富山・高岡市立博物館で巡る歴史デート!体験コーナーと茶室で楽しむカップルプラン
「博物館めぐりデート」第11弾でご紹介するのは、富山県高岡市にある「高岡市立博物館」です。
昭和45年(1970年)6月に開館した高岡市立博物館は、原始・古代から現代までの高岡の歴史を楽しく学べる博物館です。約1万年前の縄文時代から現代に至るまでの高岡の歴史を、豊富な資料と展示で紹介しています。
国指定史跡「高岡城跡」(高岡古城公園)内に位置しているため、緑豊かな公園と合わせてデートスポットとしても人気を集めています。
歴史に興味がある方や高岡市内のデートプランをお探しの方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。高岡の魅力を存分に味わえる博物館体験をご紹介します。
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緑豊かな高岡古城公園内に佇む「高岡市立博物館」の魅力
高岡市立博物館は、JR高岡駅から徒歩15分の場所にあり、高岡城跡の入り口に位置しています。
高岡城跡は国指定史跡に指定されており、その広大な敷地は高岡古城公園として一般に開放されています。緑豊かな公園は市民の憩いの場として親しまれ、人気のデートスポットにもなっています。恋人同士でゆっくりと散策すれば、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節の移ろいを感じながら心地よい時間を過ごせるでしょう。
常設展では高岡の歴史や伝統産業、そして高岡の開祖である前田利長に関連する貴重な蔵品を展示しています。これらの展示を通じて、高岡の歴史を古文書や美術工芸品などの資料とともにじっくりと学ぶことができます。
博物館がある高岡市は、江戸時代からの歴史的建造物が数多く残る風情ある町として知られています。またドラえもんの作者、藤子・F・不二雄先生の出身地としても有名です。高岡市内にはドラえもんのオブジェなどが点在しているので、二人でドラえもん探しをしながら市内を散策するのも楽しい思い出になるでしょう。
今回は「高岡市立博物館」主任学芸員である宇川恵里さんに、博物館の魅力やカップルでの楽しみ方についてお話を伺いました。
高岡の歴史と伝統産業を体験しながら学べる博物館
インタビュアー
まず、高岡市立博物館はどのような施設か教えてください。
宇川さん
高岡市立博物館は、郷土高岡の歴史・民俗・伝統産業等に関する資料を収集保管し、調査研究・展示活動を基本に、各種講演会やイベントなどを実施している施設です。
常設展「高岡ものがたり-楽しく知ろう!ひらめき・ミュージアム-」では、原始・古代から現代までの高岡の歴史を紹介しています。また、民俗コーナーでは郷土の祭礼(獅子舞・高岡御車山祭)、銅器・漆器などの伝統産業をわかりやすく展示しています。来館者の方々に、高岡の魅力を楽しみながら学んでいただける工夫を凝らしています。
インタビュアー
2007年(平成19年)に、常設展の全面リニューアルをされたそうですね。展示に高岡城下町の模型や写真、マスコットキャラクターの「利長くん」のイラストを利用していることで、来館者は楽しく理解を深めながら高岡の歴史を学ぶことができますね。
高岡市の歴史を物語る貴重な展示資料と解説
インタビュアー
主にどのような展示物を拝見できますか?
宇川さん
高岡市指定文化財となっている古文書「(慶長14~16年ヵ)5月30日付前田利長書状(中少他1名宛)」を見ることができます。
前田利長は高岡の町を作った加賀前田家2代当主です。この書状は、利長が高岡城下町を造成中に、側近の駒井守勝などへ越中砺波郡西部金屋村(現在の高岡市戸出西部金屋)の鋳物師(いもじ、鋳物職人)に「高岡へ来るように」と指示した内容が記されています。
この古文書は、高岡金屋町の鋳物(銅器)産業の発祥を示す重要な史料となっています。
インタビュアー
高岡の歴史を感じるとても貴重なものですね。他にも興味深い展示物はありますか?
宇川さん
はい、他にも高岡市戸出地区の発祥を示す「戸出野開御印状」や、江戸時代の天体観測用具の「渾天儀(こんてんぎ)」などの指定文化財があります。また、高岡にまつわる歴史・民俗・産業・美術資料を数多く常設展示しています。例えば、高岡の伝統工芸品である銅器や漆器の展示、高岡の祭りに関する資料なども見ることができます。訪れる方々に高岡の豊かな文化と歴史を楽しんでいただけると思います。
季節ごとの企画展で楽しむ高岡の魅力
インタビュアー
人気の企画展や開催頻度について教えてください。
宇川さん
年間を通じて、季節ごとに特徴的な展覧会を開催しています。
- (冬〜春)当館収蔵の民具を紹介している館蔵品展「昔の道具とくらし」
- (夏~秋)高岡の歴史をテーマにした特別展
- (秋~冬)当館収蔵の初公開・未公開資料を紹介している館蔵品展
これらの主要な展覧会に加えて、年に4~5回タイミングを合わせて展示テーマを設定し、随時展示替えを行っている常設展・お宝コーナーもあります。このコーナーでは、高岡の歴史や文化に関連する貴重な資料を見ることができます。
※最新の展示情報や開催日程については、公式ホームページでご確認ください。
わかりやすい展示と充実の体験コーナーが魅力
インタビュアー
高岡市立博物館ならではの魅力や良さを教えてください。
宇川さん
当館の魅力は、展示パネルに多くのイラストや図を使用し、展示資料について分かりやすく解説している点です。特に、個々の展示キャプションには、当館生まれの高岡市マスコットキャラクター「利長くん」が登場しています。
来館されたお客様からは、高岡の歴史の内容がよく理解できる展示だったとの評価をいただいております。歴史を楽しく学べる工夫が、当館の大きな特徴となっています。
館限定グッズとドラえもんアイテムが充実のミュージアムショップ
インタビュアー
オリジナルグッズやお土産などを購入できるショップはありますか?
宇川さん
はい、博物館入口の受付前にミュージアムショップがあります。当館で開催される企画展や特別展の図録を販売しているほか、高岡の名所をデザインしたクリアファイルや缶バッジ、ポストカードなど、高岡にちなんだお土産も多数取り揃えています。
また、高岡市出身の漫画家、藤子・F・不二雄先生にちなんだ「ドラえもん」グッズも販売しています。これらは高岡ならではの商品として人気があります。
特におすすめなのが、当館限定の「利長くん」缶バッジです。100円で購入でき、ここでしか手に入らない限定品ですので、記念にいかがでしょうか。「利長くん」は高岡市の初代藩主、前田利長公をモチーフにしたキャラクターです。
24時間押印可能!日本100名城「高岡城」スタンプコーナー
インタビュアー
先ほど、館内で日本100名城スタンプを見つけました。高岡城は、日本100名城に選定されているんですね!
宇川さん
はい。当館は、日本100名城の一つ「高岡城」のスタンプ設置場所となっています。開館時間内は館内でスタンプを押すことができます。また、開館時間外は博物館入口前にスタンプを出してありますので、24時間いつでも押印いただけます。これは、遠方からお越しの方や、早朝・夜間に訪れる方にも対応できるようにしたものです。
インタビュアー
24時間いつでも押印できるのはとても便利ですね。お城めぐりが趣味の人や、お城好きカップルにとっても魅力的なスポットだと思います。日本100名城を巡る旅の思い出作りにもぴったりですね。
兜をかぶって記念撮影!フォトスポットコーナー
インタビュアー
他に見どころやデートでのオススメスポットはありますか?
宇川さん
常設展「高岡ものがたり」では、高岡の歴史について楽しみながら学べる「体験コーナー」を各種設置しています。その中でも特に人気があるのが、「利長くんの兜をかぶってみよう!」のコーナーです。
このコーナーでは、前田利長所用とされる「銀鯰尾形兜」の実物大模型をかぶることができます。体験コーナーの隣には顔出し撮影スポットも用意されているので、兜をかぶって撮影することができます。ぜひ皆さんも体験してみてください。記念写真を撮ることで、高岡の歴史を身近に感じられる素敵な思い出になるはずです。
風情ある茶室「松聲庵」で楽しむ季節の呈茶イベント
インタビュアー
カップルにおすすめのイベントはありますか?
宇川さん
茶室「松聲庵」で行われる呈茶の会(年2回/参加料500円)、呈茶席(年8回/参加料400円)がおすすめです。茶庭の季節の移り変わりを感じながら、ゆったりとした自然のなかでお抹茶を楽しんでいただけます。
春には桜、秋には紅葉を愛でながら、風情ある博物館のお茶室でステキな時間をお過ごしいただけます。カップルで日本の伝統文化に触れる素敵な機会となるでしょう。
インタビュアー
手作り体験教室やワークショップなどもありますか?
宇川さん
2020年秋から「博物館に親しむ会」主催で、「版画講座ー木版画で年賀状を作ろうー」を開催しています。来年の干支にちなんだ年賀状のデザインを作ることができます。カップルでも楽しめる内容となっています。
インタビュアー
木版画で年賀状作りとは、レトロな雰囲気がステキですね。カップルで参加して、お互いに年賀状を送り合うのも素敵なアイデアだと思います。思い出に残る体験になりそうです。
来館者の声:高岡市立博物館の魅力
インタビュアー
利用者からよく聞く感想や嬉しかった声を教えてください。
宇川さん
「高岡の歴史の内容がよくわかる展示だった」「入館無料の展示が嬉しい」「雑学クイズやハンズオンコーナーなどが楽しかった」などのお声をいただくことが多いです。特に、地域の歴史を学びながら楽しめる点が好評です。
インタビュアー
最後に、博物館デートを考えているカップルへメッセージをお願いします!
宇川さん
高岡古城公園のお散歩がてら、どうぞお気軽にお立ち寄りください。博物館では、高岡の歴史や文化を一緒に学びながら、楽しい時間を過ごせると思います。また、入館無料で体験型コーナーも充実しているので、デートの思い出作りにぴったりですよ。
インタビュアー
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
博物館訪問前に知っておきたい基本情報とマナー
博物館に行く前に知っておきたいことを質問しました!
- Q:予約は必要ですか?
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A:個人・団体ともに、事前予約は不要です。ただし、展示解説をご希望の場合は、事前に電話予約をお願いしています。その際、人数と来館予定時間をお知らせください。
- Q:入館料金について教えてください。
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A:高岡市立博物館では、常設展、特別展、館蔵品展のすべてが入館無料です。お金を気にせずにお楽しみいただけます。
- Q:館内で写真撮影は可能ですか?
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A:常設展示室と企画展示室では、基本的に写真撮影が可能です。非営利目的であれば、SNSなどインターネットへの公開も問題ありません。
- Q:博物館を楽しむ上でのマナーを教えてください。
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A:他の来館者の方々への配慮として、大きな声を出さず、静かにゆっくりと館内をご見学ください。
- Q:博物館に行く前に、展示物の情報を確認できますか?
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A:当館のホームページで代表的な収蔵資料を紹介しています。また、TwitterやFacebookでも資料情報を随時公開しています。
さらに、文化庁・国立情報学研究所主催の『文化遺産オンライン』でも資料情報を公開しています。所蔵館名やフリーワード検索で「高岡市立博物館」と入力・検索すると、詳細な資料情報や画像をご覧いただけます。
高岡市立博物館へのアクセス方法と利用案内
住所 | 〒933-0044 富山県高岡市古城1-5 |
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開館時間 | 9:00~17:00 (入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 (祝日・休日の場合は開館し、翌平日休館) 年末年始 (12月29日~1月3日) |
比較的空いている時間帯 | 火曜~金曜日の午前中、夕方 |
アクセス方法 | ■公共交通機関 JR高岡駅より徒歩約15分 [バス利用] 高岡駅前:加越能バス「市民病院・職安前」行き乗車、「大手町」バス停下車、徒歩5分 JR新高岡駅:南口バス乗り場で加越能バス「高岡駅」方面に乗車、「高岡駅南口」バス停下車 ■車 [最寄りのインターチェンジ] 能越自動車道:高岡ICから約20分、高岡北ICから約25分 北陸自動車道:高岡砺波スマートICから約15分、小杉ICから約30分、砺波ICから約30分 |
駐車場 | ■駐車場の収容可能台数:10台 ※満車の場合は、最寄りの高岡古城公園小竹薮駐車場、東洋通信スポーツセンター(旧高岡市民体育館)前駐車場、旧高岡市民会館駐車場などをご利用ください。 |
公式サイト | https://www.e-tmm.info/index.htm |
高岡市立博物館周辺のおすすめデートスポット3選
高岡市立博物館とセットで楽しめる、魅力的なおすすめスポットを3つご紹介します。これらの場所を訪れることで、高岡の豊かな歴史と伝統文化をより深く体験できます。高岡市内の主要な観光名所を効率よく巡ることができ、充実した旅行プランを立てることができるでしょう。
日本三大仏の一つ「高岡大仏」で心癒される参拝体験
宇川さんもおすすめの観光スポットは、高岡古城公園から徒歩4分のところにある「高岡大仏」です。高岡大仏は、奈良の東大寺大仏や鎌倉の高徳院大仏とともに「日本三大仏」と称されており、「銅器の町・高岡」のシンボルとなっています。
参道を歩きながら大仏様の顔を拝むと、不思議と心が落ち着いてくるような感覚を覚えます。日常の喧騒から離れ、ゆったりとした時間を過ごすのに最適な場所です。恋人同士で訪れれば、静かな雰囲気の中で互いの心を感じ合えるかもしれません。
公式:https://www.takaokadaibutsu.xyz/
絶景の宿「雨晴温泉 磯はなび」で過ごす贅沢な温泉時間
「雨晴温泉 磯はなび」は、高岡市の高台に位置し温泉から富山湾の絶景が一望できる人気の旅館です。ロビーラウンジからの景色も素晴らしく、目の前に広がる紺碧の海を眺めながら、ゆったりと至福のひとときを過ごすことができます。
旅館には貸切風呂も用意されており、カップルで二人きりの時間を存分に楽しむことができます。貸切風呂は人気があるため、混雑を避けるために事前予約をすることをおすすめします。
日帰り温泉プランも用意されており、地元の食材を使った美味しい食事と温泉を堪能できます。富山湾で獲れた新鮮な魚介類を味わいながら、のんびりと温泉を楽しむことができます。
古民家風レストラン「茶寮 和香」で味わう和食ディナー
茶寮 和香(にこか)は、千本格子の古い家並みが残る金屋町の歴史的建造物をリノベーションした古民家風レストランです。
レトロな外観と、重厚な梁と白い漆喰の壁が織りなす落ち着いた内装が魅力的です。店内では、地元の新鮮な食材を使った日本料理を楽しむことができます。料理は味はもちろんのこと、盛り付けの美しさも評判で、多くの口コミで高い評価を得ています。静かでゆったりとした雰囲気の中で、大人の雰囲気を味わいたいカップルにぴったりのスポットです。