下川町で始める新生活:自然、子育て、仕事の3拍子そろった移住先
この記事では、地方移住を検討している方に向けて北海道にある下川町の魅力をご紹介します。
下川町は、北海道の北部に位置し、町の総面積の約90%が森林で覆われた自然豊かな町です。アクセスが決して良い地域ではありませんが、「理想のライフスタイルを叶えやすい町」として注目されており、実際、この地に移住し充実した暮らしを送っている先輩移住者もたくさんいます。
移住体験ツアーのほか、オンラインイベントを定期的に開催しており、移住希望者からの注目度もあがっています。
それでは早速、下川町の特徴や移住支援情報についてご紹介していきます。
下川町の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴
下川町は、森や川など自然が身近にあります。自然環境に恵まれた土地でありながら、市街地には病院やコンビニ・スーパーもあり飲食店も充実しているため、徒歩や自転車でも生活が成り立ちます。
また、車で20分ほどの隣町・名寄市には、総合病院や大型商業施設もあるので、生活する上で困ることはほとんどありません。
さらに下川町は「環境モデル都市」「環境未来都市」にも選定されたまちであり、2017年には、長年にわたり取り組んできた地域づくり活動が評価され、第1回SDGsアワードの内閣総理大臣賞を受賞しています。誰ひとり取り残されないまち・世界から目標とされるまちなど、「町民と行政が一緒に考えた地域ビジョン」が明確に掲げられているのが特徴です。下川町の地域ビジョンについての詳細は下記URLからご覧ください。
公式URL:2030年における下川町のありたい姿
下川町への移住は、以下のような方におすすめです。
- 自然の近くで豊かな暮らしがしたい
- 子育て支援が充実しているまちに住みたい
- 移住前の準備は入念におこないたい
- 地域コミュニティにうまく馴染んでいきたい
なぜ上記のような方におすすめなのか、下川町の特徴に触れながら解説していきます。
特徴1:豊かな森林資源を活かした自然体験と四季折々の魅力
下川町では、自然の恩恵を受けた四季折々の景観が堪能できます。とくに冬は写真のような素晴らしい景色を見ることができます。
▲森の中の銀世界は映画のワンシーンのよう
▲マイナス30℃近くまで下がる下川町では、滝が凍る様子も見ることができる
また、下川町には自然環境を活かしたアクティビティが豊富にあります。山菜取りにキャンプや焚き火、川遊びや雪板(※)、スキーにスノーボードなど、子どもだけでなく大人も思い切り楽しめます。
※雪板:スノーサーフィンとも呼ばれ、足を固定せずに木の板に乗り、新雪を滑り降りるアクティビティ。
さらに、下川町はスキージャンプのまちとしても知られており、葛西紀明選手や伊藤有希選手など、数々のオリンピック選手を輩出しています。全日本のコーチが指導にあたる「スキージャンプ少年団」があり、未来のオリンピック選手たちが日夜練習に励んでいます。
市街地にある小規模なスキー場は無料で利用できるとあって、町民の多くが利用しています。無料のスキー場であるにもかかわらず、アルペンスキーやスキージャンプ、クロスカントリースキーにも対応しており、「スキージャンプのまち」ならではの魅力と言えるでしょう。
ほかにも、市街地から6kmほど走れば、北海道でもめずらしい天然の炭酸泉が楽しめる「五味温泉」があります。五味温泉は町外からも常連さんが訪れるスポットです。
公式URL:五味温泉
アクティビティのほかに、温泉まである下川町。下川町で暮らせば、これらの自然や寒さを生かした体験を存分に楽しめます。
特徴2:SDGsの取り組みを活かした充実の子育て支援制度
下川町では、豊富な森林資源を活用した“持続可能な取り組み”を行っており、その取り組みによって削減できた費用を子育て支援に活用しています。
その大きな取り組みの1つが、未利用材や製品と活用しきれない木の端材などを燃料としたバイオマスボイラ※の導入で、これにより、1年でおおよそ3,800万円もの経費削減(※令和3年度実績)を可能にしました。
※木くずや生ごみなど植物由来の生産資源を燃料として、水蒸気や温水を生成する機器
このようにして「町内の資源を活用することによって削減できた費用の一部」を子育て支援に活用しています。この取り組みにより実施している子育て支援については以下です。
認定こども園の保育料を助成 | 3歳未満児の保育料:国の基準額から60%OFF 給食費も完全無償化 |
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医療費無料 | 高校生までの医療費が全額無料 |
給食費を助成 | 小・中学校の給食費:20%を補助 |
商品券の支給 | 2歳未満のお子さんがいる家庭に毎月3,000円分の商品券を支給 |
下川町の持続可能な取り組みは全国からも注目を集めています。下川町の取り組みについて詳しくは以下の公式noteをご覧ください。とてもわかりやすい言葉で紹介されています。
公式URL:下川町公式note
このほか、下川町の森林資源を教材とした「森林環境教育」は幼児期から高校生まで15年一貫のカリキュラムが用意されています。
例えば、下川町認定子ども園「こどものもり」で行われる「森のあそび」では、子ども達が下川ならではの体験をできるような取り組みをしています。毎月森にでかけての植物・昆虫との触れ合いや、落ち葉を拾って焼き芋を焼いたり、冬には雪の丘で尻滑りを楽しんだりと、自然を肌で感じる貴重な体験ができます。
さらに近年は、地域とともに下川の子ども達を育んでいく「共育(教育)」という考え方をもとに、学校や保護者・地域住民とが共に話し合いを重ねて作った「共育ビジョン」が策定されました。現在、これに基づいた施策が実施され、子ども達が学校を飛び出して地域に、そして地域の人が学校にどんどん関わっていくような授業が行われるようになり、ますます注目されています。
公式URL:北海道しもかわ町で子供を育てる
公式URL:共育ビジョン
特徴3:移住者に寄り添う温かい地域コミュニティと手厚い支援体制
下川町には、移住者を暖かく迎え入れる風土が根付いています。その背景には、かつて鉱山の町として栄えた際に多くの人が下川に来たことでの喜び、そしてその後、鉱山の休山を機に多くの人が下川町を去ったことでの悲しみを経験しているからだと言われています。
このような環境がベースとしてあることに加え、2016年からは移住をサポートする「一般財団法人しもかわ地域振興機構 しもかわ財団」が立ち上がりました。仕事のこと、住まいのこと、子どものことなど総合的にきめ細やかなサポートをすることにより、安定的に移住者が増えています。
下川町での生活:気候、医療、教育など暮らしに欠かせない情報
▲約15万個の石を積み上げて作られた「万里長城(ばんりのちょうじょう)」下川町のシンボルとなっている
ここからは下川町での暮らしに役立つ情報をご紹介していきます。
気候 | 8月平均気温:19.4度 1月平均気温:-8.8度 参照:気象庁ホームぺージ/直近の下川観測所 |
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人口 | 人口:2,879人 世帯:1,621世帯 (2024年6月1日時点) |
病院 | 町立下川病院 |
教育 | 小学校:1校 中学校:1校 高等学校:1校 |
特産品 | 手延べ麺、鹿肉缶詰、トマトジュース、じゃがいも、アスパラガス、かぼちゃ、笹茶、木酢液、北海道モミ製品 |
交通 | 【空港】 最寄りの空港 ・旭川空港※下川町から車で約1時間50分 ・紋別空港※下川町から車で約1時間40分 【バス】 ■名士バス ・興部線 ・下川線 ■下川町コミュニティバス |
近隣市町村 | 名寄市、士別市 紋別郡:雄武町、西興部村、滝上町 |
アクセス |
【飛行機での所要時間】 |
下川町の冬は、マイナス30℃近くまで下がり、ニュースに取り上げられることもあります。雪の量は道内ではかなり多いというわけではありませんが、雪国での暮らしが初めての方・不安を感じる方は、事前に移住相談窓口となる「しもかわ財団」で話を聞いたり、冬季間に下川町を訪れてみることをおすすめします。
ちなみに、冬の屋外は寒いですが、機密性が高く暖かな住宅も選ぶことができるので、家の中では快適に過ごすこともできます。
移住を検討する人向けに、「しもかわちょっと暮らし体験」プログラムを用意しているので、気軽にお声がけください!
仕事情報:多様な就業支援と起業チャレンジができる環境
下川町では、職種を選ばなければ働き口に困ることはありません。仕事探しに関するサポートも充実していて、求職者と事業者のマッチングを行う「下川人財バンク」には、正社員からアルバイトまで、常時30件ほどの求人が掲載されています。
「下川人財バンク」内に気になる事業所があれば、履歴書を送る前でも事業所の人とお話できる機会を設けてくれるそう。ネット上の情報だけでは分からないリアルな情報が事前に聞けるので、職選びの失敗が軽減されます。下川人財バンクの心強いサポートを活用して、職探しをスムーズに行いましょう。
公式URL:下川人財バンク
他にも、近隣市町村まで幅を広げて職を探すという方法もあります。
また、「下川町で起業したい!」という方は、起業型地域おこし協力隊「シモカワベアーズ」に応募する方法もあります。毎年夏頃に募集を開始するので、興味がある方は、下川町移住サポートのSNSをフォローして情報が届く状態にしておくことをお勧めします。
ちなみに、これまでに6人の方がシモカワベアーズとして起業し、今も下川町で活躍しています。
「事業を起こして地域の課題を解決したい!」「自分も周りもワクワクするような事業をたちあげたい!」など思いのある方は、以下のURLよりシモカワベアーズについての詳細をご確認ください。
公式URL:シモカワベアーズ
(※現在募集停止中)
住まい探し:充実した公営住宅と空き家活用サポート
下川町は、公営住宅が充実しています。世帯収入の基準など要件はありますが、タイミングが良ければすぐに住めることもあるようです。公営住宅の募集情報については、月初めに下記公式サイトの「お知らせ欄」に情報がUPされます。
町内に不動産屋はありませんが、空き家相談の担当者が常駐しているため、一軒家の賃貸や購入、土地探しなどの相談から、情報共有などのサポートもしてもらえます。
また、空き家バンクの運営も行っていますが、空き家(や土地)を売りたい人・買いたい人のマッチングが比較的スムーズに進んでいることから、ホームページへの掲載にまで至らずに成約することが多いのが現状です。
そのため、下川町で空き家(や土地)の取得を考えている場合は、移住相談窓口に問い合わせていただき、希望条件等の登録を済ませておくことをお勧めします。
ちなみに、下川空き家バンクについて調べた時点では、ワンルームのアパートや戸建て物件、空き地などが掲載されていました。※2023年2月時点
公式URL:しもかわ空き家バンク
先輩移住者が語る下川町の魅力:自然と人のつながりが生む豊かな暮らし
実際に下川町へ移住した先輩たちの声をピックアップしてご紹介します。
- やりたいを応援してくれる人がたくさんいる
- 人が魅力的!いろんなことにアンテナを張っている人が多くて、刺激をもらえる
- 日常の中に自然が溶け込んでいる。雪で遊んだり森林浴したり、癒される
- ものづくりのほか、いろんなサークルがあるので人とのつながりができやすい
自然環境の素晴らしさはもちろん、まちの人々の優しさに触れている声が多く上がっていました。移住者を歓迎する風土もあるため、「知り合いがいない土地への移住は不安」という方も、下川町への移住なら困ったときにも助け合える素敵な出会いが期待できそうです。
下川町移住への道:イベント参加から移住実現までの具体的ステップ
ここからは、さらに下川町が気になった方に向け、移住までの具体的な流れを紹介します。
ステップ1:魅力的な地域イベントで下川町の雰囲気を体感
下川町には、魅力的なイベントが多数開催されています。その中のの一つ、毎年2月に開催される「アイスキャンドルミュージアム」は、氷のランプシェードが町中に灯され、町外からも多くのお客さんが訪れる人気のイベントです。
▲幻想的な灯りがまちを包む「アイスキャンドルミュージアム」下川町の冬の風物詩
7月には町内の森で、森の恵みをみんなで楽しむためのイベント「森ジャム」が開催されます。チェーンソーアートの大会も同日開催される、下川らしさが溢れるイベントです。
▲森の中にワークショップやお店がずらりと並ぶ。
また他にも、下川町民が主体となって開催するイベントもたくさんあることから、とても活気に満ちたまちであることがうかがえます。
下川町の年間イベントスケジュールについては、しもかわ観光協会の公式サイトに掲載されているので、確認してみてください。また、町民主体のイベントについては、移住相談サポートのSNSからお問い合わせください。
▼年間スケジュールはこちら
公式URL:しもかわ観光協会
ステップ2:移住体験ツアーとオンラインイベントで下川町の暮らしを知る
下川町では、下川での暮らしの様子や、チャレンジを応援する仕組みを紹介する目的で、1年を通じて「移住体験ツアー」や「オンラインイベント」を開催しています。例えば、過去には以下のようなオンラインイベントが開催されました。
- 最近Bookcafeを始めちゃった移住者から、ワクワクを形にする方法を探ってみよう
- 今冬こそ北海道が面白い?!北国の冬を楽しむオンラインガイド開催
- 地域おこし協力隊活動報告会
- ママたちが語る「やりたいことを諦めない子育て」の秘訣
- 現役大学生5名による下川暮らしのクロストーク
毎回切り口を変えていたり、先輩移住者が登壇してリアルな話を聞かせてくれるなど、イベント内で交流がもてるような企画ばかりです。参加すると、下川町での実際の暮らしをよく知ることができ、下川町を身近に感じられるはずです。
おおよそ月に一度の頻度でオンラインイベントを開催しているので、移住先を探している方や、下川町に興味のある方は気軽にご参加いただけたら嬉しいです。
▲毎回20名以上が参加するオンラインイベント。和やかな雰囲気で進行していく。
下川町のイベント情報は、公式LINEやFacebook、Instagramなど、各種SNSにて発信中です。下川町での暮らしの様子なども投稿されるので、もっと下川町のことを知りたい!という方はぜひフォローしてください。
▼下川町移住サポートの公式SNS
タノシモカフェ:地域住民と交流できる月例イベント
▲タノシモカフェの交流イベント。毎回お子さんから年配の方まで様々な年代の20〜40名程度が参加
しもかわ財団が主催する町民交流会「タノシモカフェ」は、毎月上旬の週末に開催されています。持続可能な交流会を目指して、公費を使わず、食べ物や飲み物は参加者が持参する形で開催しており、今年で8年目を迎えたそう(2024年3月時点)。
参加対象者は、町民・移住者・移住検討者・下川ファン・視察者・旅行者など誰でもOK。そのため、移住を検討している方の参加も多く、町民のリアルな声が聞けると評判です。
移住後には友達を作る場としても活用できます。
タノシモカフェ内では、席替えや特別企画なども用意し、多くの人との交流がはかれる工夫をしています。下川町に興味がある方は、ぜひ「タノシモカフェ」にお越しください!
開催情報はSNSで発信しています。
ステップ3:お試し暮らしで下川町の生活を実体験
下川町を訪れるなら、1日1組限定の1棟貸しキャビンのA-framecabin「iwor(イウォロ)」への宿泊がおすすめです。
▲下川産の材料を中心に使ってセルフビルドした「iwor」のキャビン。製作中は町民も手伝いにかけつけたそう。
▲自然と一体化したように佇むキャビンで、ゆったりとした時間が過ごせる
A-framecabin「iwor」では、宿泊するだけでなく「ぐるっとしもかわ」という町内ツアーを体験することもできます。参加者のニーズに合わせたツアープランを用意してくれるので、下川町への移住を考えている方にもおすすめです。
公式URL:ぐるっとしもかわ
まずは一度キャビン「iwor」に宿泊予約をして、下川町を訪ねてみてはいかがでしょうか。
「iwor」の他にも、「五味温泉」「結いの森」などの宿泊施設や、お試し暮らし向きの「森のなかヨックル」もあるそうです。移住を検討していて、一度下川町に行ってみたいと考えている方は、しもかわ財団に問い合わせてみてください。
公式URL:五味温泉
公式URL:結いの森
公式URL:森のなかヨックル
ぜひ気軽にお問合せください!
下川町への移住相談:充実したサポート体制と問い合わせ先
▲移住の相談は、しもかわ財団のみなさんにおまかせ!
下川町の魅力を知り、「移住したい!」という気持ちに拍車がかかった方もいることでしょう。下川町は移住を検討する方へのサポートが手厚いのが特徴なので、下記の窓口を利用して、移住への第一歩を踏み出してみてくださいね。
多様な相談窓口:公式サイト、SNS、オンライン相談で移住をサポート
しもかわ財団では、移住交流サポートWEBサイト「tanoshimo!タノシモ」を運営しています。下川町での暮らしや仕事のこと、先輩移住者のインタビューなども掲載されているので、まずはチェックしてみてくださいね。
また、下川に関する資料の請求も、本Webサイトから可能です。公式LINE、オンライン(Zoom)の移住相談も随時受付中です。
どんな小さなことでも気軽に相談してくださいね。
しもかわ財団のみなさんが親身になってお話を聞き、移住までの段取りなど適切なルートを教えてくれます。
移住体験ツアーやイベントの開催情報はSNSで発信しているので、フォローして情報をチェックしておきましょう。
担当課 | 一般財団法人しもかわ地域振興機構 しもかわ財団 |
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電話 | 01655-4-3511 |
オンライン移住相談 | 予約カレンダー ※Zoomで行います |
公式サイト | tanoshimo!タノシモ |
公式SNS | 公式LINE:LINE移住相談「シン・しもかわ羅針盤」 Facebook:Tanoshimo(下川町の移住サポート) Instagram:北海道下川町移住サポート(公式) Twitter:北海道下川町移住サポート【公式】 |