長野県小谷村で始める新生活!豊かな自然と充実の移住支援情報
この記事では、地方移住を検討している人に向けて、長野県北安曇郡小谷村(おたりむら)の暮らしを紹介します。
小谷村は手つかずの自然と、極上のパウダースノーが楽しめる世界的に人気なスキー場を有するむらです。豊かな自然をフィールドに楽しむアクティビティや、田舎暮らしならではの地域とのつながりなど、都会にない魅力にあふれています。
小谷村の暮らしの魅力をはじめ、住まいや仕事、移住支援制度などを詳しく解説していきます。
小谷村での暮らしの3つの魅力:自然・教育・地域のつながり
小谷村は長野県の最西北端に位置するむら。東は新潟県妙高市、西は新潟県糸魚川市と接し、内陸の長野県にありながら日本海とも距離が近いという、山も海も近くにある環境が特徴です。
そして小谷村は日本屈指の豪雪地帯でもあります。国内だけでなく海外からも注目を集めるスキー場を3つ有しており、冬はたっぷりと降り積もった天然雪を楽しむことができます。
そんな小谷村への移住をおすすめしたいのは、次のような方です。
- スキーやスノーボードなどのスノーアクティビティが好き
- 多少不便でも、都会では決してできない、田舎ならではの暮らしがしたい
- 自然環境を活かした子どもの学び、遊びの機会を充実させたい
- 休日は自然を活かしたアウトドアを楽しみたい
- 地域とのつながりを感じながら生活したい
上記の特徴を持つ方にぴったりの、小谷村の暮らしの魅力を3つご紹介します。
魅力1:日本屈指のスキー場と豊富な温泉!自然を満喫できる環境
▲小谷村を象徴する降雪後の「銀世界集落」
小谷村の魅力は何と言っても、村総面積の約90%を森林が占めている雄大な自然景観にあります。姫川渓谷と北アルプスが織りなす3,000m級の大パノラマは壮観で、国道から山道を登っていった先にある「眺望の郷」では、北アルプスの山々と53の集落を一望することができます。
小谷村は豪雪地帯として知られるため雪深い風景が印象的ですが、冬の雪景色だけでなく四季折々の彩りを楽しむことができるのもポイントです。
雨飾山では季節になると、山頂からふもとにかけてきれいなグラデーションの紅葉が見られます。
▲雨飾登山口に向かう途中にある車道から見える滝
雨飾登山口に向かう途中にある「鎌池」には遊歩道があり、紅葉シーズンには多くの人が訪れます。
▲鎌池の紅葉。水面に映る紅葉の景色が幻想的
そして小谷村と言えば、トップレベルの雪質を持つというスキー場。スキーを目的に移住する人も少なくないそうです。
▲栂池高原スキー場
小谷村のスキー場はコースが長く、幅も広い上級者から初心者まで楽しめるコースが揃っています。豊富な積雪量と雪質はとても人気が高く、冬になると世界各国からのスキーヤーが訪れ、国際色豊かになるそうです。
小谷村の魅力はスキー場のみにとどまりません。長野県は温泉地としても有名ですが、実は小谷村にも約11か所の温泉があるのです。
▲「小谷温泉 大湯元 山田旅館」にある宿泊用の温泉。建物が文化庁の登録有形文化財になっている
▲小谷村内にある白馬アルプスホテルの内湯
泉質はそれぞれ異なっており、観光客だけでなく地元の人にも親しまれています。雨飾登山口に向かう途中にある「雨飾荘」の隣にある「雨飾露天風呂」は無料で入浴できるそうです。
▲小谷村の「雨飾荘」の隣にある雨飾露天風呂は無料入浴が可能
道の駅小谷の施設内にも温泉があります。ドライブで立ち寄る方も多いですが、地元の人も多く利用しているのだとか。
▲道の駅小谷の施設内にある「深山の湯」の外湯
スキー場は冬のみとなりますが、栂池スキー場の一部で営業している「栂池WOW」はほぼ通年営業しており、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。
▲ほぼ通年で営業している「栂池WOW」ではスカイバイクをはじめ、さまざまなアクティビティが楽しめる
他にも、素晴らしい自然景観の中のキャンプサイトや、ホテル併設のキャンプ場など、アウトドアを満喫できるキャンプ場が充実しています。ファミリー向けのアクティビティも多いため、家族のお出かけ場所にも困りません。
魅力2:国際色豊かな教育環境と地域ぐるみの子育て支援
小谷村は約2,600人の小さな村で、子どもの数も決して多くはありません。しかし豊かな自然の中でのびのびと子どもを育てたいという方には望ましい環境が揃っています。
村唯一の保育園である「小谷村保育園」(認定こども園)は、自然保育を推奨する「信州やまほいく」(※)に認定されており、自然に囲まれた環境を活かした園外での遊びをとても大切にしています。豊かな自然の中でさまざまな活動をすることで、子どもが多くの刺激を受けながら育つことができるのが魅力です。
※信州やまほいく…幼児期の子どもに対して自然環境を活かして知力・体力を高める「自然保育」を推奨するために、長野県で2015年からスタートした認定制度
また、小谷村複合拠点施設「おたりつぐら」は地元の子どもたちの良い交流の場となっています。多世代交流拠点となっているため、子ども同士の交流はもちろん、さまざまな世代の方と触れ合うこともできます。
▲小谷村複合拠点施設「おたりつぐら」でのにこにこ体操の様子
小谷村では英語教育など、国際色豊かな教育が充実していることも特徴です。外国人観光客が多いこともあり、幼少期から英語に慣れ親しんでもらうことを目的に保育園、小学校、中学校で無料の「おたり塾」を開催しています。台湾、ニュージーランドなどの海外都市とも協定を結んでおり、異文化を学ぶ機会も用意されています。
そして移住した子育て世帯の方から口々に聞かれるのが「地域の人が自然と子どもに声をかけてくれる」という声です。小谷村には地域のつながりの中でたくさんの人に見守られながら子どもを育てていける環境があるようです。
自然の中の体験や子ども同士の交流機会、そして国際色豊かな教育環境が揃っている小谷村は、子どもを育てていく上でとても魅力的な環境と言えます。さらに地域ぐるみで子どもを見守る風土があることも、保護者の方の安心にもつながる大切な要素だと思います。
魅力3:地域の絆を深める多彩なイベントと伝統行事
▲たくさんの人が集う「塩の道まつり」スタート地点の様子
小谷村では地域の良さや、地域とのつながりを感じられるお祭りなどのイベントが充実しています。
特に小谷村、白馬村、大町市で毎年ゴールデンウィークに開催される「塩の道まつり」は、地元の人たちの温かいおもてなしを受けながらウォーキングを楽しむことができる、地域の良さを活かした伝統的なお祭りです。
▲昔の歩荷の格好で塩の道を歩く人々
▲春の風景を堪能しながら古道歩きを楽しむ
小谷村塩の道の途中には「牛方宿(うしかたやど)」があります。昔の牛方さん(※)が休憩、または宿泊した場所を通りながら、歴史に思いをはせてウォーキングができますよ。
※牛方:糸魚川から塩を牛にくくりつけて引っ張ってきた人。
▲小谷村塩の道の途中にある「牛方宿」
他にも栂池自然園で初夏の季節に行われる『栂池自然園水ばしょう祭り』などの比較的規模の大きなものから、小谷村の伝統工芸「藁細工」を体験できるワークショップのような気軽なイベントまで、さまざまなイベントが開催されています。
▲栂池自然園でみられる美しい水芭蕉
ただ楽しいだけでなく、地域への理解や地域とのつながりをより深めることができるのが、小谷村のイベントの魅力。積極的に参加することで、小谷村への愛着がどんどん育まれていくのではないでしょうか。
小谷村の生活情報:気候・医療・教育・交通・買い物事情
気候 | 冬は大変雪深く、冬期の積雪は12月上旬から4月上旬に及ぶ。 1月:平均気温-2.8℃ 8月:平均気温22.6 °C ※参考:気象庁ホームページ(小谷村内に観測地点がないため、白馬村地点を参照) |
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人口 | 約2,600人 ※参考:総務省人口動態統計 |
病院 | 一般診療所:1か所 歯科医:1か所 |
学校 | 保育所:1か所(認定こども園) 小学校:1校 中学校:1校 高等学校は村内にはないが、小谷村と白馬村が寮の運営等を行う「白馬高等学校」が白馬村ある。 |
交通 | 村内では車移動が基本。小谷村の中心を流れる姫川沿いに走る国道145号羽扇が幹線道路となっている。 ・長野市の中心部まで車で約1時間30分 ・白馬村まで約20分、大町市まで約45分 ・安曇野ICまで約1時間30分 |
買い物施設 | 24時間営業のコンビニは1件。スーパーは白馬村まで行く必要あり |
近隣都市 | 白馬村、大町市 |
小谷村への移住においてまず気になるのは、冬期の積雪の状況ではないでしょうか。
実際には地域によって多少異なりますが、一晩で1m近くの雪が積もることもあるそうです。しかし国道はもちろん県道も村道も除雪はきちんとなされているため、車社会とはいえ運転に支障はありません。
ただし、自宅の周りや私道は自分で除雪をする必要があります。雪かきは毎日のルーティーンの一部になっている人も多いそう。またもちろんスタッドレスタイヤは必須ですが、それでも雪道の運転に慣れていないと怖いと感じてしまう部分はあるかもしれません。
もし小谷村の移住を本格的に検討するのであれば、暖かい春だけでなく、最も寒い季節を見ておくことがおすすめ。どのくらいの積雪量かを確認し、地域の皆さんがどのように対応しているのかを移住相談窓口で確認しておくのが良いでしょう。
冬の寒さが厳しい分、春の訪れに心から感謝する意識が芽生えるそうです。季節の変化を感じ取り、それに感謝することができるのも、自然に囲まれた小谷村ならではの魅力です。
小谷村の食文化:自然の恵みが生み出す郷土料理と特産品
▲小谷村の郷土料理「ちゃのこ」。そば粉・小麦粉に加え、ゆでた馬鈴薯を練りこんであり、腹持ちのよい農作業のお供。
小谷村の暮らしを紹介する上で、自然の恵みを活かした「食」の魅力は欠かせません。スーパーやコンビニエンスストアなど日常的に買い物できる場所は多くはないものの、地域の特色を活かしたおいしい食べ物を日常的に楽しむことができます。
特に有名なのが、北アルプスの麓という条件を活かして生産されたお蕎麦。小谷村の山奥にも行列ができる程人気の蕎麦屋さんがある程です。
▲小谷村産のそば粉を使ったお蕎麦
そして積雪を活かした雪中キャベツも有名です。雪の下で寒さに耐えたキャベツはとても甘く、果物並の糖度を持っています。
▲雪深い気候条件を活かして栽培される「雪中キャベツ」
他にも、郷土料理の「ちゃのこ」や、小谷村でしか食べられない極上のお弁当「otari弁当」など、食の魅力に事欠かない小谷村。おいしい食べ物が身近にあることは、暮らしを豊かにしてくれるのではないでしょうか。
▲ミシュラン一つ星フレンチレストラン「sio」のオーナー、鳥羽周作シェフ監修でつくりあげられたお弁当
小谷村の仕事事情:季節労働と移住者向け就業支援制度
小谷村は夏場と冬場で生活環境が大きく変わるため、季節によって仕事を変える方も多いのが特徴です。小谷村の正社員の求人数を大手求人サイトで調べてみると、約200件の正社員の求人がヒットしました。
※参考:求人情報の一例
近隣も含めると、約1,100件となりました。白馬村や大町市、新潟県糸魚川市など近隣市町村で働いている人もいるそうです。
※参考:求人情報の一例
小谷村ではテレワーカーも対象となる移住者向けの就業支援として補助金制度があります。ワーケーションができる環境も整っているため、多様な働き方を視野に入れながら仕事を検討してみるのが良いかもしれません。
UIJターン就業・創業移住支援補助金 | 【対象】 村内に移住し、就業または創業した方 【補助額】 ・県共同補助対象者…単身者:60万円、2人以上の世帯:100万円 ・村独自補助対象者…単身者:15万円、2人以上の世帯:25万円 ※県指定企業に限る |
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小谷村の住まい情報:空き家バンクと移住者向け住宅支援制度
小谷村では賃貸物件はほぼなく、空き家バンクの登録物件も現時点ではあまり数がありません。しかし移住先としての人気の高まりを受け、村全域で今後活用できる空き家を掘り起こしていく動きがあるそうです。
現在は空きやバンクの他にも、「移住定住促進住宅」という村が空き家を改修し賃貸物件として移住者向けに提供する制度や、村営住宅制度などで移住者の住まいへの支援を行っています。
空き家バンクや移住定住促進住宅の物件情報は随時更新されていきますので、こまめにチェックしてみてください。
※最新の物件情報はこちら:https://otarigurashi.com/property/
小谷村移住者の体験談:自然・人々・暮らしの魅力
ここでは、実際に小谷村に移住された方の声を紹介します。
- 静かでビジーじゃない小谷の魅力に惹かれて移住した(Sさん:Iターン)
- 小さい頃、小谷村に住む祖父母に会いに来ていた。大学卒業を機に東京で暮らしたが、小谷村の風景が忘れられなくて移住した(Mさん:孫ターン)
- 農のある暮らしをできる場所を探していて、ちょうど協力隊の募集があったために移住。趣味のスノーボードができる環境であったのもポイント(Tさん:Iターン)
- 子どもからお年寄りまで“ため口”で話す、年齢の垣根がないのが小谷村の良さ(Kさん:Iターン)
- 小谷村には若い人のチャレンジを見守り、応援してくれる土壌がある(Aさん:Iターン)
豊かな自然や人気のスキー場に惹かれたという人が多い一方で、移住後に感じる人と人との距離の近さ、チャレンジを見守る雰囲気に魅力を感じたという声も聞かれます。都会にはない環境で、自分らしく過ごすことができている人が多い印象です。
小谷村への移住ステップ:相談から定住までの4段階ガイド
ここからは小谷村へ移住するための4つのステップをご紹介します。小谷村では移住に際して不安を感じることをクリアできるようなさまざまな仕組みが用意されているので、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1:移住相談窓口とアドバイザー制度の活用
小谷村の移住相談窓口である「観光地域振興課集落支援係」に連絡すると、その人に合った「移住者アドバイザー」を紹介してくれます。移住者アドバイザーには生まれも育ちも小谷村の方もいれば、移住の先輩もおり、さまざまな視点からのアドバイスを受けることができます。
その他、首都圏や大阪、名古屋市で開催されている「移住セミナー」にも小谷村がブース出展することがあるため、足を運んでみても良いかもしれません。
ステップ2:お試し移住とワーケーションで小谷村暮らしを体験
▲古民家を活用した小谷村のお試し移住住宅「深原農山村体験交流滞在型施設」
気になる点や不安な点を相談した後は、実際に現地に行って暮らしを体感してみましょう。小谷村ではお試し居住ができる「深原農山村体験交流滞在型施設」を整備しています。
▲深原農山村交流滞在型施設の内装。古民家の良さを残した魅力的なお試し住宅
古民家を利用した宿泊施設で、1泊2日の短期からも利用可能、冬は除雪も体験できます。本格移住前にぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
また、小谷村の地域住民との交流を目的とした「おたり旅」や、多様なワーケーションプログラムなど、現地を体感できる機会は多く用意されています。自分に合うツアーなどを探しながら、小谷村でのリアルな暮らしをイメージしておきましょう。
ステップ3:住居・就業情報の確認と各種支援制度の利用
小谷村での暮らしを体感しながら移住が現実的になってきたら、具体的なステップに入ります。この記事内でも紹介したような住まい、仕事に関する情報をチェックしつつ、移住に関する補助金制度なども確認しておきましょう。
小谷村では主に以下のような移住・定住支援制度を設けています。人によって受け取ることができる条件は異なりますし、情報が更新される場合もあるため、最新情報の内容を確認しながら自分に合った支援制度がないか探してみてください。
村内限定商品券プレゼント | 【対象】 ・小・中学校入学者 入学年度の5/1時点で住民票のある世帯へ送付 【内容】 ・村内の登録店舗で利用できる地域商品券10,000円分をプレゼント |
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定住住宅取得支援補助金 | 【対象】 ・住民又は住宅取得後、移住される方 【内容】 ・新築住宅…最大250万円 ・中古住宅…最大100万円 |
ステップ4:村仕事への参加で地域コミュニティに溶け込む
小谷村では各集落に「村仕事」と呼ばれる共同作業があり、お祭りの準備や清掃活動など、地域に欠かせない作業を地域の人が共同で行っています。地域とのつながりの深さが日常に根付いているのは、都会にはない、田舎暮らしならではの魅力です。
このような村仕事をはじめ、地域のイベントやお祭りには積極的に顔を出すことで、自然と地域とのつながりができてきます。小谷村は都会のような便利さが少ない分、地域同士の助け合い・支え合いは欠かせません。良い関係を育みながら、お互いに安心して生活できる環境づくりをしていきましょう。
小谷村移住サポート:問い合わせ先と公式情報サイト
担当課 | 観光地域振興課 集落支援係 |
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住所 | 〒399-9494 長野県北安曇郡小谷村大字中小谷丙131 |
電話番号 | 0261-82-2589(直通) |
対応時間 | 08:30~17:15 |
公式サイト | 村公式サイト:https://www.vill.otari.nagano.jp/www/index.html 移住支援サイト:https://otarigurashi.com/ |