旧下関英国領事館で楽しむ！重要文化財と本格アフタヌーンティーのデートプラン｜山口
今回ご紹介するのは、山口県下関市唐戸町にある「重要文化財 旧下関英国領事館」で、歴史ある英国式洋館の見学と本格的なアフタヌーンティーを楽しむデートです。
普段とは異なる雰囲気で知的なデートを楽しみたい方や、レトロな建築と英国式アフタヌーンティーをゆっくり満喫したい二人にぴったりのスポットです。入館料が無料なのも魅力的なポイントです。歴史的価値の高い建物を無料で見学できる貴重な機会となっています。
旧下関英国領事館の特徴や魅力、デートでの楽しみ方について、館長の藤澤さんにお話を伺いました。以下では、藤澤さんのインタビューを交えながら、この魅力的なスポットをご紹介します。
旧下関英国領事館の歴史と魅力的な展示
▲英国のクイーン・アン様式で建てられた旧下関英国領事館の正面外観
山口県下関市にある「重要文化財 旧下関英国領事館」は、1906（明治39）年に建設された英国式の洋館です。国内に現存する最古の領事館建築として知られており、その歴史的価値から国指定の重要文化財に指定されています。特筆すべきは、このような貴重な文化財でありながら、入館料が無料で見学できることです。クイーン・アン様式の建築や当時の外交の様子を、費用をかけずに間近で見られる貴重な機会となっています。
それでは、この歴史的建造物である旧下関英国領事館について、その魅力や特徴を詳しく見ていきましょう。建物の外観や内装、展示物など、見どころが満載です。
スタッフガイド付き！見どころ満載の常設展を楽しむ
編集部
旧下関英国領事館には今回初めて伺いましたが、国内で現存する領事館建築としては最古のものだそうですね。和洋折衷の洋館で、明治期の建物らしい雰囲気が魅力的でした。
まず、施設のコンセプトについて、主なポイントをお聞かせください。
藤澤さん
当館は、1906（明治39）年の竣工であり、ご指摘の通り、現存する日本最古の領事館建築です。国指定の重要文化財にもなっています。
赤煉瓦（レンガ）の壁が特徴的な建物で、1階は領事の執務室を再現した部屋をはじめ、見学用の施設となっています。2階は英国風のティールームで、紅茶やアフタヌーンティーを楽しめます。
さらに、離れには市民向けの貸出ギャラリーと中庭があり、個展などの開催が可能です。
旧下関英国領事館は、ピーターラビット™を公式キャラクターとしており、定期イベントの開催やグッズ販売のショップも設けています。
▲今回インタビュー取材をお願いした館長の藤澤さん。英国紳士も顔負けの日本紳士！
編集部
旧下関英国領事館の主要な展示について教えていただけますか？
藤澤さん
1階の旧海事監督官室（赤レンガ室）にあるCGウォールでは、32インチの大型モニターを通して、当館の姿をCGで立体的にご覧いただけます。2008～2014年に実施された保存・補修工事の様子や、館内の見どころなどを紹介しています。
モニターに直接触れながら見学できるほか、建設時に使用された赤煉瓦などの貴重な展示物も展示しています。また、大正・昭和期の古写真や、国内の他の英国領事館建築についても紹介しています。
編集部
藤澤さんが特に気に入っている展示はどれでしょうか？個人的な感想をお聞かせください。
藤澤さん
1階の旧海事監督官室（赤レンガ室）で展示している当館の外壁に使用された赤煉瓦の見本が私のお気に入りです。
これは当時国内トップクラスの煉瓦会社、大阪の岸和田煉瓦株式会社で生産されたもので、表面に「岸×泉」の刻印があります。この刻印は、岸和田煉瓦株式会社製の煉瓦の中でも、最上級品質の化粧煉瓦を示すものでした。
「岸」は岸和田、「泉」は泉州地区を表し、「×」印は岸和田煉瓦株式会社の商標となっています。
▲赤レンガが美しい外観（裏門から）。建設当時のレンガは英国製ではなく、日本・大阪製だった
編集部
藤澤さんおすすめの館内の見学方法がありましたら、ぜひ教えてください。
藤澤さん
スタッフが来館者の方のご都合に合わせて、10～30分程度をかけ、館内を無料でご案内しています。領事館の位置付けや役割、歴史、さらには近代建築やその建具についてもご説明させていただきます。
館内を軽く見回るだけでは気づかない魅力が当館にはたくさんあります。ぜひスタッフにお声掛けいただき、館内案内をご利用ください。
季節を彩る企画展とイベントで楽しむ旧下関英国領事館
編集部
旧下関英国領事館では、毎年実施されている人気の特別展示（企画展）やイベントがありますか？
藤澤さん
はい、季節に沿ったイベントを毎年企画・開催しています。例えば、3～4月には公式キャラクター・ピーターラビット™の展示イベント、7～8月には歴史や建築物に関するパネル展、10月にはハロウィン、11月には関門海峡キャンドルナイト、12月にはクリスマスイベントなどを開催しています。これらのイベントは、それぞれの季節の特色を生かした内容となっています。
▲夜間も美しい外観（裏門から）。ロマンチックなイベントも多く催される施設
詳細やスケジュールは、公式サイトトップページの「EVENT INFORMATION」コーナーでご確認いただけます。最新の情報を常に更新していますので、ぜひご覧ください。
編集部
これらのイベントが人気の理由を教えていただけますか？
藤澤さん
例えば、ピーターラビット™のイベントでは、パネル展示だけでなく、イースターエッグ作りやお絵描き、エッグハントなども催しており、大人も子供も一緒に楽しめることが人気の理由だと思います。参加型のアクティビティが多いため、家族連れやカップルにも好評です。
また、ピーターラビットが来館しての写真撮影会もあって、特に女性の方に好評です。かわいらしいキャラクターとの記念撮影は、思い出作りにぴったりです。
旧下関英国領事館の建築的魅力と知られざる見どころ
▲2階ティールーム内のカウンター。部屋の一角も、重厚で趣のある雰囲気
編集部
藤澤さんが思われる、旧下関英国領事館の最大の見どころ・魅力について、ぜひ教えてください。
藤澤さん
英国のクイーン・アン様式（※2）の建物でありながら、瓦屋根になっているなど、和の建築様式も採り入れている点が、最大の見どころです。
（※2）18世紀初頭の英国・アン女王の時代に流行した建築・家具の装飾様式。また、英国が入植した北米で発展した様式。優美な曲線を多用するロココ様式をベースとし、より軽快な印象を与えることが特徴。
館内の間取りは、1階に4部屋と、2階に3部屋となっており、計7つの部屋にそれぞれ暖炉が備わっていて、煙突が7本設置されています。この特徴的な構造にもご注目ください。
室内は木造建築ですが、高い天井に背の高いドアや建具、漆喰（しっくい）の壁面、モールディング（※3）に暖炉と、古き英国建築の雰囲気をそのまま体感いただけることも、当館の大きな魅力です。
（※3）molding。建築物や家具に施される縁取りのこと。日本では刳形（繰形）（くりがた）とも呼ばれる。天井と壁の接合部や、床と壁の接合部、ドア枠など、部材が変化する部位に施される装飾。
▲1階の旧領事室内部。シンプルながら、古き英国の品格を感じる室内
編集部
ほかにも、建物内には多くの見どころがあるのではないでしょうか？レトロな建築物が好きなカップルに、ご紹介をお願いします。
藤澤さん
そうですね。例えば、ドアノブの横には、鍵穴とそれを塞ぐ鍵穴カバーが設けられていて、昔の英国建築らしさを感じ取れます。
今の日本ではなかなか見られない、押し上げて開閉する方式の窓とその金具、ベランダへと出るガラス戸にはまる昔ながらの歪みのあるガラスなど、建物内部に目を凝らせば、随所に建物の味わい深い魅力を発見していただけるでしょう。
編集部
ほかの類似する施設と差別化できる部分や、特別な取り組みのようなものがありましたら、お話しください。
藤澤さん
2階のティールーム東側の暖炉は、寒さが厳しい季節になると、実際に薪で火を入れております。お茶を召し上がりながら、揺らめく炎を楽しんでください。冬ならではの当館の風物詩です。
▲2階のティールーム内部。天井が高く、ベランダに出られる背の高いガラス扉と、何とも落ち着く室内
国指定の重要文化財で、暖炉に実際に火を入れることが可能な建物は、極めて限られています。ぜひカップルで、癒されにお越しください。
編集部
来館する時期の違いで、それぞれの楽しみ方がありましたら、教えてください。
藤澤さん
建物の周囲には花壇があり、市内のボランティアの皆さんがお世話してくださっています。バラを中心に四季折々の草花を観賞できますので、来館された際にはぜひ楽しんでいただければと思います。
▲正面玄関前の花壇。四季折々の花を楽しめるスペース
そして冬には、火の入ったティールームの暖炉の前で、お二人でゆっくりとくつろいでいただけます。
カップルにおすすめ！旧下関英国領事館デートプラン
ここまでは、「重要文化財 旧下関英国領事館」の特徴や見どころなど、観光で立ち寄った際の魅力を中心にお話を伺ってきました。ここからは、カップルでデートの一環として訪れた場合に特化して、おすすめのポイントや楽しみ方についてお聞きしていきましょう。
本格英国式アフタヌーンティーで優雅なティータイム
編集部
旧下関英国領事館の2階にあるティールームについて、簡単な紹介と人気メニューを教えていただけますか？
藤澤さん
当館2階には、「tearoom Liz（リズ）」という名前のティールームがあります。営業時間は10:00から18:00まで（最終注文は17:00）となっています。
人気メニューは、英国風の紅茶を中心とした伝統的なアフタヌーンティーセットです。自家製スコーンやスイーツ、サンドイッチをスタンド式に盛り付けたこのセットは、多くのお客様からご好評いただいています。スコーンは英国の伝統的なレシピで作られ、本場の味わいを楽しめます。
▲ボリュームたっぷりの英国式アフタヌーンティーセット（3段タイプ）は、ゆったり気分のランチデートにもぴったり！
▲英国でお茶のお供と言えばスコーン。本格派の味をご賞味あれ！
アフタヌーンティーセットは、2名様からオーダーいただけます。提供時間は11:30から16:00までです。3段式（お一人様2,200円）と2段式（お一人様1,650円）の2種類をご用意しており、お客様の食欲に合わせてお選びいただけます。
歴史ある建物でゆったりとした雰囲気を楽しみながら、本格的な英国の味わいを堪能できるため、特別なランチデートにも最適です。
ピーターラビットグッズ満載！ミュージアムショップでお土産探し
編集部
旧下関英国領事館の1階にあるショップについて、人気のアイテムやお土産を教えていただけますか？
藤澤さん
1階には、公式キャラクター・ピーターラビット™のオリジナルグッズや、紅茶関連アイテムを販売するショップがあり、多くのお客様にご好評いただいています。
▲公式マスコット・ピーターラビットの縫いぐるみたち
特に人気が高いのは、当館オリジナルのピーターラビットのポストカードや缶バッジ、そして美しい缶入りの紅茶です。これらは旧下関英国領事館ならではのお土産として、多くの方に喜ばれています。英国の雰囲気を感じられるこれらのアイテムは、思い出の品としても最適です。
また、オンラインショップでもこれらの商品をご購入いただけますので、ご来館が難しい方や、後日お求めになりたい方は、ぜひウェブサイトをご覧ください。オンラインでも同じ商品をお楽しみいただけます。
旧下関英国領事館周辺で楽しむカップルデートスポット
編集部
「重要文化財 旧下関英国領事館」を訪ねる前後にカップルが立ち寄れる、おすすめのデートスポットが近隣にありましたら、ぜひ教えてください。
藤澤さん
当館を起点に、カップルの皆さまには多様な楽しみ方ができると思います。
まず、旧秋田商会ビルや山口銀行旧本店など、界隈にある近代建築を巡るのがおすすめです。その後、下関と北九州のプロも通う卸売市場「唐戸市場」に立ち寄り、新鮮な魚介類やお寿司を味わってみてください。地元の名物である「ふく」料理を楽しむのもよいでしょう。おうちデート用の食材を買い出すこともできますよ。
次に、海沿いをゆっくり散歩しながら、「市立しものせき水族館 海響館」を訪れ、巨大なシロナガスクジラの骨格標本や、愛らしいイルカとアシカのショーを楽しむのはいかがでしょうか。館内には、ペンギンやクラゲなど、多種多様な海の生き物たちも観察できます。
また、JR下関駅からバスで15分ほどの御裳川（みもすそがわ）公園まで足を延ばし、「関門トンネル人道」で、海底散歩を楽しむのもおすすめです。
この世界的にも珍しい歩行者用の海底トンネルは、対岸の九州・門司市の出口まで徒歩約15分で歩けます。トンネル内の県境がマークされた場所で記念撮影をすれば、素敵なデートの思い出になるでしょう。トンネルを出た後は、門司港レトロ地区で異国情緒あふれる街並みを楽しむこともできます。
館長からカップルへ：旧下関英国領事館で過ごす特別な時間
編集部
来館を検討しているカップルへのメッセージや、今回のインタビュー取材で伝えきれなかった想いなどがありましたら、ぜひお話しください。
藤澤さん
「重要文化財 旧下関英国領事館」は、歴史ある建物の見学はもちろんのこと、本格的な英国式アフタヌーンティーやショップでのお買い物に加えて、季節ごとの企画展やイベントもカップルでお楽しみいただけます。
また、関門海峡や巌流島など、周辺の観光スポットも充実しており、関門エリアの魅力を存分に味わっていただけるよう、当館スタッフが丁寧にご案内いたします。ぜひ歴史と文化に触れながら、特別な時間をお過ごしください。
編集部
クラシカルで趣のある雰囲気の建物と、赤レンガの鮮やかな外観が、とりわけ印象に残る施設でした。
レトロな建築物が好きなカップルはもちろん、知的な雰囲気の中でゆっくりとデートを楽しみたい方や、本格的な英国式アフタヌーンティーを堪能したい方にも、「重要文化財 旧下関英国領事館」は最適なデートスポットになりそうですね。
藤澤さん、本日はお忙しい中、貴重なお時間を割いていただき、大変ありがとうございました。
来館者の声：旧下関英国領事館の魅力と評判
ここまで、「重要文化財 旧下関英国領事館」について、さまざまな魅力を伺ってきました。実際に訪れた方々の口コミや感想をご紹介します。これらの声を参考に、施設の魅力をより深く理解しましょう。
- 館内案内をお願いしてよかったです。自分たちだけで見学するよりも、多くの興味深い情報を得ることができました。建物の歴史や当時の生活様式など、詳しい説明を聞くことで、より深く施設の魅力を感じることができました。
- 往年の英国の雰囲気を味わえる貴重な施設です。本格的なアフタヌーンティーをゆっくり楽しめて満足しました。美しい景色を眺めながら、優雅なひとときを過ごせる素晴らしい体験でした。
- 入館料が無料なのに、外観も内装も見応えがあります。館長さんから丁寧にお声掛けいただき、とても良い印象を受けました。歴史的価値の高い建物を身近に感じられる貴重な機会でした。
- 3段タイプのアフタヌーンティーセットは、味も価格も魅力的でおすすめです。これはリピート確定！スコーンやサンドイッチなど、すべての品が本格的で美味しく、英国の食文化を堪能できました。
口コミの評価は非常に高く、特に女性の方々から好評のようです。見応えのある英国式建築や、洗練された内装だけでなく、2階で楽しめる本格的な英国式アフタヌーンティーにも多くのファンがいることがわかります。
カップルがデートの一環として初めて訪れても、充実した時間を過ごせるスポットだと感じました。歴史的な雰囲気と美味しい軽食を楽しみながら、特別な思い出を作ることができそうです。さらに、館内案内を利用することで、より深い知識と体験が得られるようです。
旧下関英国領事館の基本情報：アクセス・営業時間・施設案内
| 住所 | 〒750-0005 山口県下関市唐戸町4-11 |
|---|---|
| 連絡先 |
（電話）083-235-1906 |
| アクセス |
【公共交通機関】 【自動車】 |
| 駐車場 | なし ※近隣の有料駐車場をご利用ください |
| 開館時間 |
9:00～17:00 【カフェ「tearoom Liz」（2階）】 【ショップ（1階）】 |
| 休館日 | 毎週火曜日 |
| 公式サイト | https://www.kyu-eikoku-ryoujikan.com/ |
※最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
