【山口県】二尊院で叶える!挙式と新婚旅行を同時に楽しむ仏前式プラン
「仏前式がおこなえる趣深いお寺を紹介!」でご紹介するのは、山口県長門市にある「二尊院」です。
二尊院では、縁結びの祈願に訪れたカップルがフォトウェディングを希望したことをきっかけに、仏前式の企画を始めました。また、宿坊「えんとき」では、ユニークな体験を提供しています。
2021年には、環境省主催の『第16回 エコツーリズム大賞 特別賞(環境大臣表彰)』を受賞しました。
仏前式を検討している方や、お寺でゆったりと過ごしてみたい方は、ぜひ最後までお読みください。この記事では、二尊院の魅力や仏前式の詳細について紹介します。
二尊院の1200年の歴史と魅力的な見どころ
▲二尊院の楊貴妃像
二尊院は山口県の長門市にある真言宗御室派のお寺です。
国指定重要文化財の釈迦如来と阿弥陀如来という二体の仏さまをご本尊として祀っています。この二体の仏さまは、仏教界で最も尊いとされる如来です。
また、二尊院では楊貴妃渡来伝説が語り継がれています。境内には楊貴妃の墓と伝えられる五輪塔(山口県指定有形文化財)があります。この場所では「安産・子宝・縁結び」を願うことができ、美しい子どもを授かると言われています。
二尊院の宿坊「えんとき」では1日1組限定で、座禅や精進料理などの伝統的な体験ができます。さらに、宿泊者は「夜の坊主バー」「懺悔(ざんげ)カウンセリング」「厄払いクルージング」などのユニークな体験も楽しめるそうです。
それでは、二尊院の住職である田立智暁さんに、お寺の歴史や見どころなどについて、お話を伺っていきましょう。
由来:楊貴妃伝説と1200年続く歴史
インタビュアー
二尊院がどのようなお寺か教えてください。
田立さん
二尊院は真言宗御室派に属する寺院です。正式名称を龍伏山天請寺二尊院と言い、山口県の古刹(こさつ)です。
山口県長門市油谷にある向津具半島(むかつくはんとう)の中央付近、久津地区の小高い丘に位置し、境内は西向きに配置されています。
寺伝によると、創建は大同二年(807年)で、天台宗の開祖である伝教大師・最澄の開基とされています。かつては向津具半島内に八つの僧坊と十五の末寺を従える大寺院で、別名「向津具城」と呼ばれていました。
ご本尊は釈迦如来と阿弥陀如来(両体ともに国指定重要文化財・鎌倉時代)という二体の仏さまです。
インタビュアー
1,200年以上の歴史を持つ二尊院が、この地で大切に守られてきたことがよくわかります。ご本尊が2体で1つの「二尊仏」という珍しい形式だそうですね。
田立さん
はい、この形式でお祀りするのは大変珍しいものです。どちらの仏さまも仏教界で最も尊ばれる如来であり、それぞれ異なる役割を持つ仏教界の重要な存在です。
また、当寺院には楊貴妃渡来伝説が伝わっており、境内には楊貴妃の墓とされる五輪塔(山口県指定有形文化財)があります。
二尊院にお参りすると「安産・子宝・縁結び」の御利益があり、美しい子どもに恵まれるとされています。さらに「婦人病封じ」の効験もあるとされ、女性の救済を目的とした寺院として信仰を集めています。
境内に隣接して「楊貴妃の里」という中国風の公園があり、唐の都・長安の雰囲気を味わうこともできます。
インタビュアー
二尊院は、世界三大美女の一人とされる楊貴妃とも深い関わりがあるのですね。楊貴妃が最期に流れ着き、この地に葬られたという伝説が残っているそうです。
縁結びや子宝を願う方だけでなく、歴史愛好家にとっても魅力的な場所だと言えそうですね。
宿坊「えんとき」:1日1組限定のユニーク体験と宿泊
▲二尊院の住職ご夫婦
インタビュアー
二尊院に訪れた際の見どころやオススメなどはありますか?
田立さん
2020年8月29日、ゆったりとした時の流れる「宿坊えんとき」が二尊院に誕生しました。
「えんとき」とは「不要な縁を切るのではなく、自身の縁を見直し、必要な縁を選んで結び直す」という意味です。
1日1組限定で、座禅や精進料理など宿坊ならではのおもてなしでお迎えします。
宿泊者は様々な修行体験をしていただけます。「朝のお勤め」「写経」「写仏」といった一般的な体験に加え、滝行・護摩行・念珠づくりなども用意しています。
さらに、住職と深く語り合える「夜の坊主バー」や「懺悔(ざんげ)カウンセリング」といったユニークな体験も提供しています。
特に注目の体験は「厄払いクルージング」です。住職が操縦する船に乗り、北長門海岸国定公園の絶景を楽しみながら、「角島大橋」や「俵島」を巡ります。
船上では、土でつくった厄玉に懺悔や感謝の気持ちを込めて海に投げ入れ、大自然の中で心を清める厄払いを行います。
また、仏前式を予定されているカップルには、式で交換する念珠の手作り体験もご用意しています。
インタビュアー
「宿坊えんとき」では本当に多彩な体験ができるのですね。伝統的な体験から、ここでしか味わえないユニークな内容まで揃っていて魅力的です。特に「厄払いクルージング」は、自然を感じながら心を浄化できる素晴らしい体験だと思います。
二尊院の仏前式:特別な体験と荘厳な雰囲気
▲二尊院で行う仏前式の指輪交換の様子
二尊院では、2020年8月から仏前式を執り行っています。
縁結びの祈願をしたカップルが婚約し、フォトウエディングを希望したことがきっかけで仏前式を始めたそうです。寺院の荘厳な雰囲気が高く評価されたことも要因の一つだったとのこと。
二尊院の仏前式には特別な特典があります。式の後、住職の案内により通常は非公開の本尊を特別に参拝できます。さらに、本尊の御前で新郎新婦と親族での記念写真撮影も可能だそうです。
それでは、二尊院の仏前式の具体的な内容について、田立さんにさらに詳しくお聞きしていきましょう。
縁結びの願いから始まった二尊院の仏前式
インタビュアー
二尊院で仏前式を行うようになった時期や、きっかけを教えてください。
田立さん
2020年8月からです。
こちらで初デートの折、縁結びの祈願をされたカップルがめでたく婚約となり、当山でフォトウエディングを希望されたのがきっかけです。
写真撮影だけでなく実際に結婚式を挙げることができたらよいなと考え、宿坊を開業すると同時に仏前式の受け付けを始めることにしました。
また、自身も自坊で仏式の結婚式を挙げた経験があり、当地域ではあまり見かけない荘厳な雰囲気に、妻の親族や友人などからも高い評価をいただいたのも一因です。
インタビュアー
二尊院は、縁結び・安産・子宝・婦人病封じなど、さまざまなご利益があるそうですね。仏前式ならではの厳かな雰囲気で、気持ちが引き締まるような式になりそうです。
国指定重要文化財:本尊の特別拝観体験
▲二尊院で行う仏前式の様子
インタビュアー
二尊院の仏前式ならではの良さを教えてください。
田立さん
当山の本尊は鎌倉期に造られた国指定重要文化財の釈迦如来立像と阿弥陀如来立像です。
本堂での式後には、住職の案内により、おふたりだけで遣迎殿にご入堂いただき、御法楽(般若心経)をお勤めののち、通常非公開の本尊を特別参拝いただくことができます。
本尊の四方には、鎌倉時代建立の四天王立像(山口県指定有形文化財)もお祀りしております。
遣迎殿の静寂の中、由緒ある仏さまの御前で、おふたりのご縁が結ばれ、ご夫婦になられた幸せや感謝の気持ちを深めることができます。新生活に向けて、おふたりの気持ちを一つにする、かけがえのない時間となるでしょう。
インタビュアー
貴重な国指定重要文化財の仏さまの前で幸せをかみしめ、気持ちを整えることができるのですね。おふたりが素晴らしいスタートを踏み出すうえで、またとない経験になりそうです。
仏前式の流れと本尊前での記念撮影
インタビュアー
二尊院の仏前式では、どのようなことを行うのでしょうか。
田立さん
以下の流れで仏前式を執り行います。
- 灌頂作法(お清め)
- 新郎新婦念珠交換・指輪交換
- 授戒作法(戒律を授かります)
- 訓戒(住職からの戒めの言葉)・誓約(新郎新婦誓いの言葉)
- 三三九度(新郎新婦、親族一同)
- 法楽(読経)
所要時間は約30分です。
式後には、本尊御前で新郎新婦とご親族が記念写真の撮影もできます。仏像の前で撮影する写真は、特別な思い出になるでしょう。
インタビュアー
仏前式は「仏さまとご先祖さまに感謝を捧げ、来世までの結びつきを誓う」という仏教の考えに基づいているそうですね。住職から数珠を授かる「念珠交換」は、仏前式ならではの儀式です。長い歴史と伝統を感じながら、新郎新婦が愛を誓うことができる貴重な機会となりそうです。
二尊院の仏前式:準備から当日までの重要ポイント
ここまでの記事を読んで、二尊院の仏前式に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
二尊院での仏前式を申し込む前に、予約方法や申し込みの日程、参列可能人数などが気になるところだと思います。また、ユニークな体験ができる宿坊「えんとき」の宿泊料金についても、ぜひ知っておきたい情報でしょう。
二尊院で仏前式を挙げる際に事前に知っておくべき重要な点について、田立さんにお話を伺っていきたいと思います。
予約方法と申し込み手順
▲二尊院で行う仏前式の様子
インタビュアー
二尊院での挙式を申し込むまでの流れを教えてください。
田立さん
メールかお電話でご予約ください。その際、希望の日時や参加予定人数、その他ご要望などの詳細をお知らせください。事前に式の内容や準備について相談させていただきます。
インタビュアー
二尊院の公式サイトには、メールフォームも用意されています。仏前結婚式を検討されている方は、まずはこちらから問い合わせてみるのがよいでしょう。
仏前式の参列人数制限と控室の利用案内
インタビュアー
二尊院の仏前式では、最大で何名までの参列が可能でしょうか。また、控室の準備などはありますか?
田立さん
参列が可能な人数については、両家合わせて30名(15人ずつ)が最大です。これは、式場のスペースや雰囲気を考慮した人数となっています。
控室は、宿坊内に8畳の和室が2室ございますので、そちらをご利用いただけます。新郎新婦それぞれのご家族や親族の方々がくつろげるスペースとなっています。
仏前式の申し込み期限:希望日の1カ月前まで
インタビュアー
二尊院で仏前式をしたいときは、何カ月前頃までに予約をすればよいでしょうか?
田立さん
1カ月前までにご予約ください。ただし、人気の日程や季節によっては早めの予約をおすすめします。
インタビュアー
早めに予約することで、希望の日程で式を行える可能性が高くなりますね。ありがとうございます。
仏前式の衣装とヘアメイク:準備のポイント
インタビュアー
仏前式当日の貸衣装や着付け・ヘアメイク・写真などはお願いできますか?
田立さん
ご自身でご準備いただきます。遠方からお越しの方や、準備に不安がある場合はぜひご相談ください。できる限りサポートさせていただきます。
インタビュアー
仏前式の事前準備について不安な点がある方も、二尊院に相談しながら決めることでスムーズに準備できそうですね。衣装やヘアメイクも自分の好みのスタイルに合わせられるのが魅力的です。
二尊院の魅力:挙式と新婚旅行を一度に楽しむ
▲二尊院の客室
インタビュアー
こちらで人気の「宿坊えんとき」の利用料金について教えてください。
田立さん
宿泊料金は、以下の通りです。
1人 | 16,500円 |
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2人以上 | 13,000円(1人あたり) |
※表示は税込み価格
客室は和室8畳が2部屋で、最大8人までの宿泊が可能です。1日1組限定で、1泊2食付き(食事は精進料理)となっています。
修行体験などの料金は公式サイトでご確認ください。
「宿坊えんとき」のご宿泊者さまには、朝夕勤行・密教座禅(月輪観)・写経・写仏・作務・夜の坊主バー・懺悔カウンセリング・占いカウンセリングを無料で提供しております。これらの体験を通じて、仏教の世界に触れていただけます。
挙式とあわせて宿坊えんときでの新婚旅行を楽しんでいただくことも可能です。
無料の体験をおふたりで心ゆくまで堪能していただくのはもちろん、周辺の観光もおすすめです。向津具半島は「じゃらん九州・山口人気観光地ランキング2020」の宿泊旅行で行ってよかった観光地の1位「角島周辺」と2位「長門市・長門湯本温泉」の間に位置しています。宿坊えんときを拠点に、さまざまな観光スポットに足を運んでみられるのもお薦めです。
私と坊守は長門市長が認定する長門市観光コンシェルジュの第一期メンバーです。近隣観光についてのご相談にも対応しております。
厄払いクルージングでは、天候が良ければ角島大橋の下をくぐりに行きます。季節によってはイルカの大群と出会うこともありますよ。
また、環境大臣表彰をいただいた際、国定海岸での体験や山岳修行をエコツーリズム化し、信仰と文化を組み合わせたユニークな体験を提供していることや、向津具半島における地域資源の活用と地域活性化の取組を評価していただきました。
私自身、山伏でもあり、マニアックな僧侶であると自負しております(笑)。気軽に体験できるものからストイックな山岳修験まで、わかりやすく楽しい仏教談義を交えてご提供させていただいております。
インタビュアー
とても充実した内容ですね!
二尊院での仏前式を考えている方は、こちらで新婚旅行を行うのも素敵な思い出になりそうです。
二尊院住職からのメッセージ:仏前式の意義と魅力
▲二尊院の住職である田立智暁さん
インタビュアー
最後に、仏前式を考えているカップルにメッセージをお願いします。
田立さん
仏前式は違う人生を歩んできた二人が、夫婦として、ともに助け合いながら歩んでいくことを仏さまと親族の前で誓うものです。
近年、結婚式自体が形式化され、その意義が軽視されている傾向があります。また、社会情勢の影響で、結婚式の開催を躊躇される方も多いでしょう。
しかし、生涯を共にするパートナーとの誓いを交わす大切な儀式ですので、その意味を重視していただきたいです。これは、LGBTQの方々にも同様に当てはまります。
仏教界でも、LGBTQに関する議論が徐々に増えています。多様な性のあり方は古くから存在していました。当寺は長い歴史を持つからこそ、どなたにも人生の節目として仏前式を挙げていただける環境を整えています。
特に、仏教に親しみのある方、先祖や縁を大切にしたい方、結婚と同時に厄払いを希望される方、宿坊体験をしたい方、自分らしい結婚式を挙げたい方には、二尊院での仏前式をお勧めいたします。
インタビュアー
仏前式に馴染みがない方も多いかもしれませんが、これを機に挙式の意味を振り返ることもできそうですね。また、厳かな雰囲気での儀式によって、おふたりの今後を見つめるきっかけにもなりそうです。
本日は貴重なお話をしてくださりありがとうございました!
二尊院へのアクセス方法と施設基本情報
住所 | 〒759-4623 山口県長門市油谷向津具下3539 |
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電話番号 | 090-3889-7696 |
公式サイト | https://nisonin.com/ |