島田市博物館で大井川の歴史を学ぶ！絶景スポットめぐりカップルドライブデート｜静岡

今回は、静岡県島田市にある「島田市博物館」をめぐり、歴史や文化を学び、自然の中でくつろぐドライブデートプランを紹介します。

島田市中心部から西に1.8キロメートルの大井川河川敷近く、旧東海道島田宿を再現した国の史跡「島田宿大井川川越遺跡（しまだしゅくおおいがわかわごしいせき）」の街道沿いに「島田市博物館」があります。ここでは、静岡県中部に位置する島田市の歴史や文化、芸術について学ぶことができます。

今回は、博物館の主任学芸員の方に見どころを聞きながら「島田市博物館」の魅力とおすすめのデートプランをご紹介します。

島田市博物館を起点に楽しむ大井川沿いの歴史探訪と絶景巡りドライブデート

江戸時代の大井川は、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謳われていました。当時は川を渡るための橋や舟がなく、旅人たちは苦労して渡河していました。島田市博物館では、このような過去の大井川の様子や、旅人たちがどのように川を渡っていたかを詳しく学ぶことができます。

博物館で歴史を学んだ後、実際の大井川や現在架かっている橋を見ると、江戸時代から現代に至るまでの技術の進歩と変遷を肌で感じることができるでしょう。

博物館見学の後は、2人で地元の美味しい料理を楽しんだり、島田市ならではの景色を眺めたりして、感動を分かち合う時間を過ごしましょう。

9:00～10:30	島田市博物館を見学
10:30〜11:00	蓬莱橋までドライブ、散策
11:00～11:40	蓬莱橋から川根温泉までドライブ
11:40～	温泉や散策を堪能

島田市博物館の入館料は1人300円です。企画展や特別展は別途料金が発生する場合がありますが、本館か分館のいずれかで入館料を支払えば、両方の施設を見学できます。博物館見学後におすすめの川根温泉は、1人520円で利用可能です。

島田市博物館や蓬莱橋、温泉施設でお土産を買ったり食べ歩きをしたりすると、合計3,000円〜3,500円ほどの予算で充実した1日を楽しむことができます。

それでは、このデートプランのメインスポットとなる「島田市博物館」について、詳しく紹介していきましょう。

島田市博物館で学ぶ大井川の歴史と江戸から昭和の文化

▲島田市博物館本館の常設展示室・島田大祭の大奴

東海道五十三次や大井川について一般的な知識はあっても、江戸時代の人々が実際にどのように川を渡って往来していたかを詳しく知る機会は少ないのではないでしょうか。

今回ご紹介する島田市博物館は「旅と旅人」をメインテーマとしています。人々が旅をする理由を探りつつ、江戸時代後期の大井川、島田宿、川越しの様子や川留め文化を常設展示で紹介しています。

日本家屋風の瓦屋根を持つ2階建ての本館は、1階が常設展示室、2階が企画展示室という構成です。1階では、島田宿・川越し・島田髷などの常設展示を見学できます。歴史資料に加え、近代から現代にかけての絵画・陶芸・工芸作品などの美術品も展示されており、江戸から昭和までの時代の流れを感じ取ることができます。

また、本館から北東約200メートルの街道沿いには分館があり、3つの施設が併設されています。川越遺跡の東側に隣接し、明治時代に建築された旧家を当時の姿のまま復元保存した建物を利用し、展示室を増築して平成12年に開館しました。

民俗資料室	市民から寄贈された民俗資料（生活用品、工具、農具など）を収蔵
明治日本家屋	1890年（明治23年）に建てられた古民家「旧桜井家住宅」を復元公開
海野光弘版画記念館	静岡市出身の版画家・海野光弘（1939～1979）を顕彰 遺族から島田市に寄贈された作品を収蔵・展示

このように学びの機会が豊富な島田市博物館の魅力について、主任学芸員である朝比奈太郎さんにお話を伺いました。

江戸時代の大井川「川越し」の歴史と工夫を学ぶ

▲こちらが常設展示室入り口です

編集部

常設展示では江戸時代の大井川の川越しを中心に紹介しているとのことですね。見どころについて教えてください。

朝比奈さん

江戸時代、大井川には橋がなく、川を越えるには「川越し人足(かわごしにんそく)」に頼る必要がありました。展示では、当時の大井川を越える仕組みや、松尾芭蕉など島田宿と縁のある人々について紹介しています。江戸時代の旅の様子と合わせてご覧ください。

川越しには苦労話がつきものでしたが、同時に文化交流も生まれました。大井川は様々なエピソードを生み出してきたのです。

大井川の川越しは命がけであり、料金も高額でした。それでも人々がなぜ旅をし、どのような想いで大井川を越えたのかを感じていただければ幸いです。

▲川越しをする人の装いを確認できる旅人のコーナー

▲島田市博物館本館の展示（島田髷・川越しコーナー）

編集部

命がけの川越しのために、当時の道具にも工夫がされていたと思います。本館には多くの展示品がありますが、朝比奈さんが特に好きな展示品はありますか？

朝比奈さん

大井川を越えるのに使った連台が気に入っています。連台とは、はしご状の台のことです。旅人がこの上に乗り、4～6人の人足が担いで川を渡っていました。来館者の方からも「連台を使ってどのように渡ったのか？」「怖くなかったのか？」といった質問をよく受けます。

本館と分館で楽しむ江戸から昭和までの時代を超えた展示

編集部

島田市博物館の本館から、北東約200メートル街道沿いに分館がありますね。分館の魅力や見どころはどんなところでしょうか？

朝比奈さん

本館を見学した後、隣接する川越遺跡を歩いて博物館分館に向かう際は、江戸時代の東海道を旅した気分を味わえます。分館では海野光弘の版画や民俗資料を通じて、昭和の日本を体感できます。

現在、実際の旅行が困難な状況ですが、島田市博物館・川越遺跡・博物館分館を巡ることで、江戸時代から昭和期までのタイムスリップを心の中で楽しむことができます。

また分館では、海野光弘の木版画作品や明治期の日本家屋がおすすめです。海野光弘の木版画作品は、どれも懐かしい雰囲気があり、何度見ても心が癒されます。

▲島田市博物館分館の旧桜井家住宅（日本家屋）

編集部

島田市博物館では、企画展を毎年開催されていますね。

朝比奈さん

企画展は、年4回ほど開催しています。

博物館分館では、静岡市出身の版画家・海野光弘の作品を展示しています。作品の題材によく使われている昭和期の日本各地の古民家がある風景を見ると、まるで時を超えたような感覚を味わえます。

編集部

お話をうかがっていると、島田市は歴史や文化が息づく場所だということを改めて感じます。そんな島田市の魅力が詰まった島田市博物館は、学びを求めるカップルにぴったりのデートスポットといえそうですね。

カップルにおすすめ！島田市博物館の記念撮影スポットとワークショップ

編集部

島田市博物館にデートで訪れた際に、展示品鑑賞以外の楽しみ方があれば教えてください。

朝比奈さん

本館では、2階から一望できる大井川とその向こうに広がる牧之原の茶畑が印象的です。また駐車場脇の連台越しのモニュメントは、写真スポットとして人気があります。

▲連台越モニュメントでは、多くの方が記念撮影をしています

分館では、国の「登録有形文化財」に指定されている日本家屋がおすすめです。明治期の古民家で、1階は太い柱が印象的、2階はお茶室風の「おもてなし」のための部屋になっています。

1階の縁側や2階から中庭を見下ろす景色は、和の雰囲気が漂うSNS映えするフォトスポットです。カップルで自撮りしても、素敵な写真が撮れるでしょう。

編集部

カップルで楽しめるワークショップの開催などもありますか？

朝比奈さん

博物館本館で毎月第2日曜日に「しまはくワークショップわくわくアトリエ」を開催しています。また、博物館分館では昔の道具を体験する「ちょっと昔のおもしろ体験」を実施しています。

詳しくは島田市博物館HPをご覧ください。→島田市博物館公式HP

▲海野光弘版画記念館。和風の日本家屋とは対照的に南欧風の建物をイメージ

編集部

版画家の海野光弘は39歳で急逝しましたが、第一線で活躍されました。作品はスイスプティパレ美術館、シカゴ美術館、浜松市美術館等にも所蔵されています。

白を基調とした記念館の建物は、日本家屋とは異なる美しさがあり、くつろぎのひとときを過ごすことができそうですね。

学芸員が語るカップル向けおすすめポイントとメッセージ

編集部

デートで来館を予定しているカップルやご夫婦の皆さんにメッセージをお願いします。

朝比奈さん

博物館本館と川越遺跡では江戸時代を、博物館分館では明治～昭和期の雰囲気を楽しめます。ちょっとした小旅行の気分を味わってください。川越遺跡では「この建物は何のために使われていたのだろう？」「なぜこの人物ゆかりのものがここにあるのか？」など想像を膨らませてもらえると、より一層楽しめると思います。

また博物館に隣接する建物では、市民団体が有料で着物を貸し出したり、着付けを手伝ったりしてくれます。着物を着て川越遺跡を歩けば、より一層小旅行の気分が楽しめるかもしれません。

▲島田市博物館近くの街道沿いにある川会所（川越遺跡）

▲島田市博物館近くの街道沿いにある札場（川越遺跡）

▲島田市博物館から西側に見える川越遺跡の様子

▲島田市博物館から東側に見える川越遺跡の様子

編集部

これまで「川を越える」ことについて深く考えたことはありませんでした。時代によって生活環境が異なることは理解していましたが、川を越えることの重要性にまで考えが及んでいませんでした。本日のお話を通じて、新たな視点を得ることができました。ありがとうございました。

来館者の声：島田市博物館の口コミと感想

▲島田市博物館近くの街道沿いにある三番宿（川越遺跡）

島田市博物館について、編集部でGoogleやポータルサイトなどの実際の口コミや感想を調査しました。その結果、以下のような評価が多く見られました。

全体的に好評のコメントが寄せられており、特に島田宿や川越し制度についての展示内容に感動する声や、分館にある昭和初期の展示に感銘を受けたという意見が多く見られました。

アクセス・営業時間・料金

公式サイト	https://www.city.shimada.shizuoka.jp/shimahaku/
住所	【本館】 〒427-0037 静岡県島田市河原1丁目5番50号 【分館】 〒427-0037 静岡県島田市河原2丁目16番5号
アクセス	【公共交通機関】 ■JR島田駅北口から ・路線バス「金谷島田病院線（金谷駅行）」 ・コミュニティバス「川根温泉線（川根温泉ホテル行）」 →向島西川越し街道入口バス停下車、徒歩10分 ■JR金谷駅から ・路線バス「金谷島田病院線（島田市民病院行）」 →向島西川越し街道入口バス停下車、徒歩10分 ※路線バスは平日のみ運行。コミュニティバスは土日祝日も運行。 【車】 国道1号線バイパス旗指インターまたは向谷インターから約2.5km（約5分）。 インターから南へ直進し、県道381号線（旧国道1号線）を西に大井川まで進み、信号を左折して500m
開館時間	9:00～17:00 （入館は16:30まで）
休館日	・月曜日（祝日の場合は翌日） ・年末年始（12月26日から1月3日まで） ・臨時休館日
駐車場	無料駐車場有 （バス大型4台、一般47台）
料金	一般300円 （観覧券は本館・分館のどちらでも購入可能。両館とも観覧可） ※特別展・企画展は別途料金が設定される場合があります。
電話番号	（本館）0547-37-1000 （分館）0547-34-3216

※最新の情報はホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

島田市博物館周辺のおすすめデートスポット

今回紹介する島田市博物館を見た後のおすすめデートスポットは、周辺エリアに詳しい朝比奈さんがオススメしてくださった蓬莱橋（ほうらいばし）と川根温泉です。

蓬莱橋は、博物館から大井川の堤防道路沿いに3kmほど下ったところにあります。ギネスにも認定されている、明治期に原型がつくられた世界一長い有料の木造歩道橋です。川根温泉は蓬莱橋から大井川に沿って遡ることになりますが、疲れをいやすのにぴったりで、運がよければSLを見ることができるとのこと。

おすすめのデートスポット

世界一長い木造歩道橋「蓬莱橋」でロマンチックな散策

島田市博物館から車で5分ほどの場所にある蓬莱橋は、全長897.4m、通行幅2.4mの木造歩道橋です。1997年に「世界一長い木造歩道橋」としてギネス世界記録に認定されました。時代劇やテレビドラマ、バラエティ番組にも登場し、全国的に有名な観光スポットとなっています。

蓬莱橋のたもとには、橋の長さにちなんだ名前の「蓬莱橋897.4（やくなし）茶屋」という土産物店があります。ここでは地元産の原料を使った特製ジェラートも楽しむことができます。

住所	〒427-0017 静岡県島田市南2丁目地先
アクセス	島田市博物館より県道を東に約4km
営業時間	9時～17時
駐車場	無料駐車場有
電話番号	0547-32-9700

※蓬莱橋は24時間通行可能です。蓬莱橋897.4（やくなし）茶屋の詳細については、現地でご確認ください。

SLが見える露天風呂と地元グルメ：道の駅「川根温泉」

蓬莱橋から再び県道をさかのぼり、車で約40分走ると道の駅「川根温泉」があります。ここは、露天風呂からSLが見える日帰り温泉「ふれあいの泉」や全棟に温泉が付いた「ふれあいコテージ」を備えた複合型の道の駅で、ゆったりと過ごすことができます。

地元の生産者が丹精込めて育てた新鮮な農産物や手作りの加工品をお土産として購入できます。また、静岡県の特産品である川根茶の手もみ体験教室に参加することもできます。

住所	〒428-0101 静岡県島田市川根町笹間渡220
アクセス	蓬莱橋から県道64号線で約35分
営業時間	【本館売店】 月～金：10:00～17:00 土日祝：10:00～20:00 ※食事施設等、各施設で営業時間は異なります
休館日	なし （温泉施設のみ火曜日、ただし年始など変動あり）
問い合わせ	温泉：0547-53-4330 コテージ：0547-53-4110
公式サイト	https://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/shizuoka/shizuoka10.html

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

まとめ：島田市博物館を起点に大井川流域の魅力を堪能するカップルデート

今回は、江戸時代から昭和の雰囲気を体感し、郷土料理や温泉も楽しめるドライブデートをご紹介しました。大井川沿いの変化に富んだ風景を満喫できる、歴史学習とリラックスを兼ね備えたこのプランは、カップルにおすすめです。島田市周辺にお住まいの方々はもちろん、遠方からのカップルの皆様もぜひ訪れてみてください。