【山梨】歴史ある「塩澤寺」で厄除けや縁結びのための参拝

「塩澤寺」は山梨県甲府市にあるお寺です。「厄除けのお寺」として全国的にも有名な塩澤寺ですが、縁結びのご利益もあるとされています。また、厄除けや縁結びのご利益以外にも、さまざまな願い事が成就すると言われています。

今回は塩澤寺の住職である佐藤光政さんに、開運のお寺としての由来や、参拝者の開運祈願について詳しくお話を伺いました。

「なかなかいい人に出会えない」と悩んでいる方だけでなく、自身の活動などに行き詰まりを感じている方は、ぜひご覧ください。

塩澤寺の歴史や見どころ

「塩澤寺」は、厄除けで広く知られていますが、縁結びのご利益もあるとされているお寺です。平安時代前期から深い歴史を刻んできたお寺でもあります。

地蔵堂の中に祀られているご本尊の厄除地蔵菩薩以外にも、見どころとして、県に天然記念物として指定されている枝が全長35mもある立派な「舞鶴松」などがあります。

晴れた日に、境内から見える富士山や、豊かな自然に彩られた景色で、心身ともに癒されるのもいいかもしれませんね。

ではさっそく、塩澤寺住職の佐藤光政さんにお話を伺いましょう。

塩澤寺は、厄払いの祈願を行う大祭や月例護摩供を中心に行っている

インタビュアー

塩澤寺はどのようなお寺ですか？

佐藤さん

塩澤寺は、厄払いの祈願を行う大祭や月例護摩供を中心とした、真言宗所属の信徒寺院です。県外からお参りにお越しになる方々も多数いらっしゃいます。

インタビュアー

県外からもたくさん参拝者さんがいるというのはスゴイですね。それほど有名で、また親しまれている証ですね。

平安時代前期からの深い歴史がある塩澤寺

インタビュアー

塩澤寺の歴史を教えてください。

佐藤さん

西暦808年、真言宗の開祖である弘法大師・空海上人が、衆生救済のため諸国を巡り歩いて修行していました。その時、当地にて旧暦正月14日の早朝に、厄除地蔵菩薩の霊験を感じられたそうです。

そして、六寸余りの座像を彫刻し仏の魂を迎え入れたのが、当山の始まりです。

西暦955年には、空也上人という念仏の高僧が遊行中に、その素晴らしい霊験に感嘆して6尺有余の開扉仏（かいとぶつ）を建立しました。

そして、福田山塩澤寺と称することとなりました。開扉仏は、現在も塩澤寺の地蔵堂に安置されており、国指定重要文化財となっています。

これらの事から、当山のご本尊は2体ある数少ない寺院と言われています。

その後、西暦1266年には、蘭渓道隆禅師という臨済宗建長寺派の開祖が、傷んだ堂宇を復興しました。

さらに時代は下って徳川家光の時代には、この湯村の地に幽閉されていた後陽成天皇の皇子・良純親王が、当山地蔵尊を厚く拝し、祭りを盛んにするなど当山の興隆に関わったと言われています。

インタビュアー

西暦808年というと、平安時代の前期ですね。なんだかすごいお話です。歴史の深さに圧倒されます。

また、塩澤寺にはたくさんの偉い方が関わっているのですね。それだけ著名な人たちが信仰したわけですから、そのご利益はいかほどのものかと期待が膨らみます。

ご本尊の「厄除地蔵菩薩」と県指定天然記念物「舞鶴松」は見もの

インタビュアー

塩澤寺を訪れた際の見どころはどこですか？

佐藤さん

屋外からの参拝のみではありますが、地蔵堂の中に祀られているご本尊の厄除地蔵菩薩をぜひご覧ください。

樹齢500年の県指定天然記念物「舞鶴松」も見ものです。横に長く伸びた枝の全長は35ｍにもなります。

また、塩澤寺では「甲府山の手七福神」霊場のうちの一尊として、「福田大黒天」をお祀りしております。

その他、近くには古墳もありますよ。

インタビュアー

塩澤寺に訪れる人は、ご本尊様への参拝が目的ですから、絶対に外せませんね。

舞鶴松とは、塩澤寺の門の前まで伸びている松のことですよね。ものすごい迫力で、驚きました。とても立派な松なので、この舞鶴松を見るために塩澤寺を訪れる人も多いのではないでしょうか。

甲府の七福神めぐりといえば、7カ所のお寺や神社に参拝し御朱印を集めるイベントと聞いています。願い事をしながら甲府の町を散策できるので、とても楽しそうです。

天気の良い日であれば、境内から富士山も見えると聞きました。塩澤寺では、古墳や富士山など、参拝以外にも楽しめますね。

塩澤寺の開運祈願に関すること

塩澤寺は本尊以外に、縁結び・安産祈願の「塩釜明神小社」や、疫病退散平癒祈願の「須佐小社」があります。「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」などもあり、住職の佐藤光政さんのお話によると、お地蔵様に悩みを聞いてもらうことで、スッキリできるとのこと。

また、塩澤寺では、毎年2月13日〜2月14日にかけて大祭が行われます。大祭では、厄除の他にも、開運厄除・家内安全などの多くの願いが、成就すると言われており、多くの人が訪れるそうです。大祭に合わせてカップルで訪れれば、より塩澤寺でのデートを満喫できますね。

続いて、ご利益に関することについてのお話を伺っていきましょう。

開運祈願はまず「護摩礼祈願」から始めよう

インタビュアー

開運祈願したい場合は何をすれば良いでしょうか？

佐藤さん

地蔵堂前にてご本尊への祈願を行えます。まず、祈願成就を祈る護摩札祈願をおすすめしています。その他には、祈願成就旗の掲揚をされる方もいらっしゃいます。祈願成就旗は、1年を通して地蔵堂前に掲揚されます。

護摩木祈願やお団子・豆・硬貨を本尊にお供えされるのも良いかと思います。

インタビュアー

先ほど地蔵堂前を通った時に、たくさんの赤い旗が揚がっていましたが、あれが祈願成就旗だったのですね。

護摩札祈願はよく聞きますが、祈願成就旗を揚げるというのは珍しいのではないでしょうか。1年を通して揚げていただけるので、強い願いがある時に揚げるのが良さそうです。

2月の大祭当日に参拝すると、さまざまな願い事が成就するといわれている

インタビュアー

開運祈願はどのように行えばいいでしょうか？

佐藤さん

いわゆる「厄年」といわれる年回りに祈願をすると、厄が祓われると伝えられています。

特に2月13日と14日の一昼夜にわたる大祭当日に参拝すると、厄除に限らず、さまざまな願い事が成就すると言われています。

また、毎月第四土曜に行われる月例護摩供への参加もご利益があると言われております。

インタビュアー

厄払いは日本で古くから大切にされている風習ですよね。

塩澤寺の大祭当日の様子を拝見しましたが、道いっぱいに人が集まっており、すごい賑わいです。

これだけの人が塩澤寺に厄払いや願い事を祈願するために参拝するなんて、よほどご利益があると言われているのでしょうね。

年度によっては参拝者の数が約3万人にものぼる

インタビュアー

開運祈願に訪れる参拝者はどのくらいいらっしゃいますか？

佐藤さん

塩澤寺は、大祭を中心にお参りをいただいており、その数は令和元年だと約3万人にものぼります。令和2年は外出を控える方も多く、約1万5千人です。

インタビュアー

3万人ですか！？塩澤寺の人気がよくわかります。

外出自粛の影響で少なくなったとはいえ、こういう状況下だからこそ参拝や祈願をしたいという人は多いでしょうね。きっと多くの人がまた塩澤寺を訪れるのではないでしょうか。

塩澤寺の参拝者は、厄年の災難回避を中心にさまざまな願いを祈願していく

インタビュアー

開運祈願で参拝される方はどのような方が多いですか？

佐藤さん

やはり、通称「厄地蔵さん」と呼ばれている通り、人生に25回、大厄は4～5回あるという厄年を災難に遭うことなく過ごしたい方々による参拝が多いです。

特にご利益が大きいといわれる大祭は2月13日と14日という時期のため、受験合格や就職成就を願って参拝される方もいます。

また、バレンタインデーということで縁談・恋愛成就の祈願の方もいますし、家内安全・当業繁栄・身体健全・病気平癒の御祈願の方などさまざまです。

インタビュアー

厄払いがメインではあるようですが、本当にいろんな開運祈願で参拝者が訪れるのですね。人によって願いはさまざまですが、どんな願いでも受け入れてくれるような、寛大さを感じます。

昔から、地元民の心のよりどころとなり、支えになっていたのでしょうね。

塩澤寺のご本尊様による守護や開運

インタビュアー

参拝者からの報告や感想で、印象に残ったエピソードはありますか？

佐藤さん

参拝者さんからは、たくさんのご報告をいただいています。

崖の下に落ちるような大きな交通事故にあった方がいました。「無傷で助かった」とご報告をくださったのですが、事故の時に信者さんの胸のポケットに入れていた木製の御守が真二つに割れていたそうです。

「運転操作のミスでガードレールに突っ込みそうになったが、気が付いたら車の前後の左車輪がガードレールに載っかっていて、無傷で助かった」という方もいました。

インタビュアー

まさに「塩澤寺のご本尊様が守ってくださったのかも」と思えるエピソードですね。

お守りは、持っている人の身代わりになってくれる時に、弾けたり割れたりするという話を聞いたことがあります。

佐藤さん

お守りについては、こんなエピソードもあります。

少額のお守りを、お土産として関係者に配った方がいました。その後、そのお守りをもらった人たちから「良いことが起きた」と感謝されたそうです。

また、いくつもの寺社にお参りしたが、子宝に恵まれずに悩んでおられる方がいました。塩澤寺にて子宝安産祈願をさせていただきました。とご報告をいただきました。

インタビュアー

お守りを配ったことで大切な人たちに幸運が訪れるなんて、素敵ですね。また、ずっと子宝に恵まれなかった方も、本当に嬉しかったことでしょう。

これだけの幸運のエピソードをお聞かせいただき、私もすごく幸せな気持ちになりました。

塩澤寺のお守りは、私もぜひ受けたいですし、家族や友達にも買って帰ろうと思います。

「首浮き地蔵尊」「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」などの開運スポットもある

インタビュアー

そのほか、ご利益が得られる開運スポットなどがあれば教えてください。

佐藤さん

ご本尊とは別に、屋外に身の上安全祈願の「首浮き地蔵尊」もございます。その他、疫病退散平癒祈願の「須佐小社」、縁結びと安産祈願の「塩釜明神小社」もおすすめです。

この2つの小社は、明治初期の神仏分離で廃社されましたが、当山の開創1200年の時に復興祭祀しました。

また、「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」もあり、こちらは悩みやぼやきを聞いてほしい方々のためのお地蔵様です。悩みを語って地蔵尊に聞いていただくとスッキリしますよ。

インタビュアー

縁結びのご利益がほしいなら、地蔵堂前でご本尊様に祈願してから、「塩釜明神小社」にも参拝するのも良さそうです。

先ほど見かけた優しいお顔をしたお地蔵様が「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」だったのですね。

誰にも言えない悩みや愚痴ってありますよね。私はあまり人に愚痴を言いたくないのですが、心のうちに秘めているものはあります。

「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」なら、ただただ聞いてくれてすっきりしますね。それに、あの優しいお顔を見ていると心も静まり、癒されていくのではないかと思います。

良縁に巡り合えないと悩む人へメッセージ

佐藤さん

塩澤寺の考える良縁とは、単に男女の縁だけでなく、家族・友達・仕事仲間などのあらゆる人の縁のことを想定しています。

異性との縁はいまひとつと思う方でも、他の良縁には恵まれている方は結構いらっしゃるのではないかと考えます。

あえて異性との良縁ということで言えば、その方が考える特定の異性との縁を結ぶということでなく「人智を越えた仏の世界から見た、その方にとってより良い縁」を結ぶことであると考えて、御祈願させていただいております。

たくさんの信徒様方との関わりから気が付いた事があります。

それは、良縁に限らず、諸祈願成就への道というのは逆説的な言い方ですが、何かを欲しいと願わないでただ感謝することかと感じております。

例えば、神仏をひとりの人間と仮定した場合を考えるとよくわかります。

会えば頼み事ばかりしてくる人間と、会った時には穏やかに「お世話になりありがとうございます」とただ感謝の言葉を口にする人間がいたとします。

この場合、人がどちらの人間のために時間を割きたくなるかは自明の理です。

祈願成就への道には、感謝・仏恩感謝・神恩感謝・報恩謝徳という気持ちが最も大切であると考えます。

最後に、仏教的な格言ではありませんが、「人生塞翁が馬」という言葉を送ります。

今否定的な思いを抱くような目の前の状況も、後になって考えれば、良い結果をもたらすために必要な過程であったとわかる時が往々にしてあることも付け加えておきたいと思います。

インタビュアー

相手が誰であっても、求めるばかりでは良い結果にはならないというわけですね。とても勉強になりました。つい自分の要望ばかりに気がいってしまいますが、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

塩澤寺の基本情報

住所	〒400-0073 山梨県甲府市湯村3-17-2
電話番号	055-252-8556
公式サイト	http://www.entakuji.jp/

塩澤寺とあわせて行きたい近隣のデートスポット

塩澤寺を訪れた際にあわせて行きたい、カップルにおすすめの近隣デートスポットを紹介します。

山梨県の産物や食を楽しめるテーマパーク「山梨県笛吹川フルーツ公園」

塩澤寺から車で31分ほどの場所にある「山梨県笛吹川フルーツ公園」は、山梨県の農産物や、食などが楽しめるテーマパークです。レストランやカフェ、ショップがあり、農業や料理の体験もできます。

ショップでは、日本有数のワイン産地として知られる山梨のワインや、フルーツ・野菜、山梨に関する雑貨が販売されています。レストラン「ガイア」では、昼間には富士山をはじめとする豊かな自然、夜には綺麗な星空を見ながら食事ができます。

デートで山梨を訪れた際の食事やショッピングに、おすすめのスポットです。

山梨県笛吹川フルーツ公園ホームページ：https://fuefukigawafp.co.jp/

甲州ワインビーフを使った料理が味わえるレストラン「ASYLE（アジール）」

塩澤寺から車で11分ほどの場所にあるレストラン「ASYLE（アジール）」。ランチタイムとディナータイムで営業しています。

料理は「甲州ワインビーフ」と呼ばれる、ほのかな甘みと柔らかさが特徴のお肉が味わえます。甲州ワインビーフを使ったランチメニューは、ステーキ丼やローストビーフ、ビーフシチューなどがあります。

他にも、新鮮な野菜を使用したパスタや、ピザもランチで味わうことができます。スイーツ好きなカップルには、食後にフルーツをふんだんに使ったパフェもおすすめです。

塩澤寺をカップルで訪れた際のランチに、おすすめのレストランです。

ASYLE（アジール）ホームページ：https://www.asyle.jp/