【北海道由仁町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報
この記事では、北海道での移住を検討している人に向けて、由仁町(ゆにちょう)の暮らしに役立つ情報をご紹介します。
由仁町は、空知地方の最南端に位置する「ひょうたん」の形をした町です。交通アクセスが良く、都市部にも近いエリアなので、道内でこれから起業を考えている人にはぴったりの移住先と言えるでしょう。
今回は由仁町移住交流支援センターのセンター長であり、NPO法人ユニライズ代表理事の橋本さんへのインタビュー取材をもとに、由仁町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
由仁町の3つの特徴
中心部に近く、北海道らしい風景が楽しめる由仁町では、ほど良い田舎暮らしが実現できます。
また、道内では積雪量が少ないエリア(※)になっているので、雪国での生活がはじめての人でも移住しやすい町なのではないでしょうか。
(※)参考:北海道庁(垂直積雪量について)
そんな由仁町には、次のような特徴があります。
ここからは、これらの特徴について詳しくご紹介します。
特徴1:新千歳空港まで30分、札幌市までは1時間でアクセスできる
由仁町の特徴の1つに交通アクセスの良さがあり、新千歳空港までは車で約30分、札幌市までは約1時間でアクセスできます。
由仁町は北海道観光の中心部として栄える「道央エリア」の中央に位置することから、北海道の自然を身近に感じながらも、中心部に近い町として知られています。
新千歳空港から羽田空港までは飛行機で1時間半ほどで移動できることもあり、「帰省や出張に便利」という理由で移住先に選ばれる方も多いとのこと。
そんな交通アクセスが良い由仁町は、「田舎暮らしに興味はあるけど、実際の生活を考えるとあと一歩が踏み出せない…」という人にもぴったりな町と言えるでしょう。
特徴2:サイクリストにとって魅力的な地形なため、愛好者が多く集まる
アップダウンの多い地形で、毎年4月から10月頃にかけて町外から多くのサイクリストが訪れる由仁町。
そんな由仁町では、2017年度から「サイクル観光事業」として、「ゆにポタリング」や「由仁スノーライド」などのサイクルイベントが開催されています。
夏季に開催される「ゆにポタリング」は「見る・食べる・体験する」をテーマにしたイベントで、ガイドライダーと一緒に、由仁町の絶景スポットや飲食店などを自転車でゆっくり巡るポタリングツアーです。
また、冬季に開催される「由仁スノーライド」では、参加者がレベル別に設定されたコースから自分に合ったものを選び、由仁町の雪景色を満喫しながら雪原を快走します。
サイクルイベントでは由仁町の魅力も存分に感じられるので、移住をきっかけに、新たな趣味としてサイクリングをはじめてみるのも良さそうです。
参考:NPO法人ユニライズ(サイクルツーリズムについて)
サイクルイベントの参加者の中には、自転車で札幌から来場される方もいらっしゃいます。
特徴3:空き家をリノベして、出店や起業にチャレンジできる
由仁町は、移住先で出店や起業を検討している人にはぴったりのエリアです。
橋本さんのお話によると、近年は道外や町外から来られた方が空き家を買い取り、1年に1件ほどのペースで新規のカフェやレストランなどを開業しているとのこと。
また、由仁町で出店する理由としては、下記の3点が挙げられます。
- 利活用可能な空き家物件が取得しやすい
- 北海道らしい原風景が広がっている
- 交通アクセスがよく、都市部からの来客が多い
すでに町外から来られてアグレッシブに活動されている方もいらっしゃるので、移住先でお店を持ちたい方や新しいチャレンジをしたい方にはおすすめのエリアと言えるでしょう。
由仁町の暮らしに関する情報
それでは、由仁町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:平均気温-6.6℃ 8月:平均気温19.6℃ ※参考:気象庁ホームページ (由仁町に観測地点がないため、夕張地点のデータを掲載) |
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人口 | 4,667人(2023年12月1日現在) |
病院 | 診療所:2、歯科:4 |
学校 | 認定こども園:1、認可保育所:1 小学校:1、中学校:1 |
交通 | ・鉄道:JR北海道(室蘭本線、石勝線) ・バス:北海道中央バス ・デマンドタクシー、デマンドバス |
近隣都市 | 夕張市、千歳市、夕張郡栗山町、長沼町、勇払郡安平町、厚真町 |
※人口以外の数字は2023年12月時点のものです
町内の商店で食料品を購入することもできますが、若者世帯の多くは、車で10~15分ほどの場所にある隣町の大きなスーパーでまとめ買いをしているそうです。
診療所では、小児科、産婦人科、耳鼻科などの専門医療は受けられないため、町内で対応できない場合は、車で30~40分の場所にある恵庭市、北広島市、岩見沢市、千歳市などの医療機関へ通院する必要があります。
上記をふまえて、由仁町で生活するのであれば、1人1台車を所持していた方が良いでしょう。
移動に便利なデマンドバスとデマンドタクシー
由仁町では公共交通機関がない地域の方を対象とした、デマンドタクシーとデマンドバスが運行しています。
デマンドタクシーは、利用条件に当てはまる方であれば1乗車100~250円で乗車できます。
対象者は川端・東三川・岩内・山桝・中三川・本三川・熊本の一部にお住まいで、下記のいずれかに該当する方です。
- 65歳以上の方で、1人で乗り降りできる方
- 運転免許証を自主返納された方
- 身体障害者手帳をお持ちの方
運行区間は利用者の自宅から役場、健康元気づくり館、由仁駅、町立診療所のいずれかの場所になっています。
一部の方を除いて、若い世代は対象外になっていますが、公共交通機関のない地域で年を取ってからの移動手段が用意されているのは心強いのではないでしょうか。
デマンドタクシーの詳細が気になる方は、以下の公式サイトをご確認ください。
公式:由仁町役場(デマンドタクシーについて)
また、デマンドバスは、年齢に関係なく由仁町民であれば誰でも利用可能です。年末年始(原則12月31日~1月3日)以外は、毎日運行している(※)ので、自家用車を持っているけれど、雪道の運転が不安なときなどにも利用できます。
(※予約がない便は運行しません。)
運賃は中学生以上は1回500円ですが、町内にて回数券が販売されているのでお得に利用できます。由仁町のデマンドバスは、乗車日の前日16時30分までに予約が必要です。LINE上の予約管理アプリを使用して予約することができるので、初めてオンデマンドバスを利用する移住者の方にも使い勝手が良いようです(電話予約も可)。
公式:由仁町役場(デマンドバスについて)
【子育て】少人数を活かした教育環境を整備している
由仁町には小学校と中学校が1校ずつしかありません。しかし「子どもに目が行き届く」「みんなが知り合いで、支え合って学校生活を送れる」など、少人数ならではの教育環境に満足している声が多いそうです。
由仁町ならではの取り組みとして、一般的に小規模の小・中学校では1人の教員が兼任することも多いALT(外国語指導助手)を各校1名ずつ配置しています。
小学校担当のALTは、週に1回ほど認定こども園の園児に英語を教えたり、町民向けの英会話教室も開催しているので、移住後は子どもと一緒に英会話を始めるのもおすすめです。
ここからは、そんな由仁町の「子育て支援」や「遊び」についてご紹介します。
由仁町には高校がないので、みなさん近隣市町の高校へ通われています。栗山町や岩見沢市をはじめ、札幌市や北広島市、恵庭市まで通学している人もいますよ。
子どもたちの健康をサポートする独自の制度あり
由仁町には、独自の子育て支援として「由仁っ子医療費の助成」と「由仁っ子健診」があります。
「由仁っ子医療費の助成」は、町内に在住する0歳から中学校卒業前までの子どもの医療費を全額助成する制度です。
所得制限に該当する世帯では、総医療費の1割が自己負担になりますが、子どもが小さいうちは何かと医療費がかさむので、子育て世帯にとってはありがたい制度なのではないでしょうか。
参考:由仁町役場(由仁っ子医療費助成制度について)
「由仁っ子健診」は、町内の中学2年生を対象に血液検査を含む健診を無料で行う制度です。
近年、若い年代でも生活習慣病を発症する人が増えていることを受け、身体の機能が完成に近づくタイミングで、自分の身体の状態と健康を守るための生活習慣を知ってもらうことを目的に実施されています。
風邪などで受診することはあっても、血液検査まで行う機会は多くないと思うので、成長期の子どもがいる家庭にとっては生活習慣を見直すきっかけになりそうです。
参考:由仁町役場(由仁っ子健診について)
その他の子育て支援の内容については、下記の公式サイトをご確認ください。
公式:由仁町役場:(子育てについて)
町内イベント「由仁町夏まつり百足競争」は子どもから参加可能
由仁町には伏見台公園やコアパークなどの公園があり、車で15分ほどの場所にある栗山町の栗山公園や長沼町の総合公園などにも遊びに行くことがあるようです。
小学生以上になると、習い事やスポーツ少年団などに所属している子どもたちは、週末も練習や試合に出かけることが多いとのこと。
そんな由仁町ですが、毎年7月の最終週に開催される伝統行事「由仁町夏まつり百足(むかで)競争」には、子どもたちを含む町民の方が多く参加します。
由仁町のカントリーサイン(※)である「百足」をモチーフにしたチーム競技で、前後に並んだ選手6名の足をロープで縛り、ゴールまでのタイムを競います。
(※)市町村の境界に設置する、市町村の名所、特産品等のイラストと市町村名を合わせた案内標識
一般男女の部をはじめ、小学生チームの「ちびっこの部」、3歳以上の未就学児の親子ペアで行う「カルガモの部」とカテゴリー別に実施されるので、毎年多くの老若男女が参加されるそうです。
参考:由仁町観光協会(百足まつり)
▲「由仁町夏まつり百足競争」では、町民に一体感が生まれます
ほかにも、マラソン大会やソフトボール大会なども実施されているので、移住後は町内イベントに参加して、地域の方との交流を深めてみてはいかがでしょうか。
【レジャー】日本最大級の庭園施設や日帰り温泉が楽しめる
北海道ならではの風景を楽しめる由仁町ですが、飲食店や観光施設なども充実したエリアです。
なかでも日本最大級の広さを誇る「ゆにガーデン」は、町外からも多くの人が訪れる人気スポットで、北海道最大級の「コキアの丘」は絶景。
コキアはモコモコとした丸い形をした植物で、夏の終わりから秋にかけ、緑から赤へ紅葉する姿は多くの人を魅了します。
四季の移り変わりとともに見どころが変わるので、由仁町に移住した際は季節ごとに訪れてみるのもいいでしょう。
公式:ゆにガーデン
また、ゆにガーデンから徒歩10分の場所にある「ユンニの湯」も由仁町の人気スポットです。ログハウス調の宿泊施設で、「お肌がスベスベになる美人の湯」として評判の温泉で、褐色がかったコーヒー色の湯を楽しめます(※)。
(※)参考:ユンニの湯(温泉について)
日帰り温泉で利用する方も多く、地元食材が食べられるレストランもあるので、休日にぶらっと立ち寄ってみるのもおすすめです。
▲由仁町の人気スポット「ユンニの湯」
公式:ユンニの湯
【仕事】範囲を広げればより選択肢が増える
由仁町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、約250件の求人が見つかりました。
また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると約22,000件、さらに車で1時間ほどの札幌市周辺まで範囲を広げると、約18万件の求人情報がヒットします(2023年12月時点)。
※参考:求人情報の一例(由仁町のみ)
※参考:求人情報の一例(由仁町から25km圏内)
※参考:求人情報の一例(由仁町から50km圏内)
実際に札幌市まで通勤されている方もいるそうです。由仁町は働く場所の選択肢が多く、自分に合った仕事を見つけやすいエリアと言えるでしょう。
由仁町での起業支援
今回インタビューに応じてくださった橋本さんが代表理事を務める「NPO法人ユニライズ」では、由仁町商工会と共同で、移住者や地元の若い世代に向けた起業支援を行っています。
外部講師を招いて、経営やお金、人材育成などについて学ぶ座学や、金融機関による融資制度についての講義を行う「由仁町創業塾」を開催しています。
由仁町での起業を考えている方や新しいことに挑戦したい方は、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
公式:NPO法人ユニライズ(創業塾・創業セミナーについて)
【住まい】賃貸物件はわずか、空き家は状態の良い物件が多い
大手住宅情報サイトで由仁町の賃貸物件を検索したところ、2件ヒットしました (2023年12月時点)。
参考:賃貸物件情報の一例
賃貸物件の数は少ないですが、由仁町には利活用可能な空き家が多く、築年数40~50年の物件を200万円台後半から400~500万円程度で取得できることが多いようです。
橋本さんによると、状態の良い空き家を比較的リーズナブルな価格で購入できることが多いそうなので、興味のある方は空き家バンクの公式サイトをチェックしてみてください。
公式:ゆに住まいNavi(売買物件について)
ほかにも、由仁町には15ヶ所の町営住宅があり、入居者は町役場の公式サイトで随時募集されています。入居には所得制限などの条件がありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。
公式:由仁町役場(町営住宅について)
由仁町に移住した人の口コミや感想
由仁町の魅力や暮らしについてご紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。
ここでは、実際に由仁町に移住した方の声を「移住の決め手」と「冬の暮らし」に分けてご紹介します。
由仁町への「移住の決め手」に関する声
- 新千歳空港に近く、道外へアクセスしやすいから
- 札幌まで通勤が可能だったから
- 空気、食べ物、風景が気に入った
- 都市部に近く、何かと便利だから
- ちょうどよい田舎に魅力を感じたから
由仁町の特徴でもご紹介した通り、新千歳空港をはじめ中心都市へのアクセスの良さに惹かれて移住を決断したという声が多くなっています。
由仁町の「冬の暮らし」に関する声
- 北海道の中では比較的雪が少なくて楽に感じる
- スキー場が近いので、ウィンタースポーツが楽しめる
- 大雪の日も除雪車がしっかり除雪してくれるので、車移動に困らない
- 田んぼや畑が一面雪原になるので、北海道らしい風景が目の前に広がる
口コミにもあるように、由仁町は北海道の中では積雪量が少ないエリア(※)で、橋本さんのお話では、雪かきは毎日するというよりは、除雪車が出るくらいに降った日に行うイメージとのこと。
(※)参考:北海道庁(垂直積雪量について)
北海道への移住では、冬の暮らしを心配する方も多いかと思いますが、由仁町ならほど良い雪国生活が送れるのではないでしょうか。
由仁町への具体的な移住ステップ
由仁町への移住は、下記の流れで進めることをおすすめします。
- STEP1:家族の意見を確認
- STEP2:由仁町に関する情報収集
- STEP3:実際に由仁町を訪問
- STEP4:由仁町での仕事・住まい探し
- STEP5:移住
参考:NPOユニライズ(移住の流れ)
今回インタビューさせていただいた、橋本さんが代表理事を勤める「NPO法人ユニライズ」では、由仁町移住交流支援センターを通じて由仁町への移住・定住の総合支援を請け負っています。
由仁町にはお試し移住制度はありませんが、移住や起業、暮らしに関する相談などはNPO法人ユニライズで対応していただけるそうなので、移住先に由仁町を検討している人は、ぜひ一度相談してみてください。
公式:NPOユニライズ(お問い合わせページ)
由仁町への移住に関するお問い合わせ
由仁町への移住については、由仁町移住交流支援センターまでお問い合わせください。
担当課 | 由仁町移住交流支援センター(NPO法人ユニライズ) |
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住所 | 〒069-1205 北海道夕張郡由仁町中央202番地(由仁町農村勤労福祉センター内) ※「由仁町ゆめっく館」の隣り |
電話番号/FAX | 0123-83-3755 |
対応時間 | 9:00〜17:00 |
定休日 | 毎週月・火曜日、年末年始 ※その他、イベント等により臨時に休業する場合あり |
公式サイト | ▼由仁町移住交流支援センター https://www.yuni-sumai.com/ ▼由仁町役場 https://www.town.yuni.lg.jp/ |