和歌山市立博物館で歴史を学び、新和歌浦で海を満喫するカップルデートプラン

今回は、和歌山市の歴史を学んだ後に海辺を散策する、和歌山の魅力を満喫できるデートをご紹介します。

メインのデートスポットとなる和歌山市立博物館は、紀州徳川家ゆかりの品々も多く、和歌山市の歴史に焦点を当てた展示が充実しているスポットです。驚くような名品や貴重な史料が展示されることもあり、何度訪れても新たな発見がある博物館です。

和歌山市立博物館を中心に地元について学ぶことができるので、年齢を問わず、和歌山在住や和歌山出身のカップルに特におすすめのデートコースです。若い人には新鮮な発見があり、長く和歌山市に住んでいる人には懐かしい気持ちを呼び起こすデートになるでしょう。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳〜59歳
おすすめカップル:歴史が好き、海が好きなカップル
どんなデート?:歴史、海、海鮮グルメ、温泉
目安時間:6時間30分
目安予算:2人で9,000円

概要:和歌山市立博物館と新和歌浦で歴史と自然を満喫するデートプラン

このデートプランでは、和歌山市立博物館、和歌山城、新和歌浦を公共バスで巡り、和歌山の歴史と海を満喫します。

バスは10分~15分くらいの間隔で運行しています。各施設には駐車場が完備されているので、バスの代わりに車でのドライブデートも楽しめます

9:00~10:00 和歌山市立博物館を見学
10:00~10:30 和歌山城へバス移動
10:30~11:30 和歌山城を見学
11:30~12:00 和歌山城から新和歌浦へバス移動
12:00~13:00 和歌浦漁港(おっとっと広場)でランチ
13:00~16:00 「萬波 MANPA RESORT」で日帰り温泉
16:00~16:30 バスで和歌山市駅へ移動

予算は2人で約9,000円です。内訳は和歌山市立博物館入館料100円、和歌山城入城料410円、ランチ3,000円、日帰り温泉3,080円、バス代2,020円となっています。

和歌山市立博物館で市の歴史を学んだ後、和歌山城に登って現在の街並みを眺めることで、和歌山市の発展の様子を実感できます。

和歌浦漁港(おっとっと広場)では、多様な海産物を扱う店舗が並んでいます。2人で「何を食べようか」と相談しながら選ぶ時間も、デートの楽しみの一つです。

「萬波 MANPA RESORT」の日帰り温泉は入浴可能時間が15:00までですが、その後もホテルのテラスでくつろいだり、フォトスポットで2人の思い出の写真を撮ったりして過ごせます。

温泉を利用しないカップルには、新和歌浦の整備された遊歩道をおすすめします。ランチの後、海岸線の美しい景色を眺めながらの散歩は、心地よいひとときを過ごせます。

では、今回のデートのメインスポットとなる和歌山市立博物館について、詳しく見ていきましょう。

和歌山市立博物館で学ぶ地域の歴史と文化

和歌山の郷土玩具の展示

和歌山市立博物館は、安土桃山時代に建てられた和歌山城の築城400年を記念して、1985年に開館しました。南海電鉄和歌山市駅から徒歩6分の場所にあり、地域の歴史と文化を伝える重要な施設として市民から親しまれています。

主な展示品は和歌山市の歴史に関する資料で、原始時代から戦後まで幅広い時代を網羅し、地域の変遷を詳しく学ぶことができます。

公式Twitterでの情報発信も積極的で、企画展や特別展示の見どころなどをタイムリーに紹介しています。博物館を訪問する前にチェックすると、展示内容への理解が深まり、見学がより楽しくなります。

合わせてチェック:和歌山市立博物館公式Twitter

今回は、和歌山市立博物館で学芸員として働いておられる山下奈津子さんに、博物館の魅力や見どころについてお話を伺いました。

和歌山の郷土資料が充実している和歌山市立博物館

和歌山城復元模型の展示
▲和歌山城の復元模型で当時の様子がイメージできます。

編集部

和歌山市立博物館は地域の史料が数多く展示されていて、和歌山市に根差した博物館というイメージですが、主にどのような展示をされているのでしょうか。

山下さん

和歌山市立博物館は、和歌山市の歩んできた足跡を、各時代の資料を通じて知ることができる施設です。原始時代から近現代にいたるまで、さまざまな資料を展示しています。

常設展示は「資料が語る和歌山の歴史」をテーマとしています。和歌山市には歴史的なトピックがたくさんあり、珍しい物や出来事があるのですが、それらをまとまって知ることができる機会はあまりありません。

当館の資料を通じて、意外と奥深い和歌山市の歴史に触れていただきたいと思います。

編集部

常設展示では和歌山城を復元したジオラマや、南紀男山焼の美しい壺などを見ることができ、和歌山の方にとっては親しみの持てる展示ですね。和歌山市について知りたいなら、まず和歌山市立博物館に足を運ぶとよいと感じました。

和歌山市立博物館で常設展示されている古写真
▲当時を偲ぶ古写真を懐かしく思う人もいるのでは?

ちなみにどのような点が、和歌山市立博物館の魅力だと感じていらっしゃいますか?

山下さん

新しい施設ではないので、施設的には際立って魅力的なところはありませんが、落ち着いてじっくりと資料をみることができる点が魅力だと思います。

誰にも邪魔されず、小声で話したりしながら歴史を楽しむには良い場所です。古墳の内部や古い民家の実物大の模型があり、その大きさや昔の暮らしぶりを体感することもできます。

編集部

歴史ある博物館だからこそ、落ち着いて見学できる雰囲気があるのですね。静かな中を小声で感想を言いながら観覧していると、より一層2人の距離が近づきそうな気がします。まさに、博物館デートにぴったりの場所ですね。

注目の展示品:「疫病除けマンボウ」と貴重な馬の冑

疫病除けマンボウ
▲くるんとした目がかわいい「厄除けマンボウ」

編集部

たくさんの展示品のなかでも、山下さんが特におすすめしたい展示物はどれでしょうか。

山下さん

最近SNSでも話題になった「疫病除けマンボウ」の図がお気に入りです。

江戸時代の終わりごろの刷り物と思われますが、当時の人々が疫病除けのために飾っていたマンボウの絵です。なぜマンボウが疫病除けになるのかはっきりとした理由はわかりませんが、とぼけた表情がかわいらしく、現代のこのような状況下では、ご利益にあやかりたいと思います。

編集部

他にも「これは他の博物館では見られない」と思われる貴重な展示品はありますか。

山下さん

全国でも出土例の少ない馬のかぶとや金の勾玉が見られます。このようなレアなものが和歌山にあったということを知るだけでも、話のネタになると思います。

和歌山市立博物館で常設展示されている馬の冑
▲左に馬の冑が展示されています

編集部

馬のかぶとは、馬の頭がすっぽりと入るように作られているのが驚きですね。西洋諸国では装飾的な馬の防具もありますが、和歌山のかぶとはより実用的な印象を受けます。先史時代に馬のかぶとや金の勾玉が和歌山で使われていたことから、和歌山が古くから発展していた地域だったことがうかがえます。

企画展とコーナー展示で知る和歌山の魅力

編集部

常設展示も魅力的ですが、企画展や特別展はどのような内容で催されていますか?

山下さん

年に4回ほど企画展・特別展を開催しています。また常設展示室でも、2か月ごとに展示のテーマを変える「コーナー展示」を実施しています。

過去の展覧会では、原始から近現代まで、和歌山市にまつわるさまざまな時代や人物を取り上げました。例えば、中世の雑賀衆、江戸時代の御三家のひとつ・紀州徳川家、古写真、かつて和歌山市内を走っていた市電などをテーマにしたことがあります。

編集部

企画展や特別展でも和歌山市の歴史をより深く学べる展示が揃っていますね。2021年夏に開催された企画展「アッ!と驚く意外な歴史―君も歴史博士になれる―」が特に印象的でした。夏目漱石の「行人」に登場した屋外用エレベーターの写真や江戸時代に描かれた不思議な雷獣の絵など、楽しく魅力的な展示が多くありました。

また、コーナー展示では陸奥宗光が使用していたスーツケースの展示が興味深かったです。「M.M.」の頭文字が刻まれており、明治時代のおしゃれな一面を感じることができました。

和歌山市立博物館の口コミや評判

和歌山市立博物館の音楽に関する常設展示

編集部

来館された方々からよく聞く感想や声を教えてください。

山下さん

「入口がひっそりとしているので入りづらかったけど、中に入ると堅実な展示だ」とのお声をよくいただきます。また、最近は市内の古写真を展示しており、年配の方々は懐かしそうに見ていらっしゃいますし、若い方は昔の和歌山市の様子に驚かれることが多いです。

和歌山の歴史に関する展示が充実しているとの声が多数!

他にも以下のような口コミがありましたので紹介します。

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和歌山の歴史を知るならもってこいの博物館です!幅広い時代の展示があり、地域の歴史を深く学べます。
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和歌山城のジオラマがありました。和歌山城に関する展示はここだけと聞き、興味津々で見学しました。城の構造や歴史がよくわかり、とても勉強になりました。
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「こんなところに名品が!」という驚きの展示があり、良い意味で期待を裏切られます。地方の博物館とは思えない質の高い展示品に出会えます。
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1日いても飽きない博物館です。展示の種類が豊富で、ゆっくり見学すると時間があっという間に過ぎてしまいます。

全体的に高評価が多く、展示物の質と量に満足している来館者が多い印象でした。和歌山の歴史や文化に興味がある方にとって、充実した時間を過ごせる場所のようです。

和歌山市博物館を訪れるカップルへメッセージ

和歌山市博物館学芸員の山下奈津子さん

編集部

和歌山市博物館でデートを考えているカップルへのメッセージをお願いします。

山下さん

同じものを見て、それぞれが感じたことを静かに語り合いながら、互いの距離を縮めてもらえれば嬉しいですね。展示物を通じて、お二人の新たな共通点や興味を見つけられるかもしれません。また、和歌山の歴史や文化に触れることで、より深い会話のきっかけにもなるでしょう。

編集部

本日はインタビューにお答えいただき、ありがとうございました。和歌山市博物館は、和歌山市に住んでいる人はもちろん、和歌山にゆかりのある人々にとっても、地元の歴史に触れる貴重な機会となりそうですね。

和歌山市立博物館の基本情報(アクセス・駐車場・入館料)

住所 〒640-8222
和歌山県和歌山市湊本町3丁目2番地
アクセス 【電車】
・難波から南海本線特急または急行で約1時間、和歌山市駅下車→南西へ徒歩5分
・JR新大阪駅からJR特急くろしおで約1時間、JR和歌山駅下車→南西へ徒歩5分
【バス】
・JR和歌山駅バスターミナルから和歌山バス(0系統ほか)乗車、南海和歌山市駅前下車、徒歩5分
【タクシー】
・JR和歌山駅よりタクシーで約10分
【車】
・阪和自動車道「和歌山IC」から国道24号線(和歌山市内方面)約20分
営業時間 9:00~17:00
(入館は16時30分まで)
空いている時間 比較的どの時間帯も空いています
平均的な滞在時間 30分~1時間程度
休館日 ・月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌日休館)
・祝日の翌日
・館内燻蒸期間
・年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場 あり
(入庫後15分まで:無料・1時間まで:110円・1時間以降:160円/30分)
入館料 一般・大学生:100円(団体80円)
高校生以下:無料
※ただし、特別展期間中は別料金
問い合わせ 電話:073-423-0003
FAX:073-432-9040
予約 不要

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

和歌山城と和歌浦周辺のおすすめデートスポット

ここからは和歌山市立博物館の観覧後に訪れるデートスポットを紹介します。和歌山市立博物館学芸員の山下さんにお聞きした、和歌山城や「めでたいでんしゃ」というラッピング電車などを含めたおすすめスポットをご紹介します。

山下さんからのコメント

当館は和歌山市駅の近くにあるので、駅前からバスで和歌山城や日本遺産に認定された和歌浦方面へ観光するのがおすすめです。また、秋の特別展に合わせて、電車で加太へ向かい、町の風情や新鮮な海の幸を楽しむのも素敵なプランです。加太行きの電車には「めでたいでんしゃ」というラッピング電車があり、鯛をモチーフにしたかわいいデザインが特徴です。

おすすめのデートスポット

四季の花々が彩る和歌山城

和歌山城は、安土桃山時代に豊臣秀吉の弟である豊臣秀長によって築城された歴史的な城郭です。その後、徳川家康の十男である徳川頼宣が和歌山城を居城として選び、以来、紀州徳川家が代々和歌山の地を統治していました。

和歌山城の敷地内には、樹齢450年の大楠をはじめ、多様な植物が植えられています。梅、スイセン、桜、ツツジ、フジ、アジサイ、ヤマブキ、モミジ、イチョウなどが季節ごとに美しい景観を作り出し、訪れる人々に四季折々の風景を楽しませてくれます。

公式URL:http://wakayamajo.jp/index.html

新鮮な海鮮グルメを楽しむ「和歌浦漁港(おっとっと広場)」

和歌浦漁港は、地元の人々から「おっとっと広場」という愛称で親しまれています。おっとっと広場の建物内には、新鮮な海産物を取り扱う店舗が軒を連ねています。ここでは、和歌山の名物であるしらす丼をはじめ、色とりどりの海鮮丼、郷土料理のいかめし、伝統的な柿の葉寿司などを購入して、その場で楽しむことができます。

定期的に開催される朝市や夜市では、和歌山の誇るしらすなどの新鮮な海産物を通常よりもリーズナブルな価格で購入できるため、地元の方々はもちろん、観光客にも大変人気のあるイベントとなっています。デートの際には、朝市で新鮮な食材を買い、一緒に料理を楽しむのもおすすめです。

公式URL:https://bayside-w.com/information/

絶景の露天風呂でリラックス「萬波 MANPA RESORT」

「萬波 MANPA RESORT」は、日帰り温泉を楽しめるホテルです。利用時間は11:00から15:00までとなっています。和歌浦湾を一望できる絶景の露天風呂や、大きな窓から海を眺められる大浴場が特に人気です。

この温泉は筋肉痛や疲労回復、健康増進に効果があるとされています。観光で1日歩き回った後の疲れた体を癒すのに最適です。タオルの貸し出しサービスもあるので、手ぶらでも気軽に入浴を楽しむことができます。

温泉以外にも、ホテル内には写真映えするスポットが多数あり、カップルで思い出の撮影を楽しめます。入浴後は、海に面したロビーテラスで心地よい海風に当たりながら、ゆったりと過ごすこともできます。火照った体を涼ませるのにぴったりの場所です。

公式URL:https://www.manpa.co.jp/spa/

かわいい鯛デザインの「めでたいでんしゃ」で観光

南海電鉄和歌山市駅と加太駅の間を走るかわいらしい電車が「めでたいでんしゃ」です。4種類ある「めでたいでんしゃ」は、それぞれに名前と家族の設定があります。お父さんの「かい」、お母さんの「さち」、妹の「なな」、お兄さんの「かしら」という4人家族をイメージしています。

各電車にはそれぞれ異なるテーマカラーやデコレーションが施されており、乗り比べることで様々な雰囲気を楽しむことができます。カップルでの旅行や地元の方々の日常利用など、様々な場面で楽しめる電車です。運行時間は日によって異なるため、乗車前に公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。

公式URL:http://www.nankai.co.jp/kada/medetai.html

まとめ:歴史と自然を満喫する和歌山市立博物館デート

和歌山市立博物館をメインとしたデートプランをご紹介しました。和歌山出身の方や和歌山市在住の方でさえ驚くような貴重な名品が展示されることもあり、地元の方にも新たな発見があるでしょう。

常設展はもちろん、企画展も和歌山の歴史を深く掘り下げたテーマが多く、私も毎回の企画展を楽しみにしています。和歌山の豊かな歴史と美しい海を満喫できるこのデートプランをぜひ体験してみてください。きっと二人の絆を深める素敵な思い出になることでしょう。