長野県岡谷市に移住:豊かな自然と伝統文化、充実の子育て支援

この記事では移住を考えている人に向けて、長野県岡谷市の3つの特徴と暮らしに関する基本情報(気候・交通網・仕事・住まい)や支援制度についてご紹介します。

岡谷市は諏訪湖に面し、壮大な山々に囲まれている自然豊かなまちです。また、中心市街地には病院や商業施設があり、生活に必要な物は市内で何でも揃います。そんな、自然と都市が調和している「いいとこ取りなまち」が岡谷市です。

また、子育てをしやすい環境や各種制度も整っているので、小さいお子さんがいる家族も移住しやすいまちでもあります。

今回は、そんな岡谷市の魅力や暮らし、移住支援について、岡谷市 企画政策部 地域創生推進課の職員のみなさんにお話をお伺いしました。

本日お話を伺った方
岡谷市 企画政策部 地域創生推進課 職員のみなさん

岡谷市 企画政策部 地域創生推進課

職員のみなさん

岡谷市の暮らしの特徴:移住におすすめの3つのポイント

長野県岡谷市の暮らしの特徴

長野県岡谷市は信州の中央にある諏訪湖に面した、自然豊かなまちです。

明治から昭和初期にかけて、日本の製糸業の中心地でした。岡谷の生糸は世界一の輸出生産量を誇り、海外からは「SILK OKAYA」、国内では「糸都(しと)岡谷」と呼ばれ、現在も市内には、その文化を語り継ぐための施設が残されています。

また、50年以上続く「岡谷太鼓まつり」も有名で、300人が揃って太鼓を打つ姿は見る人々を魅了する圧巻のパフォーマンスです。

岡谷太鼓祭りの様子
▲岡谷市の50年以上続く「岡谷太鼓まつり」。総勢300人の揃い打ちは岡谷市の大地を震わせるほど

そんな自然と文化にあふれたまち、岡谷市への移住には次のような方におすすめです。

  • 自然と都市が融合した「利便性のあるまち」で暮らしたい方
  • 手厚い子育て支援を受けたい方
  • 自然豊かな環境で子育てをしたい方
  • 県内の他地域や東京への通学・通勤を考えている方

特徴1:自然と都市機能が調和する快適な生活環境

長野県岡谷市から眺めた諏訪湖

岡谷市の特徴1つ目は、豊かな自然と利便性のある都市機能が融合しているという点です。

長野県岡谷市は信州の中央にある諏訪湖に面し、市の周りを壮大な山々が囲っているため、四季折々の豊かな自然の風景が日常生活を鮮やかに彩ってくれます。

長野県岡谷市の横河川沿いに咲く桜並木▲横河川の満開の桜。400本が咲き誇る姿は息を呑む美しさ(岡谷市インスタグラムフォトコンテスト2022 最優秀賞 t1y4m_cieloさんの作品)

春は、横河川に沿って咲く400本の満開の桜を楽しむことができます。5月ごろには鶴峯公園内を埋め尽くすつつじを堪能できる、つつじ祭りが開催されます。秋には市を囲む山々の紅葉の景色を一望でき、冬は諏訪湖に集まる白鳥を見ることができます。

また岡谷市は、市の中心部に生活に必要な施設(商業施設・スーパーマーケット・病院・役所)などが集中しており、それぞれ徒歩圏内で行き来することができます。

市内にある大型ショッピングセンター「レイクウォーク岡谷」には50を超えるお店が入っています。スーパーやファッション、雑貨、電化製品など、ここで生活に必要な物はすべて揃います。さらに、郵便局も施設内に入っており、用事もすべて施設内で完結できるため、普段の生活で困ることはないでしょう。

また、レイクウォーク岡谷から5分ほど歩いた場所には、地域の総合病院である岡谷市民病院があります。アクセスのよい場所に大きな病院があると安心できますよね。

このように岡谷市は、豊かな自然と利便性のある都市が融合したまちであることがわかります。「自然を身近に感じながら、市内で不自由なく生活がしたい」という方にオススメの移住先です。

特徴2:充実の子育て環境と広々とした公園施設

岡谷市の特徴2つ目は、子育てがしやすいまちであるという点です。

市内には子育て支援館「こどものくに」があり、保育士や看護師、栄養士といった専門家が子育ての悩み事や心配事など相談に乗ってくれます。また、0〜3歳児の乳幼児が室内で遊べるように、大きなマットが敷かれているハイハイコーナーや、ボールプールなど小さい子も楽しめる広場になっています。

他にも子どもの遊び場として、「鳥居平やまびこ公園」「岡谷湖畔公園」などの大きな公園もあります。

「鳥居平やまびこ公園」は諏訪湖、八ヶ岳を望む標高1,000mに位置し、30ヘクタール(東京ドーム6個分以上)もの敷地面積を有します。公園内には、サイクリングロードがぐるっと一周走っており、約1.4キロもあります。

もちろん大きいだけでなく、公園内ではさまざまなアクティビティが楽しめます

北側には植物園が広がっていて、4月は八重桜が見ごろになり、5月にはしゃくなげの花がキレイに咲きます。東側はドッグランができる広場が広がっていて、その近くにはジャンボすべり台や、野球やテニスができるスポーツ広場などがあります。園の中央にはレストランや諏訪湖・八ヶ岳を一望できる展望ひろば、往年の名車が並ぶ博物館「プリンス&スカイラインミュウジアム」もあります。

1日ですべて回りきれないくらい大きな公園なので、家族みんなで楽しむこともできますね。

「岡谷湖畔公園」は諏訪湖畔をぐるっと囲む公園です。湖畔でウォーキングしたり、サイクリングができるよう整備が進んでおり、夏には湖上花火が楽しめます。

信州岡谷サイクルツーリズムの様子
▲岡谷市ではe-バイク(電動アシスト付自転車)に乗って、岡谷市内の魅力的なスポットを巡り景色を楽しむ「サイクルツーリズム」も開催

このように、岡谷市では子育て支援や子どもがのびのびと遊べる場所が多いことから、小さいお子さんがいる家族の移住先としてもおすすめです

岡谷市の特色ある教育:製糸業と地産地消の学び

「生糸」を生産する製糸業は、日本の近代化を押し進めた重要な産業であったので、岡谷市では保育園からカイコを育てる機会があり、小学校・中学校・高校のほか、企業研修、シニア大学など、世代を通して蚕や製糸業を学ぶことができます。

特に小学校では、カイコを育て、生態を理解するとともに、命の大切さを学び自分の手で生糸づくりの体験をしたり、実際に稼働している宮坂製糸所を見学することで、産業について五感で学ぶ機会となります。また自分たちで育てたカイコの繭から繭人形、コサージュ、ランプシェードなどの制作活動を行うこともできます。

シルクおかや次世代担い手育成プログラムの様子
▲岡谷蚕系博物館内で実施している岡谷シルク推進事業「シルクおかや次世代担い手育成プログラム」の様子。自分たちで育てた蚕の繭から糸を取り、その糸を染め、機織りで作品を仕上げる体験プログラム。

他にも、地産地消を意識した取り組みとして、「オープンエアマーケット(青空市場)」が開催されています。令和4年度は5〜11月まで各月1回行われていました。

地元で取れた農産物を生産者が直接販売するため、旬の野菜や果物を買うことができるほか、小学生自らが作成した「シルク製品」を販売するなど、地域学習としても広く知られています。

岡谷市青空市場のオープンエアマーケット
▲岡谷市の青空市場「オープンエアマーケット」の様子(会場:岡谷蚕糸博物館)

他にも市内の外国籍の方と交流する機会があり、英語学習につながる取り組みをしていたり、災害学習として防災教育にも力を入れています。

小さい頃から国際交流を通して英語が学べたり、地元の生産品に触れられたりする経験は、お子さんにとって良い刺激になりそうですね。

特徴3:便利な交通アクセスで広がる生活圏

岡谷市の中心部には商業施設やスーパーマーケット、病院がまとまっているため、そのエリアでは生活に不便を感じることは少ないでしょう。

中心地から離れた場所でも、スーパーやホームセンターなどのお店が揃っているので、生活必需品は市内で揃えることができます。

市内にはJR中央本線が通っていますが、住む場所によっては最寄駅から遠くなる可能性もあるため、車は持っておいた方がよいでしょう。市内には高速道路のインターチェンジもあるため、車があれば市街地へもすぐに出られます。近隣都市の松本市へは車で40分程度、長野市へは90分程度で行けます。

東京や名古屋へも車で2時間30分程度で出られるので、「休日家族で遊びに行きたい!」と思ってもすぐに出かけられます。

仕事においては、最近では首都圏企業に勤めているテレワークの移住者も多く、コワーキングスペースも市内に複数あるため、岡谷市内に拠点を置いた比較的自由な働き方も可能です。

岡谷市の暮らし:知っておきたい生活情報ガイド

長野県岡谷市鶴峰公園つつじ祭りの様子

気候 【特徴】
岡谷市がある諏訪地域は内陸性気候のため、夏は最高気温が30度を超える日もあるが、湿度が低く、空気が比較的乾いているため過ごしやすい。
1〜2月は平均の最低気温が約-5度ですが、降雪量はさほど多くなく、年間3〜4回ほど約20cmの積雪がある。
※参照:諏訪で暮らす。

【平均気温】
夏(8月):24.1℃
冬(1月):-1.1℃
※参照:気象庁ホームページ(諏訪地点)
人口 46,241人(令和5年5月1日時点)
病院 病院:3
診療所:29
歯科:29
学校 保育園・幼稚園・認定こども園:20園
小学校:7校
中学校:4校
高校:3校(公立:3校)
専門学校:2校
文化 製糸業・岡谷太鼓まつり
食べ物 うなぎ・信州味噌・わかさぎのから揚げ
交通 【鉄道】
 ・JR東日本

【バス】
 ・アルピコ交通諏訪
 ・シルキーバス
 ・スワンバス

【高速道路】
 ・長野自動車道
 ・中央自動車道
近隣都市 松本市
大都市へのアクセス 【東京へ】
 ・特急電車(JR)で新宿まで約2時間20分
 ・車で高井戸IC(東京都杉並区)まで約2時間20分
 ・高速バスで新宿まで約3時間30分

【名古屋へ】
 ・電車(JR)で約2時間30分
 ・車で約2時間 
 ・高速バスで約3時間30分

【大阪へ】
 ・高速バスで約5時間

岡谷市の暮らしの特徴でもご紹介したように、市の中心部には商業施設やスーパーマーケット、病院がまとまっているため、アクセスが良好で暮らしやすいまちです。

また、岡谷市は「うなぎのまち」と言われるほど、うなぎ料理や川魚料理が郷土食として親しまれています。全国的にもうなぎの消費量は高く、市内の保育園や小中学校では、毎年給食にうなぎ料理が出されています。

岡谷市のうなぎ
▲岡谷のうなぎ。濃く、甘めのたれが特徴です

仕事事情:製造業を中心とした豊富な就業機会

かつて「糸都岡谷」と呼ばれた岡谷市では、製糸業から転じて、製造業が主な産業となっています。市内には、小さな企業を含めて500社以上の会社があるため、比較的製造業での働き口が確保しやすい傾向にあります。

大手求人サイトで岡谷市の求人(正社員雇用)を調べたところ、約1,500件ヒットしました。(2023年7月時点)
求人情報の一例

通勤時間30分圏内の25km以内での求人(正社員雇用)を調べると約19,000件ヒットしたので、勤務先を市外も含めて探すと、より多くの選択肢の中から職を探すことができます。また、他地域へのアクセスがよい岡谷市なら、市外への通勤に苦労することも少ないでしょう。(2023年7月時点)
求人情報の一例

また、岡谷市では就業に関する以下の支援も行っているので、就業支援を利用しながら仕事を探してみると良いでしょう。

岡谷市就業・創業移住支援事業補助金

東京圏(東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県)、愛知県または大阪府から岡谷市に移住して就業された方に、移住支援金として最大100万円を支給。長野県が運営する「求人募集サイト」に掲載された求人企業への就業等が条件。

さらに岡谷市では、創業にかかる費用の支援も充実しており、実際に以下の支援を利用して美容院やネイルサロン、カフェを始めた方もいらっしゃいます。

岡谷市商業等振興補助金 岡谷市内の空き店舗を改修して、施設として活用する方を対象とした補助金。上限60万円。
創業のまち岡谷実現事業補助金 創業5年未満等の中小企業の事業継続や販路拡大など、さまざまな費用の一部を補助。業種によって補助率・限度額は異なる。

住まい情報:充実の住宅支援制度と空き家活用

大手住まい情報サイトで岡谷市の賃貸物件を調べたところ、約250件ほどあり、家賃相場は1DK〜3DKの部屋で5〜7万円ほどでした。(2023年7月時点)
※賃貸物件情報の一例
※家賃相場の参照先

また岡谷市では住宅補助空き家補助もあります。気になる方は市内の不動産会社に相談してみましょう。

若者おかや暮らし応援事業補助金 29歳以下の学生または勤労者(単身移住者)のアパート等の家賃を補助。家賃の2分の1以内で上限15,000円/月を最大24ヶ月。
岡谷市若者移住者住まいの支援事業補助金 岡谷市内へ移住する方で、一定の条件を満たす場合、住宅取得に対する経費の一部を補助。夫婦共に29歳以下の場合は、最大100万円。
岡谷市空き家バンク移住・田舎ぐらし応援事業補助金 岡谷市の空き家バンクに登録された住宅を購入し、市内に居住する方の内、一定の条件を満たす場合に住宅改修費などの一部を補助。移住者で物件を改修した場合は、最大100万円。

子育てサポート:充実の支援制度で安心の子育て環境

岡谷市の子育て支援に関する支援を紹介します。岡谷市ではさまざまな手厚い子育て支援を行い、子育て世帯をサポートしています。

岡谷市新生児聴覚検査受検票 新生児聴覚検査にかかる費用の一部を公費負担。
上限5,000円
岡谷市不妊治療・不育症治療の助成事業 不妊治療または不育症治療を受けている夫婦で一定の条件を満たす場合に、治療費の一部を助成。
不妊治療:上限5万円/年
不育症治療:上限5万円/回
岡谷市産後ママサポート事業 出産後に育児・家事援助等が必要となる家庭に支援者を派遣する制度。1時間あたり300円。

岡谷市移住者の声:実際の暮らしと感想を紹介

長野県岡谷市へ移住した人の声

ここでは、実際に移住して岡谷市に暮らしている方の体験談・感想をご紹介します。

  • 公園や自然が多くて、夏のカラッとした空気が気持ちがいいです。子育てもしやすく、移住してよかったです。
  • 諏訪湖の美しい景色が毎日変わるので、自然が好きな人は飽きません。足湯があるのも個人的に良いポイントです。
  • 静かで落ち着いた環境で暮らせます。生活に困ることもないので、本当に田舎すぎず都会すぎない良い環境です。
  • 岡谷市は長野県の真ん中にあるので、首都圏や中京圏など、比較的どこでも出やすいのが大きな利点です。

岡谷市に移住した人の中で特に多かったのは「自然もあるけど、アクセスが良いから生活に困らない」といった声でした。また、公園が整備されていて子どもたちを遊ばせるのに困らないと、子育て世帯にも人気でした。

静かで落ち着いた生活ができる中で、首都圏や中京圏にも出やすい、そんな田舎と都会のいいとこ取りができるのが岡谷市の魅力と言えますね。

岡谷市移住支援:活用したい制度と相談窓口

岡谷市には移住前に長期滞在可能な移住体験住宅があります。また、ワーケーションの受け入れを積極的に行なっており、市内で仕事がしやすいようにコワーキングスペースも用意されています。実際移住したらどんな暮らしができるのか、事前に知っておきたい人はぜひ問い合わせてみてください。

移住体験住宅「ヴィラ塩嶺」:最長1ヶ月の暮らし体験

移住体験住宅「ヴィラ塩嶺」の内装

岡谷市では移住体験が可能です。1ヶ月ほど移住体験住宅で滞在でき、住まいや地域の風土や文化を直に感じることができます。

事前予約制になっていますので、岡谷市へ移住を検討されている方や、実際に市の雰囲気を感じたい人などは活用してみてください。

公式:移住体験住宅『ヴィラ塩嶺』

ワーケーション推進:仕事と休暇を両立する新しい働き方

長野県岡谷市でのワーケーションの様子

岡谷市では「ワーケーション」の受け入れを積極的に行なっています。「ワーケーション」とはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた言葉で、観光地など、普段とは違った場所で休暇を楽しみながら働くスタイルのことを言います。

観光案内所では無料Wi-Fiの貸し出しや、1日500円で自転車の貸し出しも行なっています。市内にはコワーキングスペースも複数用意されているので、移住前に合わせて確認しておくと新しい発見もあるかもしれませんよ。

公式:岡谷市公式サイト「ワーケーション受け入れについて」

移住検討者向け補助制度:交通費・宿泊費のサポート

岡谷市への移住・定住を検討するためにかかった費用の一部を補助してもらえる制度があります。移住先を検討する時は、現地で話を聞くことが一番の有益な情報になりますので、ぜひこの支援制度を有効活用してください。

岡谷の魅力体験事業 移住のための住宅探し、仕事探しで岡谷市を訪れる方の交通費と宿泊費、移住体験住宅の宿泊費を補助。
交通費:対象経費の2分の1以内、上限10,000円
市内宿泊費:対象経費の2分の1以内、上限5,000円
移住体験住宅の家賃:対象経費の2分の1以内、上限50,000円/月額(夫婦共に39歳以下または39歳以下の単身者に限る)

岡谷市への移住に関するお問い合わせ

岡谷市 企画政策部 地域創生推進課 職員のみなさん
▲岡谷市企画政策部地域創生推進課のみなさん

担当課 岡谷市役所 企画政策部 地域創生推進課
住所 〒394-8510
長野県岡谷市幸町8-1
電話番号 0266-23-4811
対応時間 午前8時30分から午後5時15分
公式サイト https://www.city.okaya.lg.jp/okayanisumu/index.html