【岐阜デート】奥の細道むすびの地記念館で松尾芭蕉の足跡を辿る歴史ロマン

今回ご紹介するのは、岐阜県大垣市にある「奥の細道むすびの地記念館」をメインにしたデートプランです。大垣市は、江戸時代の俳人「松尾芭蕉」の名作『奥の細道』の旅の終着地として有名です。この記念館では、芭蕉に関する多様な展示を楽しむことができます。

芭蕉と聞くと、教科書のイメージから難しく感じる方もいるかもしれません。しかし、「奥の細道むすびの地記念館」を訪れた方々からは、「俳句に詳しくなくても十分楽しめた」という感想が数多く寄せられています。

この記事では、奥の細道むすびの地記念館の見どころや魅力について、記念館の上嶋さんにお話を伺いました。

「奥の細道むすびの地記念館」の魅力的な展示内容

岐阜県大垣市にある奥の細道むすびの地記念館のエントランス

江戸時代の俳人、松尾芭蕉は「俳諧」という短詩型の文学を芸術性の高いものへと昇華させ、現在の「俳句」の基礎を築きました。「奥の細道むすびの地記念館」では、芭蕉の代表作『奥の細道』について、多角的に学ぶことができます。

この記念館は、俳句に詳しくない方でも楽しめるよう工夫されています。3D映像やゆかりの資料、精巧なジオラマなどを通して芭蕉の旅が分かりやすく紹介されており、訪れた人々が芭蕉の魅力に引き込まれていく仕掛けが随所に施されています。

それでは、奥の細道むすびの地記念館の見どころについて、詳しく紹介していきましょう。

肌で感じる芭蕉の旅:常設展の見どころ

編集部

奥の細道むすびの地記念館の常設展では、主にどのようなものを展示されていますか?

上嶋さん

奥の細道むすびの地記念館が位置する大垣市は、江戸時代に活躍した俳人・松尾芭蕉が『奥の細道』の旅を終えた「むすびの地」です。

当館では、主に松尾芭蕉と彼の俳諧紀行『奥の細道』に関する展示を行っています。加えて、江戸時代後期から幕末にかけて活躍した5人の郷土の偉人の生涯や偉業に関する展示も行っています。この5人とは、蘭方医の江馬蘭斎、植物学者の飯沼慾斎、文人画家の江馬細香、漢詩人の梁川星巌、大垣藩重臣の小原鉄心です。

館内は「芭蕉館」と「先賢館」の2つのエリアに分かれており、芭蕉館では松尾芭蕉に関する展示を、先賢館では郷土の偉人に関する展示をご覧いただけます。

松尾芭蕉に関するものを展示している「芭蕉館」
▲松尾芭蕉に関する展示がある「芭蕉館」

大垣市の偉人に関するものが展示されている「先賢館」
▲大垣の偉人に関する展示がある「先賢館」

芭蕉館には3Dシアターがあり、美しい映像と共に芭蕉が旅した風景をご覧いただくことで、芭蕉の旅を追体験したような気持ちになります。比較的静かな館内で『奥の細道』に関する展示をゆっくりと鑑賞することで、穏やかな時間をお過ごしいただけるでしょう。

編集部

来館者にどんなことを学び、感じてほしいでしょうか。

上嶋さん

松尾芭蕉や『奥の細道』については、多くの方が子供のころ学校の教科書で学んだことがあるかと思います。

当館には、3Dシアターやジオラマ、展示資料などがあります。これらを通じて、来館者の皆さまには芭蕉や『奥の細道』について、「目で見て」・「耳で聞いて」体験的に学んでいただきたいと思います。

松尾芭蕉の旅のワンシーンを再現したジオラマ
▲芭蕉の旅のワンシーンを再現したジオラマ

触れることができる和本

貴重な芭蕉直筆作品:企画展の魅力

編集部

とても充実した常設展示で一度ではすべて見きれないほどなので、何度も訪れたくなる人が多いでしょうね。奥の細道むすびの地記念館では、企画展なども開催されているのでしょうか?

上嶋さん

はい、春・夏・秋と年3回企画展を開催しております。内訳としては、芭蕉や俳諧に関する展示が年2回、先賢に関する展示が年1回となっています。

過去の企画展では、松尾芭蕉の生涯をいくつかの時期に分けた展示や、『奥の細道』の旅の行程をいくつかに分けた展示を行いました。どの企画展でも、普段は見ることのできない芭蕉の直筆「ホンモノ」を展示しており、貴重な機会となっています。

また、企画展開催中には、展示担当学芸員によるギャラリートークを実施しています。さらに、企画展に関連した内容について、専門の研究者による講演会「企画展関連講座」も開催しています。これらのイベントを通じて、より深く展示内容を理解していただけます。

企画展やイベントの詳細については、奥の細道むすびの地記念館のホームページでご確認いただけます。

>>奥の細道むすびの地記念館ホームページ

3Dシアターで体感する『奥の細道』の旅

編集部

「奥の細道むすびの地記念館」にはたくさんの展示がありますが、なかでも上嶋さんが特に好きな展示やコレクションを教えてください。

上嶋さん

私のお気に入りは、『奥の細道』の旅を紹介する3Dシアターです。15分から20分の映像が6本あり、1日のタイムスケジュールの中で放映されています。美しい映像と音楽、さらに俳人や研究者によるわかりやすい解説が随所にあり、芭蕉の旅路を追体験できます。視聴される方は、きっと満足していただけると思います。

編集部

上嶋さんが思う、「奥の細道むすびの地記念館」の魅力や見どころはどのようなところでしょうか?

上嶋さん

『奥の細道』の旅の始めから終わりまでを知ることができるところですね。始めから終わりまでを紹介しているのは、全国でも「奥の細道むすびの地記念館」だけです。これは当館の大きな特徴です。

松尾芭蕉に関するものを展示している「芭蕉館」
▲『奥の細道』に記された地域ごとに詳しく展示されている

大垣について詠まれた芭蕉の俳句の展示
▲大垣の章段の展示

また、当館をきっかけにして、芭蕉が訪れた東北・北陸の各地をめぐることができますし、これまでに訪れた土地がある方は、各地の思い出を振り返ることもできると思います。そういった多様な楽しみ方ができるというところも魅力でしょう。

施設内には座る場所を多く設けていますので、静かな空間でゆったりとした時を過ごしながら、芭蕉の旅に思いを馳せていただきたいですね。

奥の細道むすびの地記念館でのデートの楽しみ方

ここまでで、奥の細道むすびの地記念館の展示内容について紹介しました。次は、カップルがデートで訪れた際の楽しみ方についてお聞きします。記念館では、二人で楽しめる特別な体験や、恋人同士ならではの過ごし方があるかもしれません。

四季を楽しむ国名勝とミュージアムショップでのひととき

編集部

奥の細道むすびの地記念館でカップルが記念写真を撮影できるスポットはありますか?

上嶋さん

当館に隣接する国名勝「おくのほそ道の風景地 大垣船町川湊」は、東海エリアのお花見や紅葉狩りの定番スポットです。四季折々の美しい風景を楽しんでいただくことができます。

水門川にかかる赤い橋や川燈台、川に繋留された川舟などを背景に入れて撮影すると、風情ある記念写真になりますよ。

編集部

奥の細道むすびの地記念館には、カフェスペース付きの土産物店があると伺いました。おすすめの商品を教えてください。

上嶋さん

奥の細道むすびの地記念館の展示に関わる書籍や、大垣周辺の特産物やお土産をはじめ、地元のお菓子や飲み物を購入して店内で飲食できる「お休み処 芭蕉庵」がございます。

人気商品は季節によって変わりますが、夏は大垣銘菓の「水まんじゅう」がおすすめです。大垣市は地下水が豊富で、全国水の郷百選にも選ばれています*。大垣銘菓の「水まんじゅう」は、そんな名水から作られているので、とても美味しいと評判ですよ。

また、一年を通して楽しめる銘菓として、あんをほんのり酒の香りのする薄皮に包んだ「金蝶饅頭」もあります。日もちは短いですが、固くなった饅頭をトースターなどで軽く温めて食べるなど、地元では古くから親しまれています。

*参考:大垣市役所公式サイト「全国水の郷100選に選ばれた水の郷 大垣」

テーブル・椅子もご用意しておりますので、ゆっくりと休憩がてら、おいしいお菓子や飲み物をお楽しみください。

奥の細道むすびの地記念館からのメッセージ

編集部

デートでの来館を検討しているカップルへのメッセージがあれば教えてください。

上嶋さん

奥の細道むすびの地記念館は、車でも公共交通機関でも来館しやすい立地にある施設です。駐車場が広く駐車料金は無料ですので、休日のドライブデートに、ぜひお立ち寄りください。

多くの方が教科書で学んだ『奥の細道』について、芭蕉が訪れた東北・北陸の各地の話など、お二人で共通の話題を見つけられる機会になると思います。例えば、芭蕉が訪れた名所や、その土地にまつわる歴史や文化について語り合うことができるでしょう。

編集部

本日はたくさんのお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

「奥の細道むすびの地記念館」来館者の口コミ

奥の細道むすびの地記念館の展示の工夫
▲吹き出しで分かりやすく解説されている

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展示が充実しており、しっかり見ると半日かかるほどのボリュームで見応えがあります。松尾芭蕉に詳しくない人でも分かりやすい内容になっています。
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3Dシアターは何度見ても楽しめます。芭蕉にも俳句にも興味がなかったのですが、すっかり芭蕉のファンになり、芭蕉が訪れた地を巡る旅をしたくなりました。
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館内がとても清潔で、カフェもあるのでゆっくり過ごせます。お土産も種類が豊富で充実しています。
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俳句に興味がない人でも楽しめる施設です。入館料以上の価値があると感じました。
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大垣が『奥の細道』の旅のむすびの地だということを初めて知りました。
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水の都として知られる大垣らしく、屋外に飲める湧水があり、その水がとてもおいしかったです。

奥の細道むすびの地記念館に寄せられた口コミや感想を見ると、展示が充実していることや、俳句について詳しくない人でも楽しめるという感想が多く見られます。何度も訪れているというリピーターも多く、満足度が高いことがよく分かります。また、3Dシアターや湧水など、特徴的な体験ができることも人気の理由のようです。

来館前に確認:料金・割引・予約情報と空いている時間帯

入館料 300円
割引 年間パスポート:1,000円

■以下に該当する場合は無料
・18歳以下の方
・障がい者手帳保有者、及びその介護者
・ぷらっと西美濃通行手形を持っている方
・市内在住の満65歳以上の方
予約 不要
混雑しない時間帯 開館直後の1時間(9:00〜10:00)
閉館前の1時間(16:00〜17:00)

アクセスと営業時間:奥の細道むすびの地記念館の基本情報

住所 〒503-0923
岐阜県大垣市船町2丁目26番地1
電話番号 0584-84-8430
開館時間 9:00〜17:00
最寄駅
アクセス
JR大垣駅から徒歩16分
駐車場 あり
飲食施設 あり
公式URL http://www.basho-ogaki.jp/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

「奥の細道むすびの地記念館」周辺のデートスポット

奥の細道むすびの地記念館だけでも充実した時間が過ごせますが、周辺には芭蕉にまつわるさまざまなスポットがあります。記念館と合わせて、これらのスポットも巡ってみることをおすすめします。

また、最寄駅であるJR大垣駅の周辺には、イタリアンや中華、お寿司など、多様なジャンルの飲食店が点在しています。ここでは、編集部が特におすすめする2店舗をピックアップしてご紹介します。

周辺のおすすめデートスポット

“ミニ奥の細道”と呼ばれる散策スポット「水門川遊歩道・四季の路」

「四季の路」は、大垣市の八幡神社前から始まり、船町の奥の細道むすびの地に至る遊歩道です。季節ごとに異なる魅力を楽しめますが、特に春には川沿いに満開の桜が咲き誇り、絶景を楽しめます。

この遊歩道は「ミニ奥の細道」とも呼ばれており、途中には俳聖・松尾芭蕉の句が刻まれた石碑も置かれています。恋人同士で手を繋ぎながら、俳句を詠み歩く romantic な散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

参考URL:大垣市役所公式サイト「四季の路」

紅葉の名所:飛騨・美濃紅葉33選「円興寺」

車で移動するカップルにおすすめなのが、奥の細道むすびの地記念館から約20分の場所にある「円興寺(えんこうじ)」というお寺です。円興寺は紅葉の名所として知られ、飛騨・美濃紅葉33選にも選ばれています。秋には境内の紅葉やイチョウの木が鮮やかな色彩のコントラストを見せ、訪れる人々の目を楽しませてくれます。
*参考:Wikipedia「飛騨・美濃紅葉三十三選」

参考URL:岐阜の旅ガイド「円興寺の紅葉」

周辺のおすすめランチスポット

奥の細道むすびの地記念館の最寄駅であるJR大垣駅の周辺には、イタリアンから中華料理、お寿司まで、さまざまなジャンルの飲食店が点在しています。ここでは、特に編集部がおすすめしたいお店を2店舗ピックアップしてご紹介します。デートの締めくくりにぴったりの、雰囲気の良いお店ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

イタリアンデートに最適:「トリコローレ」

奥の細道むすびの地記念館から徒歩10分のところにある「トリコローレ」は、味はもちろん、素材選びから盛り付けまでこだわり抜いたイタリア料理店です。どの料理も素材本来の味が生かされており、過度な調味料に頼らない本物の美味しさが評判となっています。

目でも楽しめる芸術的な料理と、店内のおしゃれで落ち着いた雰囲気がデートにぴったりです。カップルで特別な時間を過ごすのにふさわしい場所なので、ぜひ訪れてみてください。

公式SNS:トリコローレ公式Instagram

本格寿司をリーズナブルに:「寿し吉」のランチ

奥の細道むすびの地記念館から徒歩15分の場所にある寿司屋「寿し吉」。夜はやや高めの価格設定ですが、ランチタイムには手頃な価格で美味しいお寿司を楽しむことができます

お寿司屋さんならではの出汁にこだわった茶碗蒸しとお味噌汁がセットになったランチは、握り寿司とちらし寿司から選ぶことができます。1,000円以下で提供される、コストパフォーマンスの高いメニューです。和食を楽しみたい気分の時は、ぜひ訪れてみてください。

参考URL:食べログ「寿し吉」