西伊豆町で始める新生活!子育てから仕事まで移住情報を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて静岡県西伊豆町(にしいずちょう)の魅力と移住に役立つ情報を紹介します。
西伊豆町は、静岡県の伊豆半島西岸の中央に位置する人口約7,000人のまちです。「『ふるさと』と言いたくなる夕陽のまち」というキャッチコピーの通り、町内の各所にビュースポットがあり駿河湾の美しいサンセットが望めます。
海洋性気候のため年間平均気温は16℃と温暖で、雪もあまり降りません。夏はマリンスポーツやキャンプなどのアウトドアアクティビティが満載です。自然体験を通してのびのびと子育てをしたいと考えているファミリー世帯にも向いています。
今回は、西伊豆町の魅力を深掘りするために、伊豆町役場まちづくり課の椿さんにお話を伺いました。
西伊豆町の魅力:移住前に知っておきたい3つの特徴
西伊豆町は「夕陽日本一宣言」を掲げているように、まちの至る所で美しい夕陽が望めます。「金ヶ崎」「堂ヶ島」などの景勝地が多いことから観光業が盛んです。また、国内でも珍しいわさび栽培を行っていて、就農目的で移住する方も珍しくありません。
町内5つのエリアはそれぞれに特色が異なるため、子育てや農業、趣味など移住目的によってフィットしやすい環境を見つけることができるでしょう。
そんな西伊豆町への移住は以下のような方におすすめです。
- 景観が美しく穏やかに暮らせる環境を探している
- 自然体験を取り入れながら子育てをしたい
- 移住を機に農業や起業に挑戦したい
- 趣味を満喫できる二拠点生活の場所を探している
- 移住目的や理想のライフスタイルが明確な人
その理由をまちの特徴とともに解説します。
特徴1:西伊豆町の象徴、駿河湾に沈む絶景の夕陽
▲黄金崎から一望できる夕陽。時間帯やロケーションによって多彩なサンセットが楽しめる
西伊豆町は「『ふるさと』と言いたくなる夕陽のまち」を掲げるように、夕陽の絶景は西伊豆町の代名詞となっています。移住理由の一つに夕陽の美しさを挙げる人も珍しくありません。
町内には数々のビュースポットがありますが、中でも駿河湾と富士山が赤く染まるようすを眺望できる黄金崎は、西伊豆町屈指の景勝地として人気を誇ります。
その他、「日本の夕陽百選」に認定されている大田子海岸では、「メガネッチョ」と呼ばれる穴の開いた奇岩をバッグに沈む夕陽が有名です。「漁船サンセットクルージング」では、駿河湾に沈む落日の臨場感を味わえます。
このように、ロケーションごとに異なる夕陽を日常で望めるのは、西伊豆町民ならではの特権と言えるでしょう。
特徴2:美しい駿河湾でマリンスポーツや釣りを満喫
▲堂ヶ島のトンボロ。干潮時には海が二分されて道が現れる
西伊豆町は景勝地として多くの観光客が訪れます。堂ヶ島は「高島」「沖ノ瀬島」「中ノ島」「伝兵衛島」の4つの島があり、一直線に並ぶ雄大なようすから「伊豆の松島」とも呼ばれるほど絶景です。
そんな堂ヶ島で体験したいのがトンボロ現象。干潮になると最も海岸に近い伝兵衛島まで浅瀬となるトンボロ現象が起こって、海水に浸ることなく海を歩いて渡れます。
堂ヶ島には他にも、白い凝灰岩からなる国指定天然記念物の「天窓洞」などがあり、伊豆の火山によって生まれた自然の神秘を存分に感じられるでしょう。
さらには、シュノーケリングやシーカヤックなどのマリンスポーツを体験できるとあり、子どもから大人まで楽しめます。海が好きな方はもちろん、「アウトドアが好き」「子育てに自然体験を取り入れたい」という方にもおすすめです。
特徴3:多彩な5地区から選べる、目的に合わせた移住先
▲階段状のわさび田(だ)。富士の清流により育まれるわさびは風味が抜群
西伊豆町は「仁科」「田子」「安良里」「宇久須」「大沢里」の5つの地区に分かれていて、それぞれまちの趣が異なります。
仁科地区
最も利便性の高いエリアで、役場やドラッグストア、ホームセンターなどが徒歩圏内にそろいます。病院も集まっているため、小さな子どもがいる世帯も安心して暮らしやすいでしょう。
田子・安良里・宇久須地区
海岸部に位置する3つの地区は小さな集落が点在しています。静かでゆったりとした暮らしを求める方におすすめです。「ふるさと」と言いたくなるようなレトロな風情が漂います。
大沢里(おおそうり)地区
大沢里地区は山間部で、世界農業遺産に認定された畳石式のわさび田が有名です。わさび農園の継承や新規就農を目的に移住してくる方もいます。
このように各地区で特色が違うからこそ、どんなライフスタイルにもフィットしやすいまちです。「趣味の釣りを楽しみたい」という理由で、セカンドライフの地として選んだ方もいます。
西伊豆町の暮らしを楽しむには、「のびのびと子育てをしたい」「自給自足に挑戦したい」など移住目的を明確にしましょう。
地域おこし協力隊が12人(2023年8月時点)いるように、西伊豆町の地方創生へ積極的に取り組む移住者も少なくありません。
西伊豆町の生活情報:子育て、仕事、住まいの現状
「西伊豆町にはどのような仕事があるか知りたい」「空き家バンクは活用できる?」などの移住に関する疑問を解消するために、暮らしに役立つ情報をまとめました。
気候 | 1月平均気温:6.9℃ 8月平均気温:26.0 ℃ ※西伊豆町に観測地点がないため「東伊豆町稲取」を参考 ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:6,930人 世帯数:3,614世帯 (2023年8月1日時点) |
病院 | ・病院:1院 ・クリニック:3院 ・歯科:3院 |
学校 | ・保育施設:2園 ・小学校:3校 ・中学校:1校 |
レジャー・観光 | ・堂ヶ島のトンボロ ・黄金崎 ・安城岬遊歩道 ・浮島海岸 ・西天城高原 ・黄金崎クリスタルパーク ・宇久須キャンプ場 ・伊豆トリックアート迷宮館 |
特産品 | ・なまり節 ・干物 ・鰹節 ・海産物 ・本わさび ・ガラス細工 |
交通 | 【フェリー】 ・駿河湾フェリー「土肥港」より車で約30分 【電車】 ※町内に駅がないため最寄りの駅を記載 ・伊豆急行線「稲梓駅」から車で約50分 ・JR「三島駅」から東海バスで約1時間45分 【バス】 ・東海バス ・伊豆土肥交通株式会社 松崎案内所 ・有限会社エイ・ケイ稲取交通 【車】 ・国道:136号 ・高速:「沼津I.C」「長泉沼津I.C」より約1時間30分 |
近隣都市 | 伊豆市、松崎町、河津町 |
※2023年9月時点
西伊豆町は海洋性気候で、年間平均気温が16.2℃と温暖で過ごしやすい気候です。雪はそこまで降らないため、生活に車は必須ですが、年中ノーマルタイヤで走行できます。
ガスは全地域プロパンで都市ガスと比較するとやや高めです。一方で各地域に温泉源があるので水道代の基本料金は10立方メートルまで990円(※)と安く、全家庭に温泉が引かれている地域もあります。
※参考:西伊豆町「水道料金」
病院は仁科地域に集結していますが眼科と産婦人科はありません。車で約10分の松崎町を利用してください。大型ショッピングモールへ用事がある際は、車で約1時間の伊豆市へ足を運びましょう。
観光スポットは「金ヶ崎」や「堂ヶ島」が有名ですが、沢田公園露天風呂から一望できるパノラマビューも絶景です。温泉につかりながら間近でサンセットが楽しめます。
▲沢田公園内に併設された露天風呂からは大パノラマの夕陽を眺めることができる
堂ヶ島では夏に毎年恒例の花火大会「堂ヶ島火祭り」が開催されます。船で酒に酔いつぶれた海賊たちを焼き討ちにして退治した伝説が由来で、海に浮かべた海賊船を爆発させる大迫力の演出が見どころです。
▲7月下旬に開催される「堂ヶ島火祭り」。堂ヶ島湾内から打ちあがる大迫力の花火
その他にも、4月上旬の「黄金崎さくらまつり」や、2月~4月に開催される10万球のイルミネーションが灯る「西伊豆 堂ヶ島サンセットイルミ」など家族で楽しめるイベントも盛りだくさんです。
子育て支援:充実した制度で育児の負担を軽減
西伊豆町には、子育て世帯の経済的・体力的な負担を軽減するスタンダードな支援がそろいます。就学・教育に関する支援もあるように、成長過程や家庭環境に応じたサポートを受けることが可能です。
【子育て支援の一例】
出産祝金 | 新生児1人につき30,000円支給 |
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すくすく医療費制度 | 0歳~満18歳まで医療費にかかる個人負担額を無償化 |
子育て支援センター | 絵本の読み聞かせ、乳幼児の歯磨き指導などを実施 |
チャイルドシート購入補助 | 6歳未満の乳幼児のチャイルドシート購入費を一部補助 ・補助:費用の1/2(最大10,000円) |
就学援助 | 経済的理由で就学が困難な小・中学生の保護者を援助する制度 ・修学旅行費、給食費などの費用の一部または全部を補助 ・年3回支給 |
奨学金 | 3種類の奨学金制度を用意 【百川奨学会】 ・奨学金(月額):高校10,000円以内、大学20,000円以内 ・卒業日から8年を限度に償還(9年以内) 【稲葉金秋奨学金貸付基金】 ・奨学金(月額):高校10,000円以内、大学20,000円以内 ・卒業日から8年を限度に償還(9年以内) 【給付型奨学金】 ・返済不要の給付型の奨学金制度。成績優秀者の保護者へ資金を支給 ・高校3年間年額540,000円を給付 |
子育て支援センター「たんぽぽ」は、仁科地域・田子地域・安良里地域の3カ所に設置されています。共働き世帯や新しい土地での育児に不安を抱える保護者にとって心強い存在となるはずです。
その他の支援制度や各支援の詳細は、以下よりご確認ください。
公式:西伊豆町「出産・子育て」
仕事事情:観光業中心の求人と新規就農支援
大手求人サイトに掲載されている、西伊豆町の正社員求人数は以下の通りです。
西伊豆町 | 約250件 求人一例 |
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30分圏内(松崎町・河津町) | 約1,600件 求人一例 |
※縁結び大学調べ(2023年9月時点)
西伊豆町は観光業が盛んで、求人の大半は宿泊施設や観光施設に関する仕事です。その他、デイサービスや医療ソーシャルワーカーなどの介護・医療に関する求人も見つけやすいでしょう。
ただし、一般企業の求人はほとんどありません。30分圏内の松崎町まで範囲を広げると、一般企業の事務職やカーディーラーの営業職、製造ラインの仕事などが見つかります。
なお、就農目的の移住者もいるように、西伊豆町への移住を機に就農や起業に挑戦するのも一つの手です。就農・起業する際は支援制度を活用しましょう。
西伊豆町移住・就業支援金交付 | 就業・起業でかかった費用を一部補助 ・東京圏からの移住者が対象 ・交付金:単身60万円、世帯100万円 |
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西伊豆町農業次世代人材投資資金交付 | 就農初期段階の青年就農者に補助金を交付 ・交付額:1年につき1人当たり150万円。4年目以降120万円 ・交付期間:最長5年間 |
農業ではわさびやアロエの花など、西伊豆町ならではの農作物の栽培に挑戦できます。
町内には誰でも利用可能なコワーキングスペース「ふれあいとーふや。」があり、光回線や会議用のモニターが完備されていてリモートワークにも困りません。
公式:ふれあいとーふや。
伊豆半島なのでワサビがよく採れます。興味がある方は支援制度を活用してぜひ農業に挑戦してみてください。
住まい選び:人気の空き家バンクと改修助成制度
大手不動産サイトに掲載されている、民間の賃貸物件の空き状況は以下の通りです。
賃貸物件 | 3件 物件一例 ※建売・土地の掲載なし |
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※縁結び大学調べ(2023年9月時点)
西伊豆町内には民間の賃貸物件が少なく、移住者の多くが空き家バンクを利用して住まい探しをしています。2023年9月時点の登録状況は次の通りです。
【空き家バンクの空室状況】
売却 | 4件 |
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賃貸 | 6件 |
※2023年9月時点
部屋数やエリアによって相場が変わりますが、目安として売却物件が3,500,000円~5,000,000円、賃貸物件は30,000円~50,000円程度が相場です。水回りなどを中心に改修が必要なケースもあるので、物件の詳細は役場へお問い合わせください。
なお、西伊豆町では雇用促進として住まいに関する補助制度を設けています。空き家バンク物件を購入・賃貸した際に活用できる改修補助もあるため、ぜひ活用しましょう。
空き家改修等補助金 | 空き家バンク登録物件の改修工事費などの一部を補助 ・改修工事:費用の1/2(最大50万円) ・家財処分:費用の4/5(最大10万円) |
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空き家バンクは人気が高く、募集をかけるとすぐにうまってしまいます。ご希望の場合はお早めにお問い合わせください。
西伊豆町移住者の声:実際の暮らしと感想
ここでは、西伊豆町に移住した方の体験談と感想を紹介します。
- 人のつながりが密で親切な人が多い。相談すると親身になって情報を教えてくれるなど、お互いを支え合う気風があってとても助かっている。
- 仕事で訪れた際に海の美しさに感動した。子どもたちも自然を遊び場として楽しんでいる。
- 地域の方が2人目の子どもが生まれたときに集落全体で喜んでくれた。まるでご自分の子ども・孫のように接してくれるので心強い。
移住してきた方の声をまとめると、人の温かさに感動する声が多くありました。転入者に対してウエルカムな雰囲気で迎えてくれる要因として、観光客が多く訪れる地域柄なども影響しているのかもしれません。
その他、山菜や梅採りなど季節に応じた楽しみがあるため、移住後にアウトドアな性格に変わったという移住者もいました。自然体験を通した子育ても叶いやすい環境です。
夕景の美しさや自然の豊かさに加えて、オープンで温かな地域柄が西伊豆町の魅力と言えるでしょう。
移住前に体験!西伊豆町のお試し住宅制度
地方移住を成功させるには下見は欠かせません。西伊豆町には地域おこし協力隊の活動によって建てられた移住体験ができるお試し施設1件があります。
利用期間は最長1カ月です。地域の人たちとの交流を通して西伊豆町の文化や風習を体感しましょう。エリアの違いや季節ごとの暮らしのようすなどもチェックしてみてください。
【西伊豆町お試し住宅の概要】
所在地 | 西伊豆町仁科1384-2 |
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間取り | 3DK/66.17㎡ |
駐車場 | あり |
利用料 | 1,000円/日 ※電気料、水道料、ガス料及び放送受信料込み |
利用日数 | 1週間~1カ月 |
備品設備 | テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、調理器具、食器 など ※消耗品や寝具類は持参 |
お試し住宅は予約がうまりやすいため、早めの問い合わせをおすすめします。
公式:西伊豆町「お試し住宅」
下見のおすすめシーズンは夏です。手ぶらで気軽に釣りやキャンプが楽しめるので、観光しながら西伊豆町の魅力を感じることができます。
西伊豆町移住の相談窓口:問い合わせ先一覧
担当課 | まちづくり課企画調整係 |
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住所 | 〒410-3514 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科401-1 |
電話番号 | 0558-52-1966(直通) |
対応時間 | 8:15〜17:00 土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | https://www.town.nishiizu.shizuoka.jp/ |
西伊豆町はエリアごとに特色が異なり、楽しみ方は自由です。ぜひ理想の暮らしや叶えたい夢を西伊豆町で実現してください。