熊本県八代市で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報|縁結び大学
この記事では移住を考えている人に向けて、熊本県八代市(やつしろし)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。
熊本県八代市は、九州のほぼ中央、熊本市の約40km南に位置しています。球磨川(くまがわ)、氷川(ひかわ)の豊富で良質な水の恩恵を受け、県内でも有数の農業生産地・工業都市として発展してきました。
今回は、八代市役所企画政策課(※取材当時)の平さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。
八代市の特徴を3つご紹介
八代市は、日本三急流のひとつ「球磨川」や平家落人伝説の里「五家荘(ごかのしょう)」など、自然と歴史に恵まれたまちです。また、畳表の原料であるい草の生産が日本一のため、畳の張り替えの費用を一部助成するなど、他にはない支援を行っています。
そんな八代市での暮らしは、次のような方に適しています。
- 子育て世帯にやさしいまちに住みたい
- 色々な業種の中から、自分に合った仕事を選びたい
- 交通アクセスのよいところで便利な生活をしたい
上記のような方に適している理由を、八代市に見られる3つの特徴から解説します。
特徴1:保育料無償化など県内14市初の取り組みで子育て支援
▲八代運動公園などで開催される「親子deホリデー」は、さまざまなスポーツを体験できるイベント
八代市では、子育て世帯へのサポートに力を入れており、誕生から成人まで切れ目のない支援に取り組んでいます。
「こどもプラザわくわく(イオン八代店2F)」「こどもプラザすくすく(マックスバリュ八代店2F)」は、乳幼児(0~3歳)が楽しく遊べるだけでなく、パパ・ママ同士の交流もできるスペースです。子育て情報を収集したり、子育ての悩みを相談する場として気軽に利用したいものです。どちらも商業施設内にあるので、買い物のついでにぜひ寄ってみましょう。
八代市では、他にも6つの子育て支援センターがあります。「引っ越したばかりで、どこに小児科があるかわからない」といった相談にも応じてくれますので、積極的に活用しましょう。
子育てに関する経済的な支援は次のとおりです。
出産祝い金交付 | 第1子:3万円、第2子:5万円、第3子以降:10万円 (第1子から支給しているのは県内14市唯一) |
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こども医療費助成 | 0~18歳(高校3年生相当)の子どもの医療費を全額助成 |
保育料無償化 | 所得・きょうだいの人数・年齢に関係なく全ての子どもの保育料無償化(県内14市初の取り組み)※令和5年9月から |
公式:八代市「『子育て世代に選ばれるまち やつしろ』の子育て支援」
特徴2:求人が多く、IT関連の企業誘致にも力を入れている
▲中心市街地にあるコワーキングスペース「SUNABACO八代」。有料で3Dプリンターやレーザーカッターなどの機材も利用できる
八代市は、県内でも有数の農業生産地・工業都市であることから、農業・工業の仕事がたくさんあります。また、医療や福祉系の求人も多く、さまざまな職種の中から希望の仕事を探せるでしょう。
八代市では、IT関連の企業誘致に力を入れており、アーケード内の空き店舗等に誘致しています。複数のIT系企業が空き店舗をオフィスとして活用しており、コワーキングスペースも備える「SUNABACO八代」も入居しています。
「SUNABACO八代」はオープンイノベーション拠点として、八代市の新たなランドマークとなっている場所で、コワーキングスペースには音響設備や撮影機材が充実している他、3Dプリンターやレーザーカッターを備えた試作スペースも備えています。
プログラミングやデザインの講座を開催したり、全国から経営者やエンジニアを招いてトークイベント等を開催するなど、多様な人材の交流が生まれる場所です。興味のある方はぜひ一度訪れてみてください。
特徴3:全国主要都市や九州各県へのアクセスがよい
▲2004年に開業した九州新幹線の新八代駅
八代市は九州のほぼ真ん中に位置しているため、交通アクセスがとてもよいまちです。市内にある新八代駅には九州新幹線が通っており、博多駅まで約50分、鹿児島中央駅まで約45分で到着します。新幹線さくらに乗れば、広島駅(約2時間)や新大阪駅(約3時間30分)も乗り換えなしで行くことができます。
また、新幹線以外にも鉄道が3路線走っているので、通勤・通学にも便利でしょう。さらに、九州の主な都市まではそれぞれ高速バスが走っており、ショッピングや観光などのお出かけに活用できます。市内には九州自動車道のインターチェンジがあり、車での九州各県への移動もスムーズです。
東京や名古屋に行く場合は、飛行機を利用すると便利です。新八代駅から高速バスに乗って阿蘇くまもと空港へ行き、そこから飛行機でそれぞれの都市へ移動します。所要時間は、新八代駅から東京(羽田)まで約2時間、名古屋(小牧)まで約2時間20分です(乗り換え時間含まず)。
このように、八代市は交通アクセスがよく、全国主要都市や九州各県への移動がスムーズです。
八代市の暮らしに関する情報
ここからは、八代市の暮らしに関する情報をご紹介します。
気候 | 8月平均気温:27.8℃ 1月平均気温:6.4 ℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:約121,000人 世帯:約57,800戸 (令和6年3月末時点) |
病院 | 病院・クリニック:16件 歯科:20件 |
学校 | 保育園・認定こども園:56園 幼稚園:8園 小学校:23校 中学校:16校 高等学校:7校 |
交通 | 【空港】 最寄りは阿蘇くまもと空港 (空港まで連絡バス「スーパーばんぺいゆ」で約50分) 【電車】 JR九州新幹線:新八代駅(博多駅まで約50分) JR鹿児島本線:有佐駅、千丁駅、新八代駅、八代駅 JR肥薩線:八代駅、段駅、坂本駅、葉木駅、鎌瀬駅、瀬戸石駅 ※令和2年7月豪雨の影響により運休しています。(2023年5月時点) 肥薩おれんじ鉄道:八代駅、肥後高田駅、日奈久温泉駅、肥後二見駅 【バス】 産交バス 麻生交通 【車】 八代I.C.から太宰府I.C.まで約1時間25分 八代I.C.から鹿児島I.C.まで約1時間40分 |
近隣都市 | 水俣市、人吉市、宇城市、熊本市 |
八代市には、大型スーパーマーケットやドラッグストア、100円ショップなどがあり、日常生活に困ることはありません。市内には循環バスが走っていますが、本数が少ないため、車があった方が便利です。八代市街地には坂道が少ないので、市の中心部であれば、自転車でも不便はないでしょう。
八代市では、季節ごとにさまざまなイベントやレジャーが楽しめます。ウォーキングやジョギングなどで多くの人に親しまれている「八代緑の回廊線(通称チャリンコロード)」はフォトジェニックな花見スポットです。春のお散歩におすすめです。
▲チャリンコロードはお花見スポットとして、春には多くの人で賑わう
「やつしろ全国花火競技大会」は、10月に球磨川河川緑地で開催される人気イベント。全国有数の花火師が腕を競い合う大会で、日本最高水準の花火が鑑賞できます。音楽と共に花火が打ち上がる「ミュージック花火」は、この大会でしか体験できないものではないでしょうか。
▲「やつしろ全国花火競技大会」。約30万人もの観客が訪れる
八代市の秋の紅葉スポットといえば、五家荘です。標高1,500mを超える山々に囲まれた場所にあり、九州中央山地国定公園に指定されています。
10月下旬から11月下旬にかけて、モミジやカエデなどが山間を紅く染め上げ、「梅の木轟公園(うめのきとどろ公園)」にある五家荘最長の吊橋は、絶好の写真スポットです。吊橋を渡って遊歩道を歩くと、梅の木轟の滝を見ることができます。
▲五家荘の紅葉。五家荘は、周囲を峡谷に囲まれ、平家の落ち武者が逃れて来たという伝説が残っている観光スポット
11月に開催される八代妙見祭は、九州三大祭のひとつ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
祭のメインは神幸行列(お上り)で、神輿と神馬を中心に獅子、亀蛇(きだ)、笠鉾(かさぼこ)、飾馬など40もの出し物が列をなして市内を練り歩き、八代神社へ向かいます。八代神社に到着したあとは、砥崎河原にて演舞が披露されます。勇壮な馬追いや獅子は一見の価値があります。
▲八代妙見祭(やつしろみょうけんさい)で担がれる亀蛇。亀蛇は,八代神社の祭神が乗って来たとされており、亀の胴に蛇の頭をもつ
八代市の特産品には、ふるさと納税の返礼品でも人気の「トマト」、柑橘類の中でも特に大きい「晩白柚(ばんぺいゆ)」、八代市が日本一の生産地である「イグサ」、泉町で生産される「いずみ茶」があります。また、ソフトな食感の「日奈久ちくわ(ひなぐちくわ)」は贈答品としても喜ばれています。
日本三急流「球磨川」の清流に生息する「球磨川鮎」は、さわやかな香気と独特の風味を持ち、鮎釣りが解禁される6月には全国から多くの太公望が訪れます。
【子育て】大型遊具のある公園が多く、お子さんも大満足
▲遙拝八の字広場は予約不要のアウトドアスポット
八代市の子どもの遊び場については、「がめさん公園」がおすすめです。妙見祭をイメージした公園で、大型遊具やターザンロープがお子さんに人気です。
「日奈久ドリームランド シー・湯・遊」も大型遊具がそろっているほか、スケートボードやBMXの練習ができるスケートパークが併設されています。小学生以上は利用できるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。近くには日帰り温泉もあるので、たっぷり遊んだあとは温泉でリフレッシュするのもいいですね。
「くまモンポート八代」には、国際クルーズ船の旅客ターミナルに併設された、くまモンをテーマとした公園があります。全長約6mのビッグくまモンをはじめ、全84体のくまモンが出迎えてくれます。1体ずつ数えて周るのも楽しそうです。親子向けのイベントやマルシェも開催されています。
遙拝八の字広場(ようはいはちのじひろば)は、バーベキューやキャンプ、川遊びやカヌーなどのアウトドアを楽しめる広場です。予約不要で24時間利用でき、駐車場も広いので、休日のレジャーによさそうです。
【仕事】求人数多い。起業・就農支援もあり
大手求人情報サイトで八代市の求人を調べたところ、約4,200件ヒットしました。これだけたくさんあれば、希望の仕事を見つけられそうですね。(2023年4月時点)
※求人情報の一例
また、八代市では、起業や就農の支援を行っています。該当する人は活用してください。
商店街活性化事業補助金 | 新規出店時に補助。改装:最大60万円、家賃:最大月5万円 |
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創業支援相談窓口 | ビジネスモデルの構築、販路開拓、資金調達、許認可手続等の各段階において一貫した支援を実施。相談無料 |
新規就農者育成総合対策 | 50歳未満の研修、就農を支援 就農準備資金:150万円/年、最長2年 経営開始資金:150万円/年、最長3年 ※各資金要件があります |
八代農業塾 | 経験の浅い若年労働者や就農を希望する人を対象とした研修を実施 |
新規就農者のための農業講座 | 就農後まもない農業者を対象とした基礎知識・技術の研修 |
【住まい】畳の張り替え助成など独自の支援あり
大手住まい情報サイトで八代市の賃貸物件を調べたところ、約540件ヒットしました。1LDK・2K・2DKの家賃相場は4.85万円、2LDK・3K・3DKの家賃相場は5.69万円となっています。(2023年4月時点)
※賃貸物件の一例
八代市では、空き家バンクが利用できます。改修費用や家財の処理費用の補助がありますので、チェックしてみてください。
八代市空き家バンク活用促進事業補助金 | 空き家バンクに登録して空き家を購入または賃貸借した人を対象に、「家財道具等の不要物の撤去」「補修や改修工事」「引越し」の費用の一部を補助 補助上限額:不要物の撤去5万円、改修工事等40万円、引越し5万円 |
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公式:八代市 移住・定住情報サイト「不動産情報検索」
公式:八代市「八代市空き家バンク活用促進事業補助金について」
また、移住・定住に関する支援制度は次のとおりです。八代市は畳表の生産が日本一のため、畳の張り替え助成を行っているのが特徴的です。
移住・定住促進補助金 | 県外から移住した20〜39歳の人を対象に、住宅の取得または貸借に伴う費用の一部を補助。取得:最大50万円、貸借:最大30万円。 |
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移住支援金 | 東京圏から移住して就業・起業した人を対象に支援金を交付。世帯100万円、単身60万円を支給 |
畳表張替助成事業 | QRコード付きタグがある八代市産畳表を使用し、畳を新調・張替した場合、費用の一部を補助。1畳1,000円(上限16,000円) |
八代市に移住した人の声・感想
次に、八代市に移住した方の感想をご紹介します。
- 車、新幹線、空港など、交通の便がとてもよい
- 住民はお世話好きな人が多く、近所付き合いが好きな人にはおすすめ
- 歩いていると、挨拶したり声をかけてくれる人が多い
移住した人からは、地域の住民の人柄のよさが好印象のようです。八代市なら、移住してもすぐに馴染めそうですね。
八代市へ移住するために利用したい窓口・支援
▲水島と天草諸島に沈む夕日。水島は球磨川河口の堤防から50mほど離れた所にある小さな島で、日本書紀、万葉集、枕草子にも取り上げられた旧跡
八代市への移住を検討したら、まずはネットで情報収集をしましょう。八代市では、隣接する氷川町、芦北町と共に、オンライン相談会やオンラインでの先輩移住者トークイベントなどを開催しています。積極的に参加してみましょう。
情報収集が済んだら、次はいよいよ下見です。八代市の夏は雨が多く蒸し暑いため、下見で確認しておくと移住後のギャップを防げます。
水島と海に沈む夕陽はとてもきれいです。下見に来たらぜひ見てください!
八代市への移住に関するお問い合わせ
移住相談窓口 | 八代市役所 地域政策課 |
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住所 | 〒866-8601 熊本県八代市松江城町1-25 |
電話 | 0965-33-4168(直通) |
公式サイト | 八代市 移住・定住情報サイト |