藤枝へ移住したら…ほどよく都会、ほどよく田舎な静岡県藤枝市の特徴と良さ

今回の記事では、静岡県のほぼ中央に位置する「藤枝市」について、移住を検討中の方に「おっ」と興味を持っていただけるような情報をご紹介いたします。

藤枝市の最大の特徴は、都会と郊外の利点をあわせ持っていること。ほどよく都会、ほどよく田舎の街です。

移住を機に自然があふれる落ち着いた住環境を求める人も多いと思いますが、立地を優先させると市街地が遠くなってしまい、通勤や買い物などの利便性が損なわれるケースも見られます。

その点、藤枝市なら藤枝駅周辺に商業施設や病院などがそろっていますし、車でわずか15分程度で豊かな自然にふれられます。街のにぎわいも好き、自然の落ち着きも好きという人には、まさにうってつけの街なんです。

また、子育てや教育面でも力を入れており、移住されるご家族へのフォローも充実しています。藤枝市企画創生部の海野さんに伺った内容とあわせて、お伝えしていきます!

藤枝市企画創生部広域連携課の海野創さん

藤枝市の特徴・移住希望者にうれしいポイントは?

藤枝市の暮らしの特徴

県庁所在地である静岡市のすぐ西に位置する藤枝市は、全国各地へのアクセスも良好です。市内には新東名高速道路の藤枝岡部ICがあり、東名高速道路の大井川焼津藤枝スマートICもすぐそこ。高速道路を使えば、静岡県内のみならず東京・名古屋方面にスムーズに出られます。

また、新幹線が停まる静岡駅には車でも東海道本線でも約20分、富士山静岡空港へは車で約30分と、仕事や趣味で遠出をする人にもうってつけです。

藤枝市の地勢

藤枝市内は、7割を占める北部から中部の中山間地域に赤石山系の森林が広がり、南部は藤枝駅を中心に発展する平野部となっています。両者は近接しているので「10時に駅前のショッピングモールで買い物、11時には里山で野菜収穫体験」など、都心では考えられないような過ごし方もできるんです。

気候が安定しているのもうれしいところで、平均気温は17.7度(平成30年)と年間通して暖かいです。日照時間も国内トップクラス、つまりは雨が少ないということなので外出が苦になりません。雪もほとんど降らず、スタッドレスタイヤなどにかけるお金も節約できます。

移住する際に、こんな希望を持っている方は藤枝市に向いています。

  • 初めての移住。いきなり田舎暮らしではなく、徐々にライフスタイルを変えていきたい。
  • 自然が近くにある環境がよい。スポーツなど運動も習慣にしてアクティブに過ごしたい。
  • 子どもを連れての移住、もしくはこれから子育てを考えている。

それでは、藤枝市での暮らしの特徴について詳しく見ていきましょう!

特徴1:発展した市街地と緑豊かな山間部が近い

市街地と山間部の対比▲自然あふれる里山から市街地までが近いのが藤枝市の特徴

市街地の中心で再開発が進んでいる藤枝駅前には、オフィスや商業施設(オーレ藤枝、BiVi藤枝)、映画館、図書館などが集まっています。その周囲には病院やスーパーマーケットも複数あり、コンパクトな街でスムーズに用事を済ませることができそうです。

そこから車で15分も移動すれば、中山間地域の里山が広がります。駅前からわずかな時間でこんな風景が見られるとは、驚くばかりですよね。瀬戸川で川遊びをしたり、市民農園で野菜を収穫したりと、楽しみもいっぱいです。

このように街と自然が近い藤枝市では、ご自身、そしてご家族が納得できるバランスでライフスタイルを選ぶことができます。「地元が郊外だから田舎暮らしには慣れている」という人は里山をベースに、「ずっと都心暮らしだから周囲にお店がないと心配」という人は市街地をベースにすれば、移住後の生活でとまどうことが少なくなるはず。

先輩移住者のケースを聞いても、最初は駅周辺に住み、生活に慣れてから山間部に引っ越しをされるパターンも多いということです。

特徴2:レジャー施設や公園がそろっている

おれっぷ大久保
▲キャンプやグラススキーなどのアウトドア体験ができる「おれっぷ大久保」

大人も子どもも楽しめるレジャー施設が多いのも藤枝市の特徴です。キャンプやグラススキーができる「おれっぷ大久保」、日帰り温泉「瀬戸谷温泉ゆらく」、雨の日でも安心の運動施設「れんげじスマイルホールキッズパーク」などがあり、休日の過ごし方に困らなさそうです。

加えて、公園はなんと市内に200か所以上もあります。代表的な「蓮華寺池公園」は、池の周囲1.5kmを桜や藤が飾り、ジャンボすべり台もある人気スポットです。

その他にも駅前の商業施設に近い「駅南公園」、広い芝生でくつろげる「青木中央公園」などがあります。市街地を中心に暮らす方でも、自然を身近に感じられる環境なんです。

特徴3:スポーツ・運動を楽しむ人が多い

全国PK選手権
▲藤枝市で開催されるスポーツイベント「全国PK選手権大会in Fujieda」

この街は藤枝市など6市町をホームタウンとするJリーグチーム「藤枝MYFC」があり、スポーツ熱が高い地域でもあります。大規模な球技場や運動公園があるほか、小中学校の体育館やグラウンドを貸し出しており、移住された方からも「運動をする機会が自然と増えた」という感想が届いています。

スポーツが好きな方だけでなく、久しぶりに体を動かしたいという方も大丈夫。市内の総合型地域スポーツクラブや社会人サークルで、自分にあった種目・レベルを探せます。移住後に知り合いをつくるチャンスでもありますよ!

特徴4:子どもが育ち、学ぶための支援が充実している

育児サポーター派遣事業▲無料で実施している育児サポーター派遣事業

藤枝市は、子育て関連の支援が手厚い街でもあります。18歳までの子どもの医療費の助成があるほか、1歳までは保育士が自宅に訪問してお手伝いをしてくれる無料のサービスもあります。どうしても物入りな時期ですし、このような支援は助かりますよね。
※入院および調剤は無料、通院は月4回まで1回500円自己負担(5回目以降無料)。

保育所や認定こども園を整備し、待機児童ゼロを達成していることも大きなポイント。また、市内に14か所ある子育て支援センターも利用できます。保育の受け皿をしっかり確保してくれている自治体なので、特に共働きのご家庭などは負担を減らせるのではないでしょうか。

学校教育においてはICT(情報処理技術)の活用を積極的に進めており、すべての児童に1台ずつタブレットを渡して授業や家庭学習で活用しています。ICT担当教員・外部の支援員を各校に配置する、家庭にインターネット環境がない場合はWi-Fiルーターを貸し出すなど、先進的な取り組みを本気で進めていることがわかります。

海野さんのアイコン
海野さん

全小中学校でALT(外国語指導助手)による授業を週1回実施しています。
小6と中1のALTを同じにしているので、スムーズに中学英語に移行できるんですよ。

その他にも、藤枝市には子育て・教育面でこんな特徴があります。

  • 小中学校・幼稚園・認可保育園の校舎耐震化を100%対策済み
  • 学校図書館司書や学校生活支援員、スクールアシスタントなどを配置
  • 教育ローン制度あり
  • 通学路に子ども見守りカメラを設置
  • 市内の防災情報、犯罪発生情報をメールで配信

藤枝市の暮らしデータ

さまざまな魅力を持つ藤枝市。移住して実際に暮らすことになった際、気になる情報をご紹介します。

天候 年間通して温暖で、特に他地域と比べ冬が暖かいのが特徴。
雪が降るのも数年に一度というレベル。
人口 141,497人(61,522世帯)(令和5年8月末現在)
病院 地域の中核病院としては藤枝市立総合病院などがある。
病院5か所・診療所約100か所・歯科医院が約60か所。
学校 小学校17校・中学校12校・高校5校・特別支援学校1校・大学1校。
山間部にも少ないながら小中学校がある。
買い物 駅周辺には大型商業施設に加えスーパーマーケット・ドラッグストアなどが多数。
グルメ お茶の名産地であり、藤枝茶は各地の品評会で受賞しているほど。
抹茶やいちご、地酒などを活かしたスイーツも有名。
交通 藤枝駅や高速道路IC、国道1号線がある。
空港や、新幹線が停車する静岡駅・掛川駅も近く、市外への移動は便利。
市内の移動は車がない場合、路線バスや乗合タクシーの利用がメインとなる。
街なかにはシェアサイクルも。
近隣都市 県の中心である静岡市に隣接しており、アクセスも抜群。
南側の焼津市を通れば海もすぐそこ。

まとめると「これがないとちょっと困る」という点が見当たらず、生活していく上で必要な施設が充分にそろっている街だと思います。大きな買い物をするときなどは静岡市がすぐ隣にありますし、東京・名古屋にも新幹線を使えば90分で到着します。

山間部で暮らす場合は、車がなければ多少不便を感じるかも。買い物のときは宅配を頼んだり、ネットショッピングを活用しているケースが多いようです。

【仕事】静岡市を含めると求人多数、各種サポートも

藤枝市で仕事を探すことになった場合のデータや、転職活動や起業のサポートをしてくれるお役立ちサイトを紹介していきます。

藤枝市の求人状況

大手の求人情報サイトで検索してみると、市内の正社員の募集は約4,800件。県中部では2番目に人口が多いということもあり、決して少ない数ではありません。職種でいうと、製造業・食品加工に関連する軽作業や一般事務が目立ちます。

静岡市まで範囲を広げると、募集件数も5倍以上の約17,000件と、大きく話は変わってきます。実際に藤枝市は静岡市のベッドタウンとして機能しており、通勤時間も約20分程度。住むのは落ち着いた藤枝市、働くのは県庁所在地である静岡市という方も多くいらっしゃいます。

また、会社の制度にもよりますが、普段はリモートワークで出社の必要があるときだけ東京・名古屋に通うというケースも考えられます。新幹線駅である静岡駅・掛川駅に近い藤枝市だからこそ可能な選択肢ですよね。

活用できるサポート

藤枝市はZoomを使ったオンライン相談に対応しており、静岡県の転職に強いエージェントに無料で相談ができます。また、転職活動や起業の相談などで、以下のサポートが活用できます。

就職するならしずおかで! 静岡県で就職したい県外在住の人と、静岡県内の企業を結びつけるポータルサイトです。
転職活動に関する相談受付やイベント情報など、幅広い情報が掲載されています。
しずおか就職ネット 静岡県が運営する求人情報サイトです。
Uターン・Iターン希望の方が登録するとスカウトメールが届く制度もあります。
エフドア 藤枝市内で起業したい、あるいはビジネスについて相談したい人のための相談窓口です。

【住まい】賃貸物件は候補多数。空き家購入の場合の補助あり

大手の賃貸情報サイトを見ると、藤枝市内の賃貸物件は約750件。地域としてはやはり藤枝駅周辺の市街地が多いものの、緑あふれる山間部の一戸建ても数は少ないながら存在しますので、ライフスタイルにあわせて選ぶことができそうです。

東京と比較すると、賃貸の価格は約半分程度。新築・購入する場合の住宅価格もかなり安くなり、より広い家に住むことができます。

藤枝市と東京都の住まい比較

藤枝市 東京都
住宅の広さ(持ち家) 128.20平方メートル 93.28平方メートル
持ち家率 75.4% 45.0%
戸建て住宅価格 3,675万円 5,907万円
マンション価格 3,215万円 5,464万円
賃貸価格(1LDK/2K/2DK) 54,000円 105,000円

※藤枝市移住ガイド「藤枝で奏でるNewLife」より抜粋

藤枝市は、空き家(中古マンション含む)に入居する際の購入・改修・引っ越しにかかる費用を助成しています。

空き家情報は「スマイミー静岡」で検索でき、100件以上の物件が購入可能です。

→スマイミー静岡・藤枝市の空き物件一覧

空き家物件のボリュームゾーンは2,000万円~3,000万円ですが、安いものだと1,000万円前後のものもあります。補助金を使ってリノベーションをしている方も多いので、参考までに実例が掲載されたレポートをご覧になってみてはいかがでしょうか。

→藤枝市・空き家リノベーションレポート

藤枝市に移住した人の体験談・感想

静岡県藤枝市への移住者の声

市街地と山間部が近いという特徴を持つ藤枝市。駅周辺の「まち」と、自然豊かな「里山」に移住されたそれぞれの方の声を聞いてみましょう。きっと参考になるはずです!

まち派の方の体験談

駅の近くに図書館や映画館、大きな買い物施設も揃っているので、前住地の東京や名古屋と比べても、不便は感じません。
藤枝駅周辺は、大きなビルや商業施設が次々と建設され、道路もきれいで広い。
そして高校に関しては、大学への進学、全国大会へ出場するレベルの高いスポーツなど、さまざまな特徴を持つ学校が多く、子どもの通学が近くて困らないことが大きな決め手でした。
土地も安く、普段の買い物には十分なくらいお店も揃っていて、山間部に行けば豊かな自然もあり、住んで暮らすにはちょうど良い街だと感じています。

里山派の方の体験談

この地区はレジャー施設も充実していて、体を動かしたり、自然とふれあえる場所がたくさんあり、緑豊かな環境で子育てをしたい人におすすめです。
新鮮な野菜を朝市や農産物直売所で安く買えたり、近所の方からいただけたりするので、市街地に買い物に出かけるのは週に一回程度。
近くにコンビニがないなど、市街地に比べ不便なところもありますが、ネットショッピングや食品の宅配も利用できるので、生活に困ることはありません。
登下校を見守ってくれる地域の方に話を聞けば子どもの様子を教えてくれるし、ちゃんと指導もしてくれる。大人が見守ってくれているからこそ、子どもたちが元気に生活できています。
それが当たり前の環境で育っている子どもはとても幸せだと思います。

→インタビュー全文はこちら(まち派)こちら(里山派)から

藤枝市への移住ステップ

ここまでお読みいただいて、藤枝市を移住の候補として検討される場合は、次のような流れで進んでみましょう。

現地での暮らしについて相談する

移住は人生の一大イベントなので、どうしても不安なことや疑問点は出てくると思います。藤枝市ではZoomを使ったオンライン移住相談を随時受け付けており、移住エキスパートにいろいろなことが相談できます。ぜひ利用してみましょう。

オンライン移住相談の予約方法

必要なもの カメラ・マイク付きのPC、もしくはタブレット・スマートフォン
料金 無料(通信費は自己負担)
相談時間 平日
午前9時~午後5時(希望により土日祝日も対応)※上限1時間
申込方法 相談希望日の3日前までに、申込フォームから必要事項を入力
申込フォーム https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/cgi-bin/inquiry.php/253?page_no=15084
海野さんのアイコン
海野さん

実際に藤枝市に来られるという方には、オーダーメイドの市内案内も実施しています。
事前にご相談ください!

どんな補助が受けられるか調べる

藤枝市では、条件に当てはまれば移住にともなう補助金が支給されるケースがあります。下記の概要以外にも細かい条件があるため、不明な点は問い合わせてみましょう。

子育てファミリー移住定住促進事業

子育てファミリーが新築住宅・新築マンションを取得する経費として最大130万円の助成を受けることができます。
※18歳以下の子どもがいる、もしくは妊娠している人がいる世帯。

仲良し夫婦移住定住促進事業

結婚後3年以内の子育て前の夫婦世帯が新築住宅・新築マンションを取得する経費として最大50万円、引っ越し費用として最大50万円、あわせて最大100万円の助成を受けることができます。

また、賃貸住宅に移転する際に要する費用(賃料・敷金・礼金など)の場合も最大50万円の助成が受けられます。
※転入・転居時点で夫婦とも40歳未満の場合のみ。

藤枝市の移住に関するお問い合わせ

その他わからないことについて問い合わせる際は、担当課窓口に聞いてみましょう。移住体験ツアーも定期的に開催しているので、公式サイトもぜひ定期的にチェックしてみてくださいね。

担当課 藤枝市役所 広域連携課
住所 〒426-8722
静岡県藤枝市岡出山1-11-1
電話番号 054-643-3229
対応時間 平日
午前8時30分から午後5時15分まで(祝日、年末年始を除く)
公式サイト 藤枝市 定住・移住促進ホームページ「藤枝スタイル」