高野山霊宝館で国宝・重要文化財を堪能!歴史好きカップルの聖地デート|和歌山

この記事では、和歌山県・高野山にある「高野山霊宝館」を中心に、周辺の高野山世界遺産認定スポットを巡るデートプランを紹介します。

高野山霊宝館は、高野山内にある国宝や重要文化財などの貴重な文化財を収蔵・展示している博物館です。日本の歴史と文化を直接体験できる、特別な空間となっています。

高野山霊宝館の前後には、高野山内で世界遺産認定されている6つのエリア(大門地区、伽藍地区、本山地区、奥院地区、徳川家霊台地区、金剛三昧院地区)を巡りましょう。各エリアには固有の魅力があり、高野山の歴史と文化を深く理解することができます。

今回は高野山内の世界遺産を巡り、日常の喧騒を忘れて心を癒すデートをご紹介します。豊かな自然と荘厳な雰囲気に包まれた高野山で、二人の絆を深める特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

こんなカップルにおすすめ!
向いている年代:20歳〜49歳
おすすめカップル:歴史好き、お寺好きカップル
どんなデート?:世界遺産巡り

高野山霊宝館と周辺の世界遺産スポットを巡るデートプラン

今回メインで紹介する「高野山霊宝館」は、高野山にある貴重な文化財を鑑賞できる博物館です。高野山の中心地に位置し、周辺の観光スポットにも容易にアクセスできる便利な立地となっています。

そこで、高野山を存分に楽しむデートプランを考えました。

今回のデートのメイン
高野山霊宝館
周辺のデートスポット
・壇上伽藍
・金剛峯寺
・徳川家霊台
・金剛三昧院
・奥之院
ランチにおすすめのお店
・中央食堂さんぼう
・高野山料理「花菱」

まずは高野山の入り口にあたる「大門」(世界遺産・国の重要文化財)からスタートし、高野山の二大聖地のひとつ「壇上伽藍(だんじょうがらん)」地区へ向かいます。金堂は、金剛峯寺の本堂に相当する重要な建物で、壇上伽藍の中心的存在です。

壇上伽藍を散策した後は、高野山霊宝館へ向かいましょう。ここでは、高野山内の貴重な文化財を通して、高野山の豊かな歴史を学べます。高野山霊宝館見学後は「中央食堂さんぼう」で伝統的な精進料理を楽しみましょう。

ランチの後は、高野山の世界遺産認定スポットめぐりです。金剛峯寺、徳川家霊台、金剛三昧院などを訪れてみましょう。これらのスポットでは御朱印もいただけますので、カップルで一緒に御朱印を集めながら巡るのも素敵な思い出になります。

最後に訪れたいのが、壇上伽藍と並ぶ聖地「奥之院」です。杉の大木が並ぶ参道には、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信といった著名な戦国武将の供養塔が数多く存在し、歴史好きのカップルには特に魅力的です。また、緑豊かな環境で散策すれば心も癒やされることでしょう。

ここからは、このデートプランの中心となる「高野山霊宝館」について、より詳しく紹介していきます。

国宝・重要文化財の宝庫:日本最古級の木造博物館「高野山霊宝館」

高野山霊宝館の正面玄関

「高野山霊宝館」は、密教の聖地「高野山」にある博物館です。

高野山には100以上の寺院があり、それらの寺院が所有する膨大な量の文化財を保管・展示する目的で、大正時代に開設されました。開設から100年以上が経ち、「日本最古級の木造建築博物館」として登録有形文化財にも指定されています。

霊宝館には21件の国宝、148件の重要文化財をはじめ、10万点もの文化財が収蔵されています。天才仏師の運慶作とされる有名な「八大童子立像」(国宝)や、快慶作の「孔雀明王像」(重要文化財)などの貴重な作品も含まれており、年4回の企画展に合わせて展示されます。

この博物館では、貴重な文化財を通して高野山の歴史や、弘法大師(空海)について学ぶことができます。高野山の中心地に位置しているため、周辺の飲食店や観光スポットへのアクセスも便利です。

今回は高野山霊宝館の職員である宮地さんにインタビュー取材を行い、施設の魅力や周辺のおすすめスポットについてお話を伺いました。

10万点の文化財コレクション:季節ごとに楽しめる展示の魅力

霊宝館新館展示場

編集部

高野山霊宝館の概要と展示されている作品について教えてください。

宮地さん

当館は高野山に伝わる文化財を維持・管理するための博物館です。

国宝21件、重要文化財148件を含む指定品約4万点をはじめ、全体で約10万点を収蔵し、その中から年4回に分けて展示を行っています。これにより、四季折々の展示を楽しんでいただけます。

編集部

来館者には、展示された文化財から何を学び、感じてほしいですか?

宮地さん

高野山は弘法大師空海が開いてから1,200年もの歴史があり、標高850メートルの山々に囲まれた盆地の中に100余りの寺院があります。全盛期には約2,000もの寺院があり、それらの寺院で祀られていた仏像・仏画などが主な収蔵品となります。

高野山に伝わる多くの文化財を通して、高野山の歴史や、高野山を開創した弘法大師・空海の偉大さを感じていただけたらと思います。

編集部

他にも特徴的な点があれば教えていただけますか?

宮地さん

当館は日本最古級の木造建築博物館で、登録有形文化財の指定を受けています。

また、展示中の仏像は開眼(お性根入れ)されたままの仏様として拝める博物館であり、ガラスケースに入っていない状態で、間近で拝観できる珍しい博物館です。

仏像が常設されている展示場「放光閣」
▲貴重な仏像を間近で拝むことができる高野山霊宝館の「放光閣」

必見!快慶作「四天王立像」:重要文化財の迫力ある彫刻

編集部

宮地さんが特に好きな展示やコレクションを教えていただけますか?

宮地さん

鎌倉時代に活躍した快慶という仏師が制作したとされる重要文化財の四天王立像がおすすめです。今にも動き出しそうな躍動感あふれる作風でとても迫力があります。

この四天王立像は、東大寺の四天王を製作する際の試作品として彫られたと考えられています。四天王とは、仏法を守護する四人の天王のことを指します。
※東大寺の四天王は現存していません

編集部

運慶と並ぶ天才仏師"快慶"の現存作品は「阿弥陀如来像」が多いですが、高野山では阿弥陀如来以外の仏像も多く見ることができるのですね。四天王立像の凛々しい表情や細やかな表現は必見です。常設展示されているのも魅力的ですね。

年に一度の「高野山の名宝」展:国宝・重要文化財の一挙公開

編集部

来館の時期によって違う楽しみ方があれば教えてください。

宮地さん

年に4回季節ごとに展覧会を開催しております。

年に1度行われる「高野山の名宝」展では高野山に伝わる国宝・重要文化財を一挙公開しています。これは普段目にする機会の少ない貴重な文化財を鑑賞できる特別な機会です。

編集部

過去にはどのような展覧会が開催されていたのでしょうか?

宮地さん

高野山にまつわる展覧会がメインとなり、時代ごとにテーマを当てた企画展を開催してきました。例えば以下のようなものがあります。

  • 「室町時代の高野山」
  • 「平家物語の時代と高野山」
  • 「ほとけさまと動物たち」
  • 「高野山と不思議な話」

編集部

その他、霊宝館で体験できることがあれば教えてください。

宮地さん

いろいろな仏様が集まる「曼荼羅」の世界を仏像で表した立体曼荼羅の世界をご自身で体験いただけますよ。これは平面的な曼荼羅とは異なり、立体的に仏の世界を感じることができる貴重な体験です。

編集部

弘法大師空海は密教の教えをわかりやすく表現した「曼荼羅」を積極的に用いて、高野山自体も曼荼羅の世界に見立てたと聞きます。立体曼荼羅を体感した後に高野山散策をすれば、より深い理解と共に記憶に残る高野山観光になりそうですね。

四季折々の美しさ:紅葉やしゃくなげの名所としての魅力

編集部

霊宝館で思い出の写真を撮影できるスポットはありますか?

宮地さん

館内は撮影禁止ですので、来館いただいた方には心の中に思い出として残していただければと思います。

ただし、敷地内にはしゃくなげや紫陽花、紅葉などの季節の植物がありますので、それらを背景に季節ごとの写真を撮っていただけます。特に、毎年文化の日(11月3日)前後に見頃を迎える紅葉がおすすめです。

霊宝館駐車場の紅葉
▲秋の霊宝館では鮮やかな紅葉が見られる

編集部

春と秋の両方で色づく霊宝館の「野村楓」は口コミでも評判ですね。紅葉スポットとしては、近くの金剛峯寺や、壇上伽藍に通じる蛇腹道なども有名です。紅葉シーズンには合わせて巡るのがおすすめです。

また、春に咲くしゃくなげと紅葉とのコントラストも見事です。

霊宝館正面(石楠花)
▲春と秋の両方楽しめる「野村楓」と「しゃくなげ」の花の共演も見られる

編集部

高野山霊宝館の空いている時間帯を教えていただけますか?

宮地さん

平日は基本的に空いています。土日祝日であれば、GWなどの大型連休、夏休み、紅葉の時期以外は午前中であれば空いています。

編集部

高野山は見どころが多いので、午前中に高野山に到着するのが良さそうですね。

高野山の文化財グッズ:ミュージアムショップでのお土産選び

編集部

館内にショップなどはありますか?

宮地さん

館内にミュージアムショップがあり、当館収蔵の文化財関係のグッズを販売しております。展覧会で展示されていない文化財のグッズもお買い求めいただけます。例えば、絵はがきや文房具など、幅広い品揃えがございます。

高野山霊宝館内のミュージアムショップ
▲ミュージアムショップでは絵はがきなどのグッズも購入できる

編集部

公式サイトによると、特に人気なのが運慶作の国宝「不動明王坐像とその眷属八大童子像」のクリアファイルだそうですね。仏像は写真撮影が禁止されているため、お土産としてクリアファイルが人気なのも納得できます。

また、霊宝館では御朱印もいただけるそうです。クリアファイルと御朱印を一緒に頂くことで、霊宝館を訪れた素敵な記念になりそうですね。

編集部

高野山霊宝館に来館された方からは、どのような感想がありますか?

宮地さん

「展示されている文化財は全部本物ですか?」とよく質問されます。

他の施設から借りることなく、当館が所蔵する多くの指定文化財を展示していることをお伝えすると、皆様驚かれています。国宝や重要文化財を含む、貴重な仏教美術品の数々を直接ご覧いただけることが、来館者の方々に深い印象を与えているようです。

編集部

高野山は長い歴史の中で火事に悩まされ、多くの文化財が焼失してしまったそうですね。それでも、これだけの文化財が残っていることに高野山の素晴らしさを感じます。現存する文化財に感謝しながら、展示を十分に楽しみたいと思います。

来館者の感動の声:教科書で見た仏像との対面体験

編集部でも口コミサイトなどで、来館者の感想を調べてみました。多くの方が以下のような感想を述べています。

アイコン
貴重な文化財を間近で見ることができる
アイコン
紅葉が美しい
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教科書に載っている有名な仏像を実際に見ることができて感動した

展示されている文化財の素晴らしさや豊富な数に、多くの来館者が感動の声を寄せています。また、知る人ぞ知る紅葉の名所としても評判で、特に秋には境内の美しい紅葉を楽しむ来館者からの口コミも多数見られました。国宝級の仏像や歴史的価値の高い文化財を間近で鑑賞できる貴重な機会として、多くの方に高く評価されています。

お寺好き・戦国武将ファン必見:高野山霊宝館の魅力

編集部

高野山霊宝館へ訪れる予定のカップルにメッセージをお願いします。

宮地さん

当館は、高野山という宗教都市にあるため、デート目的で来られることは少ないかもしれません。しかし、お寺や仏教文化に興味のあるカップル、また戦国武将や歴史に関心のあるカップルの方は、ぜひとも高野山にお越しください。

高野山を巡る際には、高野山の貴重な文化財を展示する当館へも足を運んでいただけたら幸いです。豊富な展示品を通じて、二人で高野山の歴史と文化をより深く理解し、共有する素晴らしい機会になるでしょう。

編集部

宮地さん、今回はインタビューへのご協力ありがとうございました!

高野山霊宝館:アクセス・営業時間・料金等の基本情報

住所 〒648-0211

和歌山県伊都郡高野町高野山306
電話番号 0736-56-2011
アクセス 【電車】
JR和歌山駅から和歌山線で橋本駅へ。南海高野線に乗り換え、「極楽橋」駅で下車。
極楽橋駅からはケーブルカーで高野山駅へ。

【バス】
高野山駅より南海りんかんバス奥之院行きにて「千手院橋」下車、徒歩10分。
または大門行きにて「霊宝館前」下車。

【車】
阪和自動車道の橋本ICから高野山道路を経由
営業時間 【夏季(5月~10月)】8:30~17:30
【冬季(11月~4月)】8:30~17:00
※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日 年末年始のみ
※展示替えのため臨時休館する場合あり
駐車場 無料駐車場あり
拝観料 一般:1,300円
高校生・大学生:800円(※学生証要提示)
小学生・中学生:600円
平均滞在時間 30分~1時間
公式サイト https://www.koyasan.or.jp/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

高野山の二大聖地巡り:「奥之院」と「壇上伽藍」

弘法大師(空海)が開山した日本仏教の聖地「高野山」には、117か寺ものお寺が点在しています。山全体が「総本山金剛峯寺」の境内となっており、特に二大聖地とされる「奥之院」と「壇上伽藍」は必見のスポットです

高野山内には一般参拝客も宿泊できる宿坊が多数あります。宿泊して座禅などの修行体験をしたり、野菜や豆腐を中心とした精進料理を味わったりして、ゆったりと過ごすのもおすすめです。宿坊での滞在は、日常から離れて心身をリフレッシュする貴重な機会となります。

おすすめのデートスポット

世界遺産「壇上伽藍」:金堂・不動堂・御影堂の参拝ガイド

高野山霊宝館周辺のデートスポット「大門」

高野山の入り口に位置する大門は、300年以上前に建立された高さ約25mの荘厳な門です。国の重要文化財に指定され、世界遺産にも登録されている歴史的建造物です。

大門の左右には、東大寺南大門に次ぐ日本で二番目に大きい仁王像が威厳ある姿で立ち、訪れる人々を見守っています。その迫力ある姿は、高野山の神聖さを象徴しています。

高野山霊宝館から徒歩5分ほどの場所にある高野山真言宗の総本山「金剛峯寺」も、国の史跡および世界遺産に登録されています。現在の金剛峯寺は、豊臣秀吉が建立した青巖寺と興山寺が合併してできたもので、豊臣秀次が切腹した部屋も残されており、豊臣家の歴史を感じられる場所です。

金剛峯寺の別殿では、畳の間でお茶を楽しみながらゆっくりと休憩することができます。また、日本最大の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」も必見の名所です。この石庭は、その規模と美しさで多くの観光客を魅了しています。

高野山霊宝館から徒歩5分ほどの場所にある壇上伽藍(だんじょうがらん)地区は、「奥之院」と並んで高野山の二大聖地の一つとして知られ、世界遺産にも登録されています。この地区には、高野山の総本堂である金堂をはじめ、国宝に指定されている不動堂、大塔、御影堂など、重要な建造物が立ち並んでいます。これらの建造物は、高野山の長い歴史と深い信仰を物語っています。

公式URL:https://www.koyasan.or.jp/

「奥之院」の戦国武将供養塔巡り:豊臣秀吉・武田信玄ゆかりの地

高野山の二大聖地の一つである「奥之院」(世界遺産)は、壇上伽藍と並ぶ重要な場所です。ここでは、弘法大師空海が今も世の平和と人々の幸せを願って瞑想を続けていると伝えられており、現在でも毎日2回の食事が届けられています。

一の橋から続く約2kmの参道には、約20万基もの供養塔が立ち並んでいます。皇室や公家、大名の供養塔に加え、豊臣秀吉、武田信玄・勝頼、上杉謙信・景勝、伊達政宗、明智光秀といった著名な戦国武将の供養塔も多数あり、歴史愛好家にとって魅力的なスポットとなっています。

参道は樹齢千年を超える杉の巨木に囲まれ、神秘的な雰囲気に包まれています。ゆっくりと散策することで、心が静まり癒やされる貴重な体験ができるでしょう。

公式URL:https://www.koyasan.or.jp/

高野山の精進料理:「中央食堂・さんぼう」でのランチ体験

高野山を訪れた際に味わいたいのが、伝統的な精進料理です。高野山霊宝館から徒歩約8分の場所にある「中央食堂・さんぼう」は、高野山内のお寺にも仕出しを提供し、地元のお坊さんも訪れる人気店として知られています。

メニューには、彩り豊かな「精進花籠弁当(2,300円)」をはじめ、「胡麻豆腐湯葉巻揚げ(1,400円)」「麦とろろ御膳(1,250円)」などがあります。地元の旬の食材を使用した、ヘルシーでありながらボリューム満点の精進料理定食を楽しめます。(※価格はインタビュー時のものです)

高野山の中心地に位置し、高野山霊宝館や金剛峯寺からも近いため、観光の合間に立ち寄りやすい立地も魅力です。営業時間は11:00から16:00までですが、人気店のため料理が売り切れ次第閉店することがあります。確実に食事を楽しみたい方は、早めの来店をおすすめします。

歴史好きカップルの聖地:高野山で世界遺産と文化財を巡る充実デート

今回は和歌山県高野山にある「高野山霊宝館」と、周辺の世界遺産をめぐるデートプランを紹介します。

高野山霊宝館は、高野山内の貴重な文化財が集められた博物館です。年に4回の特別展覧会が開催され、中でも国宝・重要文化財が一堂に会する「高野山の名宝展」は見逃せません。この展示では、普段目にすることのできない貴重な仏像や古文書などを間近で鑑賞できます。

霊宝館の周辺には、世界遺産に登録されている高野山の名所が点在しています。金剛峯寺や壇上伽藍などの歴史的建造物、美しい仏像、そして独特な雰囲気の御朱印など、見どころが豊富です。歴史や仏教文化に興味のあるカップルにとって、この霊宝館を中心としたデートプランは魅力的な選択肢となるでしょう。ゆったりとした時間の中で、二人で日本の伝統文化に触れる特別な一日を過ごせます。