剣淵町での暮らしの魅力は?移住を成功させるための情報を徹底解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「北海道剣淵町(けんぶちちょう)」をご紹介します。
北海道上川地方の北部にある剣淵町は、農村風景の広がる自然の豊かな町です。昭和63年、まちの若者たちが中心となって「絵本」を題材にまちづくりを始め、その取り組みがマスコミで取り上げられたことから、「絵本の里けんぶち」として全国に知られるようになっていきました。
現在も、世界中の絵本を約45,000冊収蔵する「絵本の館」を中心に、絵本に関わる活動を発信する剣淵町。絵本の持つ温もりや優しさに触れて暮らしてみたい方や、子どもの心に豊かな感受性を育みたい方に、特におすすめの移住先です。
また、農業が盛んで新規就農を目指す方への支援があったり、ワーケーションの環境が整っていたりと、多彩な働き方・暮らし方が叶うところも魅力的です。
そんな剣淵町について、暮らしの特徴をはじめ、移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。
剣淵町の暮らしの特徴3つ
地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には剣淵町がおすすめです。
- 絵本が好き。絵本の世界のような、温もりや優しさの感じられる環境で暮らしたい
- 子どもには、感受性の豊かな人に育ってほしいと思っている
- 農業に興味がある。就農を検討している
- 自然豊かな環境でのワーケーションに憧れる
なぜこのような方に剣淵町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、剣淵町の暮らしの特徴を紹介していきます。
特徴1:ぬくもりと優しさ感じる、「絵本」のある暮らし
▲絵本の館には靴をぬいで入館する。多くの絵本に囲まれて、座ったり寝そべったりとくつろいで過ごせる空間
剣淵町は「絵本の里」です。始まりは昭和63年、北海道に住まいを探していた児童図書編集長が、紹介されて剣淵商工会青年部に出会ったことでした。
その編集長は、自然豊かな剣淵町を見て「ヨーロッパの風景に似ている」「絵本の原画が高く評価されているヨーロッパのように、いろいろな作家の作品を集めた原画美術館をつくりたい」と感じたそうです。その構想から、町民有志が「けんぶち絵本の里を創ろう会」を設立し、本格的なまちづくりにつながっていきました。
2023年現在の絵本の里づくり活動の拠点施設は、世界の絵本約45,000冊を収蔵している「絵本の館」です。メイン事業である「絵本の里大賞」のほか、絵本原画展、読み聞かせ、絵本づくりなど、さまざまな取り組みを行っています。
▲建物の外観も印象的で、物語が生まれそうな雰囲気の絵本の館。ドーナツ型になっていてぐるりと一周できる
絵本の持つ「温もり」と「優しさ」は、子どもだけでなく大人の心にも、柔らかく働きかけてくれるでしょう。絵本を通して、思いやりのある豊かな心を育むことを目指す、そんな剣淵町に暮らしてみませんか?
特徴2:雄大な大地で、環境に優しい農業が盛ん
都心部からの移住を検討中の方の中には「移住後は、広々とした土地での農業など、都会とはまったく違った生活がしたい」という考えをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
剣淵町は、町域の50%を農耕地が占める農業のまち。イモやカボチャやお米、最近では、スーパーフードとして注目を集めるキヌアなど、さまざまな作物を栽培しています。
特にじゃがいもは、土地が泥炭質であることが栽培に適し、カルビーのポテトチップスにも採用されるほど、質・量ともに安定した収穫が行われています。
さらに、化学肥料や農薬の低減に取り組む農業経営者が多く、環境保全に積極的なところも剣淵町の農業の特徴。若い農業者も増えてきているそうです。
新規就農者への支援もあるので、就農を希望する方は、ぜひ剣淵町でチャレンジしてみてください。
農業新規就業奨励金 | 就農時の年齢が満45歳未満で、3年以上就農が見込まれる新規就農者に対し、下記の奨励金を支給 ○対象者に配偶者がいる場合:25,000円/月(3年間) ○対象者に配偶者がいない場合:15,000円/月(3年間) |
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農業担い手育成支援事業 | ○農業経営の向上のための研修や意見交換を行う担い手に対し、交通費などを補助 ○農業者がスキルアップや農業経営の向上を目指し資格を取得する際に、受験料を補助 など |
詳細:新規就農支援について
特徴3:ワーケーションにもレジャーにも最適な自然環境
剣淵町は、豊かな自然に恵まれたまち。町内の「桜岡湖」では、四季折々の景色や野鳥が眺められ、カヌーやワカサギ釣りなどのアクティビティを楽しむこともできます。
その桜岡湖を一望する施設が「剣淵温泉 レークサイド桜岡」です。大浴場では、窓越しに見える雄大な自然に溶け込むような気持ちの良さが味わえます。
長期滞在の可能なワーケーションルームも用意されているので、都会のオフィスを離れてリゾート気分で仕事をしたい方にもおすすめです。
▲ワーケーションルームは、家族滞在も可能な広いお部屋。1泊でも長期でも利用できる
剣淵町の暮らしに関する情報
ここでは、移住を検討するうえで重要となる、剣淵町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。
気候 | 1月:平均気温−8.5°C 8月:平均気温20.1°C (剣淵町のデータがないため、近隣の士別地点を参照) ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:2,857人 世帯数:1,424世帯 ※令和5年4月28日現在 |
近隣都市 | 士別市、和寒町 |
公共交通 | 鉄道:JR北海道 バス:道北バス、剣淵町営バス |
大都市へのアクセス | 札幌市へ:電車または車で約150分(高速道路利用) 旭川市へ:電車または車で約60分 |
病院 | 剣淵町立診療所、歯科(民間2か所) |
学校 | 小学校1、中学校1、高等学校1 |
名所・観光 | 絵本の館、桜岡公園、アルパカ牧場 |
剣淵町は、人口3,000人ほどの小さなまちです。そのため、住民同士は顔見知りも多く、大人も子どもも気さくにあいさつをし合うような、アットホームな雰囲気が魅力です。
剣淵町への移住を検討するのなら、冬の寒さは心づもりをしておいた方がよいでしょう。2月にはマイナス20度を下回ることもあり、1日10~20cmほどの雪が積もります。除雪体制は整っていますが、自宅周辺の雪かきは毎日必要。除雪機などを購入して雪を吹き飛ばす方も多いそうです。
日常の買い物をする場所として、町内には商店やコンビニがあり、また道の駅でも地元産の新鮮野菜やお米、焼きたてのパンなどを販売しています。
また2023年6月にはスーパーがオープンする予定。より買い物が便利になりそうです。
▲道の駅には無料ドックランが併設され、愛犬家の憩いの場にもなっている
町内には、可愛いアルパカに出会える「ビバアルパカ牧場」があります。エサやり体験などアルパカと触れ合うことができるほか、山道を散策して山頂からの眺めを楽しんだり、冬には樹氷観察や雪遊びと、一年を通して自然の中で遊ぶことができ、家族連れに特に人気です。
【仕事】旭川市へ通勤する方も多い。町内では起業に対する支援あり
2023年5月現在、大手求人情報サイトで剣淵町の正社員求人情報を検索すると、約50件がヒットしました。
参考:求人情報の一例
第一次産業の盛んなまちなので、町内の就職先は決して多くはありません。剣淵町は旭川市のベッドタウンという面もあり、求人の豊富な旭川市へ通勤される方もいらっしゃるそうです。
また、剣淵町では、起業をする方に対し補助金制度があります。移住を機にお店を開きたい方、会社勤めから独立して起業をしたい方はぜひチェックしてみてください。
起業化支援事業補助金 | 起業し、5年以上継続し事業を展開する見込みのある方に対し、補助対象経費の2分の1以内の額を交付(上限300万円) |
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剣淵町商店街空き店舗活用支援事業補助金 | 町内の空き店舗を活用して小売業または飲食業などを行う方に対し、補助対象経費の2分の1以内の額を補助 |
【住まい】空き家バンク物件がメイン。各種補助金も
剣淵町では、まちの公式サイトにて、空き家バンクの登録物件を紹介しています。
気になる物件が見つかった場合、町役場がマッチングしてくれるケースが多いので、まずはお問い合わせをおすすめします。
お問合せ先 | 総務課企画財務広報グループ 0165-26-9021(総務課直通) |
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住まいに関しては、空き家改修・新築・賃貸とそれぞれに支援があります。
住宅新築・改修促進助成事業 | 建設業者が自ら行う住宅工事で、費用が100万円以上のものについて、下記の補助金を交付 新築工事の場合:50万円(うち20万円を剣淵町共通商品券で交付) 改修工事の場合:20万円(うち10万円を剣淵町共通商品券で交付) |
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結婚新生活支援事業 | 夫婦ともに39歳以下で、結婚を機に新たに住宅を取得する場合に、住宅費(賃料、敷金・礼金など)と引っ越し費用を補助 補助上限額:30万円 ※婚姻時、夫婦ともに29歳以下の場合は60万円 |
【育児・教育】子どもの成長を温かく見守り、きめ細かくサポート
剣淵町では、子どもが誕生した家庭へのお祝いとして、以下の記念品をプレゼントしています。
- 君の椅子
- 誕生カード
- 絵本
「君の椅子」は、道産材を使って製作された子ども用の椅子です。誕生したお子様の名前や生年月日などが刻印されます。そして剣淵町といえば、絵本。親子で触れ合いを楽しめるようにと願いを込めてプレゼントされ、贈呈式の後には、絵本の館体験教室でブックスタート事業を実施しています。
教育面では、小学校・中学校は少人数制のため先生の目が届きやすく、資格を取得する際には補助金が交付されるなど、きめ細やかなサポートが特徴的です。
町立高校は、農業や福祉など専門的な分野を学ぶことができる、町外からも人気の進学先です。学生寮が整備されているほか、通学の場合には交通費の補助、部活動で大会に出場する際には町のバスが送迎協力など、学校生活に対する全面的なバックアップがあることも心強いですね。
剣淵町へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に移住して剣淵町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。
- ブックスタートや絵本の読み聞かせなど、絵本を用いた、子ども向けの取り組みが魅力的
- 子育て支援が充実していて暮らしやすい。教育面では、少人数制なので目が行き届いているところも嬉しい
- 農業が活発で、若い人からお年寄りまで元気に働いている
- 地域の方はみんな大らかで親切。地域全体がアットホームな雰囲気なので、移住後すぐに溶け込めた
まちの暮らしの真ん中に「絵本」があることが、特に子育て世帯の方から好評なようです。
人と人との距離が近く、移住時にはまちの人が自然に手を差し伸べてくれたという声も多く見つかりました。
剣淵町への移住に向けた行動
ここでは、剣淵町への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。
ワーキングホリデーで剣淵町の暮らしを体験
剣淵町では、一定期間、町内で仕事をしながら地域の方との交流などを行う「ワーキングホリデー」制度を設けています。
仕事をすることで、収入を得られることはもちろん、町内に知り合いができたり働き方を考えるきっかけになったりと、移住後の生活の基礎づくりにつながるでしょう。地域の方と交流できるので、まちのリアルな情報が得られたり、移住についての相談ができるのも大きなメリットです。
移住を検討している方は、ぜひ参加してみてください。
剣淵町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 総務課企画財務広報グループ |
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住所 | 北海道上川郡剣淵町仲町37番1号 |
電話番号 | 0165-26-9021 |
対応時間 | 8:15~17:00 |
公式サイト | 剣淵町公式サイト(移住情報ページ) |