小豆島町での移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、島への移住に興味がある方々に向け、香川県小豆郡小豆島町(しょうどしまちょう)の暮らしに関する情報を紹介します。
小豆島の南東部に位置する小豆島町は、瀬戸内海を介して岡山県や淡路島に接しています。瀬戸内海の絶景はもちろん、醤油・佃煮・オリーブ・素麺産業を主とした伝統ある地場産業が盛んで、地元グルメも豊富。四国の玄関口とされる香川県高松市へもフェリーで約1時間と、離島でありながら交通の便が良いです。
今回は、小豆島町役場の住まい政策課で主任主事を務める石原さんと、小豆島町地域おこし協力隊・移住コンシェルジュの浦さんに取材し、小豆島の魅力や教育・仕事・住まいなどの実情を伺いました。
小豆島町の暮らし・4つの特徴
小豆島町では特に、子育て世帯の移住を歓迎しているそうです。そんな小豆島には、大きく4つの特徴があります。
小豆島の魅力をたっぷりと含めながら、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:瀬戸内海・寒霞渓の絶景を日常的に楽しめる
小豆島町の大きな魅力は、瀬戸内海に面したロケーションです。小豆島の美しい海を見て、移住に興味を持つ人も少なくありません。
▲瀬戸内海の絶景を、日常的に楽しめる
私自身、小豆島の海の美しさに感動して東京から移住した1人です。海沿いをドライブしたときに、いずれの角度からも美しい海を見て心を奪われたのを覚えています。
小豆島の海は比較的波が穏やかです。また、何時間もかけて海へ行く必要がなく、山に近い地域でも、10~15分で海へ繰り出せ、気軽にカヤックなどのマリンスポーツを楽しめます。
秋の紅葉シーズンにはぜひ、絶景スポットの「寒霞渓(かんかけい)」に足を運んでみてください。寒霞渓は、空・海・渓谷の美しさを一度に堪能できるスポットです。山頂まではロープウェイで移動でき、オープンデッキやレストランもあります。家族でハンバーガーやドリンクなどを味わいながら、撮影タイムを満喫するのも楽しそうです。
個人的には「碁石山(ごいしざん)」が大好きです。小豆島八十八か所めぐりの2番目の霊場に指定されており、内海湾や播磨灘などの景色を楽しめます。小豆島内には四国本土とは異なる八十八か所霊場があるので、家族でめぐるのもおすすめです。
特徴2:高松までフェリーで約1時間。気軽に島外へ繰り出せる
小豆島町は島ながら、利便性のある地域です。フェリーを使うと、約1時間で「四国の玄関口」といわれる香川県高松市に移動できます。さらに、フェリーが到着する「高松港」から、高松市の主要駅「高松駅」までは徒歩圏内です。高松駅の周辺にはショッピング街や人気のファストフード店や映画館・カラオケ・ボウリング場といったレジャー施設もそろっています。
フェリーには自家用車を積めるので、高松市内をドライブすることも可能です。高松市に往来しやすく、島のゆったりとした雰囲気と、中心部の活気のある雰囲気を楽しめます。「島の生活に憧れているけれど、利便性は捨てがたい」という方にもおすすめできる移住先です。
小豆島内には複数の港があり、神戸港(兵庫県)や姫路港(兵庫県)、新岡山港(岡山県)を往来する便も出ています。少し遠出したいときには、フェリーで中国・関西エリアに行くのもおすすめです。
特徴3:こだわりの小豆島グルメがたくさん
小豆島町のある小豆島は、オリーブや瀬戸内海の塩、伝統的な技法を駆使したしょうゆなど、調味料がおいしい地域です。
日本で初めてオリーブの栽培に成功した小豆島は、「オリーブの島」と呼ばれています(※参考:小豆島町「小豆島とオリーブの歴史」)。オリーブオイルはもちろん、オリーブの搾油の際にでる絞り果実を乾燥させ、飼料として食べさせて飼育した「オリーブ牛」を使った料理や、オリーブそうめんといった小豆島グルメも味わえます。なんと、小豆島では学校給食の油はすべてオリーブオイルが使われています。
▲浅漬けで食べてもおいしい
そのほかにぜひ食べていただきたい特産品は、「スイートスプリング」という名前のみかんです。グレープフルーツみたいに皮がかたいのですが、果肉は酸味がなく、みかんの甘さをたっぷりと味わえますよ。
小豆島グルメを堪能するなら、道の駅「小豆島オリーブ公園」がおすすめです。敷地内には小豆島の特産品を購入できるお土産店や、オリーブを使った料理を味わえるレストランなどがあります。さらに、映画「魔女の宅急便」の世界観を楽しめる「コリコ」や温泉、遊具広場なども併設されており、家族で1日過ごせる場所です。
▲道の駅「小豆島オリーブ公園」からも海を見渡せる
特徴4:瀬戸内国際芸術祭・二十四の瞳映画村あり!アートが身近な環境
▲アート作品の「ザ・スター・アンガー」
「アートな島」とも称される小豆島は、美術作品や映画にまつわるスポットも豊富です。小豆島では3年に1度のペースで、「瀬戸内国際芸術祭」が開催されます。瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海に浮かぶ12の島などが参加するイベントで、一流のアーティストたちが集結します。瀬戸内国際芸術祭のボランティアに参加したことがきっかけで、小豆島に移住する人も多いそうです。
▲アート作品の「オリーブのリーゼント」
小豆島はアートに力を入れており、一般的な道にもアーティストの芸術作品が置かれています。2024年4月には新しく美術館もオープンするので、芸術好きな方はきっと満足していただけるはずです。
また、小豆島町にある「二十四の瞳映画村」も芸術を楽しめるスポットです。写真やアート作品などが展示されたギャラリーのほか、実際の撮影で使ったスタジオもあります。昭和時代の「給食セット」を味わえるカフェで、今の給食との違いを見つけるのも楽しそうです。
公式:二十四の瞳映画村
小豆島町の暮らしに関する情報
続いて、小豆島町で生活する際に知っておくと役立つ情報をまとめてお伝えします。まずは、下の表をご覧ください。
気候 | 8月平均気温:29.7℃ 1月平均気温:6.2℃ ※参考:気象庁(香川県・高松地点) |
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人口 | 人口:約13,000人 世帯:約6,000戸 (2023年5月時点) |
病院 | 診療所・クリニック:5か所 病院:3か所 歯科:5か所 |
学校 | 保育所:4か所 幼稚園:6園 小学校:4校 中学校:1校 高等学校:1校 |
交通 | 港湾:池田港・坂手港・福田各港など バス:町営バス・小豆島オリーブバスなど |
近隣都市 | 島内:小豆郡土庄町 香川県:高松市・香川郡直島町(海上を隔てて隣接) |
小豆島町は瀬戸内海型気候に属し、温暖かつ雨が少ないのが特徴です。年間を通して比較的気候が穏やかで、雪が積もることも滅多にありません。
瀬戸内海で2番目に広い島といわれる小豆島は、1周するのに車で3時間ほどかかるのが特徴。「小豆島町役場」から徒歩圏内にスーパーやJA、コンビニなどが集まっていますが、島内の施設数はそれほど多くありません。バスの本数も少ないため、車の利用は必須といえるでしょう。
ネット通販の配達も早く、食料品などの買い物はスーパーが数箇所あるのでそれほど困りません。私の場合は、家具のように自分の目で確かめたいものは高松市まで買いに行っていますよ。
子育て・教育:地域ぐるみで子どもを育てる風土
地域ぐるみでの子育てを重視する小豆島町には、子どもがのびのびと遊べる公園が点在しています。公園から住宅までのスペースが広いため、多少子どもが騒いでも気にならないのがポイント。共働きのサポートにも力を入れており、親が働いている小学生は「放課後児童クラブ」を利用できます。放課後児童クラブは町内に2か所あり、学習スペースや体を動かせる遊び場などが併設されています。定員や利用条件などの詳細は、公式サイトをご覧ください。
中学校・高等学校では、地域の問題に目を向けて「自分たちは何ができるか」を考える授業も実施しています。生徒たちが小豆島町役場に足を運び、担当の方々に困っていることを取材するそうです。そのほか、漁師さんなどに協力してもらい、学生たちが魚をさばく体験もあります。地域住民と関わりながら学習を進められるのは、子育てに協力的な風土がある小豆島町の魅力です。
仕事:島内での就職が多数!テレワークも人気
大手求人情報サイトで小豆島町の正社員求人を検索したところ、150件ほどの求人が見つかりました。製造や調理、販売、事務、IT関係など、種類も豊富なので、経験を活かした仕事選びも期待できます。
※求人情報の一例(小豆島町)
条件を限定しすぎなければ、小豆島町内でも仕事が見つかると思いますよ。実際、ほとんどの住民は島内で働いていらっしゃいます。
数は多くありませんが、高松市内で働いている方もいます。高松市内まで範囲を広げると、求人数は1万件以上に増えました。テレワークを導入した企業の求人もあったので、出勤と在宅を組み合わせて負担を減らすのもおすすめです。
※求人情報の一例(高松市)
小豆島町に移住される方々のうち、2割ほどはテレワーカーの方々です。よほどの僻地以外はネット環境が整っているので、スムーズにお仕事していただけると思います。
住まい:物件探しのサポートあり。空き家バンクでの家探しが主流
現在のところ、小豆島町の賃貸物件は5件ほどです。
※物件情報の一例(小豆郡)
一方、空き家バンクには賃貸・購入合わせて25件ほどの物件情報が公開されています。築年数や価格はさまざまですが、賃貸だと2万円〜8万円弱、購入だと100万円〜3,900万円の物件がありました。
※小豆島町 移住・定住支援サイト「空き家バンク(物件一覧)」
小豆島町では、空き家バンクのリフォーム費用を100万円までサポートしています。対象となるリフォーム工事や利用条件などは、公式サイトをご確認ください。さらに2024年度からは賃貸・購入にかかわらず、空き家バンクを契約した40歳未満の移住者1人あたり5万円(1世帯上限20万円)を支給します。
公式:小豆島町「小豆島町空き家活用事業」
公式:小豆島町「移住定住促進事業」
小豆島町と連携して移住支援を担うNPO法人「Totie(トティエ)」に相談すると、スムーズに物件探しができると思いますよ。Totieは、小豆島への移住希望者の住まい探しをサポートするほか、オンラインの移住イベントなども企画・運営している団体です。電話・オンライン・対面での相談を受け付けているので、ぜひ相談してみてください。
移住した人の体験談・感想
ここからは、実際に小豆島に移住した方々から寄せられた感想をまとめて紹介します。移住者の声を参考に、暮らしをイメージしてみましょう。
- 小豆島町は適度にお店があり、人も多くて住みやすいまちです。
- 高松空港を利用すると、合計4時間ほどで東京へ移動できます。
- アーティストたちとの交流や、教育熱心な保育園・学校など、子育てするにはもってこいの環境です。
- 家族で出かけられるスポットが多いので、休日のレジャーに困らないと思います。
移住者の感想からも、のどかな島の雰囲気と主要都市へのアクセスの良さを兼ね備えた小豆島町の暮らしがうかがえます。
移住に役立つサポート・相談先
ここからは、小豆島への興味を強めた方々に向け、移住の準備に役立つ情報をまとめてお伝えします。
東京23区からの移住者向けサポート
東京23区へ通勤・在住している方が小豆島町に移住し、就職先の条件を満たすと、単身で最大60万円、2人以上の家族で最大100万円の補助金がもらえます。さらに、子育て世帯は18歳未満の子ども1人につき、100万円が加算されるそうです。詳しい条件や、申請方法などは公式サイトに記載しているので、ぜひチェックしてみてください。
公式:小豆島町「小豆島町東京圏UIJターン移住支援事業補助金」
暮らしをイメージできる!移住体験施設・シェアハウス
小豆島町には、1日から1か月まで利用できる移住体験施設の「黒田邸」「黒島邸」があります。黒田邸は短期向けの移住体験施設で、仕事に使えるワークスペースや27インチのモニタなども設置されています。一方の黒島邸は中長期向けの施設で、醤油蔵が並ぶ「醤の郷」内に位置するのが特徴。小豆島の歴史を感じながら、じっくりと島暮らしを体験できます。
いきなり物件を契約するのではなく、移住体験施設を上手に活用しながら希望に合った空き家を探す方が多いです。
「1か月以上滞在してみたい」という方には、就労者向けの「うえむらシェアハウス」がおすすめです。旅館をリノベーションしたシェアハウスには、3か月以上(最長2029年3月まで)の滞在が可能です。共有のキッチンスペースには家電がそろっており、Wi-Fiも完備されています。興味のある方はNPO法人Totieの公式サイトをチェックしてみてください。
観光でお越しいただくなら、海のレジャーを楽しめる夏がおすすめです。一方で、イベントが少なく、海・風の寒さが増す冬に来ていただくと、小豆島町のリアルな生活に触れられると思います。
小豆島町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 小豆島町役場 住まい政策課 |
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住所 | 〒761-4492 香川県小豆郡小豆島町片城甲44番地95 |
電話番号 | 0879-82-7011 |
対応時間 | 8:30〜17:15 |
公式サイト | 小豆島町役場:https://www.town.shodoshima.lg.jp/index.html 小豆島移住ポータルサイト:https://shimagurashi.jp/ 小豆島町移住・定住支援サイト:https://www.town.shodoshima.lg.jp/iju_teiju/index.html |