【岡山デート】笠岡市立竹喬美術館で日本画の魅力に触れる!周辺スポットも巡るプラン

本記事では、岡山県で絵画や歴史、自然に触れる大人のデートプランをご紹介します。

デートのメインとなるのは、岡山県笠岡市にある「笠岡市立竹喬美術館」です。充実した展示内容と頻繁に開催される展覧会や特別展が魅力で、笠岡市にゆかりのある画家の温かみのある作品を堪能できます。

今回は、笠岡市立竹喬美術館の学芸員である柴田就平さんに、施設の魅力や作品の見どころなどについてお話を伺いました。

笠岡市立竹喬美術館で絵画を鑑賞した後は、新鮮な魚介料理を堪能し、博物館・寺院・道の駅を巡る内容となっています。ぜひ、笠岡市の文化と自然を満喫するプランでデートをお楽しみください。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:30歳以上
おすすめカップル:絵画鑑賞が好きなカップル、歴史を学ぶのが好きなカップル
どんなデート?:ゆったりとしたデート
目安時間:半日
目安予算:2人で8,000円程度

概要:アートや歴史、自然に触れお互いの感性を磨く大人のデート

笠岡市立竹喬美術館を見学したあと、笠岡市の料理屋とデートスポットを回るデートプランはいかがでしょうか。美術鑑賞から始まり、地元の味覚を楽しみ、自然や歴史に触れる充実した1日を過ごせます。

11:00~12:00 笠岡市立竹喬美術館を見学
12:05~13:05 日本料理美然でランチ
13:15~14:45 笠岡市立カブトガニ博物館を見学
15:00~16:00 大仙院を見学
16:15~17:30 道の駅笠岡ベイファームを散歩

※車での移動時間を含む

絵画鑑賞をした後は日本料理美然へ向かい、日本料理に舌鼓を打ちましょう。特に笠岡のお刺身は新鮮で、素材そのものの味わいを堪能することができます。地元の美味しい料理を食べて、2人で幸せな気分を共有してください。

美味しい料理でお腹が満たされたら、次は笠岡市立カブトガニ博物館へ移動します。古代生物の歴史を2人で学び、間近で見てその不思議さを感じてみてください。

その後、大仙院を見学して心を落ち着かせましょう。最後に道の駅笠岡ベイファームに移動し、特産物を買ったり、きれいな花を観賞したりしてみてはいかがでしょうか。美しく咲き誇る花に囲まれて写真を撮るのもおすすめです。きっと2人の心もより一層近づくはずです。

このデートプランでは、ゆっくりとお互いの感性を知る大人のデートを楽しむことができるでしょう。

笠岡市立竹喬美術館:日本画の巨匠・小野竹喬の世界に触れる

笠岡市立竹喬美術館の外観

岡山県笠岡市の閑静な住宅街にある「笠岡市立竹喬美術館」は、画家「小野竹喬(ちっきょう)」の作品や資料を展示している美術館です。小野竹喬の素晴らしい作品と功績を後世に伝えるため設立されました。

小野竹喬は、美術館がある岡山で生まれ育った近現代日本画を代表する画家です。14歳から89歳までの75年もの間、日本の自然をモチーフにして四季や時間の移り変わりを描写した風景画を描き続けました。

小野竹喬の作品は温かみのある色彩が特長で、柔らかいタッチで描かれた絵は見る人を魅了します。どこか懐かしい雰囲気を感じさせる作品ばかりで、きっと二人の心を穏やかにしてくれるでしょう。

また、定期的に特別展を開催しているので、何度訪れても新しい発見があります。

施設内にはレストランやカフェはありませんが、ミュージアムショップの横に中庭が見える休憩室があります。

展示を鑑賞した後は、中庭をゆっくりと眺めながらカップルで一息つくのがおすすめです。作品を通して感じたことや、お気に入りの作品などを伝え合って2人の仲を深めてください。

今回は、「笠岡市立竹喬美術館」の学芸員である柴田就平さんに、展示している作品や見どころ・魅力などについてお話を伺いました。

小野竹喬作品を中心に、京都の近代日本画も展示

編集部

洗練された雰囲気で、大人のための美術館という印象ですね。ここだけ時間がゆっくりと流れているような気がします!改めて、笠岡市立竹喬美術館がどんな美術館なのか教えていただけますか?

柴田さん

当館は、笠岡出身で文化勲章受章者である日本画家・小野竹喬(おのちっきょう)(1889-1979)の作品を中心として、同時代に活躍した竹喬周辺の京都の近代日本画家の作品を数多く所蔵しています。

個人名を冠する美術館ではありますが、竹喬芸術をさらに深く知ってもらうために、竹喬が活躍した京都の同時代の日本画家を取り上げた展覧会も年間6回前後実施しています。

特別陳列(常設展)の際は最低でも一室、特別展の際でも必ず竹喬作品を展示しているので、年間を通じて鑑賞いただけます。また、笠岡出身の画家の作品も所蔵しています。

人口5万人以下の公立美術館としては他に例がないと思えるほど、展示数や展覧会の回数が多いのが自慢です。当館では年間を通じて様々な展示を楽しむことができ、日本画の魅力を十分に堪能できます。

今後は京都画壇と東京画壇との比較など、より多角的に竹喬芸術を知るための展覧会を実施していきたいと考えています。これにより、竹喬の作品をより深く理解し、日本画の多様性を感じていただけるでしょう。

小野竹喬の魅力:自然を捉えた繊細な描写と色彩

笠岡市立竹喬美術館の展示室

編集部

小野竹喬がどんな作品を描いているのか教えてください。

柴田さん

竹喬は14歳で京都の竹内栖鳳に入門し、京都を活動の中心にしていましたが、出身地である笠岡の風景も数多く制作しています。竹喬が描く四季折々の自然は、大自然から足元のごく身近な自然まで幅広いものです。例えば、広大な山々や海の景色から、庭先の草花や小さな虫たちまで、様々な自然の表情を捉えています。

また、14歳から89歳という長い画業から生み出された作品は、機知に富んだ自然の姿を表現しています。竹喬独特の視点で捉えられた自然の姿は、見る人の心に深く響きます。きっと、訪れた方は竹喬作品を通じて、自然との豊かな語らいを感じていただけるのではないでしょうか。

編集部

『仲秋の月』では大自然を、『樹間の茜』では身近な自然を描いていますね。どちらも木を題材にしていますが、その表現方法や醸し出す雰囲気がまったく異なり、とても魅力的です。同じ画家の作品とは思えないほど多彩な表現力に驚かされます。

75年の画業を通じた作風の変遷:若年期から晩年まで

『野辺』の写真
▲小野竹喬の『野辺』

編集部

小野竹喬の作品は自然をモチーフにして描いているものが多いですが、作品の見どころはどんなところでしょうか?

柴田さん

竹喬は75年という長い画業で、数多くの作品を描いています。そのため若い頃の作品と、晩年の頃の作品とでは全く異なる作風です。その作風の変化は竹喬作品の見どころといえます。

数ある竹喬作品の中から、ぜひ自分の好きな作品を選んでみてください。完成作品だけでなく、スケッチも展示しています。スケッチや下絵は通常見ることができないものなので、竹喬ファンの中には完成品よりもスケッチや下絵の方を好まれる方もいらっしゃいます。

また、季節に合った竹喬作品を展示しているので、一年を通じて楽しめるのが特徴です。春には桜、夏には海、秋には紅葉、冬には雪景色など、その時々の季節感あふれる作品を鑑賞できます。

編集部

若い頃の作品も晩年の作品も収蔵しているからこそ、タッチの違いを感じながら鑑賞できそうですね。

人によって感じ方は異なるので、「どの作品が好みだったか」「どう感じたか」などをデート中に話しながら鑑賞すると、より相手のことを知ることができそうです。また、季節ごとに展示が変わるので、何度訪れても新しい発見があるかもしれませんね。

特別展とイベント:ワークショップやギャラリートークで作品理解を深める

『樹間の茜』の写真
▲小野竹喬の『樹間の茜』

編集部

笠岡市立竹喬美術館で体験できることはありますか?

柴田さん

特別展の際には、ワークショップを実施しています。特別展によって内容が異なりますので、具体的な内容や日程については美術館にお問い合わせください。

また、展覧会ごとに学芸員によるギャラリートークを実施しています。作品を自分の目で見て感じとっていただくことも大切ですが、学芸員からの解説を聞くことで、作品への理解や感じ方が深まる可能性があります。

編集部

過去には干支のペーパークラフトに挑戦するワークショップや、竹喬作品を使ったバッグ作りの工作などを行ったそうですね。デートで絵画鑑賞以外も楽しみたいカップルは、特別展や展覧会を行っている日を選ぶとよさそうです。

ミュージアムショップ:竹喬作品をモチーフにしたオリジナルグッズ

笠岡市立竹喬美術館のミュージアムショップ

編集部

施設内にはミュージアムショップがあるようですが、どんなグッズが販売されていますか?

柴田さん

館内には、竹喬作品を使った絵葉書や一筆箋などのグッズを販売しています。竹喬カレンダーも人気商品で、月ごとに12点の竹喬作品をお楽しみいただけます。絵葉書や一筆箋は、美術館での思い出を大切な人に伝えるのにぴったりです。また、カレンダーは1年を通して竹喬の作品を身近に感じられる素敵なアイテムになっています。

来館者の声:地元住民も絶賛する美術館の魅力

笠岡市立竹喬美術館の中庭

編集部

笠岡市立竹喬美術館では、小野竹喬をはじめとする多くの作品を鑑賞できますが、来館者の方々はどのような感想を持たれているのでしょうか?

柴田さん

「笠岡にこんな素晴らしい美術館があるとは知らなかった。もっと多くの人に知ってもらうべきだ」という声をよく頂きます。実際、地元の方々にも高く評価されています。

編集部

来館者の方々から、以下のような口コミも寄せられています。

アイコン
優しい雰囲気の絵に心が癒されました
アイコン
静寂な空間でゆっくりと作品を鑑賞することができました
アイコン
中庭がとても美しく、思わず写真を撮ってしまいました

絵画だけでなく、施設内の落ち着いた雰囲気や美しい中庭に関する感想も多く寄せられています。笠岡市立竹喬美術館では、芸術作品と共に、建物全体の魅力を堪能できそうです。

カップルへのおすすめ:中庭と水琴窟で静かなひとときを

編集部

最後に、笠岡市立竹喬美術館にデートで来館したいと思っているカップルにメッセージをお願いします。

柴田さん

当館には中庭があり、笠岡の島々をイメージして庭石を配置しています。また、岡山県内でも珍しい水琴窟(※1)があります。休憩室からは中庭を望めるようになっていますので、ぜひ中庭の景色を楽しみながらゆっくりとおくつろぎください。カップルの皆さまにとって、心安らぐ素敵な時間を過ごせる場所になると思います。

編集部

見どころたっぷりの笠岡市立竹喬美術館は、何度訪れても新しい発見がありそうです。今回はありがとうございました。

※1)日本庭園の装飾の一つ。手水鉢横の地中に空洞を造り、そこに水滴が落下することで音が反響する仕組み。静かな環境で聴くと、澄んだ音色を楽しむことができます。

アクセス・開館時間・入館料:笠岡市立竹喬美術館の基本情報

住所 〒714-0087
岡山県笠岡市六番町1-17
アクセス 【JR】
JR「笠岡駅」より
・タクシー約5分
・徒歩約25分
・バス約5分
【車】
・山陽自動車道「笠岡IC」より一般道で約15分
【飛行機】
・広島空港→リムジンバス約60分→福山駅→山陽本線下り約15分(快速約10分)→笠岡駅
・岡山空港→リムジンバス約35分→倉敷駅→山陽本線上り約30分(快速約20分)→笠岡駅
・岡山空港→リムジンバス約30分→岡山駅→山陽本線上り約50分(快速約35分)→笠岡駅
駐車場 あり(無料・20台)
※館の南側と北側に駐車スペースがあります
電話番号 0865-63-3967
営業時間 9時30分から17時00分
(入館は16時30分まで)
休館日 ・毎週月曜日
(月曜日が祝日の場合、月曜日は開館し、翌火曜日は休館します)
・年末年始(12月29日〜1月3日)
展示替え期間中
料金 <入館料>
・特別陳列(常設展。特別展を除く)
一般:500円
高校生以下:無料
65歳以上:無料(年齢を証明できるものをご提示ください)
・特別展
一人につき、1,500円以内で市長が別に定めます。料金は展覧会案内のページでご確認ください。
撮影 展示室内での撮影は禁止。中庭などの館内の一部エリアでは撮影可能
空いている時間帯 比較的どの時間帯も空いています
平均滞在時間 約1時間
公式サイト https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/

※最新の情報は公式ホームページでご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

美術館周辺で楽しむ:おすすめデートスポット4選

笠岡市立竹喬美術館周辺のデートスポットをご紹介します。美術館を十分に楽しんだ後に、周辺の魅力的な場所にも足を運んでみてはいかがでしょうか。カップルで楽しめる様々なスポットがありますので、ぜひ参考にしてください。

おすすめのデートスポット

 地元の新鮮食材をいただける「日本料理 美然」

笠岡・寄島でとれた旬の新鮮食材を使った逸品料理を堪能できる日本料理屋です。夜はコース懐石を楽しめ、昼は土鍋ご飯のランチをリーズナブルな価格で味わえます。

ランチで提供される土鍋ご飯は、注文を受けてから炊き始めるこだわりの一品です。土鍋で炊いた炊き立てのご飯は一粒一粒のお米の食感が際立ち、ほんのり甘くて格別の味わいです。土鍋ランチには季節の天ぷらのセットもありますが、特におすすめなのは旬の魚を使ったお造りのセットです。新鮮な海の幸を存分に楽しめます。

柴田さんからのコメント

笠岡のお刺身は新鮮で美味しいので、ぜひご堪能ください!

住所 〒714-0084
岡山県笠岡市三番町4-11
電話番号 0865-60-0909
営業時間 11:30~16:00(L.O.14:30)
18:00~22:00(L.O.20:30)
定休日 水曜日
駐車場 あり
公式サイト https://washoku-bizen.jp/

生きた化石に出会う:世界唯一の「カブトガニ博物館」

カブトガニ博物館の内観
引用:カブトガニ博物館公式HP

笠岡市横島にある「カブトガニ博物館」は、生きている化石として知られるカブトガニについて詳しく学べる、世界で唯一の博物館です。

博物館では、カブトガニの進化の歴史がわかる展示を見学できるだけでなく、生きたカブトガニを間近で観察することができます。これらの展示を通じて、カブトガニの生態や歴史を深く理解することができます。

さらに、施設の外には7種8体もの恐竜の原寸大模型が展示されており、まるで太古の時代にタイムスリップしたかのような体験ができます。また、展望室では瀬戸内海の潮風を感じながらゆったりと過ごすことができ、自然を満喫できる癒しの空間となっています。

柴田さんからのコメント

「カブトガニ博物館」は日本で唯一のカブトガニに特化した博物館です。竹喬美術館にお越しの際は、ぜひこちらにも立ち寄ってみてください。カブトガニの魅力を存分に感じられる貴重な機会になるでしょう。

住所 〒714-0043
岡山県笠岡市横島1946-2
電話番号 0865-67-2477
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 ・一般:520円
・高校生:310円
・(市外)小・中学生: 210円
公式サイト https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/kabutogani/

自然と地域の味覚:「道の駅笠岡ベイファーム」で季節の花と特産品を

道の駅笠岡ベイファームの外観
引用:道の駅笠岡ベイファーム公式HP

「道の駅笠岡ベイファーム」は、地元の新鮮な農産物や鮮魚を販売する直売所があるほか、レストランやカフェも併設している多機能な道の駅です。ここでは笠岡湾干拓地の魅力や笠岡周辺の観光情報も得られるため、笠岡の魅力を知るのに最適な場所といえるでしょう。

施設に隣接する12ヘクタールもの広大な畑には、四季折々の花が植えられています。春は黄色い菜の花と赤いポピー、夏は鮮やかな黄色のひまわり、秋はピンクや白のコスモスと、季節ごとに異なる花々を楽しめるのが大きな魅力です。美しく咲き誇る花を背景に、カップルで思い出に残る写真を撮影してみてはいかがでしょうか。

住所 〒714-0046
岡山県笠岡市カブト南町245-5
電話番号 0865-67-6755
営業時間 <直売コーナー>
9:00~18:00
公式サイト https://k-bay.jp/

日本庭園の静寂:「大仙院」で心を落ち着かせる

「大仙さん」と地元の方々に親しまれている大仙院は、厳かな雰囲気のある寺院です。鐘楼門は赤く色鮮やかで、まるでそこだけ異国のような雰囲気を醸し出しています。写真映えするスポットとして、多くのカップルが訪れて撮影を楽しんでいます。

石畳の参道を進むと、立派な松の木が目に入ります。この松は平成天皇がお手植えされたもので、歴史的な価値も高い木です。

表門をくぐると清らかな空気が漂い、凛とした雰囲気に包まれます。書院庭園や方丈前庭などの日本庭園を眺めながら、時の流れを忘れてゆっくりと過ごすことができます。四季折々の景色を楽しめるので、何度訪れても新たな発見があるでしょう。

住所 〒714-0081
岡山県笠岡市笠岡5240
電話番号 075-491-8346
拝観時間 <3月~11月>9:00~17:00
<12月~2月>9:00~16:30
拝観料 ・大人(高校生以上):400円
・小、中学生:270円
※2023年1月から料金改定により大人500円、小、中学生300円となります。
公式サイト https://www.kasaoka-kankou.jp/spot/585

まとめ:芸術と自然に触れる、笠岡市での大人の1日デート

笠岡市立竹喬美術館で絵画鑑賞を楽しんだ後は、日本料理美然で美味しいランチに舌鼓を打ちます。

続いて、笠岡市立カブトガニ博物館で貴重な生きた化石を見学し、大仙院で静寂な雰囲気に包まれながら心を落ち着かせます。最後に道の駅笠岡ベイファームで自然を感じながら、ゆったりとした時間を過ごします。これは大人だからこそ楽しめる優雅な過ごし方です。

このような大人のデートプランを通じて、お互いの感性を知り、二人の仲をより深めてみてはいかがでしょうか。