青森県五戸町へ移住しよう!子育て・仕事・支援制度など暮らしに役立つ情報まとめ
この記事では、地方移住を検討している方に向けて青森県五戸町(ごのへまち)の魅力や移住に役立つ情報を紹介します。
五戸町は青森県南部にあり、森林率が約半数を占める緑に囲まれたまちです。一方で、近隣の十和田市と八戸市までは車で30分程度とアクセスが良く、「ほどよい田舎暮らし」を実現できます。
また、就農や起業に関する支援制度が充実していて、移住を機に新しいことに挑戦する方も少なくありません。
今回は五戸町の魅力をさらに詳しく知るために、五戸町役場総合政策課の鳥越さんへお話を伺いました。
五戸町の3つの特徴
五戸町は農業が基幹産業のまちで、米や野菜の栽培が盛んです。さらに馬・鶏・牛の3種の高品質な肉の産地でもあり、豊かな食に恵まれています。
食べるだけでなく、就農やカフェを開くなど食を提供する側へ就く方も珍しくありません。
そんな五戸町への移住は、以下のような方に特に向いています。
- おいしい食や食育に関心がある。
- 自然環境を求めているけれど利便性も考慮したい。
- 移住を機に就農や起業など新しいことに挑戦したい。
- 自然の中でのびのびと子育てをしたい
その理由について、五戸町の特徴を交えて解説します。
特徴1:五戸町の代名詞。馬・鶏・牛の良質な肉「ごのへ三大肉」
▲五戸町の特産品「ごのへ三大肉」。町内の精肉店やスーパーで購入可能
五戸町の代名詞と言えば「ごのへ三大肉」です。馬肉・地鶏・牛肉それぞれの産地として全国的に知られています。
五戸町の「戸」は「厩(うまや)」を意味するように、江戸時代から馬の生産地として発展してきた歴史があり、町内には牧場が点在しています。
郷土料理の「桜鍋」をはじめ、「義経鍋」と呼ばれる焼肉や刺身、しゃぶしゃぶなど、多彩な馬肉料理を堪能できるのはまさに産地ならではの贅沢と言えるでしょう。
▲町内には3カ所ほど牧場がある。人より馬の方が多かった時代もあったとも言われている
また、五戸町は「青森シャモロック」発祥の地でもあります。町内の畜産研究所が約20年の歳月をかけて開発したブランド地鶏で、きめの細かい肉質と濃厚な味わいが特徴です。
さらに黒毛和牛種「あおもり倉石牛」は、2008年度全国肉用牛枝肉共励会で最高賞の「名誉賞」や、東北牛匠会肉牛枝肉共進会「名誉賞、最優秀賞、優秀賞」で上位三賞を獲得するなど、国内で高い評価を受けています。
特徴2:2つの近隣都市まで車で約30分。買い物・観光に便利
五戸町は6市町村に隣接していて、各市町村へのアクセスが良好です。十和田市と県内第二の都市である八戸市までは、車で30分程度で移動できます。
十和田市や八戸市には、大型ショッピングモールの他、デパートや植物園、美術館、魚市場などがあり、買い物はもちろん休日のお出かけ先にも困りません。
「自然環境だけでなく、都市部への利便性も考慮したい」という方にとって、五戸町は住みやすい町と言えるでしょう。
五戸町にはJRの駅はありませんが、車があればどの近隣地域へも30分程度で行けます。
特徴3:新規就農しやすい。自然栽培の就農希望者は先輩移住者に頼れる
五戸町は総面積の約半数が森林で、町内には五戸川と一級河川の浅水川が流れる自然豊かなまちです。
そんな自然に恵まれた五戸町は農業が基幹産業で、りんご「紅玉」をはじめ、にんにく、長いも、アピオスなど多種多様な農作物が生産されています。そのため、新規就農を目的に移住してくる方も少なくありません。
例えば、農薬や肥料を使用しない自然栽培で少量多品種栽培を始めた方や、農家民宿の経営をしている方などがいます。
就農に成功している先輩移住者からアドバイスを受けることもできるため、農業に挑戦しやすい環境です。
五戸町の暮らしに関する情報
▲町内にある「おんこ坂」。五戸町は坂が多いことも特徴で、名前の付いている坂が多数ある
「五戸町はどのくらい雪が降るの?」「子どもが遊べる施設を知りたい」などの疑問を解消するために、以下では、五戸町の暮らしに役立つ情報を紹介します。
気候 | 1月平均気温:-1.8℃ 8月平均気温:22.9 ℃ ※参考:気象庁(三戸地点) |
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人口 | 人口:15,540人 世帯数:7,001世帯 (2024年4月1日時点) |
病院 | ・病院:1院 ・クリニック:2院 ・歯科:5院 |
学校 | ・保育施設:7園 ・小学校:4校 ・中学校:3校 ・専門学校:1校 |
遊び場・レジャー | ・五戸まきば温泉 ・歴史みらいパーク ・ひばり野公園 ・正子のチューリッぷ園 など |
イベント | ・1月:川原町裸参り ・4月:桜沼公園の鯉のぼり ・7月:ビックリ夜店 ・8月:ごのへ夏まつり、五戸まつり ・10月:Gonohe de Halloween ・12月:Town’sイルミネーション など |
交通 | 【電車】 ・JR「八戸駅」より車で20分(※町内に駅なし) 【バス】 ・南部バス(岩手県北自動車(株)南部支社) ・コミュニティバス 【車】 ・国道:4号、454号 ・高速道路:「八戸IC」より車で30分(※町内にICなし) |
近隣地域 | 八戸市、十和田市、南部町、六戸町、おいらせ町、新郷村 |
※人口以外の数字は2023年10月時点のものです
五戸町は複数の町村が合併してできた町です。市街地にはスーパーや総合病院、ドラッグストア、学校が集まっていて生活に不便はありません。他のエリアは近隣都市まで買い物へ行く必要があります。
気候は県内では気温の寒暖差が少ない方で、雪もあまり積もりません。ただし、雪が少ない分、路面がブラックアイスバーンになりやすいので運転に注意しましょう。
町内の交通機関はバスのみです。町外にもつながる路線バスが1時間に1本運行しています。地区全域を巡回するコミュニティバスは、町内1乗車100円で利用可能です。
五戸町は坂道が多く、交差点も下り坂になっています。車の運転に不安のある方や雪道に不慣れな方は注意が必要です。
【遊び場】大型遊具やそり滑りが楽しめる公園・広場あり
▲子どもたちの遊び場「歴史みらいパーク」。芝生の敷地内には図書館などを有する
五戸町の遊び場と言えば、自然を満喫できる広場や大型遊具で遊べる公園です。
「歴史みらいパーク」は、コミュニケーションの場としても親しまれている公園で、サッカーができるほど広々とした芝生スペースや図書館が併設されています。
毎年12月には芝生広場でイルミネーションイベント「Town’sイルミネーション」が開催され、期間中は広場一面が幻想的な雰囲気に包まれます。
▲歴史みらいパークの芝生広場では、毎年冬にイルミネーションが点灯。
思う存分体を動かしたいなら「ひばり野公園」がおすすめです。アスレチック遊具や長さ72mのローラーすべり台があり、小さい子どもから小学生まで多くの子どもたちで賑わいます。
▲小さな子どもも楽しめる「ひばり野公園」。複合遊具は2022年に設置されたばかり
▲ひばり野公園には約70mのローラーすべり台も完備
ひばり野公園の芝生エリアは春になるとソメイヨシノが咲き誇り、花見やピクニックにも最適です。さらに、夏は「ごのへ夏まつり」の花火、秋は紅葉、冬はそり滑りとシーズン問わず楽しめます。
▲ひばり野公園内の広い芝生。約100mの坂になっていて冬はそり滑りにピッタリ
ひばり野公園で存分に遊んだ後は、付近にある温泉宿「五戸まきば温泉」で疲れた体を癒しましょう。日帰り温泉や食事だけの利用も可能です。
▲ひばり野公園のそばにある温泉宿「五戸まきば温泉」。日帰り温泉も楽しめる
また、五戸町ではシーズンごとに地域行事を実施しています。毎年8月下旬〜9月上旬に開かれる伝統行事「五戸まつり」は、子どもたちも参加できる祭りです。
▲伝統行事「五戸まつり」。京都の祇園祭を遷した豊作を祈願する祭り
京都の祇園祭を遷した祭りで、壮麗豪華な神輿行列や山車が町中を練り歩く様子は迫力満点。小中学生は小太鼓や笛を練習して祭りに臨むなど、地域が一体となって祭りを盛り上げます。
【子育て】2022年より高校生の通学費補助開始
五戸町では子どもの成長に合わせて利用できる、子育て支援制度を設けています。
▼子育て支援制度の一例
五戸町新生児祝金 | 新生児一人につき祝い金として10万円を給付 |
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出産育児一時金 | 子ども一人につき48.8万円を支給 |
多子世帯支援商品券発行事業 | 中学3年生以下の子どもが3人以上の世帯に地域商品券5万円を給付 |
五戸町高校生応援補助金 | 高校生の通学費の一部を補助 ・12カ月往復定期券を購入した場合:4万円 ・徒歩・送迎・下宿などで通学する場合:2.2万円 |
上記のような経済的な支援以外に、放課後児童クラブやオンライン子育て相談などのサポートも受けられます。
各種支援の詳細は下記よりご確認ください。
公式:五戸町「子育て支援情報」
【教育】知的好奇心を育む「五戸町放課後子ども教室」
五戸町では週に1、2回「五戸町放課後子ども教室」として、小学生に学びの場を提供しています。工作や調理、自然体験会などを通して、子どもの主体性や知的好奇心が育めると好評です。
また、五戸町はプロサッカー選手を多数輩出している「サッカーの町」として有名で、サッカーを中心としたスポーツ振興にも取り組んでいます。
町内には人工芝のサッカーグランドや屋内練習場があり、町内のスポーツクラブなども使用しています。
【仕事】農業・建設業・製造業が多い。最大100万円の起業支援あり
大手求人サイトに掲載されている、五戸町と近隣都市の正社員求人数は以下の通りです。
五戸町 | 約200件 求人一例 |
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八戸市 | 約4,700件 求人一例 |
十和田市 | 約1,000件 求人一例 |
※2023年10月時点
五戸町の求人は、介護・建設業・製造工場の仕事が多いため、通勤30分圏内の八戸市や十和田市で働く方も少なくありません(2023年10月時点)。選択肢を増やしたい場合は範囲を広げて探しましょう。
なお、五戸町では最大100万円受け取れる起業支援金制度を設けています。
五戸町青年就農ステップアップ支援事業 | 50歳未満の新規就農者へ支援金を給付 ・給付期間:最長3年間 ・給付額:1年目60万円、2年目30万円、3年目18万円 ※夫婦の場合は1,5倍です。 |
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五戸町の未来を創る起業支援事業 | 町内で起業する方を対象に起業費用の一部を補助 ・起業支援金:30万円 ・移住加算金:20万円 ・空き家・空き店舗活用加算金:50万円 |
移住者の起業事例は、林業や飲食店、多肉植物店などさまざまです。介護施設に勤めていた方が独立して事業を始めたというケースもあります。
支援金の申請は年3〜5件あります。五戸町への移住を機に起業に挑戦する方も少なくありません。
【住まい】若年世帯に月額2万円の家賃補助金を給付
五戸町では、40歳未満の夫婦を対象に賃貸住宅の家賃補助金制度を設けています。
若者定住支援事業補助金 (アパート補助) |
夫婦のどちらかが40歳未満である場合対象となる賃貸住宅家賃補助 ・給付額:家賃から2万円を除いた額(上限2万円) ・給付期間:最大60カ月間 ※36ヶ月経過後は上限が1万円になります。 |
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住居費用を抑えられるとあり、大手賃貸サイトを利用して賃貸物件を探す方が多いようです。
賃貸物件(アパート・戸建て) | 11件 物件一例 |
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※縁結び大学調べ(2023年10月時点)
その他、空き家バンクもありますが、物件の登録件数が5件程度(2023年10月時点)とそこまで多くありません。空きが出るまで賃貸や町営住宅へ入居することも併せて検討しておきましょう。
公式:五戸町「空き家バンク」
公式:五戸町「町営住宅」
(都市計画課:0178-62-7962)
※予約は受け付けていません。疑問がある方は都市計画課へお問い合わせください。
五戸町へ移住した人の体験談
ここでは、五戸町へ移住した方の感想を紹介します。
- 食が豊か。おいしい野菜や肉、米が当たり前のようにある。近所の方からもらうお漬物や野菜も嬉しい。
- 子どもが虫を取りにいったり、畑で遊んだりしている様子を見てのびのび成長していると実感する。
- 都会と比べれば不便かもしれないが住みやすい。美しい自然とおいしい食材、人の温かさに囲まれていると感じる。
先輩移住者が感動するポイントは、自然景観やおいしい食材、人の温かさなど様々です。中でも、「自然がありながらアクセスが良く住みやすい」という声が多く聞かれました。
また、就農・起業を目的に移住する方が多いため、町自体が多様的で移住者を受け入れる土台があるという印象です。だからこそ、新しいことに挑戦する場としても選ばれやすいのでしょう。
五戸町への移住に向けた2ステップ
移住先を決めるには下調べが重要です。そこで、五戸町が実施している移住者向けのイベントや移住相談窓口を紹介します。移住前に利用して疑問や不安を解消しましょう。
ステップ1.「五戸まちづくりワールドカフェ」で交流を図る
五戸町では、自分が関心のあることを持ち寄って対話する「五戸まちづくりワールドカフェ」を月に1度開催しています。参加者は学生から70代の方まで老若男女問わず幅広く、オンラインでも開催しているため、町民以外も参加可能です。
「地域の方と交流を図りたい」「もっと五戸町を知りたい」という方はもちろん、移住を機にビジネスを始めたい方にもおすすめです。
リアルな情報に触れて、五戸町に住むイメージを膨らませてみてください。
ステップ2.移住相談会へ参加する
五戸町では短時間で要点を聞きたい方向けに、オンライン相談を実施しています。
オンライン相談では五戸町役場の方に移住に関する相談ができる他、先輩移住者に参加してもらって体験談を聞くことも可能です。
開催日時 | 平日9:00〜21:00 ※相談時間は30分程度 ※土・日曜、祝日希望の場合は応相談 |
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相談方法 | Zoom(ズーム) |
相談料 | 無料 |
公式:五戸町「五戸町オンライン移住相談」
※希望日2日前までに申し込みが必要です。
また、首都圏で開催される移住イベント・セミナーに出展した際にも、移住相談を受け付けています。遠方の方や下見の時間が取れない方におすすめです。
出展予定のイベント・セミナーは以下よりご確認ください。
2022年7月に開催された移住イベントでは、首都圏に住む夫婦の方が相談会を機に移住を決めました。移住後は「五戸まちづくりワールドカフェ」で出会った方と意気投合して、その後も交流を重ねるなど、充実した五戸暮らしをしているようです。
五戸町への移住に関するお問い合わせ
▲町のPRキャラクター「五戸のおんこちゃん」。町出身の姉妹クリエイター「東京ハイジ」さんと町が共同制作。全国からおんこちゃん宛に年賀状が届く
担当課 | 総合政策課 地方創生班 |
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住所 | 〒039-1513 青森県三戸郡五戸町字古舘21-1 |
電話番号 | 0178-62-7952(直通) |
対応時間 | 8:15〜17:00 土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | https://www.town.gonohe.aomori.jp/ |
五戸町は美しい自然と人の温かさが魅力です。現地に一度足を運んでぜひ五戸町を体感してください。