【熊本デート】湯前まんが美術館で風刺マンガの歴史を学ぶカップル向け観光プラン

この記事では、熊本県球磨郡にある「湯前まんが美術館」をメインにしたデートプランを紹介します。

湯前まんが美術館は、湯前町出身の風刺マンガ家「那須良輔」の作品を数多く所蔵し、展示している美術館です。

那須氏の作品だけでなく、現代のマンガ作品にちなんだ企画展や、自由に読めるマンガコーナーなども設けられています。マンガ好きなカップルがゆっくり過ごすのにぴったりのスポットです。

今回は、湯前まんが美術館の地域おこし協力隊である髙橋さんに詳しくお話を伺いました。

湯前まんが美術館の魅力:那須良輔の風刺マンガコレクション

湯前まんが美術館のロビーの様子
▲マンガの貴重な原画や関連本がずらりと並ぶ館内

湯前まんが美術館は、熊本県湯前町出身の風刺マンガ家「那須良輔(なすりょうすけ)」の原画作品を収蔵・展示することを目的に、1992年(平成4年)に建てられた施設です。那須良輔氏は、社会や政治を鋭く風刺するマンガで知られています。

風刺マンガの展示だけでなく、現代マンガ作品に関連した企画展も定期的に開催しており、展示内容は少年マンガから少女マンガ、青年マンガまで幅広いジャンルにわたります。

くまがわ鉄道の終着駅「湯前駅」から徒歩3分という好アクセスで、観光やマンガ愛好家の方々にとって便利な立地となっています。館内には熊本に関連したマンガ単行本を自由に読むことができるコーナーも設けられており、地元の文化に触れることができます。

それでは、湯前まんが美術館の具体的な展示内容について詳しく聞いていきましょう。

常設展で体験する那須良輔の風刺マンガワールド

編集部

湯前まんが美術館の常設展、メインの展示について教えてください。

髙橋さん

湯前まんが美術館には、常設展示室と特別展示室の2つの展示室があり、それぞれおよそ3か月ごとに展示替えを行っています。

常設展示室のメインの展示は、湯前町が誇る風刺マンガ家「那須良輔」の原画作品です。那須良輔は、戦後に毎日新聞の風刺マンガ家として活躍した人物です。当館では原画作品を7,113点、遺品や書籍を含めた関連資料をあわせると1万点以上を収蔵しています。

湯前まんが美術館の常設展内の様子
▲常設展示室:風刺マンガならではの時代考察が面白い

那須先生の戦争体験から生まれた絵画や風刺マンガをテーマにした「戦争と平和展」、愛らしい生き物たちが描かれた「いきもの展」など、多くのコレクションの中から様々なテーマごとに展示を作り、那須作品の魅力を伝えています。

湯前まんが美術館の那須良輔の風刺画「麻雀」
▲那須良輔「麻雀」:1972年頃の作品

湯前まんが美術館の那須良輔の風刺画「かんかんがくがく」
▲那須良輔「かんかん がくがく」:1958年9月の作品

現代の方にはなじみが少ない風刺マンガですが、ユーモアにあふれた那須作品には思わず笑ってしまうはずです。社会問題や時事ネタを面白おかしく描いているので、楽しみながら当時の世相を知ることができます。

湯前まんが美術館の那須良輔の書斎復元スペース
▲常設展示室には那須良輔の書斎がリアルに復元されている

編集部

おすすめの鑑賞の仕方などがあれば教えてください。

髙橋さん

展示室内の各作品前に設置されているQRコードを読み込んでいただければ、ウェブ上で作品についての詳しい解説を読むことができます。

また、受付にお申し出いただければ、那須良輔についての映像DVDをご覧いただけます。那須先生の人柄や作品に込められた思いを知ることができるので、作品をより深く理解するのに役立ちます。

さらに、会場内に設置されているデジタルサイネージは、自由に触ってお楽しみいただけます。会場内に展示していない作品も見ることができるので、ぜひ操作してみてください。

湯前まんが美術館の館内にあるデジタルサイネージ
▲デジタルサイネージは簡単な操作で知りたい情報を得られて便利

特別展示室:「那須良輔 風刺漫画大賞」受賞作品の見どころ

編集部

特別展示室では定期的に展示替えを行っているそうですが、過去に人気のあった企画展や、定期的に開催されている企画展についてご紹介いただけますか。

髙橋さん

湯前まんが美術館では、開館以来毎年、当館が主催する「那須良輔 風刺漫画大賞」の受賞作品展を開催しています。これは当館の代表的な企画展の一つです。

湯前まんが美術館の特別展示室の様子
▲特別展示室:「那須良輔 風刺漫画大賞」の受賞作品展

「那須良輔 風刺漫画大賞」は、漫画家・那須良輔の功績を称え、マンガ文化の発展を目的として平成4年(1992年)に創設されました。この賞では、その年の社会問題や応募者が関心を持つテーマを自由に風刺したマンガ作品を募集しています。

大賞の賞金は50万円で、毎年世界中から多数の作品が寄せられています。「受賞作品展」では、全入賞作品に加え、選外の優れた作品も展示しており、他の美術館では見られないほど大規模な風刺マンガの展示を楽しむことができます。この展示会は、時事問題や社会課題を独自の視点で表現したマンガ作品を通じて、来館者に新たな気づきや考える機会を提供しています。

第31回那須良輔大賞受賞作品「省エネ!!」の絵
▲第31回那須良輔大賞受賞作:「省エネ!!」(藤丸(藤井仁子さん)/熊本県)

湯前まんが美術館の独自性:魅力と見どころ

編集部

髙橋さんが思う、湯前まんが美術館の「他とはここが違う!」という魅力や見どころはどんなところでしょうか?

髙橋さん

湯前まんが美術館の魅力は、那須良輔の風刺マンガを中心に、現代のマンガ文化に関連する多様な展示を行っているところです。全国のマンガ美術館の中でも比較的歴史が古く、1994年の開館以来、マンガ文化の発信地として親しまれてきました。

展示室はもちろん、館内ロビーも見どころの一つです。毎年湯前町で開催される「ゆのまえ漫画フェスタ」に登壇したマンガ家の方々の色紙やイラストを展示しています。これらは写真撮影も可能ですので、お気に入りの作品とともに思い出を残すことができます。

湯前まんが美術館のロビーに展示されている色紙やイラスト
▲写真撮影OKだから、お気に入りと一緒に記念撮影を♪

編集部

展示内容以外に「ここは見てほしい」というポイントがあればご紹介ください。

髙橋さん

建物自体も見どころの一つです。湯前まんが美術館は「くまもとアートポリス」参加の建築物で、球磨川に住む川魚をイメージした特徴的な形をしています。外観だけでなく、内部の設計にも注目していただきたいですね。

館内は、球磨地方の杉とヒノキで造られたあたたかみのある雰囲気で、癒しの空間となっています。木の香りに包まれながら、リラックスして作品鑑賞やマンガ読書をゆっくりお楽しみいただけます。快適な環境で、マンガの世界に没頭できるのも当館の魅力です。

湯前まんが美術館のマンガ閲覧コーナー
▲ソファーに座ってゆっくりとマンガを読むことができる

カップル向け湯前まんが美術館デートプランガイド

湯前まんが美術館の受付周りの様子
▲受付では人気マンガのキャラクター達がお出迎え

ここからは、湯前まんが美術館にデートで訪れた場合の楽しみ方を詳しく紹介していきます。カップルで楽しめる展示や体験をはじめ、館内の見どころについて、施設の方にお話を伺いました。美術館ならではの魅力や、二人で楽しめるポイントを中心にご紹介します。

季節限定イベント&ワークショップで楽しみ倍増

編集部

湯前まんが美術館にデートで訪れた場合、カップルが参加して楽しめるようなイベントはありますか?

髙橋さん

はい、月に1回、美術館の2階で季節に合わせたさまざまなワークショップを開催しています。例えば、11月には当館オリジナルのかるたで遊ぶワークショップを行いました。

湯前まんが美術館のワークショップでかるた遊びをしている様子
▲思わず夢中になって札を取りたくなる「かるた遊び」

カップルで参加された方々からは「久しぶりのかるた遊びで、想像以上に白熱した!」という感想をいただき、好評でした。これらのワークショップは基本的に参加費無料で、当日の飛び込み参加も可能です。

イベントの開催日は当館のホームページやSNS(ツイッター、フェイスブックなど)で告知していますので、ぜひチェックしてお越しください。

>>湯前まんが美術館公式サイト(企画展・イベント)はこちら

マンガ好きカップルにおすすめ:ランチ&読書スポット

編集部

湯前まんが美術館内には、ランチや休憩ができるレストランやカフェなどはありますか?

髙橋さん

湯前まんが美術館内に飲食施設はありませんが、当館の見学後に「湯前駅レールウィング」でランチや休憩を楽しむことができます。

「湯前駅レールウィング」は当館から徒歩2分の湯前駅に隣接しており、有名マンガ家の直筆イラストが描かれたモニュメントや、無料でマンガが読み放題の「湯前まんが図書館」があります。

また、「ユノカフェ」では自家製バンズのユノバーガーや球磨地域の農産物を使ったメニューを味わえます。「湯前まんが図書館」のマンガを読みながらランチやコーヒーを楽しめるのが特徴です。

>>湯前駅レールウィング複合施設Facebook

湯前まんが美術館スタッフからカップルへのメッセージ

編集部

これから湯前まんが美術館へデートでの来館を検討しているカップルやご夫婦へ、メッセージをお願いします。

髙橋さん

日本のマンガ文化は、現在世界でも高い人気を誇っています。当館は、その源流である「風刺マンガ」について詳しく知ることができる美術館です。

マンガ好きの方はもちろん、昭和史に興味のある方や、美術や絵画が好きな方にもお楽しみいただけます。湯前町には温泉もありますので、美術館見学と温泉を組み合わせた1日観光プランがおすすめです。ゆっくりと時間を過ごしながら、マンガ文化の奥深さを一緒に楽しんでいただければと思います。ぜひお二人でお越しください。

編集部

髙橋さん、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

来館者の声:湯前まんが美術館の口コミと評判

編集部で湯前まんが美術館を訪れた方の口コミや感想をインターネットで調査したところ、参考になる意見がいくつかありましたので、ご紹介します。

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大人が昔を懐かしんで楽しめる展示が充実している
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歴史的人物の特徴を鋭く捉えた風刺画の質が高い
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隣接するまんが図書館と合わせて訪問でき、効率的に楽しめる

他にも「小規模な施設ながら内容が充実しており、十分楽しめた」という意見が多く見られました。風刺マンガは年配の方には懐かしさを感じさせ、若い世代には新鮮な印象を与えるようで、来館者の年齢層が幅広いことがわかりました。特に、織田信長や徳川家康といった歴史上の人物を題材にした作品は、歴史知識の有無に関わらず世代を超えて楽しめる点が大きな魅力となっているようです。

湯前まんが美術館の料金・混雑しない日時など

湯前まんが美術館のオリジナルグッズ販売コーナーの様子
▲湯前まんが美術館のオリジナルグッズはデートの記念のお土産におすすめです

入館料
一般・大学・高校生 300円
小学生・中学生 100円

※障がい者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添いの方1名まで無料です。また、小学生未満の児童は無料となります。

館内の混雑状況について髙橋さんに伺ったところ、平日はどの時間帯も比較的空いているとのことです。土日祝日は、午前中のほうがゆっくりと作品を鑑賞できるそうです。特に開館直後の10時から12時頃までが最も空いている時間帯とのことです。カップルでゆったりと美術館を楽しむなら、この時間帯がおすすめですね。ゆっくりと展示を見られるだけでなく、二人きりの時間を過ごすのにも適しています。

湯前まんが美術館の基本情報(アクセス・開館時間)

住所 〒868-0600
熊本県球磨郡湯前町1834-1
連絡先 0966-43-2050
アクセス 【車】九州自動車道「人吉IC」または「人吉球磨スマートIC」より約40分

【電車】くま川鉄道「湯前駅」下車徒歩3分
※人吉温泉~肥後西村駅区間は、災害により代替バスが運行中(日曜・祝日運休)
営業時間・休館日 午前9時30分~午後5時まで
休館日:年末年始(12月28日~1月3日)
駐車場 50台(無料)
公式URL https://yunomae-manga.com/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
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