宗像市への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説
この記事では、地方への移住を検討している方に向けて、福岡県宗像市(むなかたし)の特徴や生活情報を紹介していきます。
宗像市は、海と山に囲まれる自然に恵まれた環境でありながら、県庁所在地の福岡市や北九州市まで電車で30分という好立地です。
通勤時間帯には電車が10分に1本以上あるなど、仕事や買い物の利便性が高いうえに、身近に自然を感じられるという、移住者のわがままな要求にも応えてくれる贅沢なまちです。
もちろん生活に必要な日用品を買う場所や病院、学校なども揃っています。待機児童ゼロで公園がたくさんあり、宗像市独自の教育イベントもあるなど、子育てに関しても魅力的なまちですよ。
ここからは、宗像市・経営企画課の方にうかがった情報をもとに、移住に役立つ情報をお伝えします!
福岡県宗像市の暮らし、3つの特徴
福岡県宗像市は福岡県北部に位置しており、玄界灘に面しています。漁業や農業といった一次産業が盛んで、新鮮で美味しい魚介類や農産物を安価で楽しむことができる土地ですよ。
そんな宗像市の特徴を3つ紹介します。
- 特徴1:自然が豊かな上に、利便性も高い!
- 特徴2:子育て環境が充実!独自の教育イベントも
- 特徴3:魚・野菜・果物など、美味しい食べ物がいっぱい!
それでは、ひとつひとつ見ていきましょう!
特徴1:自然が豊かな上に、利便性も高い!
宗像市は、福岡県の人口1位・2位を占める「福岡市」と「北九州市」のちょうど真ん中に位置しています。どちらも電車で30分ほどで行くことができ、働きに出ることも容易なため、宗像市は福岡市と北九州市のベッドタウンとして機能している一面があるんです。
また、福岡県の中心地と比べて地価が安いため、支出を抑えることができます。住宅地でも一区画が100坪前後あるところも多く、広々とのんびり暮らせるのは宗像市の魅力です。
そして宗像市は、都市部にアクセスしやすいだけでなく、海や山などの自然も近くにあります。北側は海に、他の三方は山に囲まれています。
▲山も海も近い自然に恵まれた環境です。
ハイキングや釣り、海水浴など、自然を堪能できるアクティビティや、緑豊かな公園など、自然あふれる環境で子育てしたい人にもピッタリなまちです。
▲「さつき松原海水浴場」。夏は海水浴客で賑わう。オフシーズンには散歩をするだけでも気持ちがいい。
▲玄界灘の綺麗な砂浜を乗馬できる珍しい体験も。
福岡県の中心地に勤めながら、プライベートでは豊かな自然の中でのびのびと暮らせるという立地のよさから、宗像市を移住地に決める方も多いようです。
自然を求めて移住したとしても、市街地にある大型店舗へ買い物に行く機会は多々あります。特に子育て世帯では、ベビー用品や子ども服、靴、誕生日などのプレゼント、家具、学習用品など、まちのスーパーではカバーしきれないこともよくあります。
定住を考えるなら、やはり、大きなお店が近場にあることも大きなメリットだと考える方も少なくないはず。その点、宗像市なら気軽に行ける場所に大きなお店がたくさんあり、電車なら30分、車なら1時間ほどで福岡市や北九州市に行けるので、家族で買い物へ行く際にも便利です。
特徴2:待機児童ゼロで子育て環境が充実!独自の教育イベントも
宗像市では平成24年に「宗像市子ども基本条約」が施行され、教育環境の充実や子どもを大切にする地域のまちづくりが進められており、子育てのしやすい環境が整えられています。
宗像市外への利便性は先ほど説明した通りですが、市はベッドタウンとして多くの人に選ばれていることもあり、日用品の買い物や病院、学校などの施設は不自由なく揃っています。
また、共働きをしている方や仕事復帰を考えている方にとっては、幼稚園などの保育施設の利用状況は気になりますよね。
宗像市では、令和6年4月時点で待機児童「ゼロ」を達成しています!託児が必要な方にとっては、すぐに預けられて、今すぐ必要でない方でも、必要になった時にいつでも利用できる、ということは大切ですよね。
他にも、人口10万人規模の自治体では住民1人あたりの公園面積が県内1位と、広い公園もたくさんあります。子育てしている方は特に、大きな遊具や広い公園が近くにあると助かりますよね。
自然の豊かさやインフラを見ても、子育てをするにはもってこいの環境な宗像市ですが、それだけではありません。宗像市では、子どもたちの可能性を伸ばす独自の取り組みが行われています。
その取り組みを2つ紹介します。
子どもの「好き」を伸ばす「むなかた子ども大学」
宗像市では年に1回、市内在学の小・中学生を対象に、いろいろな分野の専門家が1day授業を行う体験イベントが実施されています。
画家コースや自衛隊コース、芸能人コース、野球選手コース、ピザ職人コースなど、ジャンルはさまざまで、令和5年度には32種類もの授業が実施されました。
▲保育士さんから赤ちゃんのあやし方を学ぶ「保育士コース」
▲「エンジニアコース」では回路の仕組みを学び、光ったり音が出たりするカードを電子回路を用いて作っています。
▲自ら積極的にコミュニケーションをとり、英語で伝える「バイリンガルコース」
子どもの「好き!」や「知りたい!」といった、行動力の源を深めるキッカケになる授業がたくさんあります。子どもの好きなことや興味があることを学ばせてあげられる機会があるのは、親としても嬉しいですよね。子どもたちの将来の夢につながるような活動だと思います。
小学校の英語授業に向けて「イングリッシュ・キャンプ」
2020年度以降、小学5年生からのカリキュラムに英語が導入されました。宗像市では、市内全ての小学4年生を対象に、1日英語漬けで過ごす「イングリッシュ・キャンプ」という独自の取り組みが実施されています。
目的は、本格的に英語の勉強が始まる5年生になる前に、英語への学習意識を高めることです。
▲基本的には1日中英語で会話することになりますが、細かいルール説明は日本語なので、みんな楽しく取り組めます。
簡単な自己紹介から始まり、英会話を盛り込んだゲームを通して英語に慣れ親しんでいきます。講師は外国人留学生なので、普段の授業とは違ったグローバルな学習が行われますよ。
特徴3:魚・野菜・果物など、美味しい食べ物がいっぱい!
宗像市では農業や漁業の一次産業が盛んです。県内でも上位の水揚げ高を誇る港を有しているため、新鮮で美味しいお魚が安く手に入ります。
なかでも宗像市付近の海域は、数あるイカの中でも一番美味しいと言われる「ヤリイカ」の絶好の漁場です。新鮮採れたてのヤリイカを生きたまま調理する「玄海活きイカ」は、市内の飲食店で楽しめます。
▲甘い味わいと心地よい歯応えが絶品なのだとか。
12月から3月のシーズン中は、毎年「鐘崎天然とらふくフェア」が開催されています。てっさや唐揚げ、ひれ酒、てっちり、焼き白子など、最高品質のとらふくを思う存分いただけますよ。
▲ちなみに北九州のあたりでは、昔から「フグ」ではなく「フク」というそうです。「“福”とかけている」なんて説も。
農産物では、いちごや大豆、キャベツ、果物では、みかんやすもも、ブルーベリーなどがよくとれます。海の幸や山の幸、地元の野菜・果物と、新鮮で美味しい食材がよりどりみどりです。
これらの名産は道の駅や直売所など、市内各所で手に入れることができます。これだけ美味しい食材を手に入れやすいと、毎日の食卓が楽しみになりますよね。
宗像市の暮らしに関する情報
ここからは、宗像市への移住を考えた場合に必要になる生活に関する情報を、いろいろなデータをもとに紹介します。
気候 | 宗像市 | 東京(新宿) |
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平均気温 | 8月:27.0° 1月:5.8° |
8月:26.9° 1月:5.4° |
年間降水量 | 約1,600mm | 約1,600mm |
宗像市の気候は東京都の新宿区と比較すると、さほど大きな差はないようです。1年の気温の移り変わりも、データ上ではあまり違いはありませんでした。
人口 | 約97,000人(2024年7月) |
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病院 | 総合病院1か所、診療所・クリニック約60か所 |
学校 | 大学2校、高校2校、中学校6校、小学校14校、義務教育学校1校、保育園14園、幼稚園6園、認定こども園4園 |
文化・芸術 | 沖ノ島(宗像大社沖津宮) 鎮国寺 宗像大社 みあれ祭 田熊石畑遺跡 桜京古墳 |
食べ物 | 玄海とらふぐ アワビ サザエ ウニ 玄海活いか ミカン いちじくジャム イチゴ ツバキ 大豆 オクラ |
娯楽 |
さつき松原 |
日常の買い物ができる場所や病院、学校など、生活に必要な施設については特に不自由なさそうです。病院には時間外診療の体制が整っているので、急な発熱や怪我が多い小さなお子さんがいても心強いですね。
毎年秋になると、宗像大社では秋季大祭が行われます。五穀の豊穣や海上安全、大漁を感謝するお祭りで、特に初日の10月1日に行われる、約120隻もの漁船が出港するパレードは見どころです。
▲約120隻もの船が一斉に出港する様は見ものです!
【交通】福岡市・北九州市へのアクセスが便利!
次に宗像市の交通に関する情報を紹介します。
交通 | 鉄道:JR九州 鹿児島本線 東郷駅・赤間駅・教育大前駅 バス:西鉄バス宗像、ふれあいバス、コミュニティバス、オンデマンドバス(一部地域) |
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近隣都市 | 福津市、宮若市、鞍手郡鞍手町、遠賀郡岡垣町、遠賀郡遠賀町 |
大都市へのアクセス | 【電車】 福岡市:赤間駅及び東郷駅から博多駅まで…約30分 北九州市:赤間駅及び東郷駅から小倉駅まで…約30分 【車】 九州自動車道若宮IC……約15分 九州自動車道古賀IC……約15分 |
市内では、場所によって10~30分に1本ほどの頻度でバス、コミュニティバス、ふれあいバスが運行しているので、車がなくても日常生活は可能です。ただし、アクティビティやレジャーを最大限楽しみたいなら、車があった方が活動範囲が広げられそうです。
電車は、主要駅である東郷駅・赤間駅では1時間に4本ほど、通勤時間帯には10分に1本以上の頻度で運行しているため、通勤通学はほとんど心配がいりません。
特急や快速・特別快速の電車も停まるので、博多や小倉へ遊びに行くのにも快適です。
【仕事】市内だけでも求人数は十分!
宗像市の仕事に関する情報はこちらです。
▼宗像市の平均世帯年収
平均世帯年収 | 約470万円 |
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(2024年1月現在 縁結び大学調べ)
宗像市の平均年収は約470万円です。求人を選ぶときや、生活費を計算するときの参考にしてみてください。
▼宗像市と周辺の求人数
求人数 | |
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宗像市 | 約4,500件 |
宗像市から30分圏内 | 約9,900件 |
(2024年1月現在 縁結び大学調べ)
▼宗像市の求人に多い業種
- 製造業
- 事務職
- 運搬業
- 介護職
宗像市内の正社員の求人は約4,500件と、十分な数の求人がありました。市内だけでも希望の求人が見つかるかもしれません。
とはいえ、宗像市の住民の方でも、福岡市や北九州市へ働きに出ている方が多いようです。電車の本数が多く交通の便もよいので、もし希望の仕事が見つからない場合は、福岡市や北九州市も視野に入れて探してみるとよいかもしれません。
宗像市で起業を考えている方には、応援のプログラムが用意されており、補助金や国庫の相談、セミナーや交流会など、創業に必要な準備のサポートをしてもらえます。詳しくは下記のホームページをご覧ください。
また、宗像市では新規就農の支援も行っています。農業を始めるための就農研修や農業インターン、家賃補助などを実施しているそうです。詳しくは下記のホームページをご覧ください。
そのほかにも、宗像市では以下の補助金制度を用意しています。
- 宗像市介護職員資格取得等支援補助金
- 私立保育所等就職支援給付金
- 保育士宿舎借り上げ支援事業補助金(家賃補助)
介護士・保育士としての就職や職場復帰を考えている場合は活用してもよいでしょう。
今回お話を伺った担当者さんの話だと、漁業に関しても、新たに支援制度の実施予定があるそうなので、興味がある方は宗像市経営企画課に問い合わせてみてくださいね。
【住まい】物件数は賃貸・売買ともにたくさん!
ここからは宗像市の住まいに関する情報を紹介します。
▼賃貸物件と売買物件の件数
賃貸物件 | 約980軒 |
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売買物件 | 約140軒 |
(2024年1月現在 縁結び大学調べ)
賃貸・売買ともに掲載件数は比較的多いので、希望に沿った物件が見つかりやすいかもしれません。
宗像市に移住する方は、まず賃貸物件を契約される方が多いようです。ですが、2〜3年ほど賃貸で暮らした後、宗像市での生活を気に入って、戸建てを購入する方もいるとのこと。
まずは一度賃貸物件に住んで、宗像市の暮らしを体験しながら、定住するための住まいをじっくりと探してみるのもいいかもしれませんね。
宗像市で住まいを探す場合は「住マイむなかた」へ問い合わせしてみてください。「住マイむなかた」は宗像市公認の住まいに関する総合相談窓口です。住まいに関する不安や問題はなんでも相談できます。
賃貸物件や空き家の紹介なども行なっていますので、詳しくは下記のホームページをご覧ください。
宗像市では、子育て世帯への住まい取得の支援が実施されています。
支援制度 | 内容 |
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中古住宅購入補助制度 | 中古住宅を購入し、宗像市内の事業者でリフォーム工事をして居住する子育て世帯に最大40万円を補助。 |
古家購入建替え補助制度 | 中古住宅(古家付き土地)を購入し、解体工事を行ったのちに新築住宅を建築して居住する子育て世帯に最大100万円を補助。 |
子育て世帯が宗像市内の業者で空き家のリフォームをすると最大40万円、解体後に新築を建てる場合は最大100万円の補助を受けることができます。
対象の地域や子どもの人数に応じて補助額が変わりますので、詳しい内容は下記のホームページをご覧ください。
宗像市へ移住した人の体験談・感想
実際に宗像市に移住された方の声を紹介します。
- 福岡市・北九州市へのアクセスが便利。
- 野菜や魚が新鮮で美味しい。しかも、安い。
- 海も山も身近で、自然を味わいたい時にすぐ行ける
- 都会と比べると、夜が静か。仕事から帰ってくると「ほっ」とする。
宗像市は、身近に自然があるところに住みたい人にも、ショッピングなどを楽しみたい人にも、いろんな人に応えることができる、そんな万能なところが魅力のようです。
筆者自身も自然の中で子育てすることを目的に田舎暮らしをしていますが、たまには都市部に出かけて買い物したいときもあります。
そんな「たまには自然を味わいたい」「たまには都会で遊びたい」という贅沢なわがままを気軽に実現できるのが宗像市なんですね。
都市部でバリバリ仕事をして、仕事終わりや休日には自然豊かな環境でのんびり過ごす。そんな別荘暮らしや二拠点生活のような暮らしが気軽にできてしまう宗像市は、移住希望者の憧れのまちなのではないでしょうか。
宗像市への移住に向けてのステップ
ここからは、宗像市への移住を検討している方に向けて、移住体験や移住支援制度についてご紹介します。
【お試し移住】離島に宿泊できる移住体験
宗像市では離島に宿泊できる移住体験を行っています。
宗像の「大島」で移住体験 | 滞在期間:2泊3日~7日以内 宿泊人数:要相談 |
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神湊(こうのみなと)港からフェリーで約20分の市内の離島「大島」での移住体験ができます。
大島は世界文化遺産に登録される「宗像大社中津宮」や「宗像大社沖津宮遙拝所」があり、観光や参拝で多くの人が訪れる場所です。
そんな大島の港近くにある一軒家で移住体験をすることができるんです。炊飯器や電子レンジ、食器・布団も備え付けてあります。
離島で移住体験できる場所は少ないので、移住を検討している方は利用してみてくださいね。
宗像市の移住支援制度
宗像市では、令和6年度より新たに3つの移住支援制度が始まりました。
支援制度 | 内容 |
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移住支援金 | 三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)または福岡県外から宗像市へ移住し、一定の要件を満たして就業・起業した方に以下の金額を交付 ・単身世帯:60万円 ・2人以上の世帯:100万円 ・18歳未満の子ども(申請する年度の4月1日時点)を 帯同して移住する場合:子ども一人につき100万円加算 |
地方就職支援金 | 東京圏の大学を卒業して福岡県内の企業に就職し、宗像市に移住する学生に、就職活動中の交通費を最大22,000円交付 |
奨学金返還支援補助金 | 奨学金を利用して大学等に進学し、卒業又は修了後に宗像市内に住む方に最長5年間で年間最大24万円を交付 |
移住支援金は就業や起業に関する要件が細かく分かれていたり、奨学金返還支援補助金は就業等の種類で最大交付金額が変わりますので、詳しい内容は下記のホームページをご覧ください。
宗像市への移住に関する問い合わせ
もし宗像市への移住に関してわからないことがある方は、こちらへお問い合わせください。
担当課 | 宗像市経営企画課 |
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住所 | 〒811-3492 福岡県宗像市東郷一丁目1番1号 |
電話 | 0940-36-1284(定住担当) |
FAX | 0940-37-1242(代表) |
公式サイト | https://www.munakata-live.com/index.html |