青森県つがる市「縄文住居展示資料館カルコ」で世界遺産の遺物に触れる歴史デート
今回紹介するのは、青森県つがる市にある「縄文住居展示資料館カルコ」での学びをメインに、ドライブで訪れたい穴場スポットを加えたゆったりデートプランです。
縄文住居展示資料館カルコでは、世界遺産である亀ヶ岡石器時代遺跡(「遮光器土偶」が発掘された場所)を中心に、青森県内で発掘された縄文時代の遺物が展示されています。
およそ1万年もの長期間続いた縄文時代。当時の人々の住まいや食事、そして日常生活の様子を詳しく学ぶことができます。
おすすめカップル:日々の忙しさを忘れ、落ち着いた時間を過ごしたいカップル
どんなデート?:資料館での学びを楽しみつつ、周辺の穴場スポットを巡るドライブデート
目安時間:5時間
目安予算:2,500円
概要:縄文住居展示資料館カルコを中心とした歴史学習と絶景スポットを巡るデート
今回提案するデートプランは、縄文住居展示資料館カルコで縄文時代の生活や時代背景を学んだあと、展望台やレトロな雰囲気の喫茶店を巡り、2人の距離をグッと縮めるプランです。歴史と自然、そして温かい雰囲気を楽しみながら、思い出に残る1日を過ごせます。
11:00 | 車で「縄文住居展示資料館カルコ」に到着 |
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11:00 | 「縄文住居展示資料館カルコ」を見学 |
12:00 | 館内のレストラン「華かるこ」でランチ |
13:00 | 「木造駅」の巨大遮光器土偶と記念撮影 |
13:20 | 次の目的地へ移動 |
14:00 | 「呑龍岳展望台」から絶景を楽しむ |
14:30 | 喫茶店へ移動 |
15:00 | 「赤い屋根の喫茶店 駅舎」でレトロな雰囲気を楽しみながらおしゃべり |
竪穴住居や遮光器土偶をリアルサイズに再現した「縄文住居展示資料館カルコ」
▲縄文住居展示資料館カルコに展示されている縄文時代の貴重な品々
縄文住居展示資料館カルコは、青森駅から車でおよそ1時間の場所にあります。入館料も大人200円と非常にリーズナブルなため、気軽に訪問できるのがうれしいポイントです。
驚くほど高い竪穴住居の天井を見上げたり、見事に再現された遮光器土偶の精巧さに感嘆したり、注目するポイントがたくさんあります。教科書でしか見たことのなかった縄文時代の暮らしがリアルに再現されており、まるで当時の人々の会話が聞こえてきそうな臨場感があります。
なかでも、数多く展示されている縄文土器には食べ物や水を入れたり、物をしまったりとさまざまな用途があり、当時の人々の生活の知恵を垣間見ることができます。"機械もないなか、一体どのように造ったのだろう?"と、訪れた人々の会話も自然と弾むことでしょう。
次々と新しいテクノロジーが生まれる現代。たまには歴史を振り返り、およそ1万年続いた縄文時代に浸ってみるのはいかがでしょうか。自身の生活と置き換えることにより、現代の豊かさを見つめ直すきっかけにもなりますよ。
博物館周辺は土偶をモチーフとしたお土産やスポットが多くあり、ユニークな雰囲気を楽しめるエリアです。
そこで今回は、縄文住居展示資料館カルコの学芸員であられる堀内さんに施設の魅力をお伺いしました。
世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」からの貴重な出土品展示
▲世界遺産である亀ヶ岡石器時代遺跡や田小屋野貝塚から出土した貴重な遺物
編集部
縄文住居展示資料館カルコが具体的に何をメインに展示しているか教えていただけますか?
学芸員:堀内さん
1階の展示室では縄文時代の竪穴住居の復元や、亀ヶ岡遺跡出土の有名な遮光器土偶の精巧なレプリカを展示しています。2階では、世界遺産となった亀ヶ岡石器時代遺跡や田小屋野貝塚の出土品を中心に、つがる市と周辺地域で出土した縄文時代から平安時代までの土器や石器、土偶などをメインにご覧いただけます。
▲街のモチーフでもある遮光器土偶
編集部
1階と2階でテーマが異なるため、館内を回りやすそうですね。世界遺産である土地には、どのような特徴があるのでしょうか?
学芸員:堀内さん
世界遺産となった田小屋野貝塚(たごやのかいづか)は、日本海の沿岸では珍しい「貝塚遺跡」です。
一般的に日本では火山による酸性土壌のため、遺跡に人骨はあまり残りません。しかし、貝塚の貝がアルカリ成分だったことにより土壌の性質が中和され、現代にまで人骨が伝えられました。
田小屋野貝塚から出土した人骨は、縄文時代のものとして貴重です。海と陸の食べ物に支えられた当時の人たちの生活を示す重要な資料といえます。
編集部
展示物のなかで、特に自慢できる部分はございますか?
学芸員:堀内さん
世界遺産となった亀ヶ岡石器時代遺跡と田小屋野貝塚の出土品を多く展示していることです。縄文時代に加えて、平野部で見つかっている平安時代の集落の様子も、土器をはじめとする出土遺物から知ることができます。
また、江戸時代に「亀ヶ岡」がどのような経緯で日本全国に有名になったかなど、地域の歴史文化を総合的に学ぶことができます。
▲世界遺産から出土した遺物の品々
編集部
出土した遺物からヒントを得て、歴史をひも解いている点が魅力的ですね。当時に使用されていた品々を目の前にすると、写真からは分からない質感や奥ゆかしさをリアルに感じ取れそうです。
黒曜石の矢じりで学ぶ縄文時代の交易ルート
編集部
堀内さんが特に好きな展示やコレクションを教えてください。
学芸員:堀内さん
つがる市内の遺跡から出土した黒曜石の矢じりを、産地別に分けた展示です。黒曜石の産地については調査研究が進んでいます。「蛍光X線分析」という自然科学の手法により、産地をすぐに特定できるようになりました。
展示しているのは、近くの出来島海岸(できしまかいがん)や岩木山(いわきさん)から採取された黒曜石などです。さらに、北海道の奥深く、旭川からオホーツク海を目指して大雪山系を超えた赤石川地域の白滝遺跡群など、遠方からも海を渡って黒曜石がもたらされていたことが分かります。
産地によって黒曜石の見た目も異なるので、実際に目で見て特徴を知ってほしいです。
編集部
来館者の方にどんなことを学び、感じてほしいでしょうか?
学芸員:堀内さん
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産のなかでも、亀ヶ岡石器時代遺跡は、これらの地域の縄文時代の成熟を示す亀ヶ岡式土器や遮光器土偶の出土で知られています。
※亀ヶ岡石器時代遺跡は、北海道・青森県・秋田県・岩手県の17の遺跡から構成される世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつ
精製土器や遮光器土偶の精緻な作りは、農耕に頼らず自然のめぐみを生かした縄文時代の狩猟採集生活の爛熟と精神文化の到達点を示すものとして、世界遺産登録の際も高く評価されました。
自然と調和し、貧富の差のない平等な生活を営んだ縄文時代の人々の在り方を追体験してほしいと思っています。
竪穴住居に暮らす当時の人々との記念撮影
▲電気もガスもない縄文時代、人々の生活の工夫が垣間見える展示
編集部
今回デートスポットとしての紹介がテーマですが、カップルで来館した人におすすめの楽しみ方はありますか?
学芸員:堀内さん
館内はすべて写真撮影自由です。復元竪穴住居の中で、縄文時代の人々と一緒に記念写真を撮影できます。2階には遮光器土偶をかたどった木製の机を置いた休憩スペースがあるので、2人でゆっくり座って過ごすのもおすすめです。
さらに、館の外では季節ごとに表情を変える岩木山の姿を楽しめます。縄文時代の人々も同じような景色を眺めていたことでしょう。
編集部
時代は変わっても、見える景色は変わりませんね。カップルの思い出として、素敵なワンシーンになりそうです。
▲復元された竪穴住居。入り口と比較すると天井の高さがよくわかります
季節ごとの企画展とイベント情報
編集部
過去の企画展、または今後予定している企画展やイベントがあればご紹介ください。
学芸員:堀内さん
2017年に「田小屋野貝塚人骨展」を開催しました。展示の中核となった田小屋野貝塚出土の人骨は縄文時代前期、約5,500年前の成年女性のものです。この人骨は縄文時代のものとして非常に貴重で、骨の分析により体格や妊娠歴、さらには当時の食生活まで解明することができました。
定期的な企画展は行っていませんが、適宜展示の入れ替えを行っています。
▲実際に人骨が出土した際の状況を写したもの。当時の人は現代人より身長が低かったことがわかる
また、つがる市教育委員会では、毎年市内の子どもを対象にした「土器づくり講座」を開催しています。2021年10月後半には、亀ヶ岡石器時代遺跡の現地で「JOMON亀ヶ岡遺跡・田小屋野貝塚まつり」を開催予定です。ベンケイガイを使った貝輪づくり体験や、遺跡内を巡るクイズラリーなどを実施予定としています。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の17の構成資産に加え、ガイダンス施設である資料館の全てを訪れることを目指す方も多くいらっしゃいます。2021年度はスマートフォンを使ったデジタルスタンプラリーも実施中で、全ての施設を訪れた方には豪華な記念品をプレゼントする企画も用意しています。
来館者の感想:充実した展示内容に驚きの声
編集部では、GoogleマップやTwitterなどから、実際に訪れた方の口コミを調査しました。以下に、特に印象的だった感想をいくつか紹介します。
- 遮光器土偶のレプリカが本物と見分けがつかないほど精巧で驚きました。また、展示の内容も充実していて、期待以上の体験ができました。
- ガイドさんの詳しい説明で多くのことを学べました。質問にも丁寧に答えていただき、とても有意義な時間を過ごせました。
- 縄文時代の生活を再現した展示が印象的でした。特に、縄文人を模したロボットが当時の言葉で会話している様子が興味深かったです。
実際に見て体験することの重要性を伝える口コミが多数ありました。また、ガイドさんの丁寧な対応を評価する声も多く、知識を深めながら交流を楽しめる施設であることがうかがえます。
学芸員インタビュー:堀内さんが語る資料館の魅力
編集部
デートでの来館を検討しているカップルやご夫婦へのメッセージがあれば教えてください!
学芸員:堀内さん
展示品を見ながら、自然のめぐみと調和した縄文時代の人たちの暮らしを追体験してほしいですね。例えば、当時の食生活や道具の使い方、住居の構造などを通して、現代との違いを感じ取ってください。
編集部
歴史好きはもちろん、そうでないカップルも当時の暮らしから学ぶことがあると感じました。特に竪穴住居や遮光器土偶は、実物を間近で見られる貴重な機会です。
資料館の良さは、まさに「体験できること」だと思います。展示品を通じて縄文時代の生活を肌で感じることで、新しい発見や気づきが得られそうですね。
縄文住居展示資料館カルコ 施設概要と利用案内
住所 | 〒038-3138 青森県つがる市木造若緑59-1 |
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アクセス | 【電車】 JR五能線木造駅下車、徒歩15分 【バス】 弘南バス有楽町停留所またはつがる市役所前停留所下車、徒歩5分 |
営業時間 | 午前9時~午後4時 |
休館日 | ・月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日に休館) ・祝日の翌日(土・日・祝休日の場合は開館し、翌平日に休館) ・年末年始(12月29日~1月3日) ※2022年9月29日〜2023年4月20日まで臨時休館 |
駐車場 | あり(3台) ※つがる市役所などの近隣施設の駐車場も利用可能 |
入館料 | 一般:200円 |
電話番号 | 0173-42-6490 |
平均滞在時間 | 20分~1時間程度 |
公式サイト | https://www.city.tsugaru.aomori.jp/soshiki/kyoiku/bunkazai/sihakukan/6521.html |
※最新の情報は公式サイトでご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
カルコ見学後のデートプラン:周辺おすすめスポット4選
縄文住居展示資料館カルコは1時間程度で館内を見学できます。その後は、つがる市のおすすめの穴場スポットを楽しむことをおすすめします。
おすすめのデートスポット
名物「しゃこちゃん縄文弁当」を味わうレストラン「華かるこ」
資料館見学後は、建物内にあるレストラン「華かるこ」でのランチがおすすめです。
名物メニューの「しゃこちゃん縄文弁当」は、遮光器土偶をごはんで表現した豪華な弁当で、デザートとドリンク付きで1,650円です。
口コミでは「ボリュームがあり、価格も手頃」と高評価が多く寄せられています。
住所 | 〒038-3138 青森県つがる市木造若緑59-1 |
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アクセス | 縄文住居展示資料館カルコに併設 |
その他 | しゃこちゃん縄文弁当は予約制のため要電話予約 |
営業時間 | <昼>11:00~14:00(ラストオーダー13:30) <夜>17:00~23:00(ラストオーダー22:30) |
定休日 | 日曜日 |
電話番号 | 0173-42-5565 |
公式サイト | http://www.tsugarubrand.jp/web /store/detail009.html |
巨大遮光器土偶がお出迎え!JR木造駅で記念撮影
引用:JR東日本公式サイト
インタビューの中で堀内さんがおすすめしたのが、資料館から徒歩15分にある最寄りの「木造駅(きづくりえき)」です。
編集部
資料館を見学した後に行く、おすすめのデートスポットがあれば教えてください。
学芸員:堀内さん
JR木造駅の駅舎にある、巨大な遮光器土偶のオブジェをおすすめします。五能線の列車の到着に合わせて目が光り、駅の係員の方にリクエストすると、好きなタイミングで光らせてもらえます。
また、亀ヶ岡石器時代遺跡や田小屋野貝塚の現地にも足を延ばしてほしいですね。どちらも車で15分ほどで到着できます。
4~11月の土日祝日(10時~15時)には、ボランティアガイドの「つがる縄文遺跡案内人」の皆さんが、駐車場にある縄文遺跡案内所やしゃこちゃん広場でお待ちしています。ご希望に合わせてオーダーメイドで遺跡をガイドしてくれます。しゃこちゃん広場の遮光器土偶をかたどった石像は、遺跡の象徴的な存在です。
「ここからは2人だけで回りたい」というリクエストももちろん大丈夫です。ガイドの方の詳しい解説を聞くと、縄文時代の遺跡のイメージがより鮮明になります。
編集部
遺跡や歴史好きなカップルには、特におすすめの過ごし方ですね。また、土偶のオブジェと一緒に写真を撮れば、素敵な思い出になりそうです。
住所 | 〒038-3158 青森県つがる市木造房松 |
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アクセス | 縄文住居展示資料館カルコから徒歩15分 |
十三湖の絶景パノラマ!呑龍岳展望台
引用:青森県観光情報サイト
資料館から車で30分、メロンロードと呼ばれる真っすぐな道をドライブした先にあるのが「呑龍岳展望台」です。
優しい雰囲気を醸し出すウッドスタイルの展望台に登ると、青森県内で3番目に広い面積を誇る「十三湖(じゅうさんこ)」が目の前に広がります。
その大きさはまるで海と見間違えるほど広大で、美しい絶景に訪れる人のテンションも上がること間違いなし!口コミでも「見晴らしがよく、また来たいと思った」「ログハウス調の展望台に遊び心を感じた」など、隠れた名所として紹介する声が多く寄せられています。
住所 | 〒038-3301 青森県つがる市富萢町屏風山1-787 |
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アクセス | JR五所川原駅から車で40分 |
問い合わせ先 | つがる市商工観光課 |
その他 | ※展望台は老朽化により現在使用不可 |
公式サイト | https://www.city.tsugaru.aomori.jp/soshiki/keizai/kankouburando/kanko/spot/6753.html |
昭和レトロな雰囲気満点「赤い屋根の喫茶店 駅舎」
引用:赤い屋根の駅舎
展望台からの景色を楽しんだ後は、落ち着いた空間でゆっくりとくつろぐのはいかがでしょうか。
おすすめなのは、旧芦野公園駅駅舎を改装した「赤い屋根の喫茶店 駅舎」です。
店内は黒を基調としたレトロな雰囲気に包まれており、まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
引用:赤い屋根の駅舎
口コミでは「ノスタルジックな店内にうっとり」「電車を眺めながらカフェ!また来たい」など、特に女性からの高評価が目立ちます。また、太宰治の小説「津軽」に登場する駅としても知られています。
隣接する津軽鉄道芦野公園駅のホームから直接入れたり、昔ながらの切符売り場の小窓が残っていたりと、懐かしさを感じさせる魅力的なスポットが数多くあります。
住所 | 〒037-0202 青森県五所川原市金木芦野84-171 |
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アクセス | JR五所川原駅から車で20分 |
営業時間 | 10:00~17:00(ラストオーダー:16:30) |
定休日 | 水曜日 |
問い合わせ先 | 0173-52-3398 |
公式サイト | https://wandono-ekisya.com/ |