東本願寺の華やかな本尊で永遠の愛を誓う仏前式|東京都台東区のお寺
この記事では、東京都台東区にある東本願寺の仏前式について解説します。
東本願寺は都内でも有数の大本堂をもつ格式高いお寺です。信者さんや檀家さんでなくても仏前式を挙げられるので、伝統的なお寺での厳かな挙式が叶います。
東本願寺は浅草のすぐ側にあり、お参りがてら下町の散策も楽しめます。仏前式に興味のある方もそうでない方も、まずは一度訪れてみてはいかがでしょうか。
人気の観光地・浅草に近いお寺「東本願寺」
東本願寺は最寄り駅の田原町駅から徒歩5分程度の場所にある、アクセスの良い寺院です。観光客が絶えない賑やかな浅草のすぐ近くにあるにも関わらず、一歩踏み込むと静寂な空気に包まれます。
広々とした境内には、東京都の重要文化財に指定されたご本尊や有数の風格を誇る大梵鐘など、見どころがたくさんあります。
仏前式では僧侶による雅楽の生演奏に導かれ、夫婦として歩んでいくことを仏さまに誓います。「結婚した二人は生まれ変わっても結ばれる」という教えのもと、来世でも結ばれることを誓うロマンチックな仏前式が叶いますよ。
今回は東本願寺の事務を担う法務部で結婚式の担当をされている松尾悠平さんに仏前式についてお伺いしました。
1591年開創の深い歴史を誇る
インタビュアー
東本願寺はどのようなお寺か教えてください。
松尾さん
東本願寺は 浄土真宗東本願寺派の本山です。天正19年(1591)、東本願寺第12世教如上人により開創されました。当初は徳川家康公により江戸神田の地に寺地を賜り、その後、現在地、浅草へと移転しました。
現在の本堂は大正12(1923)年、関東大震災での焼失の後、昭和14(1939)年に再建されたものです。
インタビュアー
こちらは浄土真宗東本願寺派のご本山ということで、門徒さんもたくさんお集まりになっていますね。幼稚園も併設され、子どもたちの歓声もひびき、由緒ある大きなお寺さんだなという印象です。
東京の重要文化財に指定された本尊が見どころ
インタビュアー
訪れた場合の見どころやおすすめなどはありますか?
松尾さん
第一にやはりご本尊です。本堂正面に御安置された阿弥陀如来様は、大阪四天王寺の法塔心柱をもって制作された鎌倉時代前期の名作です。現在では、東京都の重要文化財に指定されています。
大梵鐘もご紹介します。
大梵鐘は寛永7(1630)年以降のものと推定され、都内に現存する梵鐘の中では有数の風格を誇ります。現在、境内にある慈光殿の屋上(自由参拝可)にあります。
毎年大晦日での除夜の鐘の際、多くの人が列をなし、打ち鳴らし、その音色に心を寄せています。
インタビュアー
大梵鐘は迫力ありますね。大晦日に打ち鳴らす音は地域の人々にとっても、新しい年を迎えるにふさわしい大事な儀式となっているのでしょう。
松尾さん
あとは石碑、憲政碑ですね。
明治6(1873)年に行われた、明治天皇行幸の下、明治政府の主要な人物が集まって「第一回地方官会議」が浅草本願寺(現 東本願寺)で開催されました。
その記念として、昭和12(1937)年、12月23日に除幕式が行われ、現在も境内にて全国の憲政功労者を、碑を以て讃えております。
インタビュアー
お参りをし、由緒ある石碑などをめぐりたいと思います。その後は浅草散策をしておいしいものやお土産を買う楽しみもありますね。
東本願寺で執り行う仏前式の特徴・魅力
インタビュアー
東本願寺で仏前式を行うようになったのはいつ頃からですか?
松尾さん
仏前式は、お寺の方を対象に20数年前より執り行ってきました。現在の形としたきっかけは、2人の新しい門出を仏法に依りながら歩んでいただきたいという願いからです。
現在では、御門徒さんや一般の方でも挙式いただけます。
インタビュアー
特に門徒でなくても東本願寺で仏前式を挙げられるとは存じ上げませんでした。
華やかな本尊で伝統的な仏前式が挙げられる
インタビュアー
仏前式とその他の結婚式で、大きな違いはありますか?
松尾さん
仏前式のメリットとしては、次のようなことがございます。
- 格式ある本山において御仏様の御前にて、厳かに勤まります。
- お勤め(勤行)が式中に組み込まれ、焼香や念珠の授与など、仏式ならではの内容となります。
- 僧侶自身がスタッフとして務め、式の進行や楽器(雅楽)の生演奏など、心をこめた温かな挙式となります。
雅楽の生演奏はたいへん優雅で、皆さまに素晴らしいとのお声を頂戴しております。
インタビュアー
なんといっても東本願寺という由緒のある大きなお寺で挙式を挙げられることは、新郎新婦だけでなく、身内の方にとっても誇らしいのではないでしょうか。伝統的な雅楽の演奏とともに、厳かでありながら、心あたたまる結婚式を挙げられるというお話を伺って、仏前式への憧れが増してきました。
こうして見ると、本堂もたいへん華やかですし、立派な結婚式だなという印象を受けますね。
東本願寺の仏前式ならではの魅力を紹介
インタビュアー
同じ仏前式でも、東本願寺ならではのメリットなどはありますか?
松尾さん
いくつか挙げるとすれば、以下のような点です。
- 伝統と格式ある本堂での挙式ができます
- 少人数から大人数(200名程度)の参列者の受け入れが可能です
- 僧侶自身がスタッフとして務めるため、細やかな配慮の下、手作り感いっぱいのお式ができます
- コストパフォーマンスもあり、ご満足いただける式となります
- 流麗で厳かな僧侶による楽器(雅楽)の生演奏も、ご好評いただいております
インタビュアー
200名の参列が可能というのはかなり大規模ですね。
お寺や神社の結婚式ではなかなか大勢の方に参列していただけないのがネックになるのですが、東本願寺は本堂も大きいですし、会館もございますから、こじんまりしたアットホームな挙式から、大人数の華やかな結婚式まで幅広く対応していただけるのですね。
仏前式の実際の流れ
インタビュアー
仏前式の流れを教えてください。
松尾さん
東本願寺では以下のように仏前式をすすめてまいります。
・御仏様への誓いの言葉、お焼香を行います。
・新郎新婦、御両家の親族固めとしての三三九度など
② 式次第
(1)入堂
(2)勤行
(3)司婚の言葉
(4)誓いの言葉
(5)念珠授与
(6)新郎新婦焼香
(7)式杯・親族交杯
(8)退堂
所要時間はおおよそ30分です。ただし、御両家親族紹介や記念写真有りの場合、別途時間を要します。
親族紹介 | 10分程度 | |
---|---|---|
写真撮影 | 新郎新婦のみの場合 | 10分程度 |
親族を含む場合 | 20分程度 | |
友人を含む場合 | 30分程度 |
※一つの例です。
インタビュアー
勤行や念珠授与というのはどういう儀式なのでしょうか?
松尾さん
勤行は仏さまに感謝の気持ちをこめておつとめをする儀式です。司婚の言葉は、お式を司る僧侶よりお祝いを申し上げる儀式ですね。
念珠授与は仏さまの教えとともに歩むおふたりへ、念珠をお渡しする儀式でございます。
いずれも仏前式ならではの儀式かと思います。
インタビュアー
丁寧なご説明でたいへんわかりやすかったです。仏前式の流れはご存知ない方がほとんどだと思いますが、こんな感じなんだなと雰囲気がつかめたのではないでしょうか。
挙式をした夫婦や参列者から寄せられた感想
インタビュアー
ご夫婦、または参列者の方々からはどのような感想が多いですか?
松尾さん
東本願寺という歴史と格式のある本堂で、低予算ながら立派に挙式ができたこと、僧侶による雅楽の生演奏には驚くと共に、心温まる式となったことに満足など、多くの方に感動と充足感のお声をいただいております。
インタビュアー
東本願寺といえばお寺をあまり知らない人も名前を聞けばわかるくらい有名です。まさか東本願寺で一般の人も結婚式を挙げられるとは思っていませんでした。
格式あるお寺で立派な挙式ができて感動した方が大勢いるというのもうなずけますね。
印象的な仏前式のエピソード
インタビュアー
仏前式で印象に残るエピソードを教えてください。
松尾さん
新郎・新婦共に年齢を重ねているため、初めは挙式そのものを見送ってきたが、せめて両家の両親には晴れの姿を見せたいとの思いの下、挙式をお申し込みになられました。
挙式が始まるや否や、娘の晴れの姿を見た母の瞼から溢れ出る涙に、新婦も我慢ができなくなり一緒に涙され、式後、笑顔で本堂を後にする姿に、子を思う親心や親に深く感謝する子の姿に、私共も深く感動しました。
インタビュアー
いくつになっても親にとってはずっと大切なわが子、生涯のパートナーを見つけた娘の晴れ姿にお母さまも感激したことでしょう。素敵なお話ですね。
東本願寺の仏前式についてよくある質問
インタビュアー
挙式予約は、何ヶ月前頃から可能でしょうか?
松尾さん
いつでも可能です。ただし、土日祝の休日は法事の予約が多数ある為、6〜9ヶ月以上前の予約をお勧めいたします。
インタビュアー
お寺さんには当然、結婚式以外の行事等もございますから、なるべく早めに挙式の予約をいれたほうがよさそうですね。
毎月2組程の仏前式が挙げられる
インタビュアー
東本願寺では毎月、何組くらい挙式が行われますか?
松尾さん
土日祝は月2組以内、平日は1日2組以内と、行事や法事の都合上もあり、多くて2組程です。
インタビュアー
東本願寺さんくらいの規模になると、たくさんの行事があることでしょう。結婚式で大安など希望されることもあるでしょうし、少なくとも半年、できれば1年くらい前に予約をしておくと安心ですね。
披露宴は別途手配が必要
インタビュアー
挙式の後、東本願寺内で披露宴を行うことも可能でしょうか?
松尾さん
お受けはしておりません。ただし、少数〜40名程の身内の会食をご希望の方へは、場所(別途5万円程度)の提供をしております。この場合、料理業者の手配は先方にてお願いしています。
インタビュアー
大がかりな披露宴は行っていないけれど、身内だけで親しく会食をする形であればお部屋を貸していただけるのですね。
披露宴を希望する場合は浅草も近く、ホテルや料亭などありますからそちらで相談すればセッティングをお任せすることもできますね。
衣裳は和装のみ着用可
インタビュアー
ドレスで仏前式に臨まれる方もいらっしゃるのでしょうか?
松尾さん
白無垢や打ち掛けなど、和装のみのお受け付けとなります。但し、おみぐしなどは洋装も可となります。
インタビュアー
衣装については和装のみですが、ヘアスタイルは自由ということですね。
松尾さん
そうですね。
インタビュアー
ドレスも着たいという方は披露宴をホテルなどで行い、お色直しでドレスを着用する方法もありますね。
やはりこれだけ立派なご本堂での挙式ですから、白無垢や打ち掛けが映えると思います。ぜひ日本の伝統を感じながら仏前式を挙げていただきたいなと思います。
仏前式の費用について解説
インタビュアー
仏前式の費用について教えてください。
松尾さん
以下の通りです。
土日祝日 | 180,000円 |
---|---|
平日 | 150,000円 |
*会場使用料や諸費用込み
結婚が決まったカップルへのメッセージ
松尾さん
人は互いに支え合って人となります。これから結ばれるお2人には、御仏の心に包まれて、幸せな生活を送られることを念じます。
インタビュアー
東本願寺というたいへんに格式の高いお寺での結婚式について、くわしくお話をして下さりありがとうございました。このように立派なご本堂で仏様とのご縁を結び、ふたりの門出を誓うのは素晴らしい体験となることでしょう。
ぜひ多くの皆さんに、日本伝統の良さや仏教の教えを身近に感じていただくためにも、まずは東本願寺へお参りいただければと思います。
今日はお忙しいなか、貴重なお話を伺うことができ光栄です。ありがとうございました。
東本願寺の基本情報
住所 | 〒111-0035 東京都台東区西浅草1-5-5 |
---|---|
電話 | 03-3843-9511(代) |
公式サイト | https://www.honganji.or.jp/ |