【京都】舞鶴引揚記念館で学ぶ平和の尊さ!歴史に触れる大人のデートプラン

今回は、京都府舞鶴市にある「舞鶴引揚記念館」をメインに、戦争の歴史を学び、平和について考えるプランを紹介します。

舞鶴市は、第二次世界大戦の終結後、海外から日本へ帰還してくる人々の受け入れ港として重要な役割を果たしました。舞鶴引揚記念館では、引揚事業やシベリア抑留の史実を通して、平和の尊さを伝えています。

また、周辺には静かにお散歩デートが楽しめる公園や「赤れんがパーク」、舞鶴の名物料理が味わえる道の駅や農村レストランがあります。

このプランを通じて、戦争の実態を深く知り、先人たちの苦難や平和の大切さを学ぶことができます。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳以上
おすすめカップル:歴史好きなカップル
どんなデート?:引揚事業、シベリア抑留について学ぶ、舞鶴の歴史を学ぶ

舞鶴の歴史と自然を感じる平和学習デートの概要

舞鶴市は自然豊かで、海産物にも恵まれた場所です。記念館でしっかりと学び、考えた後は、舞鶴市の自然とグルメを楽しみましょう。

今回のデートのメイン
舞鶴引揚記念館
周辺のデートスポット
・引揚記念公園
・赤れんがパーク
・舞鶴ふるるファーム
ランチにおすすめのお店
・舞鶴ふるるファーム 農村レストランふるる
・道の駅 舞鶴港とれとれセンター

記念館のある「引揚記念公園」からは、舞鶴湾を一望できます。記念館の見学後は、パートナーと一緒にいられる幸せを感じながら、公園で静かに平和を願う時間を過ごすのもおすすめです。

舞鶴市内には、旧日本海軍が使用していた倉庫群を利用した「赤れんがパーク」があります。れんが造りのレトロな雰囲気を感じながら、展示見学や買い物を楽しみましょう。芝生広場で海を眺めながらのんびりしたり、遊覧船に乗って舞鶴湾の景色を楽しんだりすることもできます。

お腹が空いたら舞鶴のグルメを堪能しましょう。「舞鶴ふるるファーム」では地元産の新鮮なお野菜を使った自然食バイキングを、「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」では日本海で獲れた新鮮な海の幸を味わえます。舞鶴の豊かな食文化を体験できるでしょう。

それでは、今回のメインである「舞鶴引揚記念館」の紹介に移ります。

舞鶴引揚記念館:引き揚げとシベリア抑留の歴史を伝える施設

舞鶴引揚記念館の外観

第二次世界大戦終結後、海外にいた日本人は自由に帰国することができませんでした。当時の日本政府は、これらの人々を受け入れるための港を設置し、舞鶴港もその一つとして重要な役割を果たしました。

舞鶴引揚記念館は、引き揚げとシベリア抑留の歴史的事実を後世に伝えるために設立されました。館内には、当時実際に使用されていた多数の貴重な資料が展示されています。

戦争は、「大切な人と一緒にいる」という私たちの日常を破壊してしまいます。恋人同士でこの記念館を訪れ、平和の大切さについて一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。

今回は舞鶴引揚記念館の史実の継承係長(広報担当)である松岡さんに、展示内容や来館者に伝えたいメッセージについてお話を伺いました。

引揚事業とシベリア抑留の展示から学ぶ平和の大切さ

舞鶴引揚記念館の常設展示の様子

編集部

第二次世界大戦については、毎年夏の特番などで意識する程度です。このように当時の資料を専門に取り扱う施設に来ると、とても身が引き締まる思いがします。

まずは、舞鶴引揚記念館の展示内容や特徴について教えてください。

松岡さん

第二次世界大戦終結時に海外に残された、約660万人の日本人の帰国事業を、"引き揚げ"と呼びます。

舞鶴引揚記念館は、二度と繰り返してはならない"引き揚げ"の史実を未来に伝え、「平和の尊さ、平和への祈り」のメッセージを発信しています。

また、実際に引揚事業が行われた地に専門の資料館があるのは、当館だけです。

舞鶴引揚記念館の常設展示の様子
▲常設展の様子。当時実際に使われていた資料が数多く展示されている

編集部

シベリア抑留のように、海外に残された方の中には戦争が終わってもなかなか帰国できなかった人もいたと聞きます。戦争が終わった後も、巻き込まれた人々は辛い思いをするのだと痛感させられます。

舞鶴といえば、引揚船で帰ってくるはずの息子を待つ母親の思いを歌った「岸壁の母」で有名ですね。そういった歴史がある地だからこそ、引揚事業の記憶を引き継いでいってほしいです。

現在は戦争を知らない人がほとんどで、「映画や教科書でしか戦争を知らない人」も少なくないと思います。そういった人たちが展示を見ると、このような時代があったのかと驚くと思いますが、来館者にはどんなことを感じてほしいですか?

松岡さん

引き揚げとシベリア抑留の史実を通し、悲惨さの中にある当時の人々の希望や他者への思いやりを感じることによって、平和の尊さを「実感」していただきたいです。

なお、展示している資料の多くは、シベリア抑留時に実際に使用されていたもので、一部はユネスコの「世界の記憶」に登録されています。

舞鶴引揚記念館に展示されている引揚船の模型
▲引揚船の模型。帰国を間近にして、引揚船の中で力尽きてしまう人も少なくなかったという……

舞鶴引揚記念館内の抑留生活体験室
▲シベリア抑留の様子を再現した「抑留生活体験室」。道具や衣服などに触れることができる

編集部

戦争を生き抜いても、日本に帰れないまま異国で亡くなる方も多かったのですね。そうした苦境の中でも、他者への思いやりを忘れず、また希望を捨てなかった方々の強さには頭が下がります。

日々の生活の中で、些細なことに苛立ち思いやりを持てない時があるので、胸に刺さるものがありました。

実際に使われていた資料からは、当時の雰囲気が伝わってきて身が引き締まる思いがします。こうした史実は決して忘れてはいけませんね。

実物資料が伝える平和への切実な願い

舞鶴引揚記念館のセミナールームの様子

編集部

戦時中や終戦時の様子を伝えられる人が少なくなった現代において、舞鶴引揚記念館はとても重要な役割を担う施設だと思いますが、松岡さんが考える舞鶴引揚記念館の魅力やおすすめポイントは何でしょうか?

松岡さん

さまざまな資料に込められた想いを感じることによって、平和への想いを新たにすることができると思っています。

また、展示を見学する際は、館内に常駐する語り部(ガイド)の案内を聞きながら回るのがおすすめです。語り部の方々は、展示物に関する詳しい説明や、当時の状況についての貴重な情報を提供してくれます。

編集部

舞鶴引揚記念館には、当時の様子をリアルに感じることができるような展示がたくさんありますが、中でも松岡さんがお気に入りの展示についてお聞かせいただけますか?

松岡さん

私のお気に入りは「白樺日誌」です。筆記具もない抑留生活中に、白樺の皮をノート代わりにされた歌日誌で、どのような状況にあっても人間らしさを失わない力強さを感じます。

舞鶴引揚記念館で展示されている「白樺日誌」
▲常設展で展示されている「白樺日誌」。極限の状況下でも力強く生きた抑留者の想いが綴られている

舞鶴引揚記念館で「白樺日誌」が展示されている場所の様子
▲「白樺日誌」の展示。解説があるので分かりやすい

編集部

実際に使われていた資料からは、当時のリアルな状況が伺い知れますね。舞鶴引揚記念館に展示されているものを見ると、私たちが現在直面している問題の多くが、相対的に小さく感じられるかもしれません。

多彩な企画展と語り部による展示解説

舞鶴引揚記念館の企画展の様子

編集部

舞鶴引揚記念館では、どのような企画展をされていますか。

松岡さん

企画展は年4回、それぞれのテーマごとに所蔵資料を公開・開催しています。常設展では展示していない資料も多く展示・公開しておりますので、季節ごとに楽しんでいただくことができます。

編集部

2022年春には、沖縄県中頭郡中城村との共催で巡回展をされたそうですよね。中城村の久場崎も、舞鶴と同じく引揚港になっていたのだとか。

▼舞鶴引揚記念館の公式ホームページには過去の企画展の情報も残されています。
過去の企画展

現存する資料からは、当時を生きた人々のリアルを感じます。資料ごとに新たな発見もあると思うので、様々な角度から当時の人々の思いを知ることができそうです。

松岡さん

そうですね。舞鶴引揚記念館では、展示に込めた想いをよりお伝えできるよう、土・日・祝日に1日2回、「語り部ツアー」を実施しています。予約不要で、語り部ツアー自体は無料です。
※入館料は必要となります。

編集部

NPO法人「舞鶴・引揚語りの会」の語り部の方が、お話を聞かせてくださるのですよね。言葉で説明を聞けると内容がスムーズに入ってくるので、大変ありがたいです。

そういえば昔、学校の体験学習で戦争博物館や平和博物館に行ったときのことを思い出しました。語り部の方から戦時中の話を伺い、その内容に衝撃を受けた記憶があります。

舞鶴湾を一望できる展望台:絶景の撮影スポット

引揚記念公園の展望台から見た舞鶴湾

編集部

カップルで来館した際、写真撮影ができるスポットや、2人でゆっくり過ごせる場所などはありますか。

松岡さん

当館は、引揚記念公園の中に立地しています。公園には舞鶴湾を一望できる展望台があります。展望台からの水面がキラキラ光る景色は、写真スポットにぴったりですよ!また、天気のいい日には特に美しい景色を楽しむことができます。

引揚記念公園にある展望台からの風景
▲引揚記念公園の展望台。天気のいい日は舞鶴湾を望む絶景が拝める

松岡さん

展望台での記念撮影以外にも、館内には軽食が楽しめるカフェとお土産ショップがあります。展示を見学した後は、カフェでゆっくりと休憩しながら、感想や思いを共有することができます。カップルの皆さまにとって、思い出に残る時間を過ごせる場所になると思います。

「舞鶴引揚記念館」からカップルへのメッセージ

舞鶴引揚記念館の松岡さん
▲今回インタビューにお答えいただいた松岡さん

編集部

最後になりますが、デートで舞鶴引揚記念館への来訪を検討しているカップルにメッセージをお願いします。

松岡さん

展示資料を通して、互いを思いやる親子や夫婦の愛、そういった目に見えない力が生きる力になり、他者を思いあうことで平和を作っていくことができることを感じていただけると思います。例えば、引き揚げ時の家族の写真や手紙などから、困難な状況でも互いを支え合う姿を見ることができます。

世の中にはモヤモヤしたことも多いですが、自分の心の持ち方を少し変えるだけで、心が軽くなることもあります。そんな気づきの時間になれば嬉しいです。当館での体験が、カップルの皆さまの絆を深める機会となることを願っています。

皆様のお越しをお待ちしております。

編集部

松岡さん、本日はインタビューへのご協力ありがとうございました。

来館者の声:戦争と平和を考えさせられる展示内容

舞鶴引揚記念館への来訪を検討しているみなさまの参考になるよう、編集部で独自に感想や口コミを調べてみました。代表的なものをいくつかご紹介します。

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日本の悲しい歴史が深く学べた
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戦後の厳しい状況下で、多くの人々が帰国できなかった事実をはじめて知った
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展示物から無言の強いメッセージを感じ取ることができた
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展示が整理されていて丁寧なので、子どもにも分かりやすい内容だった

口コミでは戦争の悲惨さ、厳しい引揚事業や抑留生活について考えさせられたといった感想が多く見られました。戦争は二度と繰り返してはいけない悲しい歴史です。

明るく楽しいデートはもちろん素敵ですが、平和について2人で真剣に向き合い、考えを共有するデートも時には意義深いものとなるでしょう。

「舞鶴引揚記念館」の基本情報

住所 〒625-0133
京都府舞鶴市字平1584番地 引揚記念公園内
アクセス 【電車】JR東舞鶴駅からタクシー約15分
【車】舞鶴若狭自動車道「舞鶴東」インターチェンジより約15分
開館時間 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 12月29日~1月1日
毎週水曜日 (祝日の場合はその翌平日)
駐車場 あり(無料)
入館料

大人:400円
学生(小学生〜大学生):150円

共通券(引揚記念館・赤れんが博物館)
一般:600円
学生:200円

空いている時間帯 平日
平均的な滞在時間 1時間程度
公式サイト https://m-hikiage-museum.jp/index.html

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

舞鶴引揚記念館周辺のおすすめデートスポット

ここからは舞鶴引揚記念館の前後に立ち寄れる、舞鶴市内のおすすめデートスポットを紹介します。

舞鶴市は東舞鶴と西舞鶴の2つのエリアに分かれています。記念館は東舞鶴エリアにあるため、同じエリア内にある魅力的なグルメスポットや写真映えするスポットをご紹介します。これらのスポットを組み合わせることで、充実したデートプランを立てることができます。

周辺のおすすめデートスポット

舞鶴の自然と平和への想いを感じる「引揚記念公園」

舞鶴引揚記念館のある引揚記念公園には、舞鶴湾を一望できる展望台や、世界の恒久平和を訴える「平和の群像」などもあります。これらの施設は、歴史を学びながら美しい景色も楽しめる魅力的なスポットとなっています。

自然豊かな園内は、ゆったりと散策するのにも最適です。記念公園の見学後は、2人で壮大な景色を眺めたり、世界平和について語り合ったりと、静かで落ち着いた時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。このような穏やかな時間は、カップルの絆をより深める良い機会となるでしょう。

詳細URL:引揚記念公園

貴重な歴史的遺産が並ぶ「舞鶴赤れんがパーク」

京都府舞鶴市には、旧日本海軍が使用していた赤れんが倉庫群が残されています。これらの歴史的建造物を活用し、観光交流施設として整備されたのが「舞鶴赤れんがパーク」です。

パーク内には、明治時代の面影を残すレトロな雰囲気の赤れんが建物が並んでいます。各棟にはそれぞれ特色ある施設が入っており、れんが建造物の魅力と歴史を伝える「赤れんが博物館」をはじめ、地元の特産品を扱うお土産ショップ、昔ながらの雰囲気を楽しめるカフェ、多目的に利用されるイベントホールなどがあります。隣接する舞鶴引揚記念館で共通券(600円)を購入すれば、パーク内の各施設に入館できます。

カップルで各棟を巡り、赤れんが建築の独特の雰囲気を存分に味わいましょう。施設の見学を終えたら、舞鶴湾を臨める芝生広場で心地よい潮風を感じながら、ドリンクや軽食を楽しむのもおすすめです。

さらに、パーク内から出発する遊覧船に乗れば、近くの海上自衛隊舞鶴基地に停泊するイージス艦や護衛艦を間近で見学することができ、普段は見られない光景を楽しめます。

地元の野菜を使った自然食バイキングが魅力!「舞鶴ふるるファーム」

「舞鶴ふるるファーム」は、京都府舞鶴市にある豊かな自然に囲まれた農業公園です。公園内には新鮮な地元野菜やその加工品が並ぶ「ふるるマーケット」があり、地域の特産品を手に入れることができます。また、日帰りで農業体験ができる農園や、動物たちと触れ合える牧場もあり、舞鶴の自然の恵みと動物たちとの触れ合いを存分に楽しむことができます。

公園内のレストラン「農村レストランふるる」では、地元で採れた新鮮な野菜や海産物を使った料理を、ビュフェ(バイキング)形式で楽しめます。季節ごとの旬の味覚を堪能できるのが特徴です。

さらに、BBQスペース付きのコテージも用意されています。お泊りデートを検討しているカップルには、舞鶴の自然を肌で感じながらゆっくりと過ごすことをおすすめします。夜には満天の星空を眺めることもできるでしょう。

公式URL:舞鶴ふるるファーム

日本海で採れた新鮮な魚介類を味わえる「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」

京都府舞鶴市は日本海に面した漁業の盛んな地域で、「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」は日本海側最大級の海鮮市場として知られています。

施設内には獲れたての新鮮な魚介類が豊富に並び、それらを目の前で調理してもらえるサービスがあります。その場で食べられる海鮮焼きやお刺身、海鮮丼は絶品で、カップルでの食事を楽しむのにぴったりです。

また、干物や缶詰などの加工品も販売しているので、デートの思い出としてお土産を購入するのもおすすめです。

公式URL:道の駅 舞鶴港とれとれセンター

まとめ:カップルで考える平和の大切さ

今回は舞鶴引揚記念館を中心に、舞鶴の歴史を学び平和について考えるデートをご紹介しました。

第二次世界大戦は半世紀以上前の出来事ですが、世界に目を向ければ、まだまだ私たちは「戦争」と無縁ではありません。

戦争を知らない世代が増え、その記憶が風化しつつある今だからこそ、戦争の史実に向き合うことは大切ですよね。

平和について一緒に考えることで、お互いのことをより理解し、その大切さに改めて気付けるかもしれませんよ。