水無神社で結ぶ神聖な絆|800年の歴史と豊かな自然に囲まれた厳かな神前式
今回は、岐阜県高山市にある「飛驒一宮 水無神社(ひだいちのみや みなしじんじゃ)」での神前式についてご紹介します。
水無神社は、水源の神様とされる水無大神(みなしのおおかみ)を御祭神とし、古くから飛騨地方の人々の心の拠り所としてあつく信仰されてきた神社です。
水無神社の御神体山である「霊山・位山(くらいやま)」は、巨岩が点在するパワースポットとして知られ、神秘的な雰囲気に魅かれて多くの人が訪れます。
水無神社で行われる神前式は、厳かな雰囲気の中で一つひとつの儀式を丁寧に執り行う本格的なスタイルです。伝統を大切にした神前挙式や、両家の結びつきを重視する結婚式を希望されるカップルにおすすめです。
今回は、水無神社の禰宜(ねぎ※)である田口さんに、水無神社の特徴や神前式の魅力について詳しくお話を伺いました。
(※)神職の職称の一つ。神社において祭祀を執り行う役職です。
基本情報
- 厳かで神聖な雰囲気の本格的な神社
- 豊かな自然に囲まれた美しい境内
- 樹齢800年の御神木や山犬の狛犬など、魅力的な見どころが豊富
挙式スタイル | 神前式 |
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対応人数 | 2~50名 |
予算目安 | 挙式料:6万円 撮影料:5,000円 ※新郎新婦いずれかの実家が高山市一之宮町にある場合、挙式料は5万円 |
水無神社の由緒ある歴史と自然豊かな魅力
水無神社は、戦国時代からの城下町の面影が残る岐阜県高山市に位置しています。JR飛騨一宮駅から徒歩8分という便利な場所にあり、山間を切り開いて建てられたため、周囲を豊かな自然に囲まれた美しい環境にあります。
境内には、樹齢800年を超える御神木や珍しい狛犬、伝説の職人が創った彫刻像などが点在しています。これらは歴史と芸術を感じられる観光スポットとしての魅力も兼ね備えています。
古式ゆかしい形式で行われる神前式では、夫婦になるという決意、両家の繋がりや絆の深まりを厳かな雰囲気の中で強く感じることができます。神聖な空間で執り行われる式は、参列者にも深い印象を与えます。
それでは禰宜の田口さんに、水無神社の魅力や特徴について詳しく伺っていきましょう。
飛驒一宮としての水無神社の由緒と格式
編集部
まずは水無神社がどんな神社なのか、ご由緒を教えてください。
田口さん
神社の起源は、大和朝廷より前の時代、もしくは第13代・成務天皇の御代と伝わりますが、正確な時期は不明です。平安時代には飛騨地方で権威のある神社として崇められていたことが、古文書に記録されています。
霊峰・位山(くらいやま)を御神体山とする飛騨の国の一宮※1、旧国幣小社(こくへいしょうしゃ※2)で、水無大神(みなしのおおかみ※3)をはじめ飛騨の国中の神々をお祀りしています。
※1 地域の中で最も社格が高い神社
※2 近代社格の一つ
※3 川の源流をつかさどる神
▲御神山である位山からの美しい眺望(引用:水無神社公式Facebook)
位山は、日本海側へ流れる宮川と太平洋側へ流れる飛騨川の分水嶺に位置し、古くから両川の源流の神・水主神(みぬしのかみ)として信仰されてきました。
その御神徳は多岐にわたり、特に農業と健康の神様としてのご神威が高いとされ、子授け・安産・育成を守護する水分神、交通の要所を守護する交通神としても崇敬されています。
▲御神山である位山は神秘的な空気に満ちている
また、主祭神の御歳大神(みとしのおおかみ)が年神※であることから、年始には家内安全・商売繁昌・開運厄除を祈願して多くの参拝者が訪れます。
※正月に家々に迎える神
毎年4月3日に執り行われる「生きびな祭」は、女性の幸福や良縁成就などを願う飛騨内外からの参拝者で大いに賑わいます。
▲女性の幸福を願う「生きびな祭」は華やかな雰囲気
編集部
始まりが定かではないにしろ、かなり古くから飛騨の地で崇められていた神社ということですね。昔の人々も位山の神秘的な雰囲気に、神々や自然の深遠なパワーを感じていたのではないでしょうか。
自然に囲まれた水無神社の静寂な境内
編集部
水無神社のある周辺環境について教えてください。
田口さん
神社の境内は山を切り開いて造られており、高い木々に囲まれています。鳥居から本殿(拝殿)までの参道は見通しが良く、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。さらに、朝には霧がかかることもあり、境内が神秘的な雰囲気に包まれます。
▲周囲を豊かな自然に囲まれた神社(引用:水無神社公式Facebook)
▲御神山である位山の朝霧に包まれた様子(引用:水無神社公式Facebook)
見どころ満載の境内|樹齢800年の御神木と珍しい狛犬
編集部
水無神社に観光で訪れた際、「ここは見どころ!」というポイントはありますか?
田口さん
境内にある樹齢800年を超える銀杏・桂・ヒノキ・杉の御神木はぜひ見ていただきたいです。特に、神門内の銀杏は「子授け公孫樹(イチョウ)」として女性から信仰されています。
▲御神木の銀杏の木。子授け・安産・縁結びの御神木として信仰されている。
▲御神木の桂。宝を埋めた"しるし"と伝えられている。
▲御神木の杉。岐阜県の天然記念物にもなっている。
神馬舎(しんめしゃ)には白駒・黒駒の神馬像(木造)が安置されています。特に黒駒像は、江戸初期に活躍した伝説の彫刻職人、左甚五郎(ひだりじんごろう)の作であると伝わります。
▲左の黒駒像が伝説の彫刻職人「左甚五郎」による作品(引用:水無神社公式Facebook)
また、珍しい山犬(ニホンオオカミ)の狛犬がいるのも特徴的です。全国的にも珍しい存在です。
▲オオカミの狛犬は全国的にも珍しい!(引用:水無神社公式Facebook)
その他、飛騨の伝統的な駄菓子「こくせん」のモデルになったといわれる拗の木(ねじのき)も、独特な模様が魅力的です。
▲ごつごつした木の皮が特徴的な拗の木
さらに、安土桃山時代の武将で初代高山城主の金森長近(かなもりながちか)が改築したという絵馬殿も、必見の場所です。
▲絵馬殿:大小の絵馬が納められている
水無神社が提供する伝統的な神前式の特徴
編集部
水無神社はとても歴史のある神社ですが、結婚式をするようになったのはいつ頃からでしょうか?
田口さん
特に記録は残っていませんが、当社の神前式が盛んになったのは、昭和34年(1959年)に執り行われた当時の皇太子・皇太子妃両殿下のご結婚以降だと考えられます。
編集部
昔は、庶民の結婚式は自宅で行うのが一般的だったそうですね。自宅の床の間に、天照大御神(あまてらすおおみかみ)などのお名前が記された掛け軸をかけて、儀式を行ったと聞いたことがあります。
場所は自宅から神社へと変わりましたが、日本神話に登場する神様に誓うというスタイルは、長い年月をかけて受け継がれてきた伝統なのですね。
水無神社の厳かな本殿で執り行われる神前挙式
編集部
神前式はどんな場所で行われますか?
田口さん
祭典や祈祷でしか立ち入ることができない本殿(拝殿)にて、厳粛に神前式を執り行っております。通常の参拝では入ることのできない神聖な空間で、新郎新婦様の特別な一日を祝福いたします。
田口さん
飛騨在住の新郎新婦様は、当国一宮で式を挙げることに深い意義を感じてお選びいただいていると思います。水無大神をはじめ、飛騨の国中の神々の御前で夫婦の契りを交わすことは、結婚生活をお守りいただく上で大きな意義があると考えております。
一方で、飛騨以外の遠方にお住まいの新郎新婦様が、純粋に「水無神社の雰囲気が好き」という理由で挙式されるケースもあります。地元の方はもちろん、遠方からお越しの方々も、ありがたく受け入れさせていただいております。
水無神社が提供する伝統と格式ある本格的な神前式
編集部
水無神社の神前式の流れを教えてください。
田口さん
基本的な式次第は以下の通りです。
- 参進(さんしん)/新郎家、新婦家の順に整列し本殿に進む
- 修祓(しゅばつ)/供物、新郎新婦、参列者をお祓いする
- 一拝(いっぱい)/一同起立して神前に一礼
- 献饌(けんせん)/儀式に使う供物を台にのせる
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)/斎主が祝詞を奏上する
- 盃事(はいじ)/新郎新婦が3つの盃を用いて三献の儀を行う
- 誓詞奏上(せいしそうじょう)/新郎、新婦が神前に進み誓詞を奏上する
- 指輪交換
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)/新郎新婦、両家両親、親族代表の順に神前に玉串を奉げる
- 親族杯事(しんぞくはいじ)/親族全員が御神酒を拝戴する
- 撤饌(てっせん)/供物を下げる
- 一拝(いっぱい)/一同起立して神前に一礼
- 斎主挨拶
- 退出/新郎新婦、新郎家、新婦家の順に退出
▲参進:巫女に導かれて、挙式会場の拝殿へと進む
▲修祓:結婚式を執り行うに先立ち、心身のけがれを祓う儀式
▲三献の儀:盃を交わして夫婦の契りを結ぶ
▲誓詞奏上:厳粛な雰囲気の中、神様に夫婦となることを誓う
▲退出:無事に神前式を終え、ホッとした表情の新郎新婦
編集部
一つひとつ丁寧に、厳かに行われる様子が目に浮かびます。水無神社の神前式は、どんなカップルに向いていると思われますか?
田口さん
ご縁を結んでいただいた神々への感謝、お世話になったご親族やお力添えいただいた周囲の方々への感謝など、神社で式を挙げることへの意義を感じてくださる新郎新婦様におすすめいたします。
編集部
神前式に臨む新郎新婦には、どんなことを感じてほしいと思われますか?
田口さん
神前式は神様のご威光をおそれ多く思い、慎んで厳粛に行うものなので、楽しむどころか緊張されると思いますが、その緊張すらも、のちの良い思い出となるとお考えいただければと思います。
編集部
緊張を乗り越えて、生涯の良い思い出を作ってほしいですね。
水無神社の四季折々の美しさ|春と秋の魅力
編集部
水無神社は周囲が自然に囲まれているので、四季によって景色が変わりますね。田口さん、お気に入りの季節はありますか?
田口さん
それぞれの季節に素晴らしさがありますが、個人的には爽やかな春と秋の挙式をおすすめいたします。
▲境内の梅が春の訪れを告げる(引用:水無神社公式Facebook)
特に秋の鮮やかな紅葉は、ご夫婦の心に残る美しい情景になると思います。
▲秋の境内は黄色いイチョウの絨毯が敷き詰められる(引用:水無神社公式Facebook)
田口さん
秋は御神木「子授け公孫樹(イチョウ)」や境内の紅葉、他にも本殿(拝殿)前や神門前を背景に写真映えするスポットがたくさんあります。例えば、黄金色に染まったイチョウの木の下や、赤く色づいた紅葉を背景にした撮影が人気です。これらの美しい景色は、ご夫婦の大切な思い出となるでしょう。
水無神社のリーズナブルな挙式料金と柔軟な準備対応
▲挙式中の撮影もOK。思い出をたくさん残せます(引用:水無神社公式Facebook)
編集部
挙式の料金について教えてください。
田口さん
挙式料は6万円です。新郎・新婦のどちらかが水無神社氏子(実家が高山市一之宮町)の場合は5万円となります。
編集部
衣裳やカメラマンの手配などもお願いできるのですか?
田口さん
お衣裳については、特に提携業者はございません。ご自身でご用意いただくか、つてのない新郎新婦様には町内の美容院をご紹介しています。
カメラマンも同じく提携業者はありません。写真撮影については、本殿(拝殿)の限られた場所、回廊、境内での撮影を許可しています。挙式中のご様子も撮影可能です。
写真撮影を行う場合は、撮影料として別途5,000円いただいております。これは前撮り、当日撮影のどちらも含みます。
水無神社の予行練習サービスで安心の挙式本番
編集部
結婚式の予約はどのようにすれば良いでしょうか?
田口さん
ご予約から挙式当日までの流れは以下のようになります。
- 仮予約/電話にて希望日時の確認
- 本予約/挙式予定日の1か月前までに受付用紙提出、挙式料奉納
- 習礼(予行練習)/都合の良い日を決め、挙式の予行練習
- 前撮り/撮影料を奉納
- 挙式当日
編集部
予行練習をしていただけるのですね!神社では珍しいのではないでしょうか。
田口さん
そうですね。新郎新婦様に、挙式の2週間~1週間前に1度ご来社いただき、30分ほど説明を兼ねた予行練習をいたします。皆様初めての経験ですので、進行役の神職がお二人をサポートいたします。挙式の流れや作法を実際に体験していただくことで、当日をより安心して迎えていただけます。また、この機会に不安な点や疑問点を解消することもできます。
水無神社での挙式に関する口コミと評判
編集部
実際に結婚式をされた新郎新婦からのお声で印象に残っている言葉はありますか?
田口さん
「親も水無神社で式を挙げました」とお聞きすると、神様のお力やご存在のありがたみを深く感じます。おかげ様で親子二代にわたり当社で挙式される方が増えております。これは、水無神社の長い歴史と伝統、そして厳かな雰囲気が世代を超えて評価されている証だと考えています。
編集部
参列されたゲストの方々からはどんなお声が寄せられますか?
田口さん
神前式は、参列する方にとっても特別な経験なので、式の直後は「緊張した」とおっしゃる方もいますが、お帰りの際には皆様例外なく笑顔になり、感謝のお言葉をかけていただきます。厳粛な雰囲気の中で行われる神聖な儀式に立ち会えたことへの感動や、新郎新婦の新しい門出を祝福できた喜びが、そのような反応につながっているのだと思います。
参拝者から寄せられる「パワースポット」の声
編集部では、水無神社に参拝された方々の口コミをGoogleマップなどで調査し、その一部を要約してご紹介します。
- 御神木から力強いパワーを感じました
- 鳥居から見る境内の景色が美しく印象的でした
- 丁寧に手入れされた砂利の参道が心地よかったです
- 神聖な雰囲気が漂う、凛とした場所でした
神々しいオーラやパワーを感じたという口コミが多数寄せられており、水無神社はパワースポットとしても人気を集めています。
さらに、周囲の山々や自然との調和を称賛する声も多く見られ、飛騨地方を代表する一宮として相応しい風格のある神社であることが改めて確認されました。
これから結婚を考えるカップルへ
▲まずは参拝がてら神社を訪れてみて(引用:水無神社公式Facebook)
編集部
最後に、これから結婚式のことを検討するカップルへのメッセージをお願いします!
田口さん
まずは、挙式までご縁が至りましたことを心よりお祝い申し上げます。
神社に限らず、寺院や教会など多くの選択肢があり、迷われる方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、気になる施設に一度足を運んでみることをおすすめします。実際に雰囲気を感じることで、自分たちにぴったりの場所が見つかるかもしれません。
当社は挙式のみの対応ですが、高山市内には披露宴会場となる風情ある料亭やレストラン、宿泊施設が多数あります。挙式後の披露宴や宿泊先もあわせてご検討いただければ幸いです。
近年は「家族のみの参列」という少人数での挙式も増えています。できるだけお二人のご希望に沿った形で対応いたしますので、ご不明点やご要望がございましたらお気軽にご相談ください。
編集部
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、どうもありがとうございました。
飛驒一宮水無神社の基本情報
住所 | 〒509-3505 岐阜県高山市一之宮町5323 |
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アクセス | 【電車】JR「飛騨一ノ宮駅」から徒歩8分 【車】東海北陸自動車道「高山インターチェンジ」より約12km |
駐車場 | 100台(無料) |
付帯設備 | 新郎・新婦親族の控室あり |
衣裳・ヘアメイク | 提携業者なし ※町内の美容院を紹介可能 |
写真 | 提携先なし ※撮影を行う場合は撮影料(前撮り・当日撮影込み)5,000円 |
予約・申込 | 結婚式予定日の1か月前まで |
公式サイト | http://minashijinjya.or.jp/ |
※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
まとめ:飛驒一宮水無神社で厳かな神前式を
今回は、岐阜県高山市にある「水無神社」で叶う神前式の魅力をご紹介しました。
水無神社は、水源の神様である水無大神をはじめ飛騨の国の多くの神様をお祀りする、格式高い神社です。緑豊かな自然に囲まれた静寂な境内で、厳かな雰囲気の中、本格的な神前式を挙げることができます。
四季折々の美しい景色が楽しめる境内は、春には梅や桜が咲き誇り、秋には紅葉が鮮やかに彩ります。この美しい自然を背景に、和装姿の新郎新婦の思い出に残る写真を多く撮影することができます。
飛騨地方で結婚式を検討しているカップルの皆様は、ぜひ水無神社での神前式をご検討ください。伝統と自然が調和した、心に残る挙式を実現できるでしょう。