沖縄県国頭村での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方への移住を検討している人に向けて、沖縄県国頭村(くにがみそん)の特徴や生活情報をご紹介します。

国頭村は沖縄県の本島最北端に位置する村です。山・海・川と豊かな自然に恵まれ、まるでリゾート地のような環境で日々を過ごすことができます。

自然の豊かさだけではなく、住んでいる人の人柄のよさも国頭村の大きな魅力です。特に育児中の人や出産予定がある人には、山や海の近くで思いっきり子どもを遊ばせてあげられる国頭村での暮らしをおすすめします。

子どもの医療費無料や給食費無料など、育児に関するサポートも充実している国頭村。美しい自然に彩られた静かな村で、癒しのスローライフを始めてみませんか?

インタビューに答えてくれた国頭村役場のリーさん

沖縄県国頭村の暮らし、3つの特徴

国頭村の暮らしの特徴

国頭村は村の大部分が山林と原野で囲まれており、美しく豊かな自然が特徴的です。沖縄の温帯な気候と風土が育てた山々に囲まれながらスローライフが送れるだけではなく、子育て世帯に嬉しいサポートも充実しています。

ここでは、国頭村の特徴をご紹介します。年間の平均気温は約23℃と、一年を通して過ごしやすい気候が魅力的な国頭村。住んでいる人たちも温かく移住者を迎え入れてくれますよ。

特徴1:海・山・村が共存!「自然の中で生きる」を感じられる生活

辺土名ビーチで泳ぐ人
▲国頭村名物の辺土名ビーチ。透明度抜群の海はリゾート地も顔負け

国頭村の特徴をお伝えする上ではずせないのは、雄大な自然環境です。海や山と村が共存しており、自然と共に生活ができます。

沖縄への移住を考えている人は、那覇市のような利便性が高い地域を候補に入れている場合も多いでしょう。確かに大都市である那覇市は生活のしやすさが魅力ですが、観光地として発展を遂げているため、「自然の中で生きている」という実感は持ちづらい可能性があります。

辺土名ビーチの夕暮れの様子
▲海は時間とともに色を変えていく。絵画のように美しい光景を毎日楽しめる

辺土名ビーチに夕焼けが沈む様子
▲サンセットも絶景。海に囲まれたエリアならではの贅沢な毎日を送れる

一方、国頭村は村の大部分が自然で囲まれています。中でも村北部の「やんばるの森」は、1億年前から生き続けている歴史が深い森です。多様な生態系が注目され(森内には、日本の両生類・爬虫類の約6割が生息!)2021年に奄美大島や西表島らとともに世界自然遺産として登録されました。

▼国頭村の自然スポット

オクマビーチ・桃原ビーチ・奥海岸・伊部海岸
比地川・与那川・辺野喜川・奥川・楚洲川・安田川・安波川
与那覇岳・伊部岳・西銘岳
その他の自然スポット 辺戸岬・国頭森林公園・ヤンバルクイナ展望台・美ら海展望台(有料)

日々の中で自然の身近さを感じられる国頭村では、ゆったりとした環境で仕事をすることができます。「暖かい場所で、自然に囲まれながらのんびり暮らしたい」と思っている人にはピッタリなエリアだといえそうです。

なお、国頭村から那覇市までは車で約2時間で到着します。沖縄の移住では離島も人気ですが、飛行機や船に乗らず地続きで大都市に向かえる環境には安心感がありますよね。

特徴2:子どもの医療費・給食費が無料。充実した子育て支援あり

子どもと一緒に海で泳ぐ女性たち
▲国頭村では充実の育児制度を使い、自然の中でのびのびと子育てができる

国頭村は子育て支援が充実しており、現在子育て世代の移住先として注目を浴びています。以下に、国頭村の代表的な子育て支援をご紹介します。

制度名 詳細 詳細ページ
こども医療費助成 0歳児から高校卒業までの子どもの医療費が実質無料。 HP
給食費助成 村立こども園・楚洲へき地保育所・小中学校に通う子供の給食費が無料。 HP
こども任意予防接種費用助成 任意予防接種(おたふく風邪や子どもインフルエンザなど)の一部を助成してもらえる。 HP
出産祝い金の支給 出産した際、第1子5万円・第2子10万円・第3子20万円を支給してもらえる。 HP
小中学生の検定受験料を助成 小中学生の英語検定などの検定受験料を助成してもらえる。 HP
新生児・こんにちは赤ちゃん事業 生後4か月までの乳児がいる家庭が、子育ての不安や悩みを相談できるサービス。適切な支援への橋渡しもしてもらえる。 HP
修学旅行の一部助成 小学生1人につき1万8千円、中学生1人につき5万6千円を支給。 HP
入学・卒業祝金

小学校・中学校に1年生として入学する保護者に1人につき5万円支給。
中学校を卒業する保護者に1人につき5万円を支給。

HP

※各制度の詳細な内容や条件は各リンクを参考にしてください。

特に「高校生までの医療費無料」と「給食費無料」は特徴的です。地域で子どもを育てていく意識の高さが伺えますよね。いろいろな状況の家庭を置き去りにしない、安心感のある制度が多く整っています。

さらに20万円がもらえる結婚祝い金制度や、村が経営している無料塾なども展開されています。その他の制度については、下記リンクを参考にしてください。

>>出産・育児に関する制度一覧

特徴3:住民に心のつながりがあり、地域で子どもを育てる意識が高い!

国頭村の役場で行われたハロウィンイベント
▲役場で行われたハロウィンイベントの様子。国頭村では子どもが喜ぶイベントも多い

郊外に移住する際に「移住者を受け入れてくれるだろうか」という不安を持っている人も多いのではないでしょうか。国頭村は村民の人柄のよさが魅力的で、特に子どもに対しての精神的な包容力が高いことが特徴です。

沖縄には「子どもは宝」の意識が浸透しており、地域の子どもは地域で育てるという習慣が根付いています。国頭村も例外ではなく、村民たちは子育てにとても協力的です。

特に都心部から移住してきた人は、村民たちとの距離感の近さに安心感を覚えることでしょう。「郊外から都会に引っ越したが、やはり地域の触れ合いがある生活に戻りたい」と思っている人にはピッタリのエリアです。

国頭村の暮らしに関する情報

国頭村の村営バス
▲村内には村営バスも走る。運転ができないときの助けにもなってくれる

ここでは、国頭村への移住を考えた場合に必要になる、生活に関する情報をご紹介します。まずは、国頭村の主な情報をまとめた表をご覧ください。

人口 4,525人
世帯数 2,323世帯(2022年8月末時点)
気候 平均気温:22.8℃
・月最高平均気温:31.9℃(8月)
・月最低平均気温:13.7℃(1月)
病院 ・診療所2院
・歯科1院、歯科診療所1院
学校 ・幼保連携型こども園:1園
・小学校:5校
・中学校:1校
交通 ・バス
国頭村営バス

琉球バス/沖縄バス(名護市~大宜味村~辺土名(国頭村))・シャトルバス(那覇~国頭)
・車
国道58号
沖縄県道70号国頭東線(主要地方道)
沖縄県道2号線

近隣都市 名護市
名産品

・緑茶(奧産)
・くみすくちん茶 
・やんばる薬膳華みそ 
・マンゴー
・タンカン
・スモモジャム
・佃煮
・クニガミドーナッツ
・国頭村のイノブタ肉

大都市へのアクセス  ・新千歳空港 (約3時間45分)
・羽田空港(約2時間45分)
・伊丹空港 (約2時間15分)
・福岡空港 (約1時間45分)

国頭村は沖縄本島の最北端に位置しており、東は太平洋、西は東シナ海に囲まれています。村の大部分が山林と原野で、まさに「山紫水明」という四字熟語を体現したかのような村となっています。

国頭村にはいくつかの商店があり、基本的な生活用品は村内で購入可能です。例えば村の東側には商店「安田協同店」、西側には「国頭スーパー」があります。

中でも村の南西側は、シーサイドビューのカフェ「Banana」やハワイアンな内装が魅力的な「玉村商店」など、さまざまな飲食店が並びます。

コンビニや学習塾、パークゴルフ場など人が集まりやすい施設が並ぶのも、主に南西エリアです。

国頭村で摂れたおくみどり茶のチーズタルト
▲商店には地元食材を使ったお菓子も並ぶ

国頭村の食材で作られたクッキー
▲地産地消のスイーツは手土産にもおすすめ

村内で調達できないものは、車で30~40分ほど先にある名護市で購入することになります。那覇市までは車で約2時間ですが、大抵のものは名護市で揃います。そのため、空港を利用するとき以外に那覇市に行く必要はほとんどありません。

また、「比地大滝キャンプ場」や「やんばる学びの森」「国頭村森林公園」「やんばる森のおもちゃ美術館」など、子どもと一緒に楽しめる施設も多く存在しています。もちろん、国頭村は村と自然が一体化していることが大きな魅力であるため、身近な自然も子どもの遊び相手になってくれますよ。

国頭村の豊年祭による村民と獅子舞
▲国頭村の豊年祭は伝統行事のひとつ。

一年を通してさまざまな伝統行事があり、エイサーをはじめとした沖縄文化を感じられる祭りもあります。地域に根付いた伝統や文化が今まで受け継がれてきたことも、住む人同士の心のつながりが強い要因だと考えられます。

また国頭村では、移住希望者向けの公式Instagramを更新中です。国頭村の生活情報や移住相談会の最新情報なども投稿されていますので、ぜひチェックしてみましょう。

>>【公式】沖縄・国頭村に住む。(移住情報)Instagram

仕事情報:自営業と一次産業が盛ん。フリーランスが働きやすい施設も

国頭村の平均年収は約310万円、世帯年収は約370万円です。大手求人サイトで検索したところ、求人情報は約270件見つかりました。検索範囲を国頭村から10km圏内に広げると約420件まで増え、ハローワークでの求人数は約40件となっています。
※縁結び大学独自調べ(2022年11月時点)

仕事は自営業が多く、カフェや海のガイド、インストラクターなど、飲食・観光に関連したものが多い傾向です。光回線が整備されコワーキングスペースもあるため、フリーランスで働いている人やリモートワークの人なども不自由なく働けます。またスタートアップ企業のように、リモートワークが推奨されている人にとっても働きやすい環境だといえます。

また国頭村は農業・水産業も盛んであるため、一次産業に関わる仕事をする際は補助金制度を利用できますよ。詳細は農林水産課にお問い合わせください。

>>国頭村 農林水産課

農業振興補助金

肥・農薬や共同防除を対象に購入費用の一部を助成してもらえる制度です。前年の農業所得申告を行っていることを条件に利用することができます。

国頭村の地元農作物
▲自然豊かな国頭村ではフルーツや野菜が多く栽培されている

国頭村で獲れたパイナップル
▲夏はマンゴーやゴールドバレル、パイナップルが豊作

水産業奨励補助金

フーヌイユ漁の様子
▲「富をもたらす魚」と呼ばれるフーヌイユ漁の様子

宜名真集落の漁師さんたち
▲宜名真集落の方。青い空と海が似合います

漁業者に対し、漁業に使用する漁具資材等の購入費用の一部を助成してもらえる制度です。国頭漁協の組合員であることが条件になります。

住まい情報:物件サイトの新情報を細かくチェック

大手物件検索サイトで国頭村の物件を検索したところ、賃貸物件・売買物件は見つかりませんでした。沖縄県内の物件情報に特化した不動産サイトでも、土地の売買が主となっています。今後物件の情報が掲載される可能性があるため、細かくチェックしておくのをお勧めします。

>>うちなーらいふ

>>グーホーム

>>中古住宅HOME4U九州沖縄版

定住促進住宅・空き家活用住宅

国頭村では、空き家を「定住促進住宅」として活用し、住人を募集しています。

移住者向け住宅の外観
▲移住者向け住宅の外観。瓦屋根の沖縄らしい造り

庭付き一戸建ての移住者向け住宅の外観
▲移住者向け住宅の中には庭がある家も。理想の物件に巡り合うため細かく情報をチェックしたい

下記リンクにて定住促進住宅の最新情報が記載されていますので、定期的なチェックをおすすめします。

>>国頭村 企画政策課

村営団地

国頭村では、9つの村営団地があります。空き状況は役場の公式サイトにて随時更新されていますので、最新情報を確認してみましょう。また国頭村への問い合わせも受け付けています。

担当課 住民課
電話番号 098-41-2141
公式サイト http://www.vill.kunigami.okinawa.jp/category/k_jyumin/

国頭村に移住した人の体験談や感想

国頭村に移住した人の声

ここでは、実際に国頭村に移住した人たちの声をご紹介します。国頭村への移住を検討している人は、先輩たちの声をぜひ参考にしてくださいね。

  • 波がよければ海へ行き、夜風が気持ちいい日はビーチパーティーをしています。
  • スーパーもあるし、コンビニもあるし、特に不便を感じることはありません。
  • 地元の方の心の温かさに救われています。
  • 年間をとおして、波乗りとダイビングができます。
  • 豊かな自然もにぎやかな街も、どちらも程よく味わいながら生活できます。
  • 昔ながらの沖縄を感じられる地域だと思います。支え合いの精神が根付いています。
  • 自然がとにかく多い!毎日気持ちよく過ごしています。

移住者の中には、国頭村の自然の豊かさや人々の温かさに感激する声が多く見られました。村内に商店が揃っているため、生活に大きな不便がないのも国頭村の大きなメリットといえそうです。

移住者向けの支援制度・情報

移住定住窓口役場内の様子
▲移住定住窓口役場内の様子。移住に関しては企画政策課に相談しよう

ここでは、国頭村の移住に役立つ制度やお問い合わせ先をご紹介します。

国頭村移住体験住宅

国頭村では、お試し移住プランを展開しています。2DK・3LDK・1DKの3棟から移住体験住宅を選べ、原則50歳未満の人とその家族(もしくは家族に準ずる人)が利用可能です。

名称 間取り 人数 利用料
国頭村移住体験住宅1号館  2DK 4名まで 1泊1人2,000円(小学生以上)
国頭村移住体験住宅2号館  3LDK 6名まで 1泊1人3,000円(小学生以上)
国頭村移住体験住宅3号館  1DK 4名まで 1泊1人2,000円(小学生以上)

移住体験住宅1号館の内装
▲移住体験住宅1号館の様子。不自由なく生活するための品が揃う2DK

移住体験住宅2号館の内装
▲移住体験住宅2号館の様子。3LDKで広々とした暮らしを体験できる

移住体験住宅3号館の内装
▲移住体験住宅3号館の様子。1LDKながら広々とした造りになっている

移住体験住宅3号館の内装
▲こちらも3号館。まるで小さな別荘のような雰囲気

1回の利用で1泊~13泊以内で何度でも利用可能なため、移住前に国頭村での暮らしを体験することをおすすめします。まずは下記リンク先の予約カレンダーで空室日を確認し、問い合わせフォームかメールから問い合わせてみましょう。

>>国頭村移住体験住宅

おきなわ島ぐらし

国頭村のバスツアーで使われる電気バス
▲国頭村ではバスツアーも開催している。常に最新情報を押さえておきたい

沖縄県公式移住応援サイトである「おきなわ島ぐらし」では、国頭村の移住に関わるさまざまな情報を更新しています。例えば移住体験ツアーや地域おこしのインターンなどのプロジェクトが立ちあげられています。役所のホームページと併せて活用していきましょう。

>>沖縄島ぐらし 国頭村

オンライン移住セミナー&座談会

国頭村では、定期的にオンラインでの移住セミナー&座談会が開催されています。国頭村を含む沖縄県内の市や村の自治体が参加するため、沖縄移住を希望する人はぜひ参加してみましょう。最新情報は、国頭村の公式サイトで随時更新されます。

>>国頭村 企画政策課

国頭村への移住に関する問い合わせ

移住窓口の担当をされている、企画政策課(地域おこし協力隊)のリー喜代美さん
▲国頭村企画政策課(移住コーディネーター)のリー喜代美さん

移住に関する質問や相談先は下記の通りです。些細なことでも、気になったらまずは相談してみましょう。

担当課 企画政策課
住所 〒905-1495
沖縄県国頭村字辺士名121番地
電話番号 0980-41-2621
FAX 0980-41-5910
開庁時間 平日(月~金)8時30分~17時15分
土日・祝日・年末年始を除く
公式サイト http://www.vill.kunigami.okinawa.jp/
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