石川県九谷焼美術館で伝統美を堪能!加賀市の歴史と温泉を巡るカップルデートプラン
今回紹介するのは、石川県加賀市にある石川県九谷焼美術館を中心に、地元の歴史と温泉を巡るウォーキング&ドライブデートプランです。
石川県九谷焼美術館は、ガーデンハウスのようなかわいらしい雰囲気の建物の中で、加賀市の伝統工芸である「九谷焼」の作品を鑑賞できる美術館です。展示室は広々としており、窓からは美しい庭園が見え、自然光が差し込む癒しの空間となっています。
午後からは美術館周辺の寺院群と温泉を訪れます。アート愛好家はもちろん、歴史に興味がある方や、ゆっくりとした時間を過ごしたいカップルにもぴったりのプランです。
おすすめカップル:アート・歴史好き、温泉でリフレッシュしたいカップル
どんなデート?:見て、体験するデート
目安時間:6時間30分
目安予算:2人で5,000円~8,000円
加賀市で楽しむ伝統工芸と温泉の1日デートプラン概要
今回紹介するのは、石川県加賀市内を歩きながら地域の歴史や文化を学び、最後に片山津温泉で1日の疲れを癒す、ウォーキング&ドライブデートプランです。加賀市の魅力を存分に楽しめる内容となっています。
9:50 | JR大聖寺駅前の駐車場に車を停める |
---|---|
移動 | 徒歩約10分 |
10:00~11:30 | 石川県九谷焼美術館で展示を鑑賞 |
移動 | 徒歩約7分 |
11:30~12:30 | インドネパール料理「プラシッダ加賀店」でランチ |
移動 | 徒歩約7分 |
12:30~14:30 | 山ノ下寺院群でお寺巡り |
移動 | 車で約20分 |
14:50~16:30 | 片山津温泉の総湯で休憩 |
石川県九谷焼美術館から山ノ下寺院群までは、それぞれの距離が近いため歩いて散策します。山ノ下寺院群から片山津温泉は距離があるため、車を使うのがおすすめです。車はJR大聖寺駅前にある駐車場に停めておきましょう。このプランでは、加賀市の伝統工芸、グルメ、歴史、温泉を一度に楽しむことができます。
それではデートプランのメインスポットでもある、石川県九谷焼美術館について詳しく紹介します。
石川県九谷焼美術館:九谷焼の魅力を堪能できる専門美術館の見どころ
石川県九谷焼美術館は、石川県加賀市にある美術館です。「古九谷」をはじめとする九谷焼を専門的に扱っており、常設展示室は青手の間・色絵の間・赤絵の間と、焼き物に描かれた絵の色味ごとに3つの部屋に分けて展示を行っています。
魅力はのんびり・ゆっくり鑑賞できる展示室内の環境です。展示ケースや作品の間隔に余裕があり、窓からは庭園が見え、柔らかな日光が差し込むため、落ち着いた雰囲気でそれぞれの作品をじっくりと鑑賞できます。
庭園には、「水琴窟」という趣のある仕掛けがあります。手水鉢に水滴を落とすと、内部で涼やかな音色が反響するので、時間に余裕がある際は体験してみましょう。企画展では、個々の作家の作品を重点的に取り上げたものや、焼き物と資料を関連付けて地域の歴史を紐解くものなどを開催しています。
展示を一通り見終わったら、カフェ「茶房古九谷」で休憩するのがおすすめです。現代の作家が作った九谷焼のカップで、日本茶や中国茶を楽しむことができます。カフェの隣に併設されているミュージアムショップでは、グッズだけでなく焼き物も購入できるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
ここでは石川県九谷焼美術館の副館長である上野さんに、美術館の魅力やおすすめの作品などを教えていただきます。
自然光に包まれた展示室で九谷焼をゆったり鑑賞
編集部
石川県九谷焼美術館では、焼き物のなかでも江戸時代の「古九谷」や「再興九谷」を中心に展示を行っていると伺いました。どのような作品を展示しているのか教えていただけますか?
副館長・上野さん
当館は日本で唯一の九谷焼専門の美術館として、約360年以上前に作られた「古九谷」など九谷焼の名品を展示しています。江戸時代初期の「古九谷」から、一度途絶えた後に復活した「再興九谷」まで、九谷焼の歴史を辿る貴重な作品を見ることができます。
編集部
展示する作品のジャンルがかなり絞られている石川県九谷焼美術館ですが、ほかの施設との違いや自慢できる部分は何ですか?
副館長・上野さん
九谷焼発祥の地・石川県加賀市にある専門美術館として、自然光を取り入れた展示空間で九谷焼の魅力を最大限知っていただけることだと思います。自然光のもとで作品を鑑賞することで、釉薬の色彩や質感をより生き生きと感じ取ることができます。
編集部
来館者にどんなことを学び、感じてほしいですか?
副館長・上野さん
作品の魅力を、実物を直接見たうえで感じ取ってほしいですね。今なお輝きを放つ釉薬の美しさ、当時の職人の卓抜した筆のタッチやデザイン性に注目していただきたいです。古九谷と再興九谷の違いを比較しながら、九谷焼の歴史と技術の進化を感じ取っていただけると嬉しいです。
編集部
個人的には、古九谷の魅力は華やかな色遣いと、繊細な筆のタッチだと思っています。遠目から見ると豪華な花のデザインでも、近くで見ると葉脈や花弁が細かく描かれているんですよね。デートの際は、自分の発見を相手に伝えながら鑑賞してみたいです。
九谷焼の名品と作家に焦点を当てた多彩な企画展
編集部
石川県九谷焼美術館では、「九谷焼」という特定のジャンルに焦点を当てた展示を行っていますが、どのような企画展を開催しているのでしょうか?
副館長・上野さん
名品をご紹介する特別展や、近代の名工の作家を紹介する企画展などを開催しています。特別展では、主に次のような作品の展示を行っています。
- 古九谷(17世紀後半に制作された最古の九谷焼)
- 吉田屋窯(再興九谷の代表的な窯で、19世紀初頭に活躍)
また、現代作家の作品展示も行っており、西洋絵画の要素を取り入れた作品や、日常生活で使用される器の形を活かした作品など、多様な表現を紹介しています。
過去には次のような展覧会を開催しました:
- 吉田屋の逸品 ースタンダードからバラエティまでー:吉田屋窯の代表作から珍しい作品まで幅広く紹介
- 知られざる近代九谷の名工 谷口駒吉:近代九谷焼の発展に貢献した作家の業績を紹介
- 硲三彩亭作品展:独自の絵付け技法で知られる現代作家の作品を展示
これらの展示を通じて、九谷焼の歴史的価値や現代における表現の多様性を深く理解していただけるよう努めています。
副館長イチオシ:繊細な美しさが際立つ「赤絵細描」
編集部
九谷焼を専門的に扱っている石川県九谷焼美術館ですが、上野さんが思う施設の魅力は何ですか?
副館長・上野さん
庭と一体になった各展示室で、それぞれの作品とゆっくり・じっくり向き合えるところだと思います。展示室の横に設けられた庭園により、開放感のある空間で作品鑑賞を楽しめます。また、自然光を取り入れることで、作品の色彩や質感をより生き生きと感じることができます。
編集部
日本各地にある焼き物のなかでも、九谷焼は特にカラフルだと思うのですが、上野さんがお気に入りの作品はありますか?
副館長・上野さん
やや暗めに設定した展示室で鑑賞する、赤絵細描(あかえさいびょう)ですね。赤と金で描かれた繊細な筆致の作品が、薄暗い空間にぼんやりと浮かび上がるように感じられます。美しく細かい線の作品には思わず溜息が出ることでしょう。この技法は江戸後期に発展し、九谷焼の特徴的な表現方法の一つとなっています。
▲上野さんおすすめの作品。使っている色はほとんど赤のみで、とても華やかです。
編集部
文様がとても繊細な作品ですね!よく見ると、剣の先端のような形の装飾の中にも、細かく模様が描かれています。
石川県九谷焼美術館では作品の色使いごとに、展示室を青手の間・色絵の間・赤絵の間の3つに分けているそうですね。青手の間は厳か、色絵の間は華やかなど、部屋ごとの雰囲気の違いも感じながら鑑賞できるのが特徴です。これにより、九谷焼の多様な表現方法や歴史的な変遷を体系的に理解することができます。
九谷焼の器で楽しむカフェと充実のミュージアムショップ
編集部
石川県九谷焼美術館では、体験できることや、美術館内のカフェやミュージアムショップについて教えていただけますか?
副館長・上野さん
館内の体験スポットは、中庭にある水琴窟(すいきんくつ)です。来館された方は実際にひしゃくで水を垂らすことで、美しい音色を楽しめます。水琴窟とは、地中に埋めた壺に水滴を落とすことで、清らかな音を奏でる日本庭園の装置です。
▲水琴窟がある中庭の写真。どのような音が鳴るのか試してみてください。
美術館2階のカフェ「茶房古九谷」では、月替わりのお茶・コーヒー・スイーツが楽しめます。カフェで使用している食器は、現代作家が制作した九谷焼です。実際に使うことで、九谷焼の魅力をより身近に感じていただけます。
▲カフェ「茶房古九谷」。その場で作品を購入できるギャラリーも併設しています。
▲茶房古九谷で注文できるお茶とお菓子のセット。お茶は日本茶と中国茶があります。
また、カフェに隣接するミュージアムショップでは、時期ごとのテーマに沿って、現代作家の作品の展示・販売も行っています。デートの記念に、お気に入りの作品をお求めいただくのもおすすめです。普段使いしやすい焼き物のカップやお皿も多数取り揃えています。
▲カフェの隣にあるミュージアムショップ。普段使いしやすい焼き物のカップやお皿も販売しています。
来館者が語る:石川県九谷焼美術館の魅力と感想
編集部
石川県九谷焼美術館に訪れた方からは、どのような感想が寄せられているのですか?
副館長・上野さん
「江戸時代から続く九谷焼を、庭を中心とした現代的な建物空間で楽しめる」という声をいただいております。
編集部
「焼き物」「伝統工芸」と聞くと堅苦しいイメージを持ってしまいがちですが、美術館は今風の建物で、現代の私たちにも馴染みやすい雰囲気を醸し出していると感じました。
ネットの口コミでも満足度が高いことが伺える
Googleマップには、200件以上のレビューが投稿されていました。その中から代表的な意見をいくつか紹介します。
- 古九谷の鮮やかな色使いに驚きました。「焼き物=地味」というイメージが一新されました。専門知識がなくても、作品を見るだけで十分楽しめる展示でした。
- 建物と庭園の洗練されたデザインが印象的でした。展示室内は作品ケース間に十分な空間があり、他の来館者を気にせずゆっくりと鑑賞できて良かったです。
- カフェで本格的な九谷焼の器を使って食事ができるのが魅力的でした。ミュージアムショップで購入したコーヒーカップを自宅でも大切に使いたいと思います。
多くの来館者が展示内容、美術館の施設、カフェなど、総合的に満足したという感想を寄せています。作品の解説は必要最小限に抑えられており、鑑賞に集中できる環境が整っているようです。展示を見終わった後は、カフェでゆっくり休憩するのがおすすめの過ごし方です。九谷焼の魅力を存分に体験できる美術館として、多くの人に親しまれています。
カップルへ贈る:副館長直伝の九谷焼美術館楽しみ方
編集部
最後に、デートでの来館を検討しているカップルやご夫婦へのメッセージをお願いします。
副館長・上野さん
難しいことを学習する、というよりも、気楽に純粋に作品を楽しんでいただけたらと思います。九谷焼の美しさや魅力を、お二人で自由に感じ取っていただければ嬉しいです。
編集部
石川県九谷焼美術館は、お庭が見える展示室で自然の光を感じながら、作品をじっくり・のんびり鑑賞できる環境が整った美術館です。九谷焼について学ぶだけでなく、カップルでゆったりと過ごせるリフレッシュスポットとしても最適です。四季折々の景色も楽しめるので、何度訪れても新しい発見があるでしょう。
上野さん、本日はありがとうございました。
石川県九谷焼美術館:アクセスから料金まで知っておきたい基本情報
住所 | 〒922-0861 石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13 |
---|---|
アクセス | 【車】 金沢駅より北陸自動車道経由で約50分 【電車】 JR大聖寺駅より徒歩8分 |
営業時間 | 9:00~17:00 (最終入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は開館 ※年末年始(12月29日~1月3日)は休まず開館 |
入館料 | ・一般:560円 ・高齢者(75歳以上):280円 ・高校生以下、障がい者等:無料 |
駐車場 | あり ※国道305号線沿いに設置 |
混雑状況 | 平日:どの時間帯も比較的空いている 土日:午後が比較的空いている |
平均滞在時間 | 約1時間 |
公式ホームページ | http://www.kutani-mus.jp/ |
※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
美術館の後に立ち寄りたい!加賀市のおすすめデートスポット
今回提案するデートプランでは、石川県九谷焼美術館の滞在時間を1時間30分に設定しています。午後も十分な時間があるため、他の魅力的なスポットも訪れることをおすすめします。
ここでは、デートプランに組み込んでいる「プラシッダ加賀店」「山ノ下寺院群」「片山津温泉」について詳しく解説します。これらのスポットは、美術館見学の後に楽しむのにぴったりの場所で、それぞれ異なる魅力を持っています。
おすすめのデートスポット
異国情緒溢れるランチタイム:プラシッダ加賀店のインドネパール料理
プラシッダ加賀店は、本格的なインド・ネパール料理を楽しめるお店です。メニューは豊富で、定番のナンやカレーライスはもちろん、サイドメニューとしてインド風揚げ餃子「サモサ」やフライドチキンなども提供しています。特に魅力的なのは、ナンとカレーの豊富なバリエーションです。ナンはプレーンの他、チーズやハニーなどの風味付き、カレーはチキンや野菜、シーフードなど、多様な味わいを楽しむことができます。
ランチタイムには、ナンとカレーのお得なセットメニューが用意されています。カレーは8種類から選べ、辛さも5段階(甘口から激辛まで)で調整可能です。これは、お互いの食の好みや辛さの許容範囲を知る絶好の機会となるでしょう。様々な味を試しながら、デートの会話も弾むこと間違いありません。
歴史を感じる散策コース:7寺1神社が点在する山ノ下寺院群
山ノ下寺院群は、7つの寺院と1つの神社が徒歩圏内に密集している魅力的なスポットです。毎年1月15日には蓮光寺で僧侶が水を被る「星祭り」が行われます。また、俳聖として知られる松尾芭蕉ゆかりの全昌寺など、歴史と文化が息づく場所となっています。
不定期で御朱印巡りのイベントを開催しているため、カップルでのデートを計画する際は、事前に観光サイトでイベント情報をチェックすることをおすすめします。歴史や文化に興味のあるカップルにとって、山ノ下寺院群を巡ることは貴重な体験となるでしょう。
石川県観光サイト:https://www.hot-ishikawa.jp/spot/6684
デートの締めくくりは癒しの時間:片山津温泉で心身をリフレッシュ
片山津温泉は、石川県加賀市の市街地から車で10~20分ほど離れた場所にある温泉地です。この温泉街には「総湯」と呼ばれる公衆浴場があり、地元の人々にも親しまれています。地域の特色が強く感じられるため、近隣から訪れても十分な旅行気分を味わえます。
公衆浴場の中には、大人1人500円以下という手頃な料金で入浴できる施設もあります。また、テラスや休憩所を併設している場所もあるので、山ノ下寺院群を巡った後の疲れを癒すのに最適です。観光の締めくくりに訪れることをおすすめします。
片山津温泉観光協会公式サイト:https://www.katayamazu-spa.or.jp/
加賀市で巡りたい!おすすめの温泉スポット
加賀市内には他にも魅力的な温泉スポットがあります。予定より早くデートが終わってしまった場合や、宿泊を伴って加賀市を訪れる予定のカップルは、ぜひ温泉巡りを楽しんでみてください。複数の温泉を巡ることで、それぞれの特徴や雰囲気の違いを感じられ、より深い温泉体験ができるでしょう。
・山代温泉:https://yamashiro-spa.or.jp/
・山中温泉:https://www.yamanaka-spa.or.jp/
総括:九谷焼鑑賞と温泉巡りで楽しむ、加賀市カップルデートの魅力
今回は、加賀市内の美術館・寺院・温泉をウォーキングとドライブで巡る、リフレッシュデートプランを紹介しました。
メインスポットである石川県九谷焼美術館は、広々とした空間でゆっくりと作品を鑑賞できる美術館です。展示されている古九谷の作品は、遠くから見るとダイナミックで力強い印象を与え、近くで見ると繊細で緻密な装飾が施されているものが多くあります。
「近くで見るとこんな細かい模様が描かれているのがわかるよ!」「作品との距離によって見え方が変わるんだね」など、作品を見たときの感想を話題にすると、会話が弾みます。
午後からは山ノ下寺院群を訪れ、7つのお寺と1つの神社の計8つのスポットを歩いて巡ってみましょう。それぞれの寺院や神社の特徴や歴史を学びながら、ゆっくりと散策を楽しめます。最後は片山津温泉の総湯でゆっくりと体を癒すのがおすすめです。温泉に浸かりながら、一日の思い出を語り合うのもよいでしょう。
石川県加賀市でデートを楽しむ際は、このプランをぜひ参考にしてみてください。芸術、歴史、そして温泉という加賀市の魅力を存分に味わえる一日になるはずです。