松浦市への移住はどう？暮らし・仕事・住居・支援内容を解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長崎県松浦市」での暮らしや移住情報をご紹介します。

長崎県の北部、北松浦半島および東松浦半島に位置する松浦市は、海・山・川の大自然に恵まれた自然豊かなまちです。玄界灘や伊万里湾に面していることからアジやサバをはじめとする新鮮な海の幸がふんだんに獲れるほか、中山間地域では、メロンやぶどう、アスパラガスなどの多品目の山の幸が生産されており、多彩な食材を手軽に堪能できます。

また、移住・定住支援が充実している点や、移住者を温かく迎えてくれるアットホームな雰囲気もおすすめポイント。松浦市の自然・食・人に魅了されて移住を決める方が多く、近年は特に子育て世帯の方から問い合わせも増えています。

今回は松浦市役所・政策企画課にお勤めの松永さんにお話を伺いながら、松浦市での暮らし・仕事・住居・支援内容などを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

松浦市の暮らしとは？主な3つの特徴をご紹介

松浦市は、日本の最西端エリア、長崎県本土の北端に位置する人口約21,000人のまちです。北は玄界灘と伊万里湾に面し、東は佐賀県伊万里市、西は平戸市、南は佐世保市に隣接しており、内陸部には田舎の原風景が広がっています。

そんな松浦市には、主に下記のような特徴があります。

• 美しい自然の景観を堪能できる
• 特産物が多く、豊かな食生活を楽しめる
• 魅力的な子育て・教育環境が整備されている

具体的にどのような魅力があるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

特徴1：美しい自然の景観を堪能できる

松浦市は海・山・川の大自然に囲まれており、日々の暮らしの中で美しい自然の景観を存分に堪能できます。

たとえば福島町にある「土谷棚田（どやたなだ）」は松浦市のシンボルともいえる田園風景で、農林水産省の“日本の棚田百選””つなぐ棚田遺産”にも選ばれています。夕暮れ時には、伊万里湾に沈む夕日によって約400枚もの棚田がオレンジ色に輝く絶景を眺められます。

また、田植えの水を張った時期、稲が育つ緑色の時期、収穫間際の黄金色に輝く時期など四季折々の美しさを楽しむことができます。

▲夕暮れ時の土谷棚田は息をのむ絶景で、この景色を目当てに多くの観光客が訪れます

公式：土谷棚田

アウトドアアクティビティを楽しみたいなら、御厨町（みくりやちょう）に位置する「大崎海水浴場」がおすすめです。抜群の透明度を誇る美しい海で海水浴やウインドサーフィン、カヌー、SUPといったマリンスポーツを楽しむことができます。

公式：大崎海水浴場

そのほかにも、松浦市には自然を身近に感じられるスポットが充実。豊かな自然に囲まれて暮らしたい方、アウトドア体験を手軽に楽しめる環境を求めている方などにぴったりなまちです。

特徴2：特産物が多く、豊かな食生活を楽しめる

松浦市には特産品が数多くあり、地の物の食を存分に楽しめることも大きな魅力です。特に下記のものは「松浦の極み」として選定され、地域のオンリーワン・ナンバーワンの産品として地域の方から愛されています。

農産品

水産品

加工品

なかでも松浦市はアジの水揚げ量が国内トップクラスで、「アジフライの聖地」として有名です。アジの肉厚な身をフライにするとサクサク・ふわふわでアジの旨味が口一杯に広がります。

▲松浦市民のソウルフードであるアジフライは、各地の食通もうなるほどの絶品。

▲道の駅「松浦海のふるさと館」には、アジフライの聖地松浦石工モニュメントが設置されています

ちなみに、松浦市の特産品は道の駅「松浦海のふるさと館」や直売所、スーパー等で手軽に購入できます。地場産の海の幸や山の幸がずらりと並ぶ食卓は、日々の生活においてこの上ない幸福感を与えてくれるでしょう。

公式：道の駅「松浦海のふるさと館」

特徴3：魅力的な子育て・教育環境が整備されている

子育て世帯を応援する取り組みが活発に行われていることも、松浦市における大きな特色です。子育て支援制度が充実しており、「経済的・精神的にゆとりを持って子育てに臨める」と評判を呼んでいます。

松浦市の子育て支援制度

子ども医療費助成制度	高校生までの医療費が助成されます。（月ごと、1医療機関ごとに1日上限800円・2日以上受診の時は最大1,600円を超える額を助成）
副食費の助成	幼稚園や保育所などを利用する3歳以上の子どもにかかる副食費（月額上限4,500円）が助成されます。
保育料の助成	3歳未満の子どもが保育所等に同時入所の場合、2人目以降の保育料が無料になります。
子どものインフルエンザ予防接種の助成	高校生までを対象として、インフルエンザ予防接種の費用が一部助成されます。（本人負担：1回につき1,000円）
木製玩具贈呈	満1歳になる子どもを対象に、木製玩具のプレゼントがあります。
ベビー用品レンタル	ベビーベッド・チャイルドシート・ベビーバス・ベビースケールを期間限定で無料貸出ししています。
こども家庭センター	松浦市役所内で育児全般の相談ができます。

子育て広場URACCO（うらっこ）や、各保育所の子育て支援センターにおいても、さまざまな子育てイベントを開催中です。

▲松浦市で無料レンタルを行っているベビー用品（ベッドは6か月、それ以外は3か月利用可能）

▲松浦市で満1歳の誕生日に贈られる木製玩具「青のまちパズル」

公式：松浦市「子育て」

▲みんなの子育て広場URACCO（うらっこ）では、さまざまな子育て支援イベントが開催されています

▲たくさんの木のおもちゃが詰まった「移動おもちゃ箱」が市内各地を巡ります

また、市内には保育所や認定こども園、家庭的保育事業所といった保育施設が充実しているほか、小学校9校・中学校7校・高等学校1校があり、少人数を対象に、きめ細かな指導を受けられる点もおすすめポイントです。地域の方の見守り活動も活発に行われており、子どもの成長を地域全体で支えています。

▲松浦市では市内小中学校において、タブレット端末や電子黒板等のICT端末を活用した授業も活発に行われています

ちなみに、松浦市内には「シスター・パーク（松浦中央公園）」や「大山公園」「鷹島モンゴル村」といった大きな公園があり、恵まれた自然の中で子どもが思い切り身体を動かせる遊び場が整っています。

▲巨大遊具が子どもたちに大人気！「シスター・パーク（松浦中央公園）」

公式：シスター・パーク（松浦中央公園）
公式：大山公園
公式：鷹島モンゴル村

松浦市の暮らしに関する情報

続いては、気候や病院、学校、交通など、松浦市での暮らしに関連するお役立ち情報をまとめました。

気候	1月：平均気温7℃ 8月：平均気温27.4℃ ※参考：気象庁ホームページ
人口	約21,000人（2023年11月末日時点）
病院・クリニック	病院：3院 診療所：9院 歯科医院：7院
学校	保育施設：15園 小学校：9校 中学校：7校 高校：1校
名所・観光	不老山総合公園、大山公園、土谷棚田、鷹島モンゴル村など
行事 ・イベント	松浦水軍まつり、疫神社夏祭り・今福花火大会、志佐町納涼花火大会など
交通	【鉄道】 松浦鉄道西九州線 今福駅、鷹島口駅、前浜駅、調川駅、松浦駅、松浦発電所前駅、御厨駅、西木場駅 【バス・乗合タクシー】 西肥自動車（西肥バス） 松浦市乗合バス 昭和自動車（昭和バス） さつき観光（高速バス） 福島乗合タクシー 鷹島乗合タクシー 【航路・フェリー】 鷹島汽船（鷹島～今福・鷹島～御厨） 金子廻漕店（福島～浦ノ崎） 【道路】 西九州自動車道・伊万里松浦道路（今福IC・調川IC・松浦IC） 国道204号　など
近隣都市	長崎県：佐世保市、平戸市 佐賀県：伊万里市、唐津市

松浦市にはスーパーやドラッグストア、コンビニ、小売店が多く点在しており、普段のお買い物は市内のみで十分事足ります。車を40分ほど走らせれば、大型商業施設を多数有する佐世保市や伊万里市にて多彩なショッピングやレジャーを楽しむことも可能です。

なお、松浦市には鉄道やバスといった公共交通もありますが、車を所有しているほうが更に便利に生活できるでしょう。

仕事情報：市外も含めれば選択肢はぐんと広がる

大手の求人サイトで松浦市における「正社員の求人数」を検索すると、ヒットしたのは500件ほどでした。車で30分圏内のエリアまで範囲を広げると約7,600件が該当したことから、市外も含めて探すほうが多くの選択肢から求人探しを行えることがうかがえます。

参考：求人情報の一例（松浦市内）
参考：求人情報の一例（松浦市から25km圏内）

ちなみに、松浦市内における世帯年収の相場は約428万円です。こちらの水準を参考にしながら、広い視野で仕事探しを行うとスムーズに見つかりやすいでしょう。

参考：松浦市における世帯年収相場の一例

住まい情報：物件数は少なめ。「空き家バンク制度」を利用する選択肢もあり

一般の不動産情報サイトにおいて、松浦市の物件は賃貸・売買物件ともに数が少ない傾向があります。相場としては、賃貸の場合は1LDKや2SDKなどの間取りで4～5万円程度、売買物件の場合は1,200～2,000万円程度です。

参考：松浦市における賃貸物件情報の一例
参考：松浦市における売買物件情報の一例

なお、松浦市には市内の空き家を紹介する「空き家バンク制度」があるため、ぜひそちらの情報もチェックしながら住まい探しを行ってみてください。

公式：松浦市空き家バンク制度

ちなみに、松浦市には以下の移住の支援制度を設けています。移住を検討される際は参考にしてください。

▼松浦市定住奨励金

定住を目的とした転入から5年以内に住宅を取得する方を対象とし、奨励金を交付。

新築	単身世帯60万円、単身以外の世帯100万円に中学生までの子どもの数に応じて加算あり。
中古	単身世帯20万円、単身以外の世帯30万円に中学生までの子どもの数に応じて加算あり）

※新築は市内建築業者利用など詳細要件あり

▼新生活奨励金【民間賃貸住宅入居者】

転入と同時に賃貸住宅に入居し、5年以上市内に居住する意思がある方を対象に奨励金を5年間に分割して交付。

45歳未満	1世帯につき30万円分のまつうら地域振興券
45歳以上65歳未満	1世帯につき15万円分のまつうら地域振興券）

▼子育て世帯引越し奨励金

中学生以下（転入時）の子どもと帯同して転入し、かつ転入後5年以上市内に居住する意思がある世帯を対象に、引越費用相当額（千円未満切捨て）のまつうら地域振興券を交付（最大5万円）。

公式：松浦市定住奨励金
公式：新生活奨励金【民間賃貸住宅入居者】
公式：子育て世帯引越し奨励金

松浦市へ移住した方の体験談

ここでは、松浦市へ移住した方の体験談をご紹介します。

• 松浦市は自然が豊かでありながら福岡都市圏へのアクセスに優れており、田舎暮らしを不自由なく楽しめる点が決め手になりました。地場産グルメが美味しいところもお気に入りです。
• 子育て支援が手厚く、育児相談を気軽にできる場所が整っているので安心して子育てと向き合えます。松浦の自然を活かした教育環境や、地域の方の温かな見守り体制も魅力的で、日々のびのびと穏やかに過ごしている子どもたちの姿に幸せを感じています。
• 地域の方がとても親切で、移住後すぐにここでの生活に馴染めました。「元気？」と気さくに声をかけてくれたり、野菜や魚を玄関に置いてくれたりと、人の温かさに触れる毎日に癒されています。

長崎県内には松浦市のほかにも自然豊かな地域はたくさんありますが、近隣都市圏にアクセスしやすい点が決め手となって移住する方が多い印象を受けました。また、まち独自の手厚い子育て・教育環境やアットホームな雰囲気に魅力を感じている方も多く、みなさん口々に「ここに移住してよかった！」と満足の口コミを挙げていらっしゃいます。

松浦市への移住ステップ

松浦市への移住に興味をお持ちの方は、一度現地に足を運んでみるとよいでしょう。その際はプチ移住を体験できる「移住お試し住宅」を利用し、まちの雰囲気や交通・生活の利便性などを体感することをおすすめします。

「移住お試し住宅」の詳細は以下のページにてご確認ください。

公式：松浦市移住お試し住宅

▲「ほんなもん体験」では地元の方との交流も楽しめて、松浦市での暮らしについて知識を深められます

公式：ほんなもん体験

松浦市への移住に関するお問い合わせ

担当課	松浦市役所 政策企画課 企画統計係（移住ワンストップ窓口）
住所	〒859-4598 長崎県松浦市志佐町里免365番地
電話番号	0956-72-1111
対応時間	平日8:30～17:15
公式サイト	▼公式サイト https://www.city-matsuura.jp/ ▼移住情報 https://www.city-matsuura.jp/top/soshikikarasagasu/seisakukikakuka/kikakutokeikakari/1/766.html