350年の歴史が織りなす和の結婚式!福島「曹洞宗 永松山 龍泉寺」の仏前式

今回「仏前式がおこなえる趣深いお寺を紹介!」でご紹介するのは、福島県二本松市にある「曹洞宗 永松山 龍泉寺(そうとうしゅう えいしょうざん りゅうせんじ)」さんです。

曹洞宗 永松山 龍泉寺では、歴史ある厳かな雰囲気の本堂で、低予算で仏前式を行うことができます。

今回は、曹洞宗 永松山 龍泉寺の43代目住職である武田良典さんに、曹洞宗 永松山 龍泉寺の結婚式についてお話を聞きました。

和を感じる結婚式に憧れる方、地元のお寺で仏前式を検討しているカップルはぜひご覧ください。

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前式の特徴と魅力

仏前結婚式ができる曹洞宗 永松山 龍泉寺の本尊

インタビュアー

曹洞宗 永松山 龍泉寺で仏前式を行うようになったのはいつ頃からですか?また始めたきっかけや理由も教えてください。

武田さん

仏前式の式次第は宗派によってさまざまですが、明治45年に日本で初めて増上寺で仏前式が行われました。

曹洞宗では「曹洞宗門の檀信徒等にして仏式に依準する婚姻式を要する場合」のために、大本山總持寺・独住第4世の石川素童禅師が1932年に「曹洞宗婚姻式作法」を制定されました。

現在、二本松でも結婚式の数は年々減っているのが現状です。

あまり派手ではない古き良き日本らしい結婚式を低予算で行うことができれば、ご縁を結ぶ方が増えてくれるだろうと期待をしております。

もともと寺院は檀信徒と葬儀・供養などの関係だけではなく、寂しく暗い印象でもなく、生きていくための教えを学ぶ場所であることが本来の役割です。

インタビュアー

仏前式の歴史は明治時代にまでさかのぼるのですね。また、お寺では「生きていくための教えを学ぶ場所」だというお言葉に学びを得ました。

お寺で行う「和婚」では、日本文化を感じることができますし、加えて低予算で実現できるならば、さらに魅力的だと思います。

仏前結婚式の意義:来世まで続く縁を結ぶ

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式で盃を傾ける新婦

インタビュアー

仏前式について教えてください。

武田さん

仏前式は「今ここに生かさせていただいている」という感謝の気持ちを込めて、仏さまと先祖の前で結婚を誓う式のことです。

ふたりが出会えたのも、命を与えてくれた先祖の存在があってこそです。

その先祖を大切に思い、供養し続けることによって、今生きている自分たちの存在を確認するのが仏教における縁(仏縁)です。

仏前式はこの考えのもとに執り行われています。

また「結婚したふたりは生まれ変わっても結ばれる」という教えが仏教にはあり、仏前で結婚を誓ったふたりは来世でも結ばれることになると言われています。

インタビュアー

仏様とご先祖様の前でふたりの結婚を誓うのが仏前式なんですね。ご先祖様がいないと今の私たちはいませんから、感謝の気持ちも伝えたいですね。

また、仏前で結婚を誓ったふたりが来世でも結ばれるとは、とても素敵でロマンチックな教えです。

350年の歴史を持つ本堂での厳かな挙式

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前式の着付け風景

インタビュアー

曹洞宗 永松山 龍泉寺での仏前式の魅力を教えてください。

武田さん

東北でも数える程しかない350年の歴史がある本堂で、落ち着いていながらも、天蓋など煌びやかで荘厳な雰囲気のなか、2人の素晴らしき挙式ができます。

インタビュアー

歴史ある建物ならではの重厚な雰囲気のなか、ふたりの記念すべき日を迎えられますね。

龍泉寺の仏前式:挙式の流れと準備

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式の式次第

インタビュアー

仏前式では実際にどのようなことを行うのでしょうか?おおまかな流れと時間を教えてください。

武田さん

およそ1時間ほどとなります。

仏前式では、本尊真前にて式師より仏戒を授けられます。

「戒」とは仏教徒の生活の標識であり、その実践はお釈迦様の教えをそのままに信受奉行することになります。

「戒」を受けるということは、人として仏教徒として日々の生活を正しく過ごし、明るく清らかな社会生活を送り、自他共に恵み恵まれていくように精進していく心構えを確立します。

曹洞宗 永松山 龍泉寺で仏前結婚式を執り行う本堂内

新郎新婦・列席者もまた、心耳を澄まし聴聞し、共にお誓いをお願いいたします。

両人はもとより、両親親族もまた仏縁を感じ、清らかな家庭を築き、社会への貢献を目指しましょう。

その時必ずや、仏菩薩もご先祖様も二人の幸せを幾久しくお見守りくださります。

インタビュアー

およそ1時間であれば、新郎新婦・ゲストともに負担も大きくないと感じました。

仏前式で授かった「戒」と結婚の誓いを胸に、清く正しい生活を目指すことが大事ですね。

仏前結婚式の第一歩:会場見学と申し込み

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式でお酒を配布する風景

インタビュアー

挙式申し込みまでの流れを教えてください。

武田さん

まず会場を見学していただきまして、ご希望に合いましたら、挙式の日程を決めさせていただきます。

式までには数回リハーサルを行い本番を迎える運びとなります。

インタビュアー

まずは会場見学ですね。「ここで挙げたい」と感じたときのために、あらかじめ式の候補日程を決めておくとスムーズです。

式までに何度かリハーサルができるのは心強いですね。

柔軟な挙式予約:1ヶ月前までが目安

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式でお酒を運ぶ住職

インタビュアー

挙式予約は何ヶ月前頃から可能でしょうか?

武田さん

およそ1ヶ月前くらいにご連絡を頂けますとありがたいですが、急な日程でもご相談によっては可能かと思います。

インタビュアー

1ヶ月前でもご対応いただけるので、早く式を挙げたいカップルにもぴったりですね。

それより急ぐ場合でもまずは相談してみるとよさそうです。

アットホームな仏前式:50名までの参列が可能

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式で手を取り合う新郎新婦

インタビュアー

毎年、何組くらい挙式が行われますか?

武田さん

1年に数回です。

インタビュアー

永松山 龍泉寺では、毎年新郎新婦の幸せな姿が見られるのですね。

参列は何名まで可能でしょうか?

武田さん

50名ほど可能です。

※コロナ禍における参列人数はご相談となります。

インタビュアー

50名ほど声をかけられるのなら、大事な家族や友人を招くことができますね。

ゆとりある準備空間:4つの控室を用意

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式の着付け風景

インタビュアー

控室はありますか?

武田さん

控室は大きい部屋が二間、和室が二間ございます。

インタビュアー

合計4間あるので、ゆったり使えますね。

自由度の高い準備:衣装からヘアメイクまで選択可能

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式でのメイク風景

インタビュアー

貸衣装・着付け・ヘアメイク・写真などはお願いできますか?

武田さん

はい。対応できますが、ご予算もございますでしょうから、ご自身で手配していただいても大丈夫です。

インタビュアー

お任せすることも、自分たちで手配することもできるのですね。

予算や好みに合わせて選択するとよさそうです。

和の趣を感じる仏前式:国際カップルにも人気

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式で指輪交換をする新郎新婦

インタビュアー

挙式されたご夫婦、または参列者の方々からはどのような感想が多いですか?

武田さん

仏前式も趣があって良いものですね」というお声をいただきます。

インタビュアー

私の周りでは仏前式を行う方はあまり多くない印象ですが、今回魅力を知って、仏前式にも参列してみたいと感じました。

今までに執り行われた仏前式で印象に残るエピソードなどあれば教えてください。

武田さん

海外の方と日本人の異文化の仏前式が印象に残りました。

インタビュアー

国際結婚でも仏前式が選ばれているのですね。

他の国ではなく日本で挙式するなら、「和」を感じられる仏前式はぴったりだと思います。

曹洞宗 永松山 龍泉寺の歴史・見どころについて

曹洞宗 永松山 龍泉寺の小さな橋に佇む新郎新婦

インタビュアー

曹洞宗 永松山 龍泉寺がどのようなお寺か教えてください。

武田さん

二本松寺院物語によれば、1,000余年前、同寺葺修の際に、その屋根裏から一枚の棟蓋が発見されました。

その後『永松山略記』によると、1320年(元応2年)恵燈律師(けいとうりっし)が行基作の聖観音を得て開山しました。

当初は真言律宗で、白光山瑞祥寺という名の密教寺院であったと伝えられています。

また当寺はもともと浮内(現・塩沢)にあり、一世行者の庵室になっておりました。

インタビュアー

1320年というと、鎌倉時代ですね。とても歴史のあるお寺です。

開山当時は宗派や場所も異なっていたとは驚きました。

武田さん

そうですね。

開山の背景としては、1319年(元応元年)に、恵燈律師が京より岩手県・奥の正法寺に向かう途中、一夜その庵室を仮宿としました。

すると、観音様の霊感に打たれ、その有難い因縁に感泣し、庵室を改築移送して白光山瑞祥寺を建立いたしました。

しかし廃寺同然になってしまいました。後に加賀金剛寺の祖超禅師の高弟にあたる直心全忠禅師によって再興されたことから、以来曹洞宗に改宗されたといわれております。

その後1460年当時の二本松城主・畠山政泰公が直心全忠大和尚を招いて、初代・高国、二代・国氏の菩提を弔うため開山したと言われています。

畠山家は歴代、龍泉寺を祈願寺として崇敬していました。

1492年(明応元年)4代満泰公は長男・満盛の霊を祀って、法名を「龍泉寺殿」と称し、龍泉寺に於いて参禅修養はもちろん、とりわけその教えを学びました。

さらには一朝有事の際の兵站基地の役目をなしたといわれています。

インタビュアー

一時は廃寺のようになってしまった白光山瑞祥寺が、再興とともに曹洞宗に改宗され、その後畠山氏によって現在の「龍泉寺」となったのですね。

歴史を聞くだけでもとてもドラマチックです。

絶景ポイント:境内から望む自然と歴史

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式のお花を使ったろうそく

インタビュアー

結婚式以外でも、訪れた際の見どころやおすすめのスポットなどはありますか?

武田さん

境内から正面に見える棚田、天気が良い日は郡山まで眺められます。右手側には安達太良連峰がそびえ、左手には霞ヶ城が隣接しています。

境内の一番高いところには、やすらぎ観音が建ち、霞ヶ城跡や見晴台からも見ることができる永代供養塔となっています。

他にも以下のようなものが見られますよ。

  • 本堂の左手側にある不動尊(700年前は真言律宗の密教寺院だった名残が残っています)
  • 本堂から少し離れた場所にある、安達三十三観音札所の22番にあたる、宝形造り三間堂の観音堂
  • 県重要文化財に指定されている「木造聖観音菩薩立像」
  • 市有形民俗文化財に指定されている「双松舘観桜連中の図」
  • 1797年(寛政9年)7月に再建された仁王門(正面に位置する山門)
  • 1825年(文化8年)10月に倍寿軒大内善蔵が浄願を発し喜捨してくれた石段51級(山門と本堂をつなぐ石段)

インタビュアー

境内からは非常に壮観な景色を楽しむことができ、驚きました。

また、他にもたくさんの見どころがあるため、じっくり回ることができますね。

四季折々の美しさ:龍泉寺の年間の見どころ

曹洞宗 永松山 龍泉寺の仏前結婚式で花のリースを持つ新婦

インタビュアー

訪れるのに適した時期はありますか?

武田さん

四季を感じられる境内になっており、春には鐘楼堂の後ろに咲く翔龍桜が綺麗な薄い桃色になります。他の桜よりも少し早めで4月上旬、中旬頃には満開を迎えます。

また棚田の菜の花は一面黄色になり小さな桃源郷のようです。

夏の始めには蛍が飛ぶお寺を目指しており、8月の上旬からは古代蓮の見頃を迎えます。

秋のお彼岸には彼岸花が咲き乱れます。

冬には雪景色と幻想的な棚田のライトアップを楽しんでいただけます。

インタビュアー

どの季節に訪れても、それぞれ美しい見どころがありますね。

どんな景色の中で結婚式を挙げたいか2人で相談し、時期を決めても良いかもしれません。

カップルへのメッセージ:縁を大切にする仏前式

曹洞宗 永松山 龍泉寺の武田さん

武田さん

結婚は人生の一大事です。お二人のご縁を大切にした式を行いたいと考えております。

インタビュアー

今日お話を伺い、仏前式では「縁」の考え方を大事にすることがわかりました。

仏前式で愛を誓った夫婦は、来世でも結ばれると言われているのも素敵です。

日本の良さを感じる結婚式を考えている方は、一度相談してみると良いですね。

今日はお話を聞かせてくださりありがとうございました。

龍泉寺へのアクセスと基本情報

住所 〒964-0003
福島県二本松市二伊滝1-81
電話番号 0243-22-0423
公式サイト https://eishozan-ryusenji.wixsite.com/ryusenji2