北海道月形町へ移住しよう!仕事・住居・支援制度など移住に役立つ情報まとめ
この記事では、地方移住を検討している方のために、北海道月形町(つきがたちょう)の魅力を紹介します。
月形町は、札幌市から車で約1時間の場所に位置する人口約3,000人のまちです。メロンや切り花の栽培が盛んで、就農を目的とした移住も少なくありません。また、「保育園留学」を利用して、自然体験を通した知育や実際の暮らしを体験するファミリーも増えています。
今回は月形町の特徴やまちの取り組みについて、月形町のマスコットキャラクターベルデくんに詳しく教えてもらいました。
月形町の3つの特徴
「まんまるはーと」というかわいらしいキャッチコピーを持つ月形町。月(満月)と特産品の丸にハートをプラスして、豊かな自然の中で心豊かに生きることを表現しています。
キャッチコピーのとおり、石狩川をはじめとする雄大な自然景観が広がり、メロンやスイカ、トマトなどの豊かな食にも恵まれている環境です。また、囚人による北方開拓の地としても知られています。
ここでは、月形町の3つの特徴について詳しくご紹介します。
特徴1:樺戸連峰を望み石狩川が流れる自然豊かな環境
▲北海道月形町の風景。田畑と山々の鮮やかな緑が印象的
月形町は、車で20分圏内に山、川のある自然豊かな町です。町内には一級河川の石狩川が流れ、遠くを見渡せば、隈根尻山・浦臼山・樺戸山の山々を総称した樺戸連峰の雄大な景色が一望できます。
40分ほど車を走らせて石狩市まで行くと、日本海に面する石狩海岸の景観を見ることも可能です。
アウトドアアクティビティを楽しめるスポットも多数あり、中でも「皆楽公園」は町民の憩いの場として親しまれています。
▲月形町のレジャースポット「皆楽公園」。パークゴルフ場や温泉もあり老若男女が楽しめる
「皆楽公園」は石狩川の水路を改修した時にできた「三日月湖」を利用した公園で、水と緑が調和した美しい自然景観が魅力です。
27haもの広い園内にはキャンプ場やバーベキュースポット、サイクリングロードなどがあり、月形町の豊かな自然に触れられるスポットとして賑わいます。
また、道内有数のヘラブナ釣りができることでも有名で、ヘラブナ釣りを目的に町外からも多くの人が訪れる人気スポットです。
▲皆楽公園でヘラブナ釣りを楽しむ親子。冬になるとワカサギが釣れる
月形町は1シーズンで約9mもの積雪を記録する豪雪地帯で、冬になると一面の銀世界へと姿を変えます。
さらに冬は空気が乾燥するため、美しい星空を見ることもできます。街灯が少ない分、町内のどこからでも天の川を眺められます。
▲冬は光り輝く銀世界へ。雪化粧をまとう大地を一望できるのは豪雪地帯ならでは
木材でモノづくりをしたり家庭菜園に挑戦したり、アウトドアの趣味を増やしたりと、自然に囲まれているからこそ楽しみ方は自由自在です。自然の中で知育したいという子育て世帯にも適した環境と言えるでしょう。
皆楽公園には日帰り温泉「月形温泉ゆりかご」や野菜の直売所があるので、キャンプをするにも便利です。
特徴2:メロンにスイカ、トマト、大豆!新鮮な地産食材が豊富
▲月形町を代表する特産品「月形町メロン」。特徴が異なる3種のメロンを栽培している
月形町は石狩川がもたらす肥沃な土壌を持ち、古くから農業が盛んに行われてきました。現在も月形町の基幹産業は農業で、稲作を中心にメロンやスイカ、トマトなどが栽培されています。
中でも月形町を代表する農作物と言えばメロンです。希少価値の高い青肉メロン「キングメルティー」、芳醇な甘さが魅力の赤肉メロン「北の女王」、さっぱりとした味わいが特徴の「月雫」の3品種を生産しています。
スイカは、北海道の三大スイカの1つで黒皮が特徴の「ダイナマイト」と、恐竜の卵のような楕円形をした「ゴジラのたまご」のようなユニークな品種がそろいます。
他にも、ホクホクとした歯ごたえと強い甘みが特徴のカボチャ「虹ロマン」「北のこころ」や、白目大粒大豆「トヨムスメ」などの栽培も盛んです。「トヨムスメ」を使用した納豆やみそ、豆腐などの加工品も販売されています。
1960年代には花の栽培も導入されました。町花である菊をはじめ、カーネーション、スターチスなど70品目350品種以上の切り花を全国へ出荷しています。月形町に住めば、旬の食材と四季折々の花々で心が満たされるでしょう。
鮮度の高い野菜や果物が産地ならではのリーズナブルな価格で購入できますよ。直売所やスーパーで販売しています。
特徴3:北海道開拓の礎を築いた歴史のあるまち
▲「月形樺戸博物館」。明治時代後期の北海道を舞台としたバトル漫画『ゴールデンカムイ』の聖地
月形町は北方開拓の先駆けのまちとしても知られています。1881年の樺戸集治監設置によって月形町が誕生しました。集治監とは全国の重罪犯者を収容するための監獄で、「樺戸集治監」(現:月形樺戸博物館)は全国で3番目に設置された監獄です。
当初は農事監獄でしたが、開拓監獄へと変わったことで農地開墾に加えて道路開削が進み、町のみならず北海道全体が大きな進歩を遂げました。円山展望台から見える直線の道路(峰延道路)は、当時の道路開削が基となっており、泥炭地の難工事であったことは有名です。
樺戸集治監は39年の歴史を展示した「月形樺戸博物館」へと変わり、月形町のシンボルの一つとなっています。
町内には他にも、囚人によって植えられた「月形スギ保護林」や、囚人が建築作業に従事した「囚人棟梁建築の寺」など、当時の歴史を感じられる建造物や自然風景が残っているので、訪問した際はぜひ足を運んでみましょう。
月形町の暮らしに関する情報
「月形町の支援制度を知りたい」「住まいは見つけやすい?」などの疑問を解消するために、月形町の基本データと仕事や住まいなどの移住に役立つ情報をまとめました。
気候 | 1月平均気温:-6.0℃ 8月平均気温:20.7℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:2,829人 世帯数:1,572戸 (2023年9月30日時点) |
病院 | 病院:1院 歯科:2院 |
学校 | 保育施設:1園 小学校:1校 中学校:1校 高校:1校 |
特産品 | ・花(菊、カーネーション、スターチス、ゆり など) ・メロン「北の女王」「月雫」「キングメルティー」 ・スイカ「ダイナマイトスイカ」「ゴジラのたまご」 ・トマト・ミニトマト ・かぼちゃ「虹ロマン」「北のこころ」 ・ジンギスカン ・まんまる納豆 ・樺戸とうふ |
観光・遊び場 | ・月形樺戸博物館 ・皆楽公園 ・円山展望台 ・道民の森月形地区 ・囚人棟梁建築の寺(円福寺・北漸寺) ・月形温泉ゆりかご(※) ※2023年10月時点改装中。2024年秋頃再開予定 |
交通 | 【飛行機】 ・「新千歳空港」から車で約1時間30分 【電車】※町内に駅がないため最寄り駅を記載 ・JR「岩見沢駅」から車で約40分 【バス】 ・札沼線バス ・北海道中央バス ・ニューしのつバス江別 ・町内循環バス:とべ~る号(当別線)、かばと~る号(浦臼線) 【車】 ・国道:275号 |
大都市へのアクセス | 【札幌市】 ・JRと路線バス利用で約1時間30分 ・国道275号利用で約1時間10分 【東京】 ・札幌市経由飛行機利用で約6時間 |
近隣地域 | 岩見沢市、美唄市、当別町、浦臼町、新篠津村 |
※2023年10月現在
月形町には鉄道の駅がない代わりに町内循環バスが朝・夕運行しています。路線バスは札幌市や近隣都市へ行く際に便利です。ただし、生活には車があった方がよいでしょう。
まちの中心部にはスーパーとホームセンターがあり、日用品や食料品の買い物には困りません。ショッピングモールや大型施設へ用事がある場合は、車で約30分の岩見沢市へ出かけましょう。
2024年の秋には道の駅が完成する予定です。今ある皆楽公園に道の駅の機能が追加され、買い物やレジャーなど多目的に利用しやすくなります。
【子育て】保育園留学を導入。少人数保育で子どもたちの個性を伸ばす
▲「花の里こども園」。保育園留学ではここに園児が通う
月形町の保育は、一人ひとりの個性に寄り添った少人数保育が特徴です。好きなことや得意分野を知るきっかけづくりとして、多彩な体験をプログラムに取り入れています。
図工やお絵かきはもちろん、雪遊びや和太鼓、園芸の時間などがあり、日々新しい気づきがあるでしょう。毎日がわくわくの連続で、のびのびとした環境のもと好奇心や創造力を育めます。なお、こども園の保育料・給食費は全額無償です。
月形町では家族で月形町に滞在し、1〜2週間「花の里こども園」へ通うことができる保育園留学制度を設けています。保育園留学を通して月形町の暮らしが体験できるので、移住を検討している子育て世帯は利用を検討してみましょう。
保育園留学 | ・場所:花の里こども園 ・留学期間:1〜2週間 ・宿泊施設:1家族最大4部屋まで利用可能 |
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保育園留学の宿泊施設には、家具・家電など生活に必要なものがそろっています。Wi-Fi環境も整っているので、保護者の方はテレワークをすることも可能です。
公式:月形町「保育園留学」
町内にあるコワーキングスペースも利用可能です。保育園留学を活用してぜひまちの雰囲気をご体感ください。
【教育】地域教育に注力。2027年には義務教育学校が開校予定
月形町では、豊かな自然を利用した地域教育も行われています。小学校では、田植え体験を通して地産地消を学ぶ他、小中高が連携して地域のゴミ拾いへの参加などがあり、地域の方々とのコミュニケーションも活発です。
高校では総合的な学習として地元企業と共同で特産品の開発が行われ、1年時は就業体験、2年では商品開発に携われます。過去には、地産食材でアイスクリームを開発しました。
なお、2027年には町内の小・中学校を統合した9年制の義務教育学校が開校する予定で、どの学年でも気軽に交流できるようになります。
教育に関する制度もあるのでぜひ利用しましょう。
乳幼児等医療費助成制度 | 0歳〜高校3年生までの医療費無料 |
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高校教育支援事業助成金制度 | 町外の高校に通う子どもの各種検定試験の受験費用を一部助成 |
人づくり振興事業 | ・町内の中学から高校へ進学する生徒に20万円を助成 ・通学距離が片道6km以上の生徒へ通学費助成 ・町内の高校(月形高校)へ進学した生徒、その保護者への支援 |
給食費無償 | 小学校〜中学校の給食費無料 |
公式:月形町「子育て・教育」
【仕事】新規就農支援に注力。福祉関係の求人も充実
月形町は就農支援制度が充実しています。メロンはもちろんミニトマト、カボチャ、切り花(カーネーション、ひまわり)など多岐に渡ります。
新規就農者のための研修制度や就農支援は、地域おこし協力隊の支援と併用して受けられるとあり好評です。
新規就農者等招致促進 | 新規就農実習者 ・奨励金:研修費用として20万円以内の額(3年以内に1回) 新規就農者 ・奨励金:農地1年分の賃借料に相当する額または50万円未満 ・補助金:農業用施設・住宅にかかる費用の一部を補助 |
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新規就農者経営開始資金貸付基金 | 新規就農者に経営開始で必要な資金を無利子で融資 ・最大1,000万円(町500万円、農協500万円) |
各詳細は下記よりご確認ください。
公式:月形町「新規就農支援制度の概要」
公式:月形町「地域おこし協力隊(農業研修員)」
町内は福祉施設(障がい・介護・保育)が多く、介護助手・補助のような資格がなくても就ける求人も少なくありません。月形町では、町内の福祉施設などに勤務している方、または勤務を希望する方の就労定着とスキルアップを目的として、福祉関連の資格取得に要する経費の一部を助成しています。
福祉施設等就労定着資格取得支援助成事業 | 対象経費の3分の2以内(上限5万円)・年度内1回まで |
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大手求人サイトに掲載されている正社員求人数は以下の通りです。
月形町 | 約100件 ※求人一例 |
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岩見沢市 | 約1,300件 ※求人一例 |
※縁結び大学調べ(2023年10月時現在)
その他、起業でドローンの害虫駆除のように農業に関する事業を始めた人もいます。起業支援として、新製品の開発をサポートする「ものづくり支援事業」や、若年世代の常用雇用を促進する「ひとづくり支援事業」などがあるので、興味のある方はチェックしておきましょう。
公式:月形町「起業支援」
【住まい】空き家バンクの利用が多い。若者向けの賃貸補助あり
月形町へ移住する人は始めから戸建てを希望する方が多く、空き家バンクが人気です。2023年10月現在で、空き家バンクには戸建て2件・空き地は約25件の登録があります。
公式:月形町「空き家バンク」
30歳未満の移住者は民間アパートを選んで「若者就業促進家賃補助」を利用するのも一つの手です。アパートの空室状況は下記より確認できます。
公式:月形町「アパート情報」
以下の住まいに関する支援制度を利用して、経済的負担を軽減しましょう。
月形町快適な住まいづくり住宅補助 | 住宅建築・購入にかかる費用の一部を補助 ・補助金:50万円〜最大200万円 ※補助要件あり |
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月形町あんしん住宅補助 | 住宅の改修工事にかかる費用の一部を補助 ※町内業者の実施が条件 ・工事費用の30%(上限60万円) |
月形町若者就業促進家賃補助 | 30歳未満の移住者を対象に家賃の一部を補助。 ・補助金:月額5,000円を商品券で交付 ・交付期間:36カ月 |
月形町へ移住した人の体験談
ここでは、実際に月形町へ移住した方の声を紹介します。
- まちの人口が少ないため子どもを気にかけてくれる人が多い
- 地域の方が声をかけてくれて温かさを感じた
- 就農研修や経済的支援があり、農業が始めやすい環境だと感じた。農業初心者だったので研修で就農のノウハウを学べてよかった。
自然の美しさはさることながら、人の温かさを月形町の魅力に挙げる人が多くいました。保育園留学に訪れたファミリーからも「人が温かい」という声が聞かれるようです。
移住者に気さくに声をかけてくれるという声からも、移住者に対してオープンな環境だとわかります。
月形町への移住に関するお問い合わせ
▲マスコットキャラクターベルデくんも皆さまのお越しをお待ちしています。
移住前には下調べが重要です。月形町ではワンストップ相談窓口を設けて、移住に関する相談に対応しています。電話またはメールで問い合わせが可能です。
「保育園制度について詳しく知りたい」「暮らしのメリット・デメリットを教えてほしい」といった、移住に関する疑問や不安を解消しましょう。
移住ワンストップ窓口 | 企画振興課 |
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住所 | 〒061-0592 北海道樺戸郡月形町1219 |
電話番号 | 0126-53-2325(直通) |
メール | kikaku@town.tsukigata.hokkaido.jp |
対応時間 | 08:30〜17:15 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | http://www.town.tsukigata.hokkaido.jp/ |
月形町は山や川のある、のんびりとした雰囲気が魅力です。自然が好きな人やゆったりした暮らしを求めている人は、ぜひ一度、月形町へお越しください。お待ちしております。