様似町で暮らす魅力は?移住を成功させるための情報を徹底解説|縁結び大学

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「北海道様似町(さまにちょう)」をご紹介します。

様似町は、海と山に囲まれ、まちの全域が「アポイ岳ジオパーク」としてユネスコに認定されている自然豊かなまちです。気候は夏に涼しく、冬の積雪は北海道にしては少な目と、年間を通して快適。農業や漁業が盛んで、新規就農や就漁に対する支援も充実しているので、大自然の中でゆったりと働き遊ぶ、スローライフに憧れている方にはおすすめの移住先です。

移住体験制度も整っているので、実際に現地の暮らしを体験し、その魅力を実感した上で移住へのステップを進められるので安心です。

そんな様似町について、暮らしの特徴や支援情報など、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
企画調整課企画係 係長 小西 正人さん

企画調整課企画係 係長

藤田 舞夏さん

様似町の暮らしの特徴3つ

様似町の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には様似町がおすすめです。

  • 大自然に囲まれて暮らしたい。山も海もどちらも身近にあったら最高だと思う
  • 都会の生活と正反対のスローライフに憧れる
  • 暑さが苦手で、なるべく夏涼しい地域を希望
  • 移住後の働き方として、就農もしくは就漁を検討している
  • 移住前にはしっかりとお試しをしたいので、体験移住制度が整っているとありがたい

なぜこのような方に様似町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、様似町の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:山も海もすぐそこ!豊かな自然環境と恵まれた気候

海と山に囲まれた、様似町の風景

様似町は、市街地を囲むようにして、背面にアポイ岳と日高山脈、前面に太平洋を有する自然豊かなまちです。

中でも、まちのシンボルともいえるのが、標高810mの「アポイ岳」。様似町の全域は、アポイ岳を中心とする「アポイ岳ジオパーク」(ジオパーク=地球科学的な価値をもつ地形や地質とそれに育まれた自然・文化・産学を活用しつつ地域を活性化していくプログラム)として「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。

アポイ岳ジオパークは「地球深部からの贈りものがつなぐ大地と自然と人々の物語」がメインテーマです。アポイ岳は山全体が「かんらん岩」から成り、特殊な地形と自然体系が特徴。ここでしか見られない動植物を求めて、地域の内外から多くの人が訪れます。

アポイ岳で登山をする人々
▲アポイ岳は低山ながら、多くの高山植物が見られる。初心者にも比較的登りやすいので、家族でのお出かけにもおすすめ

一方で太平洋には、大小3つの岩が並ぶ名勝「親子岩」が見られます。「親子岩ふれ愛ビーチ」には家族で楽しめる海水浴場があり、キャンプ場も併設。夏場には各地からの観光客でにぎわいます。

「親子岩ふれ愛ビーチ」で海水浴を楽しむ人々

このように、山と海の両方が生活圏にあり、ダイナミックに自然と触れ合えるのが様似町です。自然を求めて週末に遠出するのではなく、いつも”すぐそこ”に大自然がある、都会とは正反対の暮らしをしたい方にはとてもおすすめの移住先です。

さらに、様似町は、夏の最高気温が30度を超えることはほとんどない涼しさと、北海道の中では最も雪が少ないという気候も特徴的です。「真夏には、猛暑でどこにも出かけられない」という地域が多い現代において、快適に外出ができるなんて貴重な環境ですよね。

特徴2:新規就農・就漁への手厚いサポート

ビニールハウスでイチゴを収穫している人

移住後には、農業や漁業など、自然に寄り添った働き方をしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

様似町では「すずあかね」という夏~秋に収穫できるいちごの栽培などに力を入れ、新規就農に対して手厚い支援を行っています。

就農作物 畑作や肉用牛・酪農、花きや野菜・いちごなどの施設園芸
支援内容 ・農地や農業用施設の取得、基盤整備等にかかる費用の2分の1を助成(就農後5年以内、限度額300万円)
・就農研修期間中、月額8万円を助成(最長24ヶ月、国の研修支援金の対象者は除く)
・就農研修にかかる研修費を助成
・町内の借家に住みながら就農研修を受ける場合、住宅料を助成(限度額40,000円/月)

研修期間中の補助金や住宅料への助成など、営農そのものだけでなく”就農を目指す方の生活まわり”に対する幅広いサポートがあるのは、新しい土地で、これから農業を始めたいという方にとって心強いポイントです。実際に、支援体制が整っている様似町で新規就農をしたいと移住された方も多いそうですよ。

上記のほかにも、施設園芸ハウスの設置費用助成や、農作物の苗購入費助成などさまざまな支援があるので、就農を検討している方はチェックしてみてください。

詳細:新規就農支援について

また一方で、様似町は、古くから「水産業のまち」として栄えてきた歴史を持ちます。この背景には、周辺の海に暖流(津軽海流)と寒流(千島海流)が流れ、さまざまな魚種が生息する漁場となっていることがあります。

そんな漁業、特に昆布漁を維持するべく、新規就漁に対しても支援が行われているので、海で仕事がしたい方、地域に根差した働き方がしたい方にはおすすめです。

詳細:漁業担い手支援について

海辺で昆布干しをしている風景
▲晴れた日に行われる昆布干しの作業風景は、様似町の夏の風物詩。製品は「日高昆布」として全国で重宝されている

特徴3:「ちょっと暮らし体験」で、スローライフの魅力を実感

移住体験住宅の外観
▲移住体験住宅は3棟あり、いずれも3LDKの間取り。3棟のうち1棟では、ペットの同伴もできる

大自然に囲まれ、都会とは対極の「スローライフ」が叶うところが最大の魅力と言える様似町。まちには、そんな暮らしを実際に体験できる体験住宅が3棟用意されています。

「様似町に興味はあるけど、リアルな生活のイメージが湧かない」「いきなり移住することには抵抗があるから、生活を体験してみたい」という方は、利用してみてはいかがでしょうか。

対象者 様似町への移住を希望、または検討されている方
利用期間 1週間〜90日
利用料 5~10月:1,800円/日
11~4月:2,100円/日 ※暖房料含む
設備 家具・家電備え付け
※自転車あり
※Wi-Fi環境あり(無料)

自転車の貸し出しもあり、買い物や病院への移動など、移住後の暮らしをよりリアルにシミュレーションすることができるでしょう。Wi-Fiを無料で使うことができるので、テレワークを検討している方にもおすすめです。

移住体験中は、普段の暮らしに加え、いちご栽培や昆布漁などの体験も可能。そのほかにも希望があれば、柔軟に対応してもらえます。

詳細:移住体験について

移住体験は人気があり、特に夏場は予約が混み合うそうなので、希望されている方は早めのお問い合わせをおすすめします。

様似町の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、様似町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温−2.4°C
8月:平均気温19.9°C
(様似町内に観測地点がないため、浦河地点を参照)
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:3,814人
世帯数:2,051世帯
(令和6年5月末時点)
近隣都市 浦河郡浦河町、幌泉郡えりも町、広尾郡広尾町
公共交通 ・町内に鉄道路線は通っていない
・バス:JR北海道バス
大都市へのアクセス 札幌市へ:車で約3時間10分
帯広市へ:車で約2時間30分
病院 医院1、歯科医院2
学校 中学校1、小学校1、保育施設2
特産・名産 日高昆布、銀毛鮭、毛ガニ、真つぶ

様似町は、夏涼しく冬暖かい気候に雄大な自然という、暮らす場所としてはとても贅沢といえる環境に恵まれたまちです。

町内にはスーパーマーケットやコンビニ、地元産の食材を買うことができる商店があり、日常生活には大きな不便はないでしょう。ただし「都会的な便利さ」とは対極にあることは、移住前によく理解をしておきたいところです。町内に鉄道路線は通っておらず、ショッピングセンターなどがある近隣町市街地までは車で1時間程度かかります。

漁業の盛んな様似町では、多彩な海の幸を味わうことができます。特産品である真つぶ(つぶ貝)や毛ガニ、いくらなどは、ふるさと納税の返礼品としても大人気。北海道旅行で魚介類のおいしさに感動した経験のある方は、日々の食卓の豊かさに、移住の喜びを実感できそうです。

ふるさと納税返礼品の、つぶ貝、いくら、タコ、毛ガニ

8月に行われる「アポイの火まつり」は、様似町で最大のイベントです。

「山頂の祭壇で天を焦がさんばかりに火を焚き、鹿の豊猟をカムイに祈った」というアイヌの伝承に由来するこのお祭り。神聖な採火式にはじまり、アポイ太鼓の演奏やねぶたパレード、打ち上げ花火など、多彩な催しで盛り上がります。2022年には、節目となる第50回が開催されました。

アポイの火まつり

【仕事】漁業関連の仕事が多い

大手求人情報サイトで、様似町および車で約30分(25km圏内)の範囲の正社員情報を検索すると、約260件がヒットしました。(2024年6月時点)
参考:求人情報の一例(25km圏内)

様似町は漁業が盛んなため、水産加工関連などの仕事が多く見つかります。また、町外であれば、隣接する浦河町に勤務される方が多いそうです。浦河町にはハローワークもあるので、お仕事で迷われた時には、窓口で相談するのもおすすめです。

公式:ハローワーク浦河

【住まい】新築・リフォームに補助制度あり

様似町内で主に住宅のある市街地は、海に面していて山をのぞむこともできる、美しい風景に囲まれています。

まちには民間の不動産会社がなく、賃貸物件はすべて個人経営のアパートです。数が多くないので、タイミングによっては入居しにくいことがあるかもしれません。物件探しに関しては、担当窓口で案内などもしてもらえるので、賃貸をご希望の方は相談してみるとよいでしょう。

一戸建ての物件購入や新築を検討している方には、空き家バンクの利用もおすすめです。

詳細:空き家バンク登録物件一覧

新築やリフォームに関しては以下の補助制度もあるので、あわせてチェックしてみてください。

対象住宅 町内に所有し、自ら居住している住宅
補助対象工事 ・これから行う新築、増改築、リフォーム工事等
・町内の施工業者により行う新築、増改築、リフォーム工事等
・対象工事費が50万円以上(税込)の工事
補助金額 対象工事の10%(上限:増改築・リフォーム工事等は50万円、新築工事は100万円)

詳細:住宅新築リフォーム等支援補助金

【育児】五感を使い、からだを動かす保育・教育

園庭で遊ぶ子ども達

まちの認定こども園である「様似町立幼児センター」では、ユネスコ世界ジオパークの町ならではの、自然散策や野鳥観察など、五感をいっぱいに使った戸外遊びを積極的に行っています。

また他にも、下記のような取り組みが行われています。「子どもにはたくさん身体を動かして遊んでほしい」「五感をバランスよく使って感性の豊かな人に育ってほしい」という教育方針をお持ちの方には、ピッタリといえる環境です。

  • 日常の保育・教育の中で、0歳~5歳までの発達に即した運動遊びの実践
  • 4・5歳児を対象に、専門の講師によるリトミック教室を年間24回実施し、音やリズムを楽しむ
  • 豊かな感受性をやしなう、絵本の読み聞かせの実施

様似町へ移住した人の体験談・感想

様似町へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して様似町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 自然が豊かで気候も快適。大人も子どもも、のびのびと暮らすことのできるまち
  • 漁港が近く、おいしい海の幸が手に入る
  • コンパクトなまちで人口も多くないので、地域の人とすぐに親しくなれる。みんな人柄も温かく、道で会うと気軽に挨拶をしてくれる
  • 町内に高校がないので、隣町などへ通うことになる。その際バスが1時間に1本程度しかないのがネック

雄大な自然とおいしい食材、地域の人々の温かさと、暮らし心地の良さが伝わってきます。

交通面など、やや不便な面はありますが、多くの方は納得の上で移住し、スローライフを楽しまれているようです。

様似町への移住に向けた行動

様似町では、先にご紹介した体験移住のほか、電話やオンラインでの移住相談も随時受け付けています。「まずは様似町について知りたい」「就農・就漁や住まい探しの具体的な相談をしたい」など、どんなことでも気軽にお問い合わせをしてみてください。

様似町への移住に関するお問い合わせ先

担当課 企画調整課 企画係
住所 北海道様似郡様似町大通1丁目21番地
電話番号 0146-36-2122
対応時間 平日8:45~17:30 ※年末年始休み
公式サイト http://www.samani.jp/profile/index8.html