【兵庫デート】加古川「あかりの鹿児資料館」で昔のランプの温もりを感じるロマンチックな1日

この記事では、兵庫県加古川市にある「あかりの鹿児(かこ)資料館」を中心に、歴史的な建物や加古川名物のかつめしが楽しめるお店を巡るデートプランを紹介します。

あかりの鹿児資料館は、江戸時代以前のあかりと明治以降のあかり、両方を比較して見ることができる貴重な施設です。アンティーク家具も展示されており、実際に座ることもできるため、江戸時代や明治時代にタイムスリップしたかのような雰囲気の中で、ゆっくりとあかりの歴史を体感できます

資料館の見学後は、名物のかつめしを味わったり、国宝や世界遺産に登録されている歴史的建造物を訪れたりして、1日をゆったりと過ごすことができます。

このデートプランでは、地元の美味しい料理を楽しみながら、昔の生活を想像してカップルで創造力を刺激し合う、魅力的な体験をご紹介します。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:全て
おすすめカップル:アンティーク家具が好きなカップル、歴史好きカップル
どんなデート?:あたたかいあかりに触れたあと、歴史的建造物を訪ねるデート

概要:加古川で昔のあかりと歴史に触れる大人のデートプラン

今回のメインとなるあかりの鹿児資料館の近くには、聖徳太子ゆかりの寺院・鶴林寺(かくりんじ)があります。また姫路城も同じ日に巡れる近さにあるため、あかりの鹿児資料館のあとに、歴史あるお寺やお城を散策するデートプランを考えました。

今回のデートのメイン
あかりの鹿児資料館
周辺のデートスポット
・鶴林寺
・姫路城
ランチにおすすめのお店
・Eden
・かつめしいろはーず

まずは「あかりの鹿児資料館」を見学します。JR加古川駅からはバスも利用できますが、歩くと20分ほどで到着します。公共交通機関を利用するカップルもぜひ訪れてみてください。また駐車場も完備されているため、車でのアクセスも便利です。

資料館の見学後は、聖徳太子ゆかりの「鶴林寺」へ向かいましょう。地元では播磨の法隆寺と呼ばれて親しまれています。国宝や重要文化財が多数展示されており見応え十分ですが、謎解きをしながら境内を巡ることができるため、デートでも楽しい時間を過ごせること間違いなしです。

鶴林寺の見学後は、加古川駅の近くで名物のかつめしを味わいましょう。「Eden」は昔ながらの洋食屋さんで落ち着いた雰囲気が魅力です。一方、「いろはーず」はカントリー調の建物が特徴的なかつめしの専門店で、ソースやトッピングを選べる楽しさも兼ね備えたおいしいお店です。

食事を楽しんだ後は、少し足を延ばして姫路城へ向かいます。姫路城は白壁の美しさが有名ですが、石垣や釘隠しにハートマークが隠れているため、デートスポットとしても人気があります。夕方からはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気を楽しめます。

それでは、今回のデートのメインとなる「あかりの鹿児資料館」について詳しくご紹介します。

江戸・明治時代のあかりコレクション2,000点が見られる「あかりの鹿児資料館」

あかりの鹿児資料館のエントランス

「あかりの鹿児資料館」は、屋内で使用する照明器具が展示されている施設です。兵庫県加古川市にある資料館ですが、加古ではなく鹿児となっているのは、播磨国風土記(はりまのくにふどき)で加古川を示す表記が「鹿児(かこ)」だったためです。

※播磨国風土記:奈良時代に編纂された、現在の兵庫県南西部にあたる播磨国の地理や風俗を記した古代の地誌

電気が登場する以前のあかりは、火を直接ともす「行燈」や「ランプ」などが用いられていました。これらの古典的なあかりは、電気ほど明るくありませんが、芸術的価値が高く、見た目の美しさだけでなく、温かみのある雰囲気を醸し出す魅力があります。

展示されているあかりは単に飾られているだけでなく、多くが実際に使用可能な状態に整備されています。見学だけでなく、希望すれば実際にあかりをともす様子を見ることができます。興味のあるカップルは、事前に申し込んでみるとよいでしょう。

館内には照明器具のほかに、アンティーク家具も配置されています。また、展示棚が見える場所にイスが置かれているので、お気に入りのランプを見つけたら、座ってゆっくりと鑑賞することができます

今回は「あかりの鹿児資料館」で学芸員をされている横山さんに、施設の魅力や展示内容についてお話を伺いました。

植物油から鉱物油まで、燃料の変遷で見る照明器具の歴史

編集部

あかりの鹿児資料館では、2,000点もの「あかり」や「あかりに関する道具」を所蔵していらっしゃるそうですが、具体的にどのような展示品があるか教えていただけますか?

横山さん

あかりの鹿児資料館は、電気が登場する前の時代に使われていた、屋内用の照明器具を展示した資料館です。「あかり」とは、実際に火をともして使用した照明器具のことを指します。

展示は、使用する燃料によってコーナーを分けています。植物油を使う「江戸のあかり」と、鉱物油を使う「明治の洋燈」があります。「明治の洋燈」コーナーでは、ヨーロッパなどの外国製と日本製の両方をご覧いただけます。

江戸のあかりが展示されているコーナー
▲こちらは江戸のあかり。植物油を使用して火をともしていました

明治の洋燈が展示されているコーナー
▲洋燈は硝子や陶器などが多く使用されているのがわかります

編集部

あかりの鹿児資料館は、どんなところがほかの施設と違っていますか?

横山さん

植物油の「江戸のあかり」と鉱物油の「明治の洋燈」、どちらか片方のみ展示している施設が多いため、両方をご覧いただけるのは珍しいと思います。あかりの歴史を一度に楽しんでいただけますよ。

編集部

あかりの鹿児資料館を見学するカップルには、どのようなことを学んでほしいですか?

横山さん

「あかり」は、生活に必要な道具であり、時代と共に移り変わってきました。しかし私たちは、電気のなかった時代に火をともすあたたかさを忘れてしまっています。

少しでも昔の暮らしに思いを馳せていただければと思っております。

江戸時代のあかりコーナーにある机とイス
▲江戸時代のあかりは現在のような明るさはありませんが、形も美しくて味があります

編集部

現代のように、スイッチひとつですぐに明るくなるのはとても便利ですが、昔はあかりに直接火をつけて光を作っていたわけですよね。キャンプブームなどもあって、火おこしに興味を持つ方も多いと思いますが、ぜひランプなどの照明器具にも注目してほしいですね。

美しさと技術の両面から楽しめる、多彩な照明器具の展示

編集部

あかりの鹿児資料館の魅力は、どこにあると思われますか?

横山さん

江戸の頃の植物油を燃やす道具は、和紙や竹ひご、木・漆など植物由来の物を使用しています。明治に外国から入ってきた「石油ランプ」は、金属のバーナーとガラスの部品を多用しており、大変美しいです。

植物由来の道具で植物油を燃やしていた江戸時代のあかり
▲植物油であかりをともしていた江戸時代は、照明器具にも植物由来の道具を使用していました

明治以降に使われていた金属のバーナーであかりをともす洋ランプ
▲鉱物油であかりをともす洋ランプは、金属のバーナーを使用しています

編集部

油の違いだけでなく、鎖国中の江戸時代と開国後の明治時代では、あかりの形状や技術が違っているんですね。来館されるお客様は、どのようなところに注目されていますか?

横山さん

女性は、石油ランプのガラスや陶磁器に興味を持たれます。ヨーロッパのガラスの緻密な技術を堪能できますし、日本製の味わいのある手作り感も美しいです。また焼き物も、日本の伊万里焼やドイツのマイセンの磁器などをご覧いただけます。

男性からは、火をつけるバーナーの仕組みが見られるところや、江戸のからくりの灯火具などが喜ばれています。

編集部

きれいな見た目のランプが並んでいるだけでなく、ランプの仕組みが学べる展示があるんですね。見どころがたくさんあって、デートだと会話もたくさんできそうです!横山さんが好きな展示を教えていただけますか?

横山さん

洋ランプコーナーの古伊万里のランプは、江戸時代に壺として日本を旅立ち、ヨーロッパで燭台として利用されたあと、モデラトールランプという植物油にランプに改造されています。当館の開館に合わせて、日本に里帰りしました

古伊万里のモデラトールランプ
▲ヨーロッパに渡ってランプとなってから日本へ戻ってきた古伊万里

編集部

150年以上も前にヨーロッパへ渡った壺が、資料館のオープンとともにランプとして日本に戻ってきたんですか!時代とともに形を変えながらも、大切に使われてきた伊万里焼が日本に戻ってきたなんて、とても心あたたまるお話しですね。

特別展で楽しむ、ヨーロッパ製ランプと郷土玩具の世界

編集部

所蔵数の多いあかりの鹿児資料館ですが、企画展などは行われていますか?

横山さん

はい、行っています。特別展示室では、常設展示で展示しきれないヨーロッパ製のランプを中心に年に3回、特別展示を行っております。また、郷土玩具のコレクションも所蔵しているため、それらを使った企画展も開催しています。

令和4年2月23日まで開催している「郷土玩具展~干支の寅とえびす様~」の広告
▲「郷土玩具展~干支の寅とえびす様~」では、男の子に実際に贈られた虎の玩具などが展示されています(※現在は終了)

編集部

その年の干支にちなんだ郷土玩具や、お面などの企画展も毎年開催されているんですね。季節に合わせたランプ展もあるそうで、とても興味深いです。

あかりの鹿児資料館で体験できることはありますか?

横山さん

はい、あります。ランプに火をつけるところをご覧いただける実演を行っています。事前にお申込みいただくのが確実ですが、当日でも可能な場合もありますので、ぜひお申し出ください。

職員の方がランプに火をつける実演を行っている様子
▲ランプ点灯の実演は、熱心に撮影する方もいらっしゃいます

編集部

灯火の実演コーナーは、3階の会議室を利用されているんですね。美術品としても価値の高い展示品がたくさんある中で、実際に火をともすことでランプの魅力がより一層引き立つのではないでしょうか。

思い出を持ち帰る56種類の絵はがきとキャンドルのお土産

編集部

あかりの館内に、レストランやミュージアムショップはありますか?

横山さん

レストランやショップは設置していませんが、お土産用のキャンドルを少量取り揃えています。また、絵はがきや図録も販売しています。絵はがきは56種類あり、1枚50円で購入できます

販売用に掲示されている56枚の絵ハガキの見本
▲絵ハガキを購入したい方は、受付で声を掛けてくださいね

編集部

絵はがきやキャンドルは、デート中でも持ち運びしやすく、価格も手頃ですね。館内で撮影できる場所や、休憩スペースはありますか?

横山さん

館内の撮影は自由で、入口すぐの洋ランプコーナーが最も人気の撮影スポットです。また、アンティークのテーブルを配置したコーナーがあり、自由に座っていただけます。さらに、館内各所にイスを設置しているので、ゆっくりと展示をお楽しみいただけます。

入口すぐの洋ランプコーナーに設置されているアンティークのテーブルとイス
▲ランプだけでなく、館内にあるテーブルやイスもアンティーク家具を使用しています

来館者の声:あかりの鹿児資料館の魅力と感想・口コミ

洋ランプコーナーに展示されている古伊万里のランプ

編集部

あかりの鹿児資料館を見学したお客様からは、どのようなお声を受け取っていますか?

横山さん

火を使わない電気のあかりで生活している私たちにとって、考えていたより奥の深い世界が広がっていたことに驚かれます。電気のあかりのありがたさを感じるとともに、石油ランプなどは自宅に1つ欲しいと思う方が多いようです。「自宅に置くならどれがよいか」などと盛り上がっていただいていますよ。

編集部

夜でも昼間と変わらない生活が送れるのは便利ですが、優しい光のランプがある生活もまたいいものでしょうね。ランプをゆっくりと眺めるような、ゆとりのある生活は憧れます!

アンティーク家具に囲まれて楽しむ、名品ランプの数々

それでは、編集部でお調べした口コミもご紹介します。

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2階の日本家屋風のスペースの雰囲気はとてもよかったです。お客さんの少ない時間に訪問できて、スタッフの方に詳しく説明してもらえてラッキーでした。
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古いランプは名品ばかりで素晴らしかったです。
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展示品が美しく、とても貴重な資料館だと思いました。

「展示品が美しい名品ばかりだった」「館内の雰囲気がよかった」といった感想が多くありました。また、「たまたま立ち寄ったら、素敵なランプがたくさん飾られていて驚いた」という声もありました。

ランプを使っていた時代の生活を想像したり、現代の生活にランプを取り入れるとどうなるかなど、カップルで話し合ってみるのもデートを楽しむ良い方法だと思います。

横山さん、今日はお忙しいところインタビューにお答えいただき、ありがとうございました!

「あかりの鹿児資料館」の基本情報

住所 〒675-0039
兵庫県加古川市加古川町粟津803-1
電話番号 079-421-2191
アクセス 神姫バス・かこバス「加古川簡易裁判所南」下車徒歩1分
開館時間 10:00~17:00
休館日 ・月曜日
・祝日の翌日
・夏期休暇
・年末年始
※詳細は公式ホームページまたはお電話にてご確認ください
平均滞在時間 30分から1時間程度
駐車場 あり
入館料 ・大人:300円
・65歳以上:200円
・大学生・高校生:200円
・中学生以下:無料
・障がい者:無料
公式サイト https://kakolightingmuseum.or.jp/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

あかりの鹿児資料館周辺で巡る歴史と名物グルメスポット

資料館の近くには聖徳太子ゆかりの「鶴林寺」があり、国宝を見ることができます。また、世界遺産として有名な「姫路城」に立ち寄る方も多いですね。ランチには加古川の名物である「かつめし」がおすすめです。地元の味を楽しみながら、歴史的な観光スポットを巡るデートプランはいかがでしょうか。

おすすめのデートスポット

国宝と重要文化財の宝庫「鶴林寺」で楽しむ謎解き散策

鶴林寺は聖徳太子ゆかりの寺院で、播磨地方の法隆寺とも呼ばれています。本堂と太子堂は国宝に指定されているほか、絵画・仏像・建物など、あわせて30点以上の重要文化財がある貴重な寺院です。

「鶴林寺不思議発見」という謎解きイベントが一年中開催されています。参加方法は簡単で、公式サイトから地図を印刷し、境内を巡りながら謎を解いていきます。正解すると記念品がもらえるので、カップルで協力して挑戦するのがおすすめです。歴史を感じながら楽しむことができる、素敵なデートになるでしょう。

公式URL:https://www.kakurinji.or.jp/

世界遺産「姫路城」でハートを探す幸せデート

世界遺産・姫路城の天守閣
引用:兵庫県公式観光サイトHYOGO!ナビ

世界遺産である姫路城は、美しい白壁から「白鷺城」とも呼ばれています。

幕末の包囲や第二次世界大戦の焼夷弾攻撃にも耐え、一度も焼失しなかったことから「不戦の城」として知られ、「縁起のいい城」としても人気を集めています。

姫路城がデートにおすすめな理由の一つは、石垣や釘隠しにハートが隠れていることです。特に石垣のハート石は、スマートフォンの待受画面にすると幸運が訪れるとも言われています。ぜひ探して撮影してみてください。

※釘隠し:柱や扉などに使用した、釘の頭の部分を隠すための金属製の装飾品

城の周辺には歴史博物館や美術館、動物園、多数の神社があり、姫路城と合わせて楽しめる観光スポットが豊富です。また、毎日日没後にはライトアップが行われるため、夕方以降に訪れるとよりロマンチックな雰囲気の姫路城を楽しむことができます。

公式URL:https://www.city.himeji.lg.jp/castle/

昭和レトロな洋食屋「Eden」で味わう名物かつめし

Edenはあかりの館から車で3分、徒歩で15分ほどの場所にあります。JR加古川駅からは徒歩約3分と非常に便利な立地です。地元で40年以上も愛されている名店で、エビフライとカツが一緒に楽しめるエビ&カツライスなど、洋食店ならではの魅力的なメニューを提供しています。

駅から近い場所にありながら、店内にはテーブルが9席ゆったりと配置されており、落ち着いた雰囲気でゆっくりとお食事を楽しむことができます。かつめしを提供する店舗の多くは地元の食堂的な雰囲気ですが、Edenはオシャレな雰囲気でデートにもピッタリな空間となっています。

串カツ風の「かつめしバー」が人気の「かつめしいろはーず」

いろはーずは加古川駅の近くにあり、カントリー調の店構えが特徴的です。近くまで行けば、すぐに見つけられるでしょう。お店の名物は「かつめしバー」で、お米をお肉で巻いて串に刺して揚げた商品です。テイクアウトも可能なので、手軽にかつめしを楽しむことができます。かつめしバー以外のメニューもテイクアウトできるので、様々な選択肢があります。

通常メニュー以外に、かつめしのたれも販売しているのが特徴です。時間がないカップルや、いろはーずのかつめしの味が気に入ったカップルは、たれを購入して帰れば、おうちデートでも本格的なかつめしを再現できます。デートの思い出を自宅でも楽しめる、素敵なオプションですね。

まとめ:あかりの温もりと歴史ロマンを感じる、大人の加古川デート

あかりの鹿児資料館は、油を燃やしてあかりをともす「屋内用照明器具」の専門資料館です。現代の電気による照明と比較することで、その便利さを再認識できる場所です。資料館を見学すると、私たちが日常的に使用している電気の重要性がよくわかるでしょう。

一方で、油を燃やして使うランプには独特のあたたかみがあり、その柔らかな光を見ていると心が落ち着くはずです。昔の道具の魅力に触れることで、ランプを使う時代に生きていたらどんな生活だったか、カップル2人で想像してみるのも面白いでしょう。これは、お互いの創造力を刺激し合う良いきっかけになるかもしれません。

さらに、資料館でのあかりの歴史を学んだ後は、近隣の鶴林寺や姫路城などの歴史的建造物も見学してみましょう。これらの場所では、ランプさえもなかった時代の生活に思いを馳せることができます。加古川や姫路で昔の生活を学び、想像力を働かせるこのデートプランは、2人の絆をより深める素敵な機会となるはずです。