【愛知県武豊町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、東海地方での移住を検討している方に向けて、愛知県武豊町(たけとよちょう)の暮らしに役立つ情報を紹介します。
知多半島の東側中央部に位置する武豊町は、愛知県の「住み続けたい街(自治体)ランキング2023」で2位に選出されたまちです。
※参考:街の幸福度&住み続けたい街ランキング2023(愛知版)
利便性が良く、自然に恵まれた環境にあることから、移住者にも人気のエリアで、近年は子育て支援・制度にも力を入れ、子育て世帯が暮らしやすい環境を整備しているとのこと。
今回は武豊町役場 企画部企画政策課・主事の柴山芳味(しばやま よしみ)さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、武豊町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
武豊町の3つの特徴
武豊町で暮らす大きな特徴として、次の3点が挙げられます。
- 利便性が高く、都会と自然のバランスが良い
- 保育・教育環境が整っているので、親子ともに暮らしやすい
- 地元ならではの「ギネス記録」を保持している
ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:利便性が高く、都会と自然のバランスが良い
都会と自然が混在する武豊町は、「ほど良い住みやすさ」があると移住者からも好評。
車を北や西へ15分ほど走らせれば市街地として栄える半田市や常滑市、南へ20分ほど走らせれば「野間埼灯台(のまさきとうだい)」や「南知多ビーチランド」など海岸エリアが人気の美浜町へアクセスできます。
参考:美浜町観光協会(野間埼灯台、南知多ビーチランド)
町内にはJR武豊線と名鉄河和線が通っていることから、県内の主要都市へも接続しやすく、車や鉄道を利用すれば名古屋市や中部国際空港(セントレア空港)まで、以下の時間で移動できます。
- 名古屋駅:車で約45分、電車で約40分
- 中部国際空港(セントレア空港):車で25分、電車で約1時間
このように、自然に囲まれながらも県の中心部や空港まで1時間以内でアクセスできる武豊町は、利便性が高く、旅行好きな方にもおすすめのまちです。
2023年度には「武豊パーキングエリア」が改装・開業、今後「武豊北インターチェンジ」が実装される予定となっており、さらに武豊町の利便性が高まると言えるでしょう。
参考:武豊パーキングエリア
参考:武豊北インターチェンジ
特徴2:保育・教育環境が整っているので、親子ともに暮らしやすい
武豊町では、まちなかに「赤ちゃんの駅」と呼ばれるスポットがいくつもあります。「赤ちゃんの駅」は授乳やおむつ交換などが行える場所で、該当施設には目印のステッカーが貼られています。
▲「赤ちゃんの駅」がある場所には、目印のステッカーが貼られています
小さな子どもがいる家庭にとって、外出先に授乳やおむつ交換できるスペースがあるかどうかは重要な情報の一つです。町内に「赤ちゃんの駅」がいくつも設置されているのは助かりますし、赤ちゃん連れでも気軽に外出できるのではないでしょうか。
町の公式サイトには「赤ちゃんの駅」が設置されている場所の一覧も掲載されているので、小さい子どもがいる方は、ぜひ目を通してみてください。
公式:武豊町役場(「赤ちゃんの駅」)
そんな武豊町は、保育園の待機児童数はゼロ!!第一希望の園に受からなかった人も、必ずどこかの保育園に入れる体制が整っているとのこと。保育園への入園が叶わず、育休を延長する心配もないので、親が働く世帯にとって、武豊町で子育てすることは大きなメリットになるのではないでしょうか。
そして、町内すべての保育園の給食は、各園で毎日調理する「自園調理」を導入。子どもたちは、いつでも出来立ての温かいご飯を食べ、旬の食材を使ったおかずやイベントメニューなどを楽しんでいます。
スクロールで自園調理された給食の写真がご覧いただけます→
「自園調理」では、給食センターでは対応できない「離乳食」にも対応しています。
また武豊町では、学校教育の環境整備にも力を入れています。
通常の教室だけではなく、特別教室や体育館などにも空調設備を取り入れたり、個別にサポートが必要な子どもたちのために「スクールソーシャルワーカー」や「支援員」など多様な人材を配置したりと、すべての子どもたちが安心して楽しい学校生活を送れる環境を用意しているそうです。
このように、武豊町は子育て世帯や子どもたちにとって暮らしやすい環境が整っています。「出産後になるべく早く職場復帰したい」人や「子どもに寄り添った教育をして欲しい」方は、武豊町での子育てを検討してみてはいかがでしょうか。
出産前後に利用できる、子育て支援・事業が充実
武豊町には、妊娠中や子育て世帯をサポートする支援や事業が充実しています。以下に、武豊町ならではのサポート内容をまとめているので、参考にしてみてください。
▼武豊町の子育て支援
不妊治療費等助成金事業 | 3月から翌年2月までの間に、保険適用の不妊治療等に要した費用合計を助成(上限額20万円) |
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妊産婦医療費の補助 | 母子健康手帳の交付を受けた町内在住の妊産婦が、対象期間中に受診した医療費のうち、医療保険適用後の自己負担額を交付 ※期間は母子健康手帳の交付を受けた月の初日から、出産等された月の末日まで |
多胎妊婦の健康診査健診料補助 | 【令和6年4月1日より開始】 多胎妊婦の健康の保持のため妊婦健康診査の受診券14枚に加え、5回分追加する |
子ども医療費の助成 | 町内在住の子ども(0歳~18歳到達の年度末まで)の医療費のうち、医療保険適用後の自己負担額を助成 |
▼武豊町の子育て事業
妊産婦タクシー料金助成事業 | 町内に住み、妊娠届を提出した妊産婦を対象に、タクシー券(500円×20枚)を補助 ※乗車料金が500円以上の場合に利用。不足額については本人負担 |
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産後ケア事業 | 出産後に育児支援が必要な方を対象に「産後ケア」を実施 ・利用上限日数7日間 ・助成額:宿泊型 一泊10,000円 ・助成額:日帰り型一日あたり5,000円 【令和6年4月1日からの助成額(予定)】 ・宿泊型 一泊25,000円(非課税世帯30,000円) ・日帰り型 一日あたり10,000円(非課税世帯15,000円) ・訪問型 一日あたり10,000円(非課税世帯15,000円) |
特に注目したいのは「妊産婦医療費の補助」で、妊娠中のトラブルだけでなく、医療保険適用となるすべての疾病の通院・入院費の自己負担額分を町に全額補助してもらえるとのこと。
妊娠期間中は思わぬトラブルに見舞われたり、妊婦健診を通して予期せぬ病気が発覚することもあります。心身ともに不安定になりがちな妊産婦にとって、補助してもらえることで安心して医療を受けられる環境は心強いのではないでしょうか。
武豊町には、紹介した以外にもさまざまな子育て支援があるので、興味のある方は公式サイトをチェックしてみてください。
公式:武豊町役場(子育て支援について)
「大型遊具」のある公園や「子ども用の温水プール」がある施設が人気
柴山さんに武豊町の遊びスポットについて伺ったところ、以下2つの施設を教えていただきました。
- 武豊中央公園
- CCNCプールたけとよ(武豊町屋内温水プール)
武豊町の北部のまちなかにある「武豊中央公園」は、高台に位置していることから、防災機能を備えた公園として整備が進められています。
2020年から随時施設を増やし、園内には芝生広場や幼児広場、テント広場や小型犬用のドッグランもあります。
▲広々とした芝生広場では、子どもたちが元気に駆け回ります
▲たくさんの遊具が隠れているので、どこから遊んでも楽しめます
▲ドッグランもあるので、愛犬も一緒におでかけできます
親子連れをはじめ、夜は高齢者の散歩スポットにもなっているそうなので、移住した際は家族で訪れてみてはいかがでしょうか。
参考:武豊町役場(武豊中央公園)
2024年度には「多目的広場」や「全犬種用のドッグラン」もオープン予定です。
「CCNCプールたけとよ(武豊町屋内温水プール)」は、2023年にオープンした屋内温水プールです。水深0~1.0mの子ども用プールもあるので、小さい子どもでも水遊びを楽しめます。
▲子ども用プールは水深が浅く、親子で楽しめます
▲2階の観覧席には、小さい子どもが遊べるキッズスペースもあります
1階は温水プールですが、2階には混浴施設やエアロビなどができるスタジオ、トレーニング室やキッズスペースもあるので、使い方によっては1日楽しめそうです。
参考:武豊町役場(「CCNCプールたけとよ」について)
特徴3:地元ならではの「ギネス記録」を保持している
2024年に町制70周年を迎える武豊町は、ギネス記録を保持するまち。2023年の12月3日「おとぎ話のキャラクターの仮装で集まった最多人数」で376名を記録しました。
▲参加者の表情からも、楽しみながら「ギネス記録」へ挑戦されていた様子が伝わります
今回対象となった「おとぎ話」は浦島太郎で、集まった人々は浦島太郎をはじめ、乙姫や亀の衣装を身にまとい、浦島太郎にちなんだフォトスポットで登場人物になりきって撮影を楽しんだそうです。
ギネス記録のおとぎ話の題材に「浦島太郎」が選ばれた理由は、武豊町には「浦島太郎伝説」があり、竜宮城から帰郷した浦島太郎が乙姫を偲んで建立したとされる「竜宮神社」があるから。
参考:武豊町観光協会(浦島太郎伝説)
▲竜宮神社周辺には、浦島太郎伝説ゆかりのスポットもあります
イベントは武豊町内にある富貴小学校で実施され、当日は町外や県外も含め約400名の方が集まったとのこと。校内にはキッチンカーが出店、体育館ではバルーンアートなどのステージもあり、町の一大イベントとして盛り上がったそうです。
スクロールでイベントの写真がご覧いただけます→
このように、アットホームなイベントを開催する武豊町なら、地元の方に囲まれながら楽しい毎日を過ごせるのではないでしょうか。
参考:武豊町役場(ギネス記録について)
武豊町はアットホームなまちだと思います。地元の方は地域ぐるみで支え合っていて、体調が優れない方がいても、近所の方や関係者がすぐに動いてくださるので、安心して暮らせるのではないでしょうか。
武豊町の暮らしに関する情報
それでは、武豊町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:5.2℃ 8月:27.2℃ ※参考:気象庁ホームページ (武豊町に観測地点がないため、近隣の南知多のデータを掲載) |
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人口 | 43,374人 (2024年1月1日時点) |
医療施設 | 病院2、診療所:15、歯科:17 |
学校 | 保育所:10(認定こども園も含む) 小学校:4、中学校:2、高校:1 |
交通 | 【鉄道】JR東海(武豊線)、名鉄(河和線、知多新線) 【バス】武豊町コミュニティバス「ゆめころん」 |
近隣都市 | 碧南市、半田市、常滑市、知多郡美浜町 |
※人口以外の数字は2024年2月時点のものです
武豊町には、医療機関やスーパーなどの生活利便施設が充実しているため、普段の生活には困りません。
また、町内にはJRと名鉄が通っているため、近隣都市へのアクセスも良く、町内の移動にはコミュニティバス「ゆめころん」も利用できます。
▲ゆめころんには武豊町のマスコットキャラクター「みそたろう」が描かれています
「ゆめころん」は、町内の2つのルート(赤ルート・青ルート)を年中無休で運行し、一乗車100円。バス停まで遠い方にも「接続タクシー」があり、自宅と自宅から最寄りのバス停留所間を送迎してもらえます。
▲青と白の車体は安全タクシー株式会社が運転する「接続タクシー」
▲白と緑の車体は名鉄知多タクシー株式会社が運転する「接続タクシー」
「接続タクシー」は町内に住む方であれば誰でも利用できますが、事前登録・事前予約が必要です。運賃は「タクシーメーター料金から町負担額400円を引いた残りの金額」ですが、以下に該当する方(同乗者も対象)は無料で利用できます。
▼「ゆめころん」の運賃無料対象者
- 武豊町コミュニティバス・接続タクシー無料乗車券所有者
- 障がい者手帳所有者
- 未就学児
参考:武豊町役場(「ゆめころん」・「接続タクシー」について)
ほかにも武豊町では、町内に住む19歳以上40歳未満の職場や学校などで健診を受ける機会がない方に向けて、「あおば健診」を実施しています。費用は無料で、「身長・体重測定」「尿検査」「血圧測定」「血液検査」が受けられるので、移住後はご活用ください。
参考:武豊町役場(あおば健診)
【仕事】求人数は豊富、町内の工場や近隣の半田市へ通勤する人が多い
武豊町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、1,261件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、70,436件の求人情報がありました(2024年2月時点)。
※参考:求人情報の一例(武豊町のみ)
※参考:求人情報の一例(武豊町から25km圏内)
柴山さんのお話では、求人数も多いので、移住先の仕事探しには困らないとのことでした。
武豊町の平均年収548万円なので、移住をきっかけに転職を考えている人はその辺りの求人に応募すると良いでしょう。
※参考:武豊町の平均年収
仕事探しの際は、半田市にある「ハローワーク半田」もご利用ください。
参考:ハローワーク半田
【住まい】土地・建物、賃貸物件などにかかる経費が安い
大手住宅情報サイトで武豊町の賃貸物件を検索したところ、240件の物件が見つかりました(2024年1月時点)。家賃相場は4.9万円となっており、1R~4LDKまでさまざまな間取りの物件があります。
※参考:賃貸物件・家賃相場情報の一例
武豊町は家賃や土地が安く、近隣市町のベッドタウンとしても人気のエリアです。
空き家バンクもありますが、登録件数は少なく、2024年2月時点で3件(うち2件は土地)。移住後の住まいに空き家を検討している方は、公式サイトを小まめにチェックすると良いでしょう。
公式:武豊町空き家バンク
新婚世帯やUターン移住者が活用できる補助制度あり
武豊町には、町内で新たに住まいを構える方に向けたサポートがあります。なかでも、以下2つの補助は、条件が合えば移住者でも活用できるので、武豊町への移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼住まいに関する補助
- 武豊町結婚新生活支援補助金
- 三世代同居等促進補助金
武豊町が実施する結婚新生活支援事業の一つに「武豊町結婚新生活支援補助金」があります。結婚して新生活を始める方に向けたサポートで、新居の購入費、または家賃や引越し費用の一部を町が負担してくれるというもの。
補助金額は所得によって異なり、1世帯あたり最大60万円。補助の対象となる世帯は「令和5年3月1日から令和6年3月31日までの間に婚姻届を提出し、夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下であること」や「夫婦の合計所得金額が622万円未満」など、武豊町が定めた条件をすべてクリアした世帯です。
「結婚を機に新たな場所で暮らしたい」と考えている方にぴったりの制度なので、該当する方は公式サイトで詳細をチェックしてみてください。
公式:武豊町役場(武豊町結婚新生活支援補助金)
「三世代同居等促進補助金」は、三世代同居または三世代近居(※)を始めるために、住宅の新築・購入・増築・改築をした人を対象に、工事費や購入費を補助する制度です。
(※)子世帯と親世帯が町内の別の敷地で居住すること
補助金の上限は30万円で、「親世帯が3年以上前から町内に住んでいること」や「子世帯に中学生以下の子どもがいる」など、武豊町が定めたすべての要件を満たした方のみ受給できます。
子育て世帯で「武豊町に住む両親との同居を考えている」または「実家もあるし、住み慣れた地元(武豊町)でもう一度暮らしてみたい」という人が活用できる制度になっているので、該当する方は以下のサイトから詳細をご確認ください。
公式:武豊町役場(三世代同居等促進補助金)
武豊町に移住した人の口コミや感想
武豊町の魅力や暮らしについて紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に武豊町に移住した方の声を紹介します。
- 利便性が良い。海も近く、自然も多いので、ほど良い田舎暮らしができる
- 武豊町で暮らすうえで、さまざまな項目に10段階評価をつけるとしたら、すべてにおいて7~8点。どれを取っても平均点以上なので、バランスが良いまちだと思う
- 治安が良く、子育て世帯でも暮らしやすい
- 子育てしやすく、医療・福祉サービスが充実している
「暮らしやすさ」に関する口コミが多いことからも、武豊町は利便性と自然のバランスが良いまちであることが伺えます。一方で、「JRが30分に1本しか来なくて不便」という声もあると伺ったので、近隣市町への移動は車を利用する方が多いようです。
都心部に近く、自然が身近にある武豊町なら、休日の過ごし方の選択肢も豊富。名古屋までショッピングに行ったり、南知多の海までドライブしたりなど、家族と一緒に愛知県内の人気スポットを巡ってみるのも良いでしょう。
移住の下見に来ていただくなら、各地区で山車(だし)にまつわるお祭りが開催されている4、7月がおすすめです。実際に町を訪れ、武豊町の魅力を体感してみてください。
武豊町への移住に関するお問い合わせ
武豊町への移住については、武豊町役場までお問い合わせください。
担当課 | 企画部企画政策課 |
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住所 | 〒470-2392 愛知県知多郡武豊町字長尾山2番地 |
電話番号 | 0569-72-1111 |
対応時間 | 8:30〜17:15 |
公式サイト | ▼武豊町役場 https://www.town.taketoyo.lg.jp/ ▼たけとよの暮らし https://www.town.taketoyo.lg.jp/promotion/index.html ▼武豊町公式Instagram「たけとよ日和」 https://www.instagram.com/taketoyobiyori/ |