清水三年坂美術館で幕末・明治の工芸品を堪能!京都で楽しむ芸術デートプラン
この記事では、清水三年坂美術館を中心としたデートプランをご紹介します。
清水三年坂美術館は、幕末・明治期の日本の工芸作品を専門に展示する美術館です。展示されている作品からは、当時の職人たちの卓越した技術と情熱を感じ取ることができます。また、繊細で精巧な作品の数々に、きっと感動されることでしょう。
今回は、清水三年坂美術館の広報担当である原田さんにお話を伺い、展示内容や見どころについて詳しくまとめました。
清水三年坂美術館:幕末・明治の工芸品を堪能できる特別な空間
清水三年坂美術館は、日本で唯一の「幕末・明治の工芸作品だけを扱う美術館」です。また、1万点を超える収蔵品があり、展示は借用品ではなく全て自館の所蔵品で構成されています。
収蔵品が館長の個人コレクションであるという点も特筆すべき特徴で、美術館の魅力のひとつとなっています。
それでは、清水三年坂美術館の展示内容について詳しく伺っていきましょう。
常設展の見どころ:幕末以降の七宝・金工など珠玉の工芸品コレクション
編集部
清水三年坂美術館で、メインで展示している作品をご紹介ください。
原田さん
清水三年坂美術館は、幕末・明治の七宝・金工・蒔絵・京薩摩を常設展示する日本で初めての美術館※です。
※参考:清水三年坂美術館公式サイト
幕末から明治にかけて、将軍家や大名、商人、そして皇室などの支援により、工芸技術は最高水準に達しました。当館では、この時代に制作された優れた作品をご覧いただけます。
▲《花文飾り壺》並河靖之の作。微細な紋様にも美しいフォルムにも目を奪われる。 撮影:木村羊一
当館では、職人たちが細部まで技巧を凝らした作品を展示しております。作品に描かれた内容や制作方法について想像を巡らせながら、1点1点じっくりと鑑賞していただきたいと思います。
また、常設展では季節に合わせた作品を展示するよう心がけています。作品を通じて四季の移ろいも感じていただければ幸いです。
編集部
見事な作品の数々をより深く楽しむために、清水三年坂美術館では「単眼鏡」を貸し出しているそうですね。
原田さん
はい。単眼鏡を使用して細部までご覧いただくと、作品の素晴らしさがより一層際立ちます。
さらに、職人の技をより深く理解していただくため、工芸技法の説明パネルや道具、材料、工程サンプルも展示しています。これらを合わせてご覧いただくことで、当時の職人技術の高さをよりよく理解していただけると思います。
年4回の企画展:季節ごとに変わるテーマで楽しめる特別展示
編集部
これまで清水三年坂美術館では、どのような企画展が催されてきましたか?
原田さん
企画展は年に4回開催しています。これまでの展覧会でご紹介していなかった作品や、常設展ではあまりお見せできていない作品を取り上げ、展示しています。
現在は、「近代尾張七宝の名工とその時代」を開催しております。次回は「帝室技芸員の印籠」を予定しております。(※インタビュー時点の企画展のため、最新情報は公式サイトをご確認ください)
▲「近代尾張七宝の名工とその時代」の企画展ポスター。黒に浮かび踊る花の色彩に惹かれる
匠の技が光る:清水三年坂美術館の作品はすべて手作業による逸品
▲《群鶏図香炉》正阿弥勝義の作 撮影:木村羊一
編集部
原田さんは、清水三年坂美術館の魅力や見どころはどんなところにあるとお考えでしょうか?
原田さん
日本において、このような技術的に高度な作品を手仕事で制作していた時代があったこと、そしてこれを制作できる職人がいたことを知ることができる点が魅力です。
普段あまり美術に親しみのない方も、作品を見るだけでそのすごさを楽しんでいただくことができると思います。例えば、細密な彫刻や繊細な装飾など、目で見て即座に感動できる要素が多くあります。
▲《トマト》安藤緑山の作。象牙を彫刻した作品 撮影:木村羊一
編集部
原田さんが特に気に入っている作品はありますか?
原田さん
どの作品も技巧を凝らしているので、どれも見どころが溢れており、優劣をつけるのが難しいですね。
しいていうなら、加納夏雄(かのうなつお)と柴田是真(しばたぜしん)という、当時の金工と漆工のツートップがいるのですが、この二人が合作した根付(※)があります。幕末・明治の工芸好きとしては、この豪華なコラボレーションに非常にときめきますね。
※根付…主に江戸時代、物をぶら下げて持ち歩く際に使ったもの。もともと実用品だったが、明治以降はその芸術性が評価されるようになった。
▲加納夏雄と柴田是真による《鯉図鑑蓋根付》。美術品としての美しさに加え、機能美も感じられる。 撮影:木村羊一
また、加納夏雄・海野勝珉(うんのしょうみん)・豊川光長が弟子や学生のために見本として彫った銅の手板3枚も、各人の技が端的に表れており、比較できるのが非常に楽しいです。これらの手板を見ることで、それぞれの職人の個性や技術の違いを直接感じ取ることができます。
カップルで楽しむ:清水三年坂美術館とその周辺のデートプラン
ここからは、デートで清水三年坂美術館を訪れる際の楽しみ方についてお聞きします。
デートの思い出に:美術館入口の看板で記念撮影
編集部
清水三年坂美術館では、デートの記念写真を撮影できますか?
原田さん
はい、もちろんです。当館入口にある館名の書かれた立て看板は、三年坂を訪れた証として人気の撮影スポットになっています。カップルの皆さまにも、ぜひお二人で記念写真を撮影していただきたいですね。
お土産選びも楽しみ:ミュージアムショップの特色あるグッズ
編集部
デートの思い出に二人でグッズを購入したいカップルも多いと思います。清水三年坂美術館では、お買い物はできますか?
原田さん
はい、館内にはミュージアムショップがございます。幕末・明治の工芸に関する専門書籍や、現代工芸品など100点以上の商品を取り揃えております。
また、当館館長が海外で直接仕入れた選りすぐりの品もございます。
▲ミュージアムショップの様子。デートの記念品を二人で選ぼう
おすすめは、当館所蔵の刀の鐔(つば)をもとにデザインしたしおり「鐔栞」や、当館所蔵の蒔絵から文様を切り取った蒔絵シールです。他の美術館とは一味違う独自のラインナップをお楽しみください。
各種グッズはオンラインショップでもお求めいただけますので、ぜひご覧ください。
美術館周辺の観光スポット:清水寺や甘味処でデートを満喫
編集部
清水三年坂美術館と一緒に巡れる、周辺のデートスポットを教えてください。
原田さん
当館は清水寺のすぐ近くにございますので、デートはもちろんのこと、遠方からお越しの方でも観光を兼ねて立ち寄っていただきやすいかと思います。また周辺には甘味処やお食事処も多くあるため、時間帯を問わずふらりと立ち寄りやすいのではないでしょうか。
当館館長のおすすめは、斜め向かいにある梅園です。みたらし団子やあんみつ、ぜんざい、かき氷などの京都らしい和スイーツが楽しめるお店です。
清水寺周辺の散策方法としては、二通りあります。一つは下から坂を上って五重塔を通り、当館に立ち寄ってから清水寺へ向かう方法。もう一つは先に清水寺へ行ってから下ってくる方法です。どちらも京都の風情を楽しめるコースになっています。
▼紹介していただいたスポット
清水三年坂美術館からカップルへのメッセージ
編集部
これから、デートで清水三年坂美術館に行こうと考えているカップルにメッセージをお願いします。
原田さん
観光地の賑やかな通りも楽しいですが、落ち着いた空間で工芸品を見ながらちょっとした気分転換はいかがでしょうか。京都の喧騒から離れ、静かな美術館内で二人の時間を過ごすのも素敵だと思います。
幕末・明治の工芸品を常設している美術館は他にはありませんので、歴史的な価値のある作品を一緒に鑑賞することで、特別なデートの記念になると思います。また、展示品を通じて日本の文化や歴史について語り合うきっかけにもなるでしょう。
来館者の感想:「超絶技巧」に感動する清水三年坂美術館の魅力
▲《菊尽し菓子鉢》無銘 撮影:木村羊一
清水三年坂美術館を実際に訪れた方々の声や感想を要約し、紹介します。多くの来館者が美術館での体験に感動を覚えたようです。
- このような精巧な工芸品が日本で作られていたことを初めて知り、驚いた
- 静かでゆったりとした時間を過ごせてよかった
- 細かく美しい作品の数々に見入り、時間を忘れた
口コミには「超絶技巧」という言葉が頻出しており、その技術の高さに感服した方が多いようです。繊細で質の高い手仕事に感動し、美術館のファンになる方も少なくありませんでした。
入館料・混雑状況・所要時間
清水三年坂美術館の入館料や、比較的見学しやすい日時をまとめました。
入館料 | ・一般:800円 ・大学・高校・中学生:500円 ・小学生:300円 ・幼児:無料 ※常設展・企画展共通 |
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比較的空いている日時 | 平日は比較的空いている 特に、開館直後(午前10時)と昼食時(正午頃)はゆっくりと鑑賞できる |
平均所要時間 | 30分~1時間程度 |
基本データ:アクセスと施設情報
住所 | 〒605-0862 京都府京都市東山区清水寺門前産寧坂北入清水三丁目337-1 |
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連絡先 | 075-532-4270 |
アクセス | 京都市バス「清水道」または「東山安井」下車、八坂通または清水坂を東へ徒歩7分 |
営業時間・休館日 | 【営業時間】 午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで) 【休館日】 月曜日・火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間 |
駐車場 | 専用駐車場なし。周辺の有料駐車場を利用 |
公式サイト | https://sannenzaka-museum.co.jp/ |