん

当館は日本で唯一のドールハウス・ミニチュア専門の美術館です。ドールハウスとは「小さな家」を意味し、実物の家を1/12サイズに縮小したものです。ミニチュアの家具や日用品が詰まった、夢のある美術工芸品です。当館に展示されているドールハウスをいくつか紹介します。

  • ヴィヴィアングリーン・コレクション
  • モッツ・ミニチュアコレクション
  • ハスケルハウス
  • トーマス・ハーディーの生家
  • フォーティーウィンクス
  • モトロポリタン美術館
  • エルム・ウッド・スクールハウス
  • チューダー様式の家
  • コーンウォールの藁葺き屋根の家
  • ヒルトップハウス

イギリスの「ヴィヴィアングリーン・コレクション」やアメリカの「モッツ・ミニチュアコレクション」は、世界二大コレクションと称されている作品です。

当館の展示品は、館長が20年以上かけて世界中から集めたプライベートコレクションばかりです。当館でしか見られない貴重な芸術品を多く展示しております。

展示品のハスケルハウス
▲200年以上前に作られたアンティークな「ハスケルハウス」

編集部

ドールハウスの歴史は古く、16世紀頃にドイツの貴族が娘のおもちゃとして職人に作らせたのが始まりだそうですね。実物の1/12のサイズということで、想像以上に大きいのですね。

多くの女性は、幼い頃にリカちゃん人形やシルバニアファミリーなどのドールハウスで遊んだ経験があるのではないでしょうか。最近では、ホームセンターや雑貨店でもミニチュアの屋台や建物を手作りできるキットが人気です。

世界的に有名なドールハウスが一度に見られるのは貴重な機会ですね。海外旅行や留学の経験があるカップルなら、ドールハウスをきっかけに思い出話に花を咲かせることができそうです。

ドールハウスで学ぶ歴史とカップルで楽しめる作品

編集部

こちらの美術館は、どのような楽しみ方ができるのでしょうか?

小山さん

当館では、次の6つの楽しみ方ができます。

  • 学ぶ
  • 見る
  • 旅する
  • 集める
  • 遊ぶ
  • 作る

当館には、世界各国のドールハウスが展示されています。国ごとに文化が違うので、作品から「その国ならでは」の生活様式や歴史を学ぶことができます。

現在は、「旅するドールハウス」をテーマにした展示を実施中。作品を国別にご紹介することで、国ごとの特徴を比較しながら、ちょっとした旅気分を味わっていただけます。

また、歴史的に有名な作家から現代の作家まで、幅広い年代のドールハウスを展示しているのも当館のイチオシポイントです。ドールハウスが制作された当時の時代背景も学ぶことができ、当時の人々がどのような暮らしをしていたのかが分かります。

さらに、遊び心のあるユニークな作品も展示されていますので、鑑賞しながらワイワイと盛り上がっていただけます。写真撮影も可能ですので、ぜひ作品をカメラにおさめてくださいね。

施設の中にある専門ショップでは、作家さんの作品や制作キットなどが購入でき、ドールハウスを集めている方々からも好評です。

現在は休止しておりますが、不定期でドールハウス作家さんや木工作家さんを講師にお呼びして、作る楽しさを味わえるワークショップを行っています。

編集部

一つ一つの作品にはそれぞれ作者がいます。世界中のドールハウスが集められた美術館だからこそ、国ごとの歴史や文化に触れられるのも魅力です。

とくに、イギリスの産業革命下における都市労働者の生活を表現した「フォーティーウィンクス」は衝撃的でした。今にも壊れそうな建物の様子や破れた布が、生活の貧しさを物語っており、非常に勉強になりました。

小山さんは、来館された方々にどのようなことを感じてほしいとお考えでしょうか?

小山さん

当館の展示品をご覧いただき、それぞれの作品に込められた作者の温かい愛情や国ごとの歴史、エピソードを感じとっていただきたいと思っています。

また、ドールハウスを鑑賞することで、ご自身がミニチュアを集め、作っていた頃を懐かしく思い出していただければ嬉しいです。

編集部

ミニチュアは、誰もが一度は夢中になるものですよね。幼い頃に、ミニカーや人形の家具をコレクションしていた人も少なくないのでは?

美術館は、静かに作品を鑑賞するイメージがあります。しかし、ドールハウス美術館には遊び心のある作品があり、鑑賞しながらワイワイ楽しめるのも大きな魅力。

例えば、展示品の「モトロポリタン美術館」は、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館をもじったものです。中には、フランスのルーブル美術館に展示されている有名絵画も飾られているそう。もちろんミニチュアです!

歴史を学べる作品から思わずクスッと笑ってしまうユニークな作品まで、カップルで充実した時間を過ごせそうですね。ちなみに、小山さんはどの作品がお気に入りですか?

小山さん

私のお気に入りの作品は、モッツミニチュアコレクションの「モッツ雑貨店」です。世界的にも評価されているドールハウスで、非常に見ごたえのある作品となっております。

このドールハウスの中には、日本のミニチュアも飾られています。たとえば、栃木県の日光東照宮に彫られている「三猿(さんざる)」(*2)のミニチュアがありますよ。

来館された際には、ぜひお2人で協力して見つけてくださいね!

(*2)3匹の猿が、両手でそれぞれ目と口、耳をおさえる様子。「見ざる・言わざる・聞かざる」という優れた知恵を表しているとされている。

編集部

まるで本物の雑貨店みたいですね!クオリティが高すぎて、人の手で作られたとは思えないほどです。

モッツ雑貨店は、アメリカのモッツ夫妻の作品です。モッツ夫妻は、ミニチュア作家でもあり、コレクターでもあったそうですよ。

これだけの商品の中から「三猿」を見つけ出すのは大変そうです。でも、人混みの中からウォーリーを見つける絵本「ウォーリーを探せ!」みたいで面白そうですね。カップルで、どちらが早く「三猿」を見つけられるか競争するのもおすすめです。

四季を楽しめる透明ドーム型施設:旧植物園の魅力

編集部

箱根ドールハウス美術館は、植物園の跡地に建てられたと伺いました。植物園ならではの透明感のあるドーム型の施設がオシャレですね。

雨の日に立ち寄っても十分楽しめそうです。訪れる時期や季節、天気などによって、違った楽しみ方ができるのでしょうか?

美術館を入ってすぐにあるギャラリーショップ▲ミニチュア作家オリジナルの作品や制作キットなどが購入できるギャラリーショップ

小山さん

当館は、眺めが美しい箱根の自然に囲まれている美術館です。季節の移り変わりとともに、四季折々の風景をご覧いただけます。

植物園の温室をそのまま利用しているため、雨の日は雫が流れる風景が幻想的です。晴れの日は太陽の陽射しが館内を明るく照らしてくれますよ。

編集部

季節や天気によって見える景色が変わるのは、植物園の跡地にできた美術館ならではの魅力ですね。館内も、ナチュラルで可愛らしい雰囲気です。

オリジナル紅茶が楽しめる併設カフェの魅力

編集部

美術館を見学した後に、立ち寄って休憩できる場所はありますか?

小山さん

施設内にはショップとカフェがございます。ショップではミニチュア関連の商品はもちろんのこと、小田原の木工作家によって制作された寄木細工の商品や書籍もございます。

カフェでは、コーヒーや紅茶などの飲み物と、カレーやケーキなどの軽食をご用意しておりますよ。

カフェ「ChaCha」の入口風景▲美術館オリジナルの紅茶や軽食が味わえるカフェ「ChaCha」

編集部

神奈川県小田原市は、寄木細工で有名ですよね!寄木細工は、国の伝統的な工芸品にも指定されています。

カフェでは美術館オリジナルの紅茶が飲めるとお聞きしました。Instagramでは、自家製のアップルパイやケーキの写真が紹介されていますね。

来館者の声:箱根ドールハウス美術館の評価と感想

編集部

来館された方からは、どのような感想がありますでしょうか?

小山さん

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貴重な作品をたくさん見せてもらった
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想像していた以上の作品で驚いた
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館内が広く、ゆったりとした時間が楽しめた

などのお声をいただいております。来館者の多くはドールハウスやミニチュア愛好家で、中にはご自身で制作されている方もいらっしゃいます。

カップルはもちろんのこと、小さなお子様連れのご家族やご夫婦まで、幅広い年代の方々に楽しんでいただける美術館です。展示物の細かな作りや、繊細な表現に、多くの方が感動されています。

編集部

インターネット上でも、次のような感想が見られました。

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空いていて、ゆったりと見学できた
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撮影OKで、素敵な写真がたくさん撮れた
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初心者でも自作できるキットを販売していた

自由に撮影できることは、利用された方たちから特に好評です。各種SNSでも、たくさんの写真が投稿されています。

おしゃれな写真が撮れるので、カメラ好きのカップルにもおすすめです。思い出に残る素敵なデートスポットとして人気を集めています。

箱根ドールハウス美術館学芸員からのメッセージ

編集部

デートでの来館を検討しているカップルやご夫婦に向けて、メッセージをお願いします。

小山さん

世界中のドールハウスやミニチュアを一度にご覧いただけるのは、当館だけです。作品の素晴らしさに触れて歴史や時代背景などが学べるため、知的で実りのあるデートをしていただけると思います。

展示品を通して、ご自身がミニチュアを集めたり作っていたりした頃を懐かしんでいただけるかもしれません。また、初めてドールハウスを見る方でも、その繊細な世界観や精巧な作りに魅了されることでしょう。箱根にいらした際は、ぜひお二人でお立ち寄りください。新しい共通の趣味が見つかるかもしれません。

編集部

たくさんの貴重なお話、ありがとうございました!

箱根ドールハウス美術館:アクセスと基本情報

住所 〒250-0523
神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯84-55
アクセス 【車】
・「東名厚木IC」から小田原厚木道路経由で国道1号または箱根新道を通り「芦ノ湖大観IC」へ
・「東名御殿場IC」から仙石原経由

【公共交通機関】
・小田原駅または箱根湯本駅から元箱根行きバスで「芦ノ湯」下車、徒歩ですぐ
駐車場 あり(45台/無料)
営業時間 ■4月〜10月
10:00〜17:30(最終入館17:00)

■11月〜3月
10:00〜17:00(最終入館16:30)
予約 8月以外の平日(火~木曜日は予約制)
休館日 火曜日
12月31日〜1月3日
※ 箱根駅伝開催時は臨時開館あり
※ 展示替えによる臨時休館あり
料金 大人:1,800円
学生(中高大):1,500円
小人(小学生):1,200円
電話番号 0460-85-1321
公式サイト http://hakonedollhouse.jp/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

箱根ドールハウス美術館周辺のデートスポット紹介

ドールハウス美術館は、1~2時間程度で見学可能です。美術館がある芦之湯は温泉で有名な地域で、箱根七湯(*3)の一つに数えられています。また、美術館の近くには、石仏や石塔群などの国の重要文化財を見ることができる場所もあります。

ここからは、芦之湯の魅力を存分に味わえるデートスポットをいくつか紹介します。

編集部

カップルで「箱根ドールハウス美術館」を訪れる方もいると思います。小山さんがおすすめするデートプランはありますか?

小山さん

はい!午前中に美術館を見学し、カフェで昼食をとります。午後からは当館から歩いて15分ほどの場所にある石仏や石塔群を見学し、最後に日帰り温泉で疲れを癒すプランがおすすめです。芦之湯の魅力を一日で満喫できると思います。

(*3)箱根七湯とは、箱根にある温泉の中で、江戸時代から親しまれている七つの温泉場を指します。

美術館周辺のおすすめカフェ・レストラン

美術館にあるカフェでも軽食ランチが楽しめますが、「せっかくだからいろんな場所を回りたい」というカップルのために、美術館周辺のカフェやレストランもご紹介します。

美術館の近くにはランチ営業をしているお店が少ないため、車やバスで20分ほどの距離にあるお店を2つ厳選しました。どちらも美術館のある国道1号線沿いで、アクセスしやすい場所にあります。美術館見学の前後に立ち寄るのにぴったりです。

レトロな雰囲気と足湯が楽しめる「NARAYA CAFE」

老舗旅館「奈良屋」を改装して作られたカフェです。古民家風の店内は、木のぬくもりを感じる落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

メニューには、こだわりのコーヒーや紅茶などのドリンクに加え、ピザやホットドッグなどの軽食も用意されています。特筆すべきは、テラス席での体験です。箱根の美しい景色を眺めながら、足湯を楽しむことができるという、贅沢な時間を過ごせます。

名前 NARAYA CAFE
住所 〒250-0404
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下404-13
アクセス 箱根登山鉄道「宮ノ下駅」徒歩約1分
営業時間 10:30~17:00(水曜・第4木曜定休日)
公式サイト https://naraya-cafe.com/

本格イタリアン「ラ・バッツァ」でのランチ体験

国道1号線沿いにある「ラ・バッツァ」は、本格的なイタリアンを堪能できるお店です。パスタは5種類から選べ、パンとサラダがセットになって約1,500円でお楽しみいただけます。より豪華な食事をご希望の方には、魚や肉料理が選べるコースもご用意しています。価格は少し高めですが、特別な日のディナーや記念日のお食事におすすめです。

名前 ラ・バッツァ
住所 〒250-0404
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下344
アクセス 箱根登山鉄道「宮ノ下駅」徒歩約7分
営業時間 ■ランチタイム
11:00~16:00(L.O15:00)
■ディナータイム
17:30~21:00(L.O20:00)
公式サイト http://labazza.jp/

※最新の営業時間については、公式サイトをご覧ください。

日帰り温泉を楽しむ「松坂屋本店」の魅力

美術館から徒歩5分の場所にある「松坂屋本店」は、創業350年の歴史ある旅館です。江戸時代から親しまれてきた温泉宿で、浮世絵師・歌川広重(*6)の作品にも描かれています。

「松坂屋本店」の温泉は、芦之湯の泉質そのものです。芦之湯温泉は中性の硫黄温泉で、美肌効果が期待できるとされています。(*7)

本館から少し離れた場所にある「万右衛門の湯」では、日帰り温泉を楽しむことができます。料金は1室8,800円で、貸切露天風呂の利用にバスタオルのレンタルとドリンクが含まれています。2名まで利用可能です。

利用時間は、入浴60分とラウンジでの休憩60分の合計120分です。予約は利用当日の9時から13時30分までに電話で行う必要があり、最終受付は14時となっているので、ご注意ください。

(*6)江戸時代の浮世絵師
(*7)硫黄には、角質を柔らかくして取り除く効果があるとされています。

「松坂屋本店」へのアクセスと利用情報

名前 松坂屋本店
住所 〒250-0523
神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57
アクセス 箱根登山バス「東芦の湯」バス停から徒歩約3分
受付時間 9:00~17:00
予約電話番号 0460-83-6511
公式サイト https://matsuzakaya1662.jp/