長野県下諏訪町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

長野県への移住を検討している方に向けて、長野県諏訪郡下諏訪町(しもすわまち)の暮らしに役立つ情報を紹介する記事です。

長野県のほぼ中央に位置する下諏訪町は古くから中山道・甲州道中の温泉宿場町として栄えた場所です。

信州最大の湖「諏訪湖」をはじめ、豊かな自然に恵まれた下諏訪町は、四季折々の景観が楽しめる観光地として知られています。また、県外の人たちを温かく受け入れてくれる「おもてなしの文化」が根付いた町なので、近年移住者も増えています。

今回は産業振興課移住定住促進室・主査の伊藤さんと地域おこし協力隊の藤原さん、池田さんにインタビュー取材させていただいた内容を元に、下諏訪町の特徴や魅力について、詳しくご紹介します。

本日お話を伺った方
産業振興課移住定住促進室・伊藤さん

産業振興課移住定住促進室 主査

伊藤 生真(いとう いくま)さん

地域おこし協力隊・藤原さん

地域おこし協力隊

藤原 祐太(ふじわら ゆうた)さん

地域おこし協力隊・池田さん

地域おこし協力隊

池田 月音(いけだ つきね)さん

下諏訪町の3つの特徴

高台から望む下諏訪町の街並みと諏訪湖

下諏訪町には、次のような特徴があります。

ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説しましょう。

特徴1:美しい自然と温泉が魅力の観光地

下諏訪町の美しい風景の写真

下諏訪町は自然を感じられる場所が数多くあります。町のシンボルともいえる諏訪湖は、1周約16kmの信州で最も大きな湖です。湖畔に沿ってジョギングコースが整備されているので、四季折々の美しい景色を眺めながらランニングやウォーキング、サイクリングが楽しめます。

諏訪湖湖畔のランニングコースの写真
▲美しい自然を眺めながらのランニングは最高の贅沢!

諏訪湖の常設競技用ボートコース
▲諏訪湖にある県内唯一の常設競技用ボートコース。学生、成人競技のほか、多くの町民が参加する「下諏訪レガッタ」が毎年開催されている。

諏訪湖は下諏訪町と岡谷市、諏訪市の3つのエリアにまたがっており、それぞれの場所で異なる風景が見られるのも魅力です。下諏訪町からは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」にも描かれた雄大な諏訪湖と富士山の絶景を、岡谷市からは八ヶ岳を、諏訪市からは北アルプスをそれぞれ望むことができます。また、春や秋には水平にまっすぐ伸びる珍しい虹「水平虹」、冬には凍った湖面の一部がせり上がり筋になる「御神渡り」という珍しい現象が見られます。

下諏訪町の産業まつりであがる花火の写真
▲秋に開催する「しもすわ産業まつり」では花火が打ちあがる。湖畔にうつる花火の姿は見もの

また、中山道と甲州街道の合流地点であった下諏訪町は、江戸時代から宿場町として栄えてきました。そんな下諏訪町は温泉地としても有名で、町内には至るところに温泉が点在しています。宿場の風情を感じられる温泉公衆浴場から老舗旅館の温泉まで、さまざまな浴場が気軽に利用可能です。

諏訪湖をランニングやサイクリングした後に温泉に入り、汗を流す人も多いそう。朝の5時半から開いている施設もあるので、優雅な朝風呂も楽しめます。

このほかにも、国の特別天然記念物「八島湿原」や、国内最古の神社の一つに数えられている「諏訪大社」など、訪れたくなるスポットが満載です。散歩がてら自然の名所や歴史的に価値ある場所へと行ける、これこそ観光地に移住した人が味わえる贅沢です。

下諏訪町の観光名所「万治の石仏」の写真
▲下諏訪町にある「万治の石仏」はあの岡本太郎も大絶賛したそう

地域おこし協力隊・藤原さん
藤原さん

諏訪湖を一周ランニングした後に温泉で汗を流せば最高に気持ちいいですよ!

特徴2:他地域から来た人を受け入れる文化が根付く、移住者が馴染みやすい町

下諏訪町中心地と富士山の写真

移住を検討する際、地域になじめるか不安、という方も多いでしょう。下諏訪町は、昔から宿場町として多くの人たちを受け入れてきた町です。そのため、他の地域から来た人を温かく迎え入れてくれる文化が根付いています。

また、下諏訪町では地元の人が積極的に移住者に話しかけてくれるほか、移住者同士のコミュニティも形成されているので、すぐに打ち解けられるでしょう。

中には、観光で下諏訪町を訪れたつもりが、町民の人柄に魅了されていつの間にか移住していた、という人もいるそうです。

そんな下諏訪町では、2017年に移住交流スペース「mee mee center Sumeba(ミーミーセンタースメバ)」をオープン。地域おこし協力隊が常駐し、移住相談をはじめ、町の魅力、観光情報、空き家物件情報まで“地元の人に聞きたいこと”を聞くことができる場所として、多くの方が利用しています。

公式:移住交流スペース 「mee mee center Sumeba」

移住交流スペース 「mee mee center Sumeba」のスタッフの写真
▲みんなウェルカム!な下諏訪の人々の優しさに感激する人は多い

このように下諏訪町は、町をあげて移住者を歓迎してくれる町です。実際に移住した人からは「最初は打ち解けられるか不安だったけれど、今では下諏訪町の人たちが大好きになった」という声も寄せられています。

地域おこし協力隊・藤原さん
藤原さん

実は私も下諏訪町の人たちに魅了されて、京都から移住してきました

特徴3:県内一東京に近いエリアだから、都市部へのアクセスも良好

下諏訪町役場の写真

下諏訪町は町全体がコンパクト。スーパーや銀行、病院などの生活施設が全て徒歩圏内に揃っているので、車がなくても生活可能です。

また、下諏訪町を含む諏訪地域は、長野県内で一番東京に近い場所に位置しているので、都市部へのアクセスもスムーズ。東京や名古屋へは電車で2時間程度で到着します。移住者の中には、普段はリモートで仕事をし、月に数回東京へ出勤している、という方も多いそうです。

「都市部での仕事は続けながら、生活拠点は地方に移したい」という方にとって、下諏訪町はぴったりの町なのではないでしょうか。

さらに、下諏訪町は近くに中央自動車道諏訪IC、長野自動車道岡谷ICがあるので車での移動も便利です。関東一円はもちろん、北陸方面や関西方面にもアクセスしやすいので、各地方への往来もスムーズですよ。

産業振興課移住定住促進室・伊藤さん
伊藤さん

田舎と都会の良いとこ取り。それが下諏訪の魅力です

下諏訪町の暮らしに関する情報

ここからは、下諏訪町の暮らしに関するさまざまなデータをご紹介します。移住を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

気候 1月平均気温:0℃を下回る
8月平均気温:25℃
※参考:下諏訪町移住パンフレット
人口 人口:18,823人
世帯:8,740戸
(2024年1月1日時点)
病院 診療所:23、病院:3
学校 小学校:2、中学校:2、高校:1
交通 鉄道:JR中央本線
路線バス:アルピコ交通、あざみ号、スワンバス、中央高速バス、アルペン諏訪号
大都市へのアクセス 東京まで:電車で約2時間10分
名古屋まで:電車で約2時間10分
近隣都市 松本市、諏訪市、岡谷市、小県郡長和町

※「人口」欄以外の数字は2024年2月時点のものです。

長野県を含む寒冷地へ移住する際に気になるのが、冬の寒さです。下諏訪町の冬は冷え込みが厳しいですが、降雪量はそれほど多くありません。1シーズンに20cm程度の積雪が3~4回ある程度です。夜間に雪が積もっても、日中の日差しで溶けてしまうこともよくあります。雪国のように冬の間は毎日雪かきが必須というわけではないので、雪慣れしていない方でも比較的すぐに下諏訪町の冬に馴染めるでしょう。

雪が積もった下諏訪町の写真力
▲さほど積雪がないのも下諏訪町の魅力

冬の諏訪湖の写真
▲雪化粧された諏訪湖は息をのむ美しさ

スーパーや薬局、銀行などの生活施設は町中心部に集中しているので、普段の買い物や用事は徒歩圏内で完結できます。町内には巡回バスが通っているので、離れた場所への移動も容易です。

町内には総合病院がひとつあるほか、個人の診療所が多数点在しています。また、近隣の岡谷市と諏訪市に大きな病院があります。町外の病院はいずれも車で20分程度なので、そちらへ通院することも可能です。

下諏訪町にある温泉施設は、280円~と利用しやすい料金なので、いつでも気軽に温浴が楽しめます。近くに温泉管が埋設されているエリアに住めば、自宅に温泉を引くことも可能。実際に引湯している住宅や賃貸マンション、分譲マンションも多くあるそうです。

さらに下諏訪町は、豊かな天然林から染み出ている清流が水源になっているので、水量が豊富。いつでもおいしい水を飲むことができますよ。

下諏訪町を流れる清流の写真
▲澄んだ水の流れを眺めているだけでも癒される

【仕事】技術職の求人が多数、起業・開業のサポート制度あり!

下諏訪町の正社員求人を大手求人情報サイトで検索してみると、約190件ヒットしました。さらに車で30分圏内(25km圏内)まで範囲を広げたところ、約12,000件の求人が見つかったので、下諏訪町は近隣エリアも含めると、仕事が探しやすい場所だと言えるでしょう。(2024年2月時点)

参考:求人情報の一例(下諏訪町のみ
参考:求人情報の一例(下諏訪町から25km圏内

下諏訪町の御田町商店街にある移住交流スペース「mee mee center Sumeba」では、諏訪地域での仕事探しの相談も受け付けています。下諏訪町を含む諏訪圏6市町村を対象に仕事探しをサポートしてもらえるので、気になる方はお問い合わせください。

公式:移住交流スペース 「mee mee center Sumeba」 のご紹介

下諏訪町の「チャレンジ起業支援事業補助金」

下諏訪町の宿場街の写真

移住を機に自分でお店を持ちたい、開業したい、という方もいるのではないでしょうか。下諏訪町では近年、20~30代を中心に、既存の空き店舗やオフィスなどを利用し、起業する人が増えているそうです。下諏訪町に移住して起業・開業する際は「チャレンジ起業支援事業補助金」の制度が利用できます。

【条件】

  • 町内に居住する個人および法人
  • 空き店舗等を活用して、賑わいと魅力ある町づくりの形成に寄与すること
  • 2年以上経営すること

以上の条件を満たせば、店舗改装経費に相当する金額の上限100万円(対象経費の1/3)を補助してもらえます。詳細は、以下の公式サイトをご確認ください。

参考:チャレンジ起業支援事業補助金

【住まい】賃貸物件は6万円台が相場、空き家情報バンクの物件情報も多数

大手賃貸住宅情報サイトで下諏訪町の賃貸物件情報を検索したところ、約80件の賃貸可能なアパート・マンションがヒットしました。広さが1LDK~2LDKの物件が多く、家賃の相場は6万円台です。※2024年2月時点

参考:物件情報の一例

また、下諏訪町の空き家情報バンクには約10件の賃貸物件が登録されています。家賃は2万円~7万円台程度なので、家族での移住を検討している方は一軒家の賃貸を視野に入れても良いでしょう。

ちなみに空き家情報バンクでは売却物件も数十件登録されています。販売価格は100万円台~2,000万円台と幅広く、庭付きの家や駐車場付きの家も多数あります。物件の登録数は時期によって変わりますので、購入を検討している方は、こまめにチェックしてみてください。

公式:下諏訪町(空き家情報バンク

下諏訪町内の住まい探しは、町内にある長野県宅地建物取引業協会諏訪支部の不動産屋さんが相談に乗ってくれます。賃貸情報サイトや空き家情報バンクで希望の物件が見つからないときは、問い合わせてみると良いでしょう。

このほか、毎月第4土曜には下諏訪町の地域おこし協力隊が空き家見学会や相談会を開催。空き家見学会は商業用の物件に限定した回や、12月の寒い時期に町の寒さを体験し、町内の工務店さんから断熱改修のアドバイスをもらえる回など、テーマを決めて開催しています。相談会には、県外から移住を希望する人のほか、将来的に下諏訪町に家を購入しようと考えている方が多数参加しているそうです。

公式SNS:下諏訪町地域おこし協力隊 移住定住チーム(Instagram)

空き家見学会の写真
▲空き家見学会は毎回大盛況!

産業振興課移住定住促進室・伊藤さん
伊藤さん

最初は賃貸物件で生活してから、空き家情報バンクを活用して物件を購入する、という方が多いですよ

下諏訪町の「移住定住促進住宅取得事業補助金」

下諏訪町では以下の条件に合う人を対象に、「移住定住促進住宅取得事業補助金」の給付を行っています。

【条件】

  • 下諏訪町内に住所を有していない、もしくは町内に住所を有して5年未満
  • 町外に5年以上居住もしくは町内に住所を有する前に町外に5年以上居住していた人
  • 税金等を滞納していない人
  • 住宅取得後は、5年以上下諏訪町に定住する人
  • 町内会に加入する人
  • 延床面積の1/2以上が居住部分となっていること
  • 公共事業等より補償を受けていない住宅であること

条件を満たせば取得にかかる費用(20万円を上限とし、取得にかかる費用の1/2)を補助してもらえます。申請方法など詳しくは以下の公式サイトをご確認ください。

公式:下諏訪町移住定住促進住宅取得事業補助金

【子育て】下諏訪町は子育て支援充実!恵まれた自然環境で豊かな心を育む

下諏訪町内3園の公立保育園では、季節に合わせた行事はもちろんのこと、山、川、湖の恵まれた自然環境を生かし、お散歩に出かけ心と体を思い切り使って全身で四季を楽しんでいます。また、畑づくりを通して食への興味を高め、伝統として鬼ごっこや、わらべうたあそびを大切に、絵本の読み聞かせを通して、豊かな心を育んでいます。

子育て世代にとっては、移住先の子育て支援も気になるところです。下諏訪町では、3歳未満の子どものいる保護者に「子育て応援カード」を配布。協賛事業所でカードを提示すると買い物の割引、温泉の入浴無料などのサービスが受けられます。

そのほか新生児子育て支援品として、おしりふきや手指消毒などのプレゼント、満2歳になるまで有料のごみ袋が毎月5枚支給される制度も設けています。子どもが小さいうちはオムツなどのゴミが増えるので、ごみ袋を定期的にもらえるのはとてもありがたいですね。

また、下諏訪町内にある「子育て支援センターぽけっと」では、0歳ママ講座や子育てに関する講座など、子育て中の家族を対象にしたさまざまなイベントや講座を開催。子育て中のパパやママの交流の場所となっています。

子育てふれあいセンターでの親子イベントの写真
▲子育てふれあいセンターでママ友・パパ友ができた、という人は多い

公式:子育てふれあいセンター

下諏訪町へ移住した人の口コミ・感想

諏訪湖に停泊するボートの写真

ここからは、実際に下諏訪町へ移住した方の体験談をご紹介します。

  • 下諏訪町に住んでいるからこそできる事を存分に楽しんでいる毎日です。水はおいしく、夏は家庭菜園をしている方からお裾分けがもらえます。自宅から毎日諏訪湖畔を歩いて通勤できる贅沢な日々を過ごしています。
  • 下諏訪のごはん屋さんは、どこも安くてボリュームがあっておいしい!また、自然が豊かなのでスーパーの野菜コーナーや植物コーナーは、季節ごとに異なるさまざまな商品が並び、見ているだけでも楽しいです。
  • 子どもとお散歩すると、自然をおもちゃに想像力を駆使して遊べるのが良いところ。車がなくても徒歩と自転車でじゅうぶん楽しめる町です。

下諏訪町の豊かな自然の恩恵を肌で感じられる毎日に大満足している方が多いようです。また、移住してきた人たちを温かく迎え入れてくれる地元の人たちの人柄に感動した、という口コミも多数見られました。

美しい自然と人々のおもてなし文化が感じられる下諏訪町なら、快適なスローライフが実現できそうです。

地域おこし協力隊・池田さん
池田さん

気がついたら友人や仲間がたくさんできている、それが下諏訪の暮らしの魅力です!

下諏訪町への移住相談窓口

下諏訪町への移住を検討している方は、まず地域の窓口に相談してみましょう。下諏訪町では、移住交流スペース「mee mee center Sumeba(ミーミーセンタースメバ)」で移住に関するさまざまな相談や問い合わせを受け付けています。

相談はオンラインも可能ですが、対面・オンラインに関わらず事前予約が必要です。地域おこし協力隊のメンバーが、下諏訪町の暮らしや仕事、空き家情報など、移住に関して必要な情報を教えてくれるので、ぜひ活用してください。

公式:移住交流スペース 「mee mee center Sumeba」 

下諏訪町への移住に関するお問い合わせ

下諏訪町への移住については、町役場の産業振興課移住定住促進室へお問い合わせください。

担当課 産業振興課 移住定住促進室
住所 〒393-8501
長野県諏訪郡下諏訪町4613-8
電話番号 0266-27-1111(内線 274)
対応時間 8:30~17:15
(土日祝・年末年始休み)
公式サイト https://www.town.shimosuwa.lg.jp/www/index.html