吉備中央町移住のすすめ:子育て世代に人気の岡山の町の暮らしを紹介

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「岡山県吉備中央町(きびちゅうおうちょう)」をご紹介します。

吉備中央町は、結婚や出産・育児への支援の手厚さが特徴のまちです。またフルーツなどの栽培が盛んで新規就農への支援も充実。特に、若い世代の移住希望者から注目を集めています。

町内の「吉備高原都市」は、「人と人、人と自然のふれあいのあるまちづくり」をコンセプトにつくられた計画都市。景観に配慮された、統一感のある美しいまち並みが広がります。

そんな吉備中央町について、暮らしの特徴や仕事・住まいの状況など、移住を検討するために役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
吉備中央町マスコットキャラクター「ブッポウソウのへそっぴー」

定住促進課 課長補佐

戸田 健治さん

吉備中央町マスコットキャラクター「ブッポウソウのへそっぴー」

定住促進課 主査

平松 愛実さん

吉備中央町の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴

吉備中央町の暮らしの情報

吉備中央町は、次のような特徴のあるまちです。

  • 結婚・出産・育児に対する支援が多彩な、子育て世代に優しいまち
  • ぶどうの栽培をはじめとする農業が盛んで、新規就農者へのサポートも充実している
  • 町内に、景観の美しい計画都市「吉備高原都市」がある

ここからは、これらの特徴について、詳しく紹介していきます。

特徴1:手厚い子育て支援「ベビーファースト」のまち

にじいろ広場
▲「にじいろ広場」のカラフルな遊具は、目にも楽しい

吉備中央町は、公益財団法人日本青年会議所が“子どもを産み育てたくなる社会”の実現を目指して展開する「ベビーファースト運動」に、2023年より参画。

「子どもは吉備中央町(まち)の宝物」を宣言し、さまざまな取り組みを行っています。

支援制度は出産・育児を中心に、結婚新生活から進学時の交通費や家賃補助まで、幅広い内容です。下記に、その一例をご紹介します。

結婚祝金 町内に居住する夫婦で、婚姻後も定住の意思がある50歳以下の夫婦に対し【5万円】を支給
結婚新生活支援事業補助金 夫婦として新生活をスタートする<夫婦ともに39歳以下>かつ<夫婦の前年所得の合計額が500万円未満>の世帯に、費用の一部を補助

【対象経費】住宅取得費用、住宅賃借費用、引越し費用など
【金額】夫婦ともに29歳以下の世帯:上限60万円

上記以外で、夫婦ともに39歳以下の世帯:上限30万円
子育て世帯応援金 子どもが誕生し、新生児とともに引き続き町内に10年以上定住する意思のある世帯に対し、以下の応援金を支給

第1子:100万円(出生時30万円、3歳誕生日20万円、小学校入学時50万円)
※3歳誕生日分と小学校入学時分の支給は、出生時分を受給された方のみが対象

第2子以降:30万円
新生児誕生家庭育児用品補助事業 新生児が誕生した家庭に対し、必要となる育児用品の購入費として【上限2万円】を補助
高校生通学費等補助金 町内に居住し、県内の高等学校等に通学する生徒の保護者に対し、以下の補助金を支給

【対象経費】バス・電車通学費補助金、寮費補助金、アパート等賃貸費補助金

【金額】対象経費の2分の1の額(寮費補助金・アパート等賃貸費補助金は、1ヶ月あたり上限6,000円)

経済的な支援以外にも、母子手帳をデジタル化するアプリの導入で情報保存を容易にしたり、子育て支援センターや公共の遊具施設が充実していたりと、サポート要素は多彩。

屋内型遊具施設「キッズパーク」と屋外型遊具施設「にじいろ広場」はどちらも無料で利用でき、町外からも多くの方が遊びに訪れる人気ぶりです。

教育面では、小学校1クラスあたりの人数が少なく、先生の目が届きやすいのが特徴です。また、中学生を対象とした公営学習塾「kii+(キイト)」があり、学校の外でも学習面のサポートをします。

吉備中央町は、子育て中の方、これから結婚や子育てを望む方に、とことん優しいまちなのです。

特徴2:ぶどう栽培が盛んな町 充実の新規就農サポート

ぶどう畑

吉備中央町は標高200~500メートルの高原地帯に位置しています。

その冷涼な気候からまちでは農業が盛んで、米や高原野菜、果物などさまざまな作物が栽培されています。中でも、特産品はぶどうの「ピオーネ」。昼夜の気温差が、甘くて着色の良いぶどうを育てます。

新鮮でおいしい食材が、スーパーなどで手軽に購入できる吉備中央町。とれたての野菜で料理をつくったり、旬の果物をデザートにしたりと、日々の食卓が華やぎそうです。

また“食べる”だけでなく、野菜や果物を“つくる”ことに興味がある方もいらっしゃるでしょう。

吉備中央町では、就農(ぶどう栽培)に関する支援も行っています。新規就農時に加え、実際に農業が軌道に乗った後のサポートもあるのが心強いところ。就農を希望している方はぜひチェックしてください。

農業実務研修事業 農業公社にて2年間のぶどう栽培実務研修(栽培管理技術の習得等)を実施
※事前に1ヶ月の体験研修があります

【対象者】自己資金を有し、将来にわたり専業で農業経営を行う55歳未満の方
【研修費】月額15万円(年額180万円)※最長2年間支給
【住居】研修期間中は、新規就農者用住宅有り(月額1万円)
ぶどう植栽助成 農業を営む生産者で事業申請される方に対し、ぶどう苗の購入費を補助
頑張る農家応援事業補助金 10a以上の農業を営む農家の方が町内の販売業者から機械・設備を購入する場合、費用を補助

詳細:吉備中央町の新規就農支援策(PDF)

特徴3:自然と調和する美しい計画都市「吉備高原都市」

吉備高原都市の風景
▲吉備高原都市は宅地も道路も広々。随所に公園や緑道も設けられ、ゆったりとした暮らしが叶う

吉備中央町の中央部には、計画都市(将来的なビジョンに基づいて建設された地域)の「吉備高原都市」があります。

吉備高原都市のコンセプトは“人と人、人と自然のふれあいのあるまちづくり”。なだらかな高原状の土地に位置し2つの川にはさまれた豊かな自然環境の中、自然との調和を重視した整備が行われています。

地域内には、スーパーや飲食店、町役場支所、こども園、小学校、病院などがそろい、利便性は良好です。遊歩道や展望台を備えた「自然レクリエーション区」では、四季の自然に親しみながらゆったりとした時間が過ごせるでしょう。

住区となっているエリアでは、電柱を地中化(自然型住区等の一部を除く)するなどの取り組みが行われ、おしゃれなデザインの家々が並んでいます。分譲地の区画面積は平均100坪を超え、ガーデニングや家庭菜園を楽しむ方も多数。

吉備高原都市は、美しい景観の中、ゆとりを感じる暮らしをしたい方にピッタリと言えるエリアです。

吉備中央町の生活事情:人口・交通・施設など暮らしの基本情報

田園風景

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、吉備中央町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

人口 人口:10,301人
世帯数:5,142世帯
(2024年2月時点)
近隣都市 岡山市、総社市、高梁市、真庭市、久米郡美咲町
公共交通 路線バス:中鉄バス、備北バス、吉備中央町営バス
大都市へのアクセス 岡山市へ:車で約1時間
東京へ:岡山空港まで車で約20分+飛行機で約1時間10分
病院 診療所:8、病院:2、歯科:4
学校 小学校:10、中学校:2、高校:1、
行事・イベント 吉備高原鬼伝祭、加茂大祭、当番祭、吉備高原都市 冬のイルミネーション「へそナリエ」

吉備中央町が位置する吉備高原地域は、地盤が固い1枚岩でできているため地震の際にも揺れにくいことが知られています。また高原に位置するため水害も少なく、自然災害に強いまちであると言えます。

日常生活面として、町内で食料品などの買い物は間に合いますが、大型スーパーなどがないため、週末に近隣の岡山市や総社市へ出かけて買いだめという方も多いそうです。

直売所の店内
▲町内の直売所では、地元で採れた新鮮な野菜や果物が手に入る

吉備中央町は岡山県の中心部に位置しているため、車があれば多くの市町へ出かけやすく、生活はグンと便利になるでしょう。

なお、岡山空港までも車で約20分。東京(羽田空港)まで、トータル約2時間で移動ができるので、ワーケーションの候補地としてもおすすめです。

仕事事情:若者向け就業奨励金と創業支援制度

2024年2月現在、大手求人情報サイトで吉備中央町の正社員求人を検索すると、約270件がヒットしました。

この検索範囲を吉備中央町から通勤30分程度(25km圏内)まで広げると、約4,600件と大幅に増加。近隣エリアを含めて検討することで、より幅広い選択肢からお仕事を見つけることができるでしょう。

参考:正社員求人情報の一例(吉備中央町内)
参考:正社員求人情報の一例(吉備中央町から25km圏内)

仕事に関する支援として、卒業後初めて就業する方に向けた奨励金があります。

また、吉備中央町で創業する方が利用できる補助金もあるので、移住を機に起業を希望している方もチェックしてみてください。

就業奨励金 以下の条件をすべて満たす方に対し【5万円】を支給

・申請年度の4月1日時点で、30歳以下の方
・卒業後初めて事業所等に就業し、吉備中央町に定住の意思がある方
・同種の奨励金(UIターン)を受けていない方
創業支援事業補助金 町内に主たる事業所を置き、小規模事業者として創業する方に対し、事務所や店舗の建築費用、備品購入費用などを補助

金額:対象経費の3分の2以内の額(上限100万円)

住まい探し:充実の空き家バンクと住宅支援制度

吉備中央町内に、民間の賃貸住宅は多くありません。移住する方の住まいとしては、分譲地への新築や、空き家の利用が主な選択肢となります。

2024年2月現在、吉備中央町の空き家バンクには約25件の掲載があり、さらに、日々物件の動きがあるなど盛況です。

詳細:空き家バンク登録物件一覧

住宅取得・空き家利用に関しての支援も充実しているので、こちらもぜひ活用してください。

住宅取得奨励金 吉備中央町への定住を目的に住宅を新築した50歳以下の方に対し、以下の奨励金を支給

【基本額】
分譲地(吉備高原都市住区、ハートフルタウン)を購入の場合:100万円
上記以外の場合:60万円

【加算金】
中学生以下の子どもがいる世帯、または婚姻後10年以内の夫婦世帯:20万円
空き家バンク登録住宅購入補助金 空き家バンクに登録された住宅、およびその住宅の土地の購入費に対し【10分の1以内の額】を支給(上限30万円)
空き家リフォーム事業補助金 空き家のリフォームに要する費用の【10分の3以内の額】を支給(上限50万円)

吉備中央町移住者の声:実際の暮らしぶりと感想

吉備中央町へ移住した方の体験談

ここでは、実際に移住して吉備中央町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • ビックリするほど子育て支援が手厚い。しかも自然が豊かだったり、地域の人がみんな知り合いで大きな家族のようだったりと、子育てにはとても良い環境だと思う
  • 就農を希望して移住先を探していた。吉備中央町は研修制度が整っていて、サポート体制も手厚いところが決め手になった
  • 町内に鉄道は通っていないし大きなお店もないけれど、車があれば不自由は感じない。空港まで30分程度と近いところも助かっている
  • 地元産の野菜や果物がおいしい。近所の方からも、おすそ分けを頂いたり、とても親切にしてもらっている

子育て世代の方からの「子育てに最適な環境」という声、また、食べ物のおいしさや地域の方の温かさを挙げる感想が多数見つかりました。

決して“とても便利”というわけではないけれど、日常生活に不自由しない環境があり、何より“心豊かな生活”を満喫している方が多いようです。

吉備中央町への移住に向けた行動

ここでは、吉備中央町への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。

吉備中央町では、移住定住の相談や町内案内を「吉備中央町ふるさとサポートセンター」が支援しています。さまざまなご相談に対応しているので、気軽にお問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

また、吉備中央町では、公式Instagram「おっへぇそぅ!情報局」で情報を発信しています。風景やイベントの様子、おしゃれなお店の紹介などがあり、まちの雰囲気がたっぷりと伝わってくるので、こちらもぜひチェックしてください。

公式Instagram:おっへぇそぅ!情報局

吉備中央町お試し暮らし支援事業補助金

実際に移住をする前には、現地に滞在して、気候や生活環境などを体験する“お試し暮らし”がおすすめです。

吉備中央町では、移住を希望する方がまちを訪れ町内の宿泊施設を利用する場合に、補助金を支給。最大7泊まで利用することができます。

詳細:吉備中央町お試し暮らし支援事業補助金

お試し暮らし住宅

お試し暮らし住宅の外観
▲お試し暮らし住宅は、計3戸(2棟)用意されている

吉備中央町には、移住を検討する方が町内での生活を体験するための「お試し暮らし住宅」も用意されています。

1ヶ月~6ヶ月と長期で利用できるので、仕事や住まい探し、地域の人との交流など、移住の基礎を築くのにおすすめです。

吉備中央町マスコットキャラクター「ブッポウソウのへそっぴー」
戸田さん

お試し暮らし住宅を利用される方の多くが、最長の6ヶ月間滞在されています。ご好評につき、お待ちいただくかもしれませんが、まずはぜひお問い合わせください。

詳細:吉備中央町お試し暮らし住宅

吉備中央町への移住に関するお問い合わせ

担当課 定住促進課
住所 岡山県加賀郡吉備中央町下加茂1073-1
電話番号 0867-34-1116
対応時間 8:30~17:15(土・日・祝日と、12月29日から1月3日を除く)
公式サイト https://www.town.kibichuo.lg.jp/site/teijyu/