奈良市へ移住して古都での生活を実現!仕事・住宅・暮らしの情報を解説
この記事では、関西圏への移住を検討している人に向けて「奈良市」での暮らしに役立つ情報をまとめています。
奈良市は歴史ある国際文化都市として世界から注目されるなか、イベントやアート、さらには子育てや教育においても、常に最先端の取り組みを進めています。
大阪や京都へもアクセスが良いことから、子育て世帯の生活拠点として人気が高く、特に東京・大阪からの移住者が多いのだと言います。
今回は、奈良市総合政策部秘書広報課の方々に伺った内容を中心に、奈良市の魅力や特徴について解説していきます。
奈良市で移住者に人気の特徴3つ
奈良市の古都としての魅力は言うまでもなく、特色ある歴史、文化や自然を求めて、国内外から多くの観光客が訪れています。
▲奈良公園を悠々と歩く鹿たち
そうしたなか、奈良市で移住者に人気の特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 最新のイベントなど、伝統の中にいつも新しい発見がある
- ニーズ調査に基づく、きめ細かい子育て支援
- グローバル人材を見据えた、質の高い教育環境
それでは順に、詳しく見ていきましょう。
イベント・アートなど新しい発見がいろいろ
▲学生たちも主体的に地域のイベントを盛り上げている
奈良市ではスローガンとして「Old History, New Discovery.」を掲げています。これは、自然と歴史が息づく古都でありながら、訪れるたびに新しい発見をすることができるという意味です。
実際に市内を歩いていると、古い街並みの中に新しいスポットが設けられていたり、若手の伝統工芸作家による革新的な作品を見ることができたりと、さまざまな発見があります。
また、市役所の屋上に芝生と遊具を設置する「こども広場」がオープンしたり、歩行者天国の時間帯を活用して車道に芝生やハンモック・ソファーを並べてくつろげる春日表参道「SUN DAYS PARK」が開かれたりと、新しい取り組みが進められています。
▲奈良市役所屋上の「こども広場」で、のびのびと遊ぶ子どもたち
▲歩行者専用の時間帯を活用して開かれた、春日表参道「SUN DAYS PARK」
多彩なイベントが催されるなか、参加はもちろん、マーケットや習い事教室を開いたりと、出店や企画を楽しむ人も少なくありません。お試しとして、公園を無料で使える制度などもあるようです。
▲公園での交流イベントなど、さまざまな企画が生まれている
このように奈良市は、歴史観光に加えて、趣味やイベントを通して刺激を受けつつ、叶えたい暮らしを実現できるまちだと言えるでしょう。
奈良市の観光やイベントの最新情報については、市の公式サイトをご覧ください。
公式:奈良市(観光)
▲街中では学生や音楽家によるコンサートが行われることも
ニーズに根差した子育て支援策!手ぶら登園や遊び場の充実を推進
奈良市は、関西で一番「共働きで子育てしやすいまち」として評価されており、特にキャリア支援を含めた「少子化対策・住みやすさ」に注目が集まっています。
※参考:共働き子育てしやすい街ランキング2022(日本経済新聞社・日経BP「日経xwoman」)
また、年少人口(0~14歳)の社会増減も関西1位となっていることから、特に子育て世帯から人気のエリアであることがうかがえます。
※参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告 令和4年結果」
実際に奈良市では、子育て世帯のニーズ調査を数年ごとに行っており、そこで明らかになった地域の課題や要望を制度化して、実行を進めています。
例えば近年では、共働きの家庭が増えてきている状況に対応して、放課後児童クラブ(バンビーホーム)の保育時間を17時から19時まで延長しています。夏休みなどの給食のない時期に、一食あたり250円でお弁当を注文できるサービス「バンビーランチ」も好評です。
▲一食あたり250円でお弁当を注文できる「バンビーランチ」
奈良市で人気の子育てに役立つ施設・支援制度としては、以下のようなものがあります。
名所 | 概要 |
---|---|
奈良市子どもセンター | キッズスペース、子育て広場、子ども発達センター、子ども家庭総合支援拠点、児童相談所の5つの機能を合わせた総合施設。 |
おむつ月額定額制サービス | 月額2,280円(税抜)。公立保育園及びこども園(0~2歳児在籍園)で導入。 |
おむつ回収サービス | 公立保育園及びこども園(0~2歳児在籍園)で導入。 |
保育ICTシステム「コドモン」 | 公立園においては園と保護者のやりとりをスマートフォン等で実施。 |
奈良市の保育園等では、オムツの定額制やお昼寝用具の整備などを進め、保護者が手ぶらに近い状態で送り迎えができるようになっており、とても喜ばれているのだそうです。
保護者の経済的、身体的な負担の軽減など、子育てがしやすい環境について、市長も職員も一緒になって議論を進めています。
また、奈良市には子どもの遊び場が豊富です。特に、新設の「奈良市子どもセンター」に隣接する柏木公園には、大型の遊具などを設けたキッズパークがオープンしました。今後も市内の遊び場を順次増やしていく予定とのことです。
▲大型遊具などが設置されたキッズパーク。今後も各所にオープン予定
▲多機能な子どもセンターでは、屋内外で遊べるようになっている
さらに、2023年秋には「ロートスケートボードパーク奈良」が開設されました。初心者からプロまで対応できる幅広い難易度のゾーンが用意されており、注目を集めています。
▲2023年秋にオープンした「ロートスケートボードパーク奈良」
▲初心者からプロまで、レベルに合わせたコースが用意されている
このように奈良市では、遊びや運動も含めて、さまざまな角度から快適に子育てができる環境を整備しています。子育て支援に関する、さらに詳しい情報については、下記の公式移住サイトからご確認いただけます。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(奈良市の子育て・教育支援)
グローバル人材を目指す最新の教育環境
奈良市では、幼小連携や小中一貫教育などを通して質の高い教育環境を整えながら、グローバル人材の育成を目指しています。
大学進学実績としても奈良県は東大京大合格率で全国トップクラス。教育意識が高い家庭も多く、公立校以外にも国立や私立の中学校の選択肢がたくさんあるのも特徴的です。
奈良市では、1人1台端末を用いて、子ども達どうしが相互に資料やデータを共有しながら話し合いをしたり、ファイルを共同で作成したりするなど、自ら考え主体的に学ぶ教育が行われています。
また、子ども達の習熟度や学びの進度をAIが分析し、一人一人に合った問題を出題するAI学習ドリルを導入するなど、全ての子ども達が自分らしく学ぶことができる環境を整えています。教員は、子ども達の学びをデータで確認し、学習状況に応じた個別の支援を行っています。
さらに持続可能な社会の担い手を育てる「世界遺産学習」や外国人講師と少人数形式で対話を行う「オンライン英会話」など、グローバルな人材を育てる取り組みも盛んです。
観光客が多い奈良の特徴を生かし、課外授業として外国人観光客とコミュニケーションをする機会もあるのだと言います。日本へ移住したゲストを迎えての授業なども行っています。
▲興福寺など日本古来のスポットが身近にある環境で、子どもたちはグローバルな感覚を養っていく
また、オーストラリアのキャンベラやウズベキスタンのサマルカンドなど、姉妹都市が多数あります。縁ある食事を市役所の食堂などのメニューに取り入れるなど国際色があり、市民どうしの交流や異文化理解の積み重ねが国際平和の意識を醸成することにもつながっているのだそうです。
さらに、市内には7つの大学と1つの短大があり、合わせて約16,000人もの学生が通うなど「学生のまち」という面もあり、若者の活力も感じられます。
▲奈良市の学生が繋がる交流企画「奈良の学生MeetUp」
このほかにも、奈良市では特色のある教育プログラムが充実しています。詳しくは公式サイトをご覧ください。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(奈良市の教育)
エリアによる暮らしの違い
▲奈良市の西部には住宅やオフィスが広がる
奈良市は、西部と東部で生活環境が大きく異なります。
西部には暮らしに便利な人気のエリアが多く、特に中心地である近鉄・JRそれぞれの奈良駅周辺は販売物件が出ればすぐ決まるような状況だそうです。一方で賃貸物件は比較的豊富に選択肢があるそうです。
また近年ニーズが高まっているのが、大阪や京都へのアクセスが良い近鉄「大和西大寺駅(やまとさいだいじ・えき)」の周辺です。駅前に大規模なショッピングモールがあるので暮らしやすく、住宅の供給も十分にあるようです。
このように電車が通っているエリアでは、車を持たずに移住してくる人も少なくないと言います。週末にカーシェアリングを利用するなど、それぞれのスタイルに合わせて暮らしているようです。
主要駅ごとの生活環境、また各方面へのアクセスの詳細については、公式移住サイトをチェックしてみてください。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(奈良市へのアクセス)
一方で奈良市の東部地域には、豊かな自然が広がっており、その中で長年にわたって育まれてきた特有の文化が根付いています。
こちらには、田原(たわら)、柳生(やぎゅう)、大柳生、東里、狭川(さがわ)、月ヶ瀬、都祁(つげ)という7つの地区が含まれます。
▲奈良市の東部には、豊かな自然や食材に恵まれた里山地域が広がる
日本の原風景とも言える環境の中で、歴史を感じながら暮らしたい方にはおすすめの地域です。興味のある方は、移住公式サイトをチェックしてみてください。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(奈良市で田舎暮らし)
奈良市の暮らしに関する情報
それでは次に、奈良市の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:平均気温4.5℃ 8月:平均気温27.8℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 349,948人 (令和5年11月1日時点) |
病院 | 病院:22、診療所:353、歯科:187 |
学校 | 中学校:29、中等教育学校:1、高校:17、大学・短大:8 |
交通 | 【鉄道】 ・JR関西本線(大和路線)「平城山駅」「奈良駅」 ・JR桜井線(万葉まほろば線)「奈良駅」「京終駅」「帯解駅」 ・近鉄奈良線「富雄駅」「学園前駅」「菖蒲池駅」「大和西大寺駅」「新大宮駅」「近鉄奈良駅」 ・近鉄京都線「高の原駅」「平城駅」「大和西大寺駅」 ・近鉄橿原線「大和西大寺駅」「尼ヶ辻駅」「西ノ京駅」 ・近鉄けいはんな線「学研奈良登美ヶ丘駅」 【バス】 ・奈良交通 ・ぐるっとバス ・エヌシーバス ・三重交通 ・きのつバス |
アクセス | 【電車】 ・近鉄奈良駅から、大阪難波駅まで40分、京都駅まで1時間 ・JR奈良駅から、通勤・通学時間帯の「直通快速」で新大阪まで約1時間 ・近鉄大和西大寺駅から、大阪難波駅まで30分、京都駅まで45分、神戸三田駅まで90分 |
近隣都市 | 生駒市、大和郡山市、天理市、桜井市、宇陀市、京都府木津川市、精華町、三重県伊賀市など |
奈良市の西部では、駅ごとにスーパーなどがあるため、基本的には車がなくても生活することができます。
特に電車は大阪、京都方面へのアクセスが良いので、通勤や通学に利用している人が多いようです。
また、医療機関や教育機関が充実しており、選択の幅が広いことも大きな特徴です。
仕事:奈良・大阪・京都が通勤圏。起業支援も充実
▲地域住民、自治体、企業との連携も強化し、学べる機会が多い
大手の求人情報サイトで奈良市の正社員求人を検索したところ、約10,000件の求人が見つかりました。また、車で約30分程度の通勤圏(25キロ圏内)まで広げると、約130,000件の求人情報がありました(2023年11月時点)。
※参考:求人情報の一例(奈良市のみ)
※参考:求人情報の一例(奈良市から25キロ圏内)
仕事の面では、大阪や京都へのアクセスが良いことから、通勤圏内で幅広い業種・職種の中から選択できることが魅力です。
また、奈良市では創業支援も充実しています。起業に関するセミナーなどを受講することで各種の優遇措置を受けられる「奈良市特定創業支援等事業」や、最大1,000万円の融資を受けられる「創業支援資金」、プロの中小企業診断士などに無料で相談できる「奈良県よろず支援拠点」など、手厚い支援が用意されています。
このほか、創業支援施設「BONCHI」などのコワーキングスペースもあるので、リモートワークをするのにも便利です。BONCHIでは様々なイベントや創業相談も実施しています。
奈良市で就職や起業を目指す場合に受けられる支援の詳細については、下記公式サイトをチェックしてみてください。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(就職・起業支援情報)
住まい:まずは賃貸がおすすめ。東部なら空き家バンクも活用を
▲若草山から見た奈良市内
大手の住宅情報サイトで奈良市の賃貸物件を探したところ、約20,000件が見つかりました(2023年11月時点)。先ほども触れたように、奈良駅の周辺は特に人気が高いようです。
※参考:物件情報の一例
今回聞いたお話によると、まずは賃貸住宅で1年ほど暮らした後、土地が気に入れば住宅の購入を検討する移住者が多いそうです。
大阪や東京に比べると土地の値段が安いことから、広々としたマイホームを建てやすいため、子育て世帯からの人気も高いのだと言います。
また、家賃を抑えたい場合には、普通電車しか停まらないような、小さめの駅の周辺で賃貸を探すケースもあるようです。
奈良市の東部で住宅を探す場合には、「奈良市空き家・町家バンク」の活用をおすすめします。2023年11月時点で10件を超える物件が登録されており、最近は新しい物件の登録も少しずつですが増えてきています。
空き家バンクを利用して物件を借りたり購入したりする場合は、50万円を上限に改修費用や購入費用に対する補助金も用意されています。詳細については「奈良市空き家・町家バンク」のサイトを確認してください。
※補助金の交付を受けるには、事前に申請を行い審査の上、交付の決定を受ける必要があります。
公式:奈良市空き家・町家バンク
奈良市へ移住した人の口コミや体験談
ここで実際に、奈良市へ移住した人の口コミや体験談を見てみましょう。
- 自然や歴史遺産が豊富な環境の中で、のびのびと子育てができる。
- すてきなお店がたくさんあるので、休日が充実する。
- 周辺へのアクセスの良さなど、生活のスタイルに合わせて住む場所を選べる。
- 電車やバスが便利で、車がなくても不自由なく生活できている。
- 教育環境の良さに惹かれた。伝統行事などの季節感も気に入っている。
奈良市への移住者の声からは、豊かな自然や歴史を満喫しながら、四季の移ろいの中でのびのびと暮らしている様子がうかがえました。
交通の便が良い、また新しいショップやイベントを楽しんでいるという声も目立ちました。
奈良市へ移住するための具体的な行動
最後に、奈良市が実施している移住希望者向けのサービスを見ていきます。ここでは、特に幅広い人におすすめできるものに絞ってご紹介します。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(移住支援制度)
気になったらまずは「オンライン移住相談」
奈良市では、対面に加えて「オンライン移住相談」も実施しています。少しでも移住を検討している人は、ぜひ一度利用してみてください。
駅・エリアごとの特徴や、奈良市で暮らしている職員の体験談を聞くことで、実際に現地を訪れた際の下見の効率も上がるでしょう。
相談は完全予約制で、基本的には平日の8時30分~17時15分まで、一人あたり15分から1時間程度の相談となっています。
移住してどういう暮らしを希望されるのか、まだぼんやりとした願望でもけっこうですのでぜひお聞かせください。皆さまのイメージする暮らしにマッチした地域をご紹介させていただきます。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(オンライン移住相談窓口)
地元オーナーとのコミュニケーションが魅力の「お試し移住」
▲奈良市の「お試し移住」で利用できる施設の一例
奈良市は「お試し移住」の制度を設けています。登録施設を利用する際に一泊あたり2,000円(最大10泊)を助成するもので、ゲストハウスなどの小規模な宿泊施設で、オーナーさんから地域の情報を聞けることも大きな魅力です。
宿で滞在しながらオーナーさんのアドバイスを元に地域を歩いてみたり、物件を探したりといった活動を通して、利用者の約4割が実際に移住を実現しています。
2023年11月時点では、15件の宿泊施設が登録されています。なお、利用するためには、事前に「オンライン移住相談」を受ける必要があります。
公式:移住ポータルサイト「ならりずむ。」(お試し移住支援制度)
▲「お試し移住」を通して、地域ごとの生活スタイルを深く知ることができる
奈良市への移住に関するお問い合わせ
▲今回インタビューに応じていただいた、奈良市・移住定住促進係の皆さま
奈良市への移住については、総合政策部秘書広報課移住定住促進係までお問い合わせください。
担当課 | 総合政策部 秘書広報課 移住定住促進係 |
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住所 | 〒630-8580 奈良市二条大路南一丁目1番1号 |
電話番号 | 0742‐93‐3470 |
公式サイト | https://www.city.nara.lg.jp/ |
移住サイト | https://www.city.nara.lg.jp/site/nararhythm/ |