東川町はどんなところ?まちの魅力・仕事・住まい情報を徹底解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「北海道東川町(ひがしかわちょう)」をご紹介します。
東川町は、北海道のほぼ中央に位置しています。人口8,600人ほどの小さな町ですが、移住希望者からの人気が高く、この20年で人口は2割増えているとのこと。人々を惹きつける理由は、その「ユニークさ」にあるようです。
1985年、東川町は「写真の町」宣言を行いました。これは、写真という文化を通し、「世界中の人々に開かれた、笑顔のあふれるまち」を目指したものです。取り組みは現在まで受け継がれ、東川町には写真に関するイベントと、写真映りの良い美しい景観がたくさんあります。
上水道がないというのも、まちの大きな、そして全国的にも珍しい特徴です。東川町は大雪山のふもとに位置し、雪解け水由来のきれいでおいしい地下水のみで、生活水のすべてをまかなえるのです。
独特でいて恵まれた環境を求め、子育て世代の方を中心に多くの移住希望者がやってくる東川町。そんな東川町への移住を検討するのに役立つ情報をたっぷりとお届けします。
東川町の暮らしの特徴3つ
地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には東川町がおすすめです。
- カメラが趣味、写真が好き
- 美しい風景やまち並みに囲まれた生活に憧れる
- 水にこだわっている。おいしくてきれいな水を口にしたい
- 東京圏との2拠点生活を検討している
- ショッピングなどには気軽に大都市へ出られるような、アクセスの便利なまちで暮らしたい
なぜこのような方に東川町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、東川町の暮らしの特徴を紹介していきます。
特徴1:「写真の町」の受け継がれる文化と美しい景観
▲1985年に行われた「写真の町宣言」の様子。モノでなく「文化」による町おこしの発想は、当時としてはとても画期的だった
東川町は「写真の町」です。
1985年、東川町は、世界にも類のない「写真の町」宣言を行いました。これは、まちの財産である美しい景色を活かし、写真という文化を通して町おこしをしようと始まった取り組みです。
その流れは受け継がれ、現在、東川町は写真文化の中心地となる「写真文化首都」として人々をつなぐとともに、写真に関するさまざまなイベントを行っています。
こちらは、活動の中核となっている施設「東川町文化ギャラリー」です。
空間のデザイン性や美しさにハッとしませんか?
実は、これも写真文化を推進する取り組みのひとつ。東川町は町の中のいたるところに「美しさ」を追求し、写真映りの良い”絵になる”景観づくりをしているんです。自然の風景はもちろん、各種施設や家々にいたるまで、美しいまち並みの中で暮らしたい方にはピッタリの移住先と言えるでしょう。
もちろん、写真の好きな方やカメラが趣味の方にとっても、たまらない環境です。
東川町で催される、代表的な写真のイベントは「東川町国際写真フェスティバル」。1ヶ月におよぶ会期中には、受賞作家作品展やパーティー、写真と音楽のコラボレーションなど多彩な催しが行われ、まちは大きな盛り上がりに包まれます。
▲毎年夏に行われる「国際写真フェスティバル」は、その一年の取り組みの集大成
大人だけでなく若い世代にも「写真甲子園(高校生写真部の全国大会)」や「ユースフェスフォトコンテスト」など、参加・活躍の場が設けられています。
写真を通して、老若男女問わずたくさんの人々、また町の中から世界までがつながるような代えがたい経験が、東川町では実現するかもしれません。
特徴2:蛇口からミネラルウォーター。天然水100%の暮らし
▲大雪山の自然がつくりあげた「大雪旭岳源水」は、平成の名水百選にも選ばれている
東川町は、全国的にも珍しい「上水道のない町」です。
その秘密は、まちが大雪山のふもとに位置していること。山の雪解け水は地中深くにしみ込み、伏流水となります。東川町では蛇口をひねれば、そのきれいな水(=ミネラルウォーター)を得ることができるのです。
人々の健康・美容や、料理の味に、深く関わってくる「水」。おいしくて安全な水を求める方は多くいらっしゃいますが、そうは言っても都会では、そんな水はお金を出して買うのが一般的ですよね。東川町では、飲用や料理はもちろん、お風呂、豆腐やお酒などの仕込み水にも、大自然がつくりあげたミネラルウォーターが用いられています。
さらに、米や野菜など農作物をはぐくむのも、この水。北海道内でも上位に入ると評判の東川米をはじめ、農作物全般なんでもおいしいと言われるのも、水の恵みあってこそです。
「水にこだわりたい」という強い希望のある方は、東川町で、口にする水も肌に触れる水も天然水100%という贅沢を叶えてみませんか?
特徴3:空港まで車で10分!関東圏へのアクセスも良好
東川町は北海道第2の都市である旭川市に隣接し、車で約15分と生活圏内。「旭川空港」までは、車で約10分です。この地理的条件も、東川町の魅力のひとつ。独自の文化と豊かな自然を有しながら、かつ、都市部へのアクセスも良好なのです。
旭川空港から羽田空港まで、所要時間は2時間弱です。この手軽さから、たとえば月の半分は東京で半分は東川町といった2拠点生活も、現実的な選択肢になりますよ。
ちなみに、旭川空港は99%という高い就航率が特徴です。これは、北北海道の空の玄関口として万全の除雪体制が敷かれているため。「天候条件で飛行機が飛ばない」というのはどうしようもないことですが、たとえ吹雪の中でもほとんどの場合就航するのが、旭川空港なのです。
ゆったりとした町の暮らし心地の良さと、すぐに都市機能にアクセスできる利便性の両立は、生活の満足度を大いに高めてくれそうです。
東川町の暮らしに関する情報
ここでは、移住を検討するうえで重要となる、東川町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。
気候 | 1月:平均気温−8.1°C 8月:平均気温20.5°C ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:8,601人 世帯:4,247世帯 (令和4年12月31日現在) |
近隣都市 | 旭川市 上川郡:東神楽町、美瑛町、上川町 |
公共交通 | 鉄道:町内を鉄道路線は通っていない。鉄道を利用する際の最寄駅はJR北海道・旭川駅 バス:路線バス、町営スクールバス |
大都市へのアクセス | 旭川空港(旭川市)へ:車で約10分 札幌市へ:車で約2時間20分 東京へ:飛行機(羽田空港~旭川空港)と車で約2時間 |
病院 | 病院・クリニック:1件 歯科:3件 |
学校 | 専修学校1、高校1、中学校1、小学校4、幼児センター1 |
食べ物 | 米、地酒、ワイン、有機栽培トマトを使用したトマトゼリー、手仕事寄せとうふ |
名所・観光 | 旭岳、旭岳温泉、羽衣の滝、大雪山国立公園、道の駅ひがしかわ「道草館」、 東川町キトウシ森林公園家族旅行村、キャンモアスキービレッジ |
東川町の気候は、夏暑く冬寒い、寒暖差が特徴的です。冬場には毎年1m程度の積雪があります。
町内には公共交通機関が少ないため、生活にはマイカーが必須。雪に備えて、4WD車を選ぶ方が多いそうです。逆に、車さえ持っていれば、町内で生活に不便することはほとんどありません。旭川市までも車で15分程度なので、豊富な品ぞろえを求めたい買い物などにも便利です。
まちの中心にある「せんとぴゅあ」は、国際交流や日本語学校、住民の自主的な活動の拠点となる施設。東川町にゆかりのあるアートや、町内で作られた家具など、まちの魅力がギュッと詰まっています。新生活の手始めや、体験移住の際には、ぜひ訪れてみてください。
▲旧東川小学校舎を改修し2016年にオープンした「せんとぴゅあ」は、図書館でも、美術館でも、博物館でもないユニークな施設
洗練された空間、ものづくり、デザイン。東川町は、そういった「心地よさ」をつくる要素をとても大切に、まちづくりをしてきました。町内にはおしゃれなカフェなども多く、週末にはカフェめぐりを楽しみに訪れる方も多いそうです。
町内のいたるところから眺められる大雪山をはじめ、自然の豊かな東川町。
レジャーにおいても、登山やスキー、カヌーなど、大自然と触れ合う遊び方が人気です。また、大雪山国立公園内では、歴史ある「旭岳温泉」を楽しむこともできます。
▲樹々に囲まれた旭岳温泉では、ゆったりと流れる時間を堪能できそう
【仕事】大都市に隣接しているため働き先は豊富
東川町では半分弱の方が町内でお仕事をされていますが、隣接している大都市・旭川市へ通勤される方も多いそうです。
2023年2月現在、大手求人サイトで、東川町内および車で30分程度(25km圏内)の正社員求人を検索すると、約13,600件と豊富な数の求人がヒットしました。
参考:求人情報の一例
また、起業や新規就農への支援も用意されています。さまざまな可能性がある東川町で、自分らしい働き方を探してみてはいかがでしょうか。
起業(創業)支援 | 東川町内で新たに起業、または新規分野の事業を行った場合に補助金を交付 補助額:対象経費の1/3以内(上限100万円) 詳細はこちら |
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農林水産業への就業支援、担い手育成支援 | 新規就農者の農業研修費に対して30万円を上限に助成 |
【住まい】人気につき物件少な目。まちは分譲地造成で対応中
▲分譲地「グリーンヴィレッジ」には「建築緑化協定」があり、緑豊かで調和の取れたまち並みが形成されている
現在、東川町に暮らすことを希望する方は多く、住まい物件は見つかりづらい状況です。特に賃貸ではアパートの入居率98%というのだから、その人気ぶりがうかがえますね。
東川町では、分譲地を造成して売り出すことで、移住者への住まいの確保を進めています。分譲地には、まちづくりのコンセプトと「東川風住宅」の建築規制が設けられ、未来へと続く美しい景観を守っています。
まちへの転入、住宅の購入にあたっては、以下のような支援も利用できます。
WELCOME(ウエルコメ)事業 | 東川町に新たに転入された世帯に対し、これからの東川町での暮らしの応援と歓迎の意味を込めて、道内で高い評価を受けている東川産米「ななつぼし」5kgをプレゼント |
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新築苗木プレゼント事業 | 町内に新たに住宅を建築された方に対し、「みどり」豊かで、美しい住宅景観づくりに参加頂くために、苗木をプレゼント |
景観住宅建築支援事業 | 景観や環境に配慮した東川風住宅の建築を奨励するため、一定の基準を満たす住宅を建築し住宅空間を形成する方に対し、カーポート等の建築経費を補助 |
二世帯居住推進事業補助金 | 親または子が町外から転入して新築または増・改築(または二世帯住宅を新築)する方で、要綱に定める要件に該当する場合に補助金を交付 補助額:事業費の1/2以内(上限50万円。二世帯住宅の場合は100万円) |
詳細:住宅支援について
【育児・教育】ユニークな支援と制度が、子どもの成長を温かくサポート
▲2006年にスタートした「君の椅子」。贈られる椅子は、東川町内の工房で手作りされている
東川町では、地域ぐるみで子どもを大切にし、育児・教育に対する取り組みに力を入れています。
特色ある取り組みのひとつが「君の椅子事業」です。このプロジェクトは、東川町で生まれて100日目を迎えた子どもに椅子をプレゼントするというもの。「子どもが誕生する喜びを地域の人々で分かち合い、成長を温かく見守りたい」という願いが込められています。
町内に4ケ所ある小学校のうち「東川小学校」は「小さいころから本物に触れる」ことをコンセプトとして掲げています。
校舎は広々とした平屋建て。周囲には、多目的芝生広場や体験水田、体験農園、果樹園などが配置され、さまざまな課外活動にも対応しています。さらに校内にはアート作品などが展示され、子ども達は芸術作品を身近に感じることができます。
▲子ども達がのびのびと過ごす、東川小学校の校内。教室は扉のないセミオープンとなっている
さらに、町内の学校では海外交流も盛んです。東川町には全国で初となる公立の日本語学校があり、まちの人口の約4%が外国人。子ども達は、ごく自然に異文化交流に親しみ、グローバルな視点を身につけていきます。
子育てをする方の多くが抱く「のびのびと遊んでほしい」「たくさんの経験をしてほしい」「国際的な人に育ってほしい」といった願いが、どれも取り入れられている東川町の教育体制。
実際のところ、移住を希望される方の中でも、特に多いのは子育て世代の方だそうです。
東川町へ移住した人の体験談・感想
ここでは、実際に移住して東川町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。
- 3つの「道(国道・鉄道・水道)」がないところが東川町の最大の特長。そんな生活に惹かれて移住を決意した
- 自然環境にも食材にも恵まれた、本当の意味で贅沢な暮らしができていると思う
- 他地域から来た人に町内を案内すると必ず、美しい景観や行き届いた教育環境などに驚かれる。”語れる”要素がとても多いまち
- 小さな町なのにグローバル教育も進んでいる。外国の方が身近で、子ども達も物おじせず話しかけたり言葉を教えてもらったりしている
- 地域の人がみんな家族か友達のよう。子ども服のおさがりなどもたくさん頂けてありがたい
東川町に移住される方には「移住前にたくさん情報収集をしてファンになった」というケースが多いようです。特に、美しいまち並みや自然環境に魅力を感じて移住を決めたという声が多く見つかりました。
そして「想像通り・想像以上」の暮らしの魅力が周囲の人に伝わり、移住者が移住者を呼んでいる様子がうかがえます。
東川町への移住に向けた行動
ここでは、東川町への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。
先輩移住者との交流もできる、移住相談ツアー
東川町では、年に3回程度、移住相談ツアーが開催されています。詳細はその時々で異なりますが、数泊程度の滞在で東川町の暮らしをプチ体験しつつ、先輩移住者との交流会などが行われるというのが大まかな内容です。ツアーの様子をカメラマンが撮影し、後日、想い出アルバムがもらえるという、東川町ならではの嬉しい特典が付くことも。
まちの気候や雰囲気を体感しながら、地域の方や実際に移住した方のリアルな声を聞き、東川町での暮らしのイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
長めの滞在でじっくりまちを知る、移住体験
▲貸し別荘型の宿泊施設。充実した設備がそろっているので、入居した日から不自由なく生活できる(画像引用元:東川町公式サイト)
東川町では、移住を検討している方を対象に、移住体験施設を用意しています。東川町の移住体験は、最短3ヶ月~1年と、長めの期間設定になっているところが特徴。季節の移り変わりの中で、子育てやリモートワーク、家庭菜園などの趣味、アクティビティなど、リアルな暮らしを体験することができます。
実際に町民としてまちづくりに参加したり、町内や近郊の事業所への勤務も可能なので「お試し」というよりは、本格的な移住に入る前の「土台作り」と考えてもいいかもしれません。
宿泊先は、コテージ型、貸別荘型、集合住宅型と3種類があります。家賃補助や、町内で使用できる地域通貨の配布といった助成も受けられるので、真剣に移住を検討している方はぜひ利用してみてください。
詳細:移住体験について
東川町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 税務定住課 |
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住所 | 北海道上川郡東川町東町1丁目16番1号 |
電話番号 | 0166-82-2111 |
公式サイト | https://higashikawa-town.jp/settledown |