【長野県大桑村への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、地方への移住を検討している方のために、長野県大桑村の魅力を紹介していきます。
大桑村は、長野県の南西部に位置する人口約3,300人の村です。中山道の宿場町「須原宿(すはらじゅく)」「野尻宿(のじりじゅく)」が栄えたことから、歴史と文化が色濃く残っています。村の東部に雄大な中央アルプスを望む自然豊かな地域です。
そんな大桑村での暮らしの特徴やその魅力について、大桑村役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。
長野県大桑村の暮らし、3つの特徴
大桑村は、木曽6町村の一つであり、村の9割を森林が占める自然に囲まれた村です。子育て世帯への支援が手厚く、自然・歴史・文化を感じながらゆったりとした生活を送ることができます。
生活に必要な物品は村内で揃えることができますが、名古屋市や松本市までは車で2時間弱ほどで行くこともできます。
そんな大桑村は以下のような方におすすめです。
- 子育てに関しての支援が欲しい方
- 美しい自然とともにある生活をしたい方
- 歴史や文化などが好きで、伝統を大切にした暮らしを送りたい方
それではここから、大桑村の魅力や特色について更に掘り下げていきたいと思います。
特徴1:子育てには村独自の支援もあり
▲遊具が新設され、小学生が遊ぶ「スポーツ公園」(参考:おおくわナビ)
大桑村では子育て世帯へのサポートに力を入れており、具体的には以下のような支援を行っています。
- 誕生祝品として大桑村産の木のおもちゃをプレゼント(ウッドスタート事業)
- 未満児を含めた保育園の保育料及び給食費の完全無償化
- 小中学校の給食費(副菜費)を補助
- 0歳から18歳(18歳到達後の最初の3月31日まで)の医療費が無料
また、村独自の「大桑村すこやか子育て応援事業」として、出産祝金や入学祝金を支給しています。支給対象者は、村内に住民登録があり児童を養育している人です。
種類 | 金額 |
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出産祝金 | 各50,000円(1児につき) |
小学校入学祝金 | |
中学校入学祝金 |
子育てには何かとお金がかかるものなので、保育園から中学校にかけての金銭的な補助があると、家計も助かりますね。
また、教育面では、村民主体の教育支援組織「オオクワガタコミュニティスクール」において、地域住民が子どもたちに対し、昔ながらの文化的な踊りを教えたり、しめ縄づくりやギターの講座などを行ったりしています。
このように、地域文化の伝承と郷土愛を育み、世代間の交流を活発化させる取り組みとしての教育にも力を入れているのが大桑村の特徴の一つです。
特徴2:思わずはっと息を吞むほどの自然美
▲大桑村の東には雄大な中央アルプスが望める
村の総面積の9割を森林が占め、豊かな自然を有する大桑村では、四季折々に変化する風景を眺めることができます。
村の東側から望める中央アルプス(木曽山脈)の雄大な山々は、北アルプス(飛騨山脈)、南アルプス(赤石山脈)ともに「日本アルプス」と呼ばれています。冬に降った雪の白化粧をまとった山はとても美しく、村民を見守ってくれているようです。
大桑村が発生地と伝えられている「三色桃(ハナモモ)」は、電力事業に力を入れていた福沢桃介がドイツから持ち帰ったものを、須原発電所に植栽したのが始まりとされています。現在は「ハナモモ街道」となっており、春になると、赤、白、ピンクの三色の花々が、見る人の目を楽しませてくれます。
参考:全国旅行情報サイト「ジャパン・ヨンナナ・ゴー」(三色桃)
▲春になると赤白ピンクの花を咲かせる三色桃(ハナモモ)
全長約15kmの清流が流れる「阿寺渓谷」では、大桑村が誇る美しい景色を見ることができます。渓谷を流れる水はエメラルドグリーンで、抜群の透明度があり、川底まで見えるのではないかと思うほどです。
清流の両岸には「木曽五木」と呼ばれる、ヒノキ・サワラ・アスナロ・ネズコ・コウヤマキが生息しており、清涼な空気を生み出しています。
▲阿寺渓谷(あてらけいこく)にかかる赤彦歌碑近くの吊り橋
太陽光の加減によっても色合いが変化して見える渓谷では、水遊びや釣りを楽しむこともできるため、夏場は多くの人たちが涼を求めてやってきます。また、上流にはキャンプ場もあり、阿寺渓谷での滞在を存分に楽しむことができますよ。
参考:なっぷ(阿寺渓谷キャンプ場)
▲「阿寺ブルー」と言われる色合いが美しい
特徴3:宿場町ならではの伝統文化が多く残る
▲定勝寺の山門に映える紅葉の美しさ(須原宿)
もともと、中山道の宿場町「須原宿」「野尻宿」があった大桑村には、宿場町の面影を残す町並みや、数々の文化財が残っています。お寺や神社、観音堂など、一年を通じて変化する自然と調和した佇まいが美しいです。
木曽三大寺の一つである「定勝寺(じょうしょうじ)」は最古刹(由緒ある古いお寺のこと)であり、山門、本堂、庫裏の全てが国の重要文化財に指定されています。
また、江戸時代の中期に建立されたと伝えられる「岩出観音」は、懸崖(けんがい)造りと呼ばれる、崖や山の斜面にへばりつくように建てられた建築様式が特徴的です。渓斎英泉の描いた木曽街道六十九次「伊奈川橋遠景」にもその姿を確認できるほどの歴史があります。
木曽馬の産地であるからか、本尊は馬頭観音で、堂内には数多くの絵馬が奉納されています。
▲紅葉と同じように山にそびえたつような岩出観音
鎌倉幕府が滅びた直後の元弘4(1334)年に建立された「白山神社(はくさんじんじゃ)」も歴史ある建造物の一つです。蔵王神社、伊豆神社、熊野神社と同じく、保存状態が良く、鎌倉時代の技法を見ることのできる本殿は国指定重要文化財とされています。
▲趣のある佇まいが畏敬の念を誘う、白山神社の鳥居
大桑村に残っているのはかたちある文化財だけではありません。
樹齢800年を超える村指定文化財の大杉がある鹿嶋神社では、毎年夏の時期になると、2日間に渡って例大祭が行われます。男たちの掛け声が響き渡る豪華な神輿や、神楽連の悪魔払いを見ることができる伝統行事です。
▲鹿嶋神社の例大祭で見られる獅子神楽の本歌舞「おそめ」
須佐男神社も夏の時期に例大祭を行います。こちらは、疫病除け、招福、豊作を祈る夏祭りで、こちらも2日間に渡って行われる伝統行事です。稚児舞や小学生による羅炎太鼓などが行われ、地域が一丸となった由緒あるお祭りに参加することができます。
▲須佐男神社の例大祭では2日間に渡って、神輿が町内を練り歩く
自分の生活圏の中で日本ならではの文化を感じ、大切にしたい人にも大桑村はおすすめの移住先です。
長野県大桑村の暮らしに関する情報
▲森林が隣接する大桑村ののどかな田園風景
ここからは大桑村での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。
気候 | ・夏(8月):平均気温23.2℃ ・冬(1月):平均気温-1.4℃ ※参考:気象庁ホームページ(木曽福島地点) |
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人口 | 約3,300人(約1,500世帯)※令和5年6月1日現在 |
病院 | 村内には医院と歯科医院の2件の医療機関がある |
学校 | 保育園1園、小学校1校、中学校1校 |
特産品 | 桜の花漬け、ますのうの花漬け、五平餅、手打ちそば、木曽のかけはし(地酒)、木曽牛、ほお葉巻 |
交通 | 【電車】東海旅客鉄道(JR東海)中央本線:須原駅、大桑駅、野尻駅 【バス】大桑村営バス「くわちゃんバス」 【国道】国道19号 |
近隣都市 | ・長野県:飯田市、駒ヶ根市、上伊那郡飯島町、木曽郡上松町、南木曽町、王滝村 ・岐阜県:中津川市 |
大都市からのアクセス | 【車】 ・名古屋から:中央自動車道を経由し、約1時間45分 ・新宿から:中央自動車道を経由し、約3時間45分 |
村内には、スーパー、ドラッグストアにコンビニが2店舗あるので、生活必需品は揃えることができます。大型の商業施設に行く場合は、松本市や岐阜県中津川市、恵那市などに行く人が多く、また、名古屋市へも2時間足らずで行くことができるため、ちょっと足を伸ばして遠出する人もいます。
▲いくつかの商業施設が同じ敷地内にあるため、一度に用事を済ますことができる
気候に関していうと、大桑村は年間降雨量が多い地域ですが、これは木曽地域全般に言えることです。冬の時期には雪も降りますが、温暖化の影響からか降雪量は減少傾向にあります。
大桑村は、松本市と名古屋市の中ほどに位置しており、車を使えばおよそ2時間足らずでどちらの市に行くことができます。公共交通機関は多くありませんが、車があれば村内での移動も、近隣都市圏へ行くにも不自由はしません。
【仕事】木曽地域や近隣都市も含めれば仕事の選択肢は多様
大手求人サイトで「大桑村×正社員」で検索したところ、約50件の求人情報が見つかりました。車で30分以内の通勤圏内(村内から25km以内)で検索したところ、求人情報は約4,000件まで広がりました。(※2023年6月現在)
※参考:求人情報の一例(大桑村のみ)
※参考:求人情報の一例(大桑村から25km以内)
車を使って木曽町まで20~30分ほど、岐阜県の中津川市や恵那市まで1時間以内で行くことができるため、近隣都市圏に通勤する人もいます。村内だけでなく、木曽地域や近隣都市も含めれば仕事の選択肢は多そうです。
【住まい】賃貸物件は要確認。空き家バンク制度や新築補助金も
いくつかの賃貸サイトで大桑村の物件を探したところ、賃貸が可能な物件は現時点ではありませんでした。(※2023年6月現在)
大桑村では空き家バンク制度を活用しています。その多くは売り物件ですが、賃貸物件もいくつかあるようです。また、いくつかの物件については地域おこし協力隊がブログで紹介を行っています。
物件の改修が必要な場合は、「空き家対策事業補助金」で改修工事費用を補助してもらえる可能性があります。補助額は最大200万円まで出るので、上手く活用したいところです。
また、大桑村に新築住宅を建てる場合に、最大100万円の補助が出る制度もあります。この補助金は工事が完了する前に活用の申請が必要となりますので、新築を考えている人は忘れず申請するようにして下さい。
そのほか、住宅の増改築に関する補助金もあるので、物件を手に入れた後に増改築を考えている場合は、こちらもぜひ活用して下さい。
長野県大桑村に暮らす先輩移住者の声
実際に大桑村で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。
- 村ならではのゆっくりとした空気感が魅力
- 鳥のさえずりや、川のせせらぎ、風の音など、自然は意外と賑やかであることに気付いた
- 夜は明かりがなく、真っ暗になるので都会に住んでいた時と比べて爆睡できるようになった
- 虫が多いので、テントウムシがいた!と思ったら、次はカメムシが出てきたりすることもある
- 村に馴染めるか不安だったが、消防団に入って地域の人との交流が生まれたことで、馴染めるようになった
- 地域愛に溢れている人が多いが、新しく外からやってきた人を受け入れる風土がある。「ワラビが採れたからどうぞ」みたいなお裾分けをしていただくこともあった
自然の奏でる音に驚いたり、虫の多さに自然と隣り合わせであることを感じながら、ゆっくりとした生活を送られていることがわかりますね。
長野県大桑村への移住
大桑村への移住後の生活について具体的にイメージするには、まず現地に行ってみるのが一番です。訪問する時期としておすすめなのが、花々が美しい3月末~5月中旬頃で、桜、ハナモモが植えられた街道では、GWの時期にライトアップも行われています。
現在は大桑村単独で移住体験ツアーを実施していませんが、木曽広域連合が実施することもあります。大桑村に来ていただき、村の魅力を知っていただきたいです。
大桑村への移住に関するお問い合わせ
大桑村に興味を持った方は、まずは総務課 企画財政係に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。
担当 | 大桑村役場 総務課 企画財政係 |
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住所 | 〒399-5503 長野県木曽郡大桑村長野880番地1 |
電話 | 0264-55-3080 |
公式サイト | http://www.vill.ookuwa.nagano.jp/ |