鳥取市歴史博物館「やまびこ館」で2000年の歴史を巡る!カップルの知的デートプラン
今回は鳥取県にある鳥取市歴史博物館「やまびこ館」を中心に、鳥取市内の歴史スポットをぐるりと巡るデートプランを紹介します。
鳥取市歴史博物館の魅力は、実物資料・映像・模型などの多様な展示品を活用し、一目で内容を理解しやすい展示を行っているところです。通年で鑑賞できる常設展示は、時系列に沿った構成で「わかりやすい!」と好評を博しています。
さらに、戦国時代の城跡や明治時代の洋館など、鳥取市の歴史を物語る様々なスポットも訪れます。歴史愛好家や戦国ファンのカップルが満足できる充実したデートプランをご紹介します。
おすすめカップル:歴史好き、戦国時代・幕末や明治に興味がある
どんなデート?:見学、体験、学習を通じて楽しむデート
目安時間:6時間15分
目安予算:2人で6,000円
鳥取市内の歴史スポットを巡る1日デートプラン
ご提案するのは歴史好き・戦国ファンのカップルにおすすめの、鳥取市内の歴史スポットをぐるりと巡るデートプランです。
9:40 | 鳥取駅集合 |
---|---|
移動 | バスで20分 |
10:00~11:30 | 鳥取市歴史博物館で展示を鑑賞 |
11:30~12:30 | 鳥取市歴史博物館の喫茶「ひすとりあ」でランチ |
12:30~13:10 | 鳥取東照宮にお参り |
移動 | バスと徒歩で約15分 |
13:25~15:00 | 鳥取城跡を散策 |
15:00~16:00 | 仁風閣を見学 |
デートで訪れる場所は少し離れているため、鳥取駅に集合したらバスで移動しましょう。100円バスくる梨の「赤コース」を利用します。
鳥取市歴史博物館へ向かう際は「樗谿(おうちだに)公園やまびこ館前」バス停で下車し、鳥取城跡へ行く際は「とりぎん文化会館」バス停で下車します。
一日乗車券を利用すると、このデートプランで訪れるスポットの入館料が割引される場合があります。また、バスを降りるたびに料金を支払う手間も省けるので、ぜひ検討してみてください。
それでは、このデートプランのメインスポットである鳥取市歴史博物館について紹介します。
2,000年の歴史と文化を体感!鳥取市歴史博物館の見どころ
鳥取市歴史博物館は、地元・鳥取市の歴史と文化を紹介する博物館です。縄文時代から現代まで2,000年以上におよぶ歴史的資料を扱っており、常設展示室では遺跡から出土した本物の土器や、戦国時代に書かれた重要な文書など、実物の資料を多く展示しています。
注目ポイントは、模型や映像などを多数使用した展示方法です。これにより、紹介している時代や出来事の雰囲気が想像しやすく、解説への理解が深まります。
さらに、常設展示室内では基本的に撮影が可能です。お気に入りの展示品や興味を持った解説を写真に収め、デート後に二人で振り返ることができます。
企画展は年に数回開催されています。歴史関連のテーマだけでなく、アニメーション展やねこ展など、幅広い層の興味を引く展覧会が行われています。
今回は、鳥取市歴史博物館の学芸員である千葉さんに、施設の展示や見どころについてお話を伺いました。
「モノが語る、人が語る博物館」のコンセプトと展示内容
編集部
鳥取市歴史博物館はJR鳥取駅から車で5分ほどの場所にあり、市街地の喧騒から離れた静かで落ち着いた雰囲気が感じられます。まずは博物館のコンセプトや、展示している作品について教えてください。
学芸員・千葉さん
本館のコンセプトは「モノが語る、人が語る博物館」です。主に次のようなものを展示しています。
- 鳥取の歴史や文化に関する実物資料
- 天正9年(1581年)の羽柴秀吉による鳥取城攻めの模型
- 鳥取城下町の映像
実物資料を中心とした展示を鑑賞したり、学芸員の解説を聴いたりしながら、鳥取の歴史や文化に思いを馳せていただければと思います。例えば、江戸時代の生活用品や古文書などを通じて、当時の人々の暮らしぶりを想像することができます。
▲江戸時代に描かれた鳥取城周辺地図から歴史を学ぶ展示。現在の地図と比較することで、街の変遷がよくわかります。
編集部
鳥取市歴史博物館は、実物資料・模型・映像と、展示方法のバリエーションが豊富な博物館なのですね。これらの多様な展示方法によって、鳥取の歴史や文化をより深く、立体的に理解できそうです。
学芸員イチオシ!鳥取城攻めの精巧な模型展示
編集部
来館者の理解度を高められるよう、展示の仕方を工夫している鳥取市歴史博物館ですが、千葉さんが思う施設の魅力は何ですか?
学芸員・千葉さん
鳥取は自然豊かで、多くの歴史遺産を有しています。鳥取県内に住んでいる方だけでなく、遠方から来館された方も、地元が歩んできた歴史を多くの実物資料や映像などで体感できる点が魅力だと思います。例えば、先史時代の遺物や江戸時代の生活用具など、幅広い時代の展示品を通じて、鳥取の歴史を五感で感じることができます。
▲鳥取県内にある栗谷遺跡から出土した先史時代の遺物。
編集部
どの展示室でも、ケースの中にはずらりと展示品が並べられていますが、千葉さんが特に好きな展示を教えていただけますか?
学芸員・千葉さん
常設展示室にある天正9年の鳥取城攻めの模型は、戦いの布陣の様子を再現していてとても面白いです。この模型を通じて、当時の戦略や地形の重要性を視覚的に理解することができます。
▲羽柴秀吉陣営がどのように鳥取城を包囲したのかを再現した模型。
また蛍に関係する錦絵のコレクションは、全国的にも珍しいものだと思います。これらの錦絵は、鳥取の自然と文化の関わりを示す貴重な資料です。
編集部
天正9年の鳥取城攻めとは、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)が、織田信長の命で行った兵糧攻めのことですよね。のちに「鳥取城の渇え殺し」と呼ばれるほど、壮絶な戦いだったと聞いたことがあります。
模型の近くの壁には小さなモニターが付いているため、歴史的な知識に自信がなくても画面を見ながら鳥取城攻めについて学べますね。当時の臨場感を想像しながら鑑賞してみたいです。
地元の歴史を掘り下げる多彩な企画展
編集部
次に、鳥取市歴史博物館の展覧会について伺いたいと思います。展覧会の開催頻度や、今後予定している企画展を教えてください。
学芸員・千葉さん
鳥取の歴史や文化、芸術などに関する企画展を年に数回開催しています。2023年度は以下のような企画展を開催します。
- 「鳥取城のあゆみ〜天神山城から鳥取城へ〜」(7月22日〜9月10日まで)
- 「鳥取城のあゆみ〜城から公園へ〜」(9月30日〜11月12日まで)
また、過去には次のような多様な企画展も開催してきました。
- 因幡×豊臣~豊臣政権と因幡の大名~
- とっとりのお宝おひろめ~鳥取県指定文化財新規指定記念展~
- 日本のアニメーション美術の創造者 山本二三展
これらの展覧会は、戦国時代や地域の文化財、アニメーション美術など幅広いテーマを扱っており、様々な興味を持つ方々に楽しんでいただけるよう工夫しています。具体的な内容や会期については、その都度公式サイトで最新情報を確認することをお勧めします。
体験型学習の場「まなびのひろば」とワークショップ
編集部
展示室内では昔使われていた本物の道具や、戦の様子を再現した模型を鑑賞できることがわかりました。
展示室以外に体験コーナーのような、実際に手を動かして鳥取の歴史や文化を感じられる場所はありますか?また、ワークショップなども開催されているのでしょうか?
学芸員・千葉さん
館内にある学習コーナーの「まなびのひろば」では、土器パズルや双六の複製、昔のおもちゃなどで遊べます。実際に手を動かして体験することで、より当館の展示や鳥取の歴史への理解が深まります。
▲常設展示室の隣にある学習コーナー「まなびのひろば」には図書コーナーやモニターブースもあります。
また、当館では次のようなワークショップやイベントを実施しています。
- 和本・ハンコ・地図作品などを作るワークショップ
- 鳥取の史跡をめぐる歴史散策
編集部
カラフルでかわいらしい学習コーナーですね。モニターブースもあり、展示を見て気になることがあったときに利用すると、より鳥取の歴史への理解を深められそうです。
和本作りなどのワークショップは、普段体験する機会が少ないので、デートの思い出に残りそうですね。一部のイベントは予約が必要とのことですので、開催時間や料金も事前に確認しておくと良さそうです。
休憩とお土産:喫茶「ひすとりあ」とミュージアムショップ
編集部
展示を見終えたら、記念写真の撮影・小休憩・お土産の購入などをしたくなるカップルもいると思います。
鳥取市歴史博物館には、写真の撮影スポットやカフェ、ミュージアムショップなどはありますか?
学芸員・千葉さん
常設展示室は基本的に撮影自由です。休憩スポットとしては、ロビーにあるソファがおすすめです。展示見学の合間や鑑賞終わりにゆったりとくつろげます。
また館内には、お食事やお飲み物を提供している喫茶「ひすとりあ」と、ミュージアムショップがあります。
▲喫茶「ひすとりあ」の入口。日替わりランチ・カレー・ケーキセットなどを食べられます。
▲ミュージアムショップの様子。缶バッジやマグネットも販売しています。
喫茶「ひすとりあ」の人気メニューは日替わりのランチです。ショップでは当館が作成した図録やオリジナル商品など、多数の商品を取り揃えています。
▲鳥取城攻めの布陣の様子など、展示内容をモチーフにしたバッジはお土産におすすめ!
編集部
多くの施設で撮影が禁止されている中、鳥取市歴史博物館では基本的に撮影が可能なのは魅力的ですね。
鳥取市歴史博物館には1,500年以上昔の遺跡から出土した土器や、戦国時代の文書など、歴史ロマンあふれる展示品が豊富にあります。写真撮影やミュージアムショップでのグッズ購入を通じて、思い出に残るデートを楽しめそうです。
来館者の生の声:鳥取市歴史博物館の評判と口コミ
編集部
鳥取市歴史博物館に来館された方からは、どのような感想がよく寄せられるのですか?
学芸員・千葉さん
「今まで知らなかった鳥取の歴史がよく分かった」という声をよくいただきます。また、まなびのひろばにある土器パズルも来館者に好評です。
編集部
Googleマップには130件以上のレビューが投稿されていました。一部を要約してご紹介します。
- 常設展は時代ごとに区切って展示されていました。時系列に沿って鑑賞できるので、とてもわかりやすかったです。
- もともとは「ねこ」展を目的に訪れましたが、常設展も合わせて観賞しました。鳥取大火の展示は胸が熱くなりました。
- 学芸員さんがとても親切でした。私の質問に対する回答もわかりやすく、勉強になりました。
特に「常設展が良かった」という感想が多く寄せられていました。実物・映像・模型・パネルなど、さまざまな手法で展示を行っているため、歴史に詳しくない方でも内容を理解しながら鑑賞できるようです。また、展示室の空間が広く、じっくりと鑑賞できる環境が整っていることも、鳥取の歴史や文化への理解を深める要因となっています。
学芸員・千葉さんからカップルへの特別メッセージ
編集部
最後に、デートでの来館を検討しているカップルにメッセージをお願いします。
学芸員・千葉さん
当館は、鳥取の歴史を物語る資料を多数展示している博物館です。過去から現在までの鳥取について、来館者様それぞれの関心に沿って、楽しみながら知っていただけると思います。例えば、古代の遺跡や中世の城郭、近代の産業など、様々な時代や分野の展示があります。また、カップルでゆっくり鑑賞しながら、鳥取の魅力を一緒に発見する楽しみもあると思います。
編集部
映像や模型を見て当時の様子を想像したり、解説をじっくり読んで理解を深めたりと、自分たちだけの楽しみ方を見つけるのが鑑賞のコツなのですね。鳥取市歴史博物館では無料の音声ガイドも用意されているとのことで、展示を楽しむための細やかな工夫をされている博物館だと感じました。
千葉さん、本日はありがとうございました。
鳥取市歴史博物館「やまびこ館」への訪問に役立つ基本情報
住所 | 〒680-0015 鳥取県鳥取市上町88 |
---|---|
アクセス | 【JR鳥取駅より】 ・徒歩:25分 ・タクシー、車:5分 ・100円バス「くる梨」赤コース:20分 バス停「樗谿公園やまびこ館前」下車 |
開館時間 | 9:00~17:00 (最終入館は16:30まで) |
休館日 | ・毎週月曜日 (祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館) ・祝日の翌日 (土・日・祝日の場合は開館) ・年末年始 (12月29日~翌年1月3日) ・施設メンテナンス (年間3日間程度) |
料金 | 【高校生以下】 ・無料 【一般】 ・常設展:300円 ・特別展:500円 ※65歳以上および身体障がい者手帳所有者等は無料 ※料金は展示内容により異なる場合があります |
駐車場 | 【第1駐車場】 ・普通車:24台 ・障がい者用:2台 ・バス:2台 【第2駐車場】 ・普通車:34台 ・障がい者用:1台 |
予約 | 一部イベントは要予約 |
平均滞在時間 | 1時間程度 |
空いている時間帯 | 平日は比較的すべての時間帯が空いている |
お問い合わせ | 電話:0857-23-2140 |
公式HP | https://www.tbz.or.jp/yamabikokan/ |
※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
鳥取市歴史博物館周辺の魅力的な歴史スポットでデートを満喫
今回提案するデートプランでの鳥取市歴史博物館の滞在時間は、ランチタイムを除くと1時間30分です。午後は十分な時間が空いているため、他の魅力的なスポットも訪れてみましょう。
ここで紹介するのは、インタビューに回答してくださった千葉さんおすすめの、歴史と文化が息づく3つの名所です。鳥取東照宮、鳥取城跡、そして仁風閣を巡ることで、鳥取の魅力をより深く感じることができるでしょう。
おすすめのデートスポット
国指定重要文化財の荘厳な社:鳥取東照宮
鳥取東照宮は、1650年(慶安3)に初代鳥取藩主・池田光仲が建立した神社です。見どころは本殿に彫られた鷹の彫刻です。この彫刻は、日光東照宮の眠り猫を彫ったとされる江戸時代初期の伝説的な彫刻職人・左甚五郎の作と伝えられています。
境内は小規模ながら、本殿・中門・拝殿・幣殿が国指定の重要文化財に指定されており、貴重な文化遺産の宝庫となっています。静かな雰囲気の中で、ゆっくりと参拝することができます。歴史と芸術が融合した鳥取東照宮で、心安らぐひとときをお過ごしください。
鳥取県観光案内サイト:https://www.tottori-guide.jp/tourism/tour/view/14
秀吉の兵糧攻めの舞台:鳥取城跡を散策
鳥取城は戦国時代中頃に建てられた城です。織田信長の命により、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)の軍勢が城を包囲し、後に「鳥取城の渇え殺し」と呼ばれる激しい兵糧攻めを行いました。
現在は石垣とお堀のみが残っていますが、鳥取市歴史博物館の展示を見た後に訪れると、「ここで実際に戦が行われたのだ」という感慨深い気持ちになります。頂上まで登ることができるので、時間に余裕がある場合は歩いて登ってみることをおすすめします。城跡からは鳥取市街を一望でき、歴史を感じながら景色を楽しむことができます。
鳥取市公式サイト:https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1575443542873/index.html
明治の洋風建築の粋を感じる:仁風閣
仁風閣は1907年(明治40年)5月に、元鳥取藩主池田家の14代目・池田仲博侯爵が建てた建物です。設計は、赤坂離宮や高輪プリンスホテル貴賓館の建築で知られる片山東熊が手がけました。別荘のような雰囲気の仁風閣は、内部のらせん階段や外の庭園など、見どころが豊富です。
常設展示では、池田家ゆかりの道具や明治時代の鳥取市に関する貴重な資料を鑑賞できます。また、近年では人気漫画「るろうに剣心」の実写映画の撮影地としても注目を集めています。
公式サイト:https://www.tbz.or.jp/jinpuukaku/
学芸員おすすめ!鳥取市内のさらなる歴史スポット
ここで紹介した場所以外にも、千葉さんからおすすめのデートスポットを教えていただきました。時間に余裕がある場合や、一泊二日でデートを楽しむカップルにぜひ参考にしていただきたい場所です。
鳥取県立博物館:https://www.pref.tottori.lg.jp/museum/
まとめ:鳥取市の歴史を巡る、カップルのための知的デートの魅力
今回は、鳥取市歴史博物館を中心に、鳥取市の歴史スポットを巡るデートプランを紹介しました。
鳥取市歴史博物館は、実物・映像・模型・パネルなどを効果的に組み合わせ、分かりやすい展示を行っている施設です。企画展や特別展も充実しているので、デート前に公式サイトでチェックしておくことをおすすめします。
午後に訪れる場所も、全て鳥取市の歴史に関連しています。鳥取市歴史博物館の展示を見て知識を得た後に訪れることで、「展示で解説していたのはこの場所だね」「実際に来てみて、展示の意味がよく分かった」など、会話が弾むきっかけになるでしょう。
鳥取市でデートを楽しむ際は、ぜひこのプランを参考にしてみてください。