三重県度会町への移住ガイド:自然豊かな暮らしと充実の子育て環境

この記事では、地方への移住を検討している方のために、三重県度会町(わたらいちょう)の魅力を紹介していきます。

度会町は、三重県の南勢地域に位置する人口約7,800人のまちです。町に流れる清流「宮川」の川沿いに茶畑や田園風景が広がっており、自然の中でゆったりと生活できます

町には9つの山があり、気軽に日帰りトレッキングができたり、大自然を背景にキャンプを楽しめたりと、アウトドア環境にも恵まれています。

そんな度会町での暮らしの特徴やその魅力について、町役場の方に伺ったお話とあわせて、詳しく解説していきます。

度会町役場・みらい安心課・川島大嗣さん

三重県度会町の暮らし:4つの魅力的な特徴

三重県度会町・暮らしの特徴

町の85%を森林が占める度会町は、日常に自然が溢れているため、アウトドアが好きな方や、自然と一体となった暮らしを送りたい方におすすめです。子育ての支援制度や教育にも力を入れている町なので、お子さんがいる世帯にもぴったりですよ。

そんな度会町には以下のような特徴があります。

  • 自然が豊かで、アウトドアを楽しめる環境がある
  • 時間に追われず、ゆったりとした暮らしを楽しむことができる
  • 子育ての支援制度や、教育にも力を入れている
  • 風力発電を取り入れるなど、エコな町を目指している

それではここから、度会町の魅力や特色についてさらに掘り下げていきたいと思います。

特徴1:豊かな自然環境でアウトドアライフを満喫

牛草山からの景色

度会町は総面積の約85%を森林が占める、緑あふれる自然豊かな町です。庭先から流星群を眺められるほど空気が澄んでおり、日常的に綺麗な星空を見ることができます。

町にある9つの山のうち、登山におすすめな7つの山が「わたらいセブンマウンテン」と呼ばれており、登山道やトイレが整備されています。標高は411mから784mとさほど高くないので、日帰りでもトレッキングを楽しむことができますよ。

公式:度会町(わたらいセブンマウンテンマップ)

町内には、幾度となく「清流日本一」に認定された宮川が流れています。ラフティングやカヌー、SUPなどのリバーアクティビティをすることもできますし、川を横目にサイクリングやツーリングを楽しむ人もいるそうです。

林道沿いにはキャンプスポットもあり、空気も美味しいので、大自然をバックにのびのびとキャンプをすることもできます。

このように度会町は、県内外からもその自然を求めて大勢の人がやってくるほど、自然を楽しめる環境に恵まれているので、「気軽にアウトドアを楽しみたい」という人にぴったりの町なんですよ。

特徴2:ゆったりとした時間が流れる癒しの町

宮川と鮠川の大橋

時間に追われるせかせかした生活とは無縁なのが、度会町での暮らしです。町の周囲が山に囲まれた「小さな山国」であり、穏やかな気候の中でゆったりと過ごすことができます。

伊勢茶の茶畑を空撮したもの
▲伊勢茶の茶畑が広がり、のどかな雰囲気の度会町

日の出とともに一日を始め、夕方のサイレンの音を聞いて一日が終わりゆくことを知り、陽が沈んだら眠りに向かうような、自然と共にある生活ができるのも魅力のひとつです。

庭先で家庭菜園をする人も多く、老後にのんびりと土いじりなどをして過ごしたい人にもおすすめですよ。

特徴3:充実した子育て支援と特色ある教育環境

宮リバー度会パークの空撮
▲子どもからお年寄りまで楽しめる公園「宮リバー度会パーク」

度会町は、子育てに関する支援体制をしっかりと整備しています。

  • 町立保育所は全園0歳児から受け入れが可能。受け入れ時間は7時から19時までで、土曜受け入れも実施
  • 保育所から中学校まで完全給食制。地元の食材も積極的に取り入れている。給食費の半額を町が助成している
  • 小・中学校の遠距離通学者はスクールバスで通学可能(運行費は無料)
  • 中学3年生までの子どもの医療費が無料 等

支援体制だけでなく、度会町は教育そのものにも力を入れています。恵まれた自然環境を活かし、田植えや茶摘み、ブルーベリー狩りなど、地域の産業や事業者を知ることができる「体験学習」を積極的に行っているんです。

元気に野外学習に取り組む子どもたち
▲小さい頃から自然と触れ合うことができる環境

田植えを体験している度会町の子どもたち
▲体験学習を通して生きる力を育む

また、地元で活躍する企業による出前授業も実施されており、子どもたちが自分の町を知り、好きになるきっかけにもなっています。ステンレス加工業など、普段なかなか知ることのない仕事についても触れられるため、子どもたちにとっていい刺激になっているようです。

学校教育に加えて「生きる力」がつく教育が受けられるのは、度会町で子育てする上での大きな強みと言えるでしょう。

特徴4:環境に配慮したエコな町づくりの推進

風力発電が立ち並ぶ様子

自然が豊かな度会町は、環境にも配慮したエコなまちを目指しています。町には25基の風力発電があり、年間約30,000世帯分の電力を生み出しています。

参考:コスモエコパワー株式会社(度会ウィンドファーム)

また、SDGsの目標7にある「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を目指す町として、脱炭素にも取り組んでいます。自然を大切にしながら、地球と地域にその恩恵を還元していくエコな町として、今後も取り組みを進めていくそうです。

度会町での生活:暮らしに役立つ基本情報

特産品である伊勢茶
▲度会町で栽培される伊勢茶は「わたらい茶」と呼ばれる

ここからは度会町での生活に関する基本情報を、データとともに紹介します。

気候 ・夏(8月):平均気温27.2℃
・冬(1月):平均気温4.8℃
※参考:気象庁ホームページ(小俣地点)記録的な寒波でも来ない限りは、雪は降らない地域
人口 約7,800人(約3,100世帯)
※2022年11月30日現在
病院 町内にはクリニックも含め6件の医療機関がある
学校 ・保育所:3所
・公立小学校:1校
・公立中学校:1校
・県立高校:1校
・特別支援学校:1校
文化・芸術 ・一之瀬獅子神楽:毎年2月の第2日曜に開催される神楽。度会町内4地区で行われるが、それぞれの地区により異なる特徴がある。平和、健康、五穀豊穣、相互扶助、繁栄を祈願し、舞とともに神楽歌が歌われる。県の無形民俗文化財

・麻加江(まかえ)かんこ踊り:江戸時代から行われている盆の行事。「かんこ」は太鼓の意で、シャグマ(かぶり物)や腰蓑を身に纏った青年がかんこを鳴らして舞い踊り、花笠をかぶった童女は綾踊りを行う。町指定の無形民俗文化財

・おうむ石(せき):昔、この石のそばで休息をしていた人たちが、岩の中から話し声が聞こえてくると驚き、山の精の仕業だと恐れて逃げ帰ったと言い伝えられている。実際は、音や声が岩に反響していることがわかり、オウムのような岩だとして徐々に有名になっていった。町指定の文化財
観光スポット ・度会町ふるさと歴史館:廃校となった旧小川郷小学校を活用し、2014年に開館した。館内では森添(もりぞえ)遺跡からの出土品や、民俗資料等を展示している

・正法寺(しょうほうじ):1112年に創建された曹洞宗の寺。寺内には高さ約1.6mの檜材、一木造の木造十一面観音立像が安置されている。平安時代後期の作であるとされており、国の重要文化財である

・宮リバー度会パーク:宮川の河畔に広がる公園。芝生広場、パターゴルフ場、テニスコートがある他、6種類プールやスライダーを備えた本格的なレジャープールに、川の眺めも楽しめるレストハウスがある。親子でのびのび過ごせるスポットとしても人気
食べ物 くりあじカボチャ、かおりの(イチゴ)、ブルーベリー、わたらい茶(伊勢茶)
交通 【バス】
・三重交通
・度会町営バス

【道路】
・県道22号伊勢南島線、県道38号伊勢大宮線、県道65号度会玉城線

※町内には鉄道が通っていない
近隣都市 伊勢市、多気郡多気町、大台町、度会郡玉城町、大紀町、南伊勢町
大都市からのアクセス 【車】
・名古屋方面からは、東名阪自動車道と伊勢自動車道を経由し、約1時間35分
・京都方面からは、新名神高速道路と伊勢自動車道を経由し、約2時間
・大阪方面からは、名阪国道と伊勢自動車道を経由し、約2時間20分

【電車・バス】
・名古屋からは、鉄特急で伊勢市まで約1時間20分、伊勢市から三交バスで約30分
・京都からは、近鉄特急で伊勢市まで約2時間、伊勢市から三交バスで約30分
・東京からは、名古屋まで東海道新幹線で約1時間半、名古屋から近鉄特急で伊勢市まで約1時間20分、伊勢市から三交バスで約30分

町内の公共交通機関としてはバスがありますが、本数は多くないため、生活には車が必須です。

町内にはコンビニが2店舗、スーパーが3店舗あります。大きな買い物をする場合は、車で30~50分ほどで行くことができる伊勢市や松阪市に行く人が多いそうですよ。

総合病院は隣接する伊勢市にあり、車で30分ほどです。

仕事事情:町内と近隣地域の求人情報

大手求人情報サイトで「度会町×正社員」で検索したところ、約200件の求人情報が見つかりました。また、車で30分以内の通勤圏内(町内から15km以内)で検索したところ、求人情報は約7,000件まで広がりました。町内の求人の傾向としては、製造や工場が多いようです。
※参考:求人情報の一例

伊勢市までは約30分で行くことができるので、伊勢市に通勤する人もいるそうです。

住まい情報:賃貸、空き家バンク、補助金制度の活用

大手住宅情報サイトで度会町の物件を探したところ、賃貸が可能なアパート・マンションは約200件見つかりました。家賃平均は4.8万円で、近隣の伊勢市、志摩市、多気郡と比較すると中間の金額帯です。間取りは2DKの物件が多い傾向にあります。
参考:物件情報の一例

住宅取得支援:空き家バンクと補助金制度の詳細

度会町では空き家バンク制度を取り入れています。2023年2月現在の登録物件数は3件ですが、これまでに何件かマッチングした実績があるそうです。今後も増減の可能性があるので、こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

公式:度会町(空き家バンク物件一覧)

川島さん
川島さん

空き家バンクの物件はすぐ住めるものもありますが、基本的には手直しが必要なので、DIYが好きな人におすすめです。

また、度会町は「度会町移住・定住促進事業補助金」として、町内に住宅を取得される方に対して補助金を交付しています。

制度名 交付要件 金額
住宅取得支援 ・住宅を取得し、5年以上定住すること
・町水道事業に新規加入すること
30万円
移住者支援 ・世帯主全員が3年以上町外に住んでいること 30万円
子育て世帯支援 ・移住者支援に該当し、さらに中学校卒業までの子どもを扶養していること 40万円

これらの補助金は、住宅の請負契約日または売買契約日から、6か月以内に申請する必要があります。その他、細かな要件があるので、活用を検討する場合は必ず確認してくださいね。

公式:度会町(度会町移住・定住促進事業補助金のご案内)

度会町の暮らし:先輩移住者たちの生の声

三重県度会町・移住者の声

実際に度会町で暮らし始めた移住者の皆さんは、その暮らしをどのように感じているのでしょうか。ここではそんな先輩移住者たちのリアルな声を紹介します。

  • 自然が多く、人との距離が近いので馴染みやすく感じた
  • 住むには静かでいいなと思うが、大きな病院がないなどの不便な面もある
  • 地元で獲れたアユや野菜などが学校の給食に出ているのがいいなと思った
  • のびのびと暮らせ、学校の勉強だけではなく自然とのふれあいで学ぶことができる環境がある
  • お互いのことをあまり知らなくても、何気ない会話や励ましをくれる温かい人が多い、親しみやすい地域

自然の中でののんびりとした暮らしが、住民のゆったりした気質を育んでいるのかもしれません。都会では得がたい暮らしの豊かさがあるようですね。大きな病院がないことに関する声もありますが、車で30分の隣接市に大きな病院があるため、いざというときには困らない環境だと言えそうです。

三重県度会町への移住

桜の季節の宮川

移住をする前には情報収集をすると思いますが、最終的には現地に行ってみるのが一番です。度会町はいつ訪れても四季を感じられる豊かな地域ですが、特におすすめなのはアウトドアが盛んに行われる秋だそうですよ。

川島さん
川島さん

春に桜を、夏に夏祭りなどの伝統行事を、秋に紅葉を、冬は冬ならではの楽しみがあります。いつでも楽しめる町なので、都合の良いタイミングでぜひ一度来てみてくださいね。

度会町への移住に関するお問い合わせ

両側に田んぼが広がる様子

度会町に興味を持った方は、まずは度会町役場のみらい安心課に問い合わせてみてくださいね。移住について親身に相談に乗ってくれますよ。

川島さん
川島さん

移住を検討している方には、良い面だけなくネガティブな面もお伝えするようにしています。スムーズに移住していただくため、補助金等の案内もしっかりお伝えしています。気軽にご相談くださいね。

担当 みらい安心課
住所 〒516-2195
三重県度会郡度会町棚橋1215番地1
電話 0596-62-2423
公式サイト https://www.town.watarai.lg.jp/index.php
移住・定住ポータルサイト https://www.town.watarai.lg.jp/category_list.php?frmCd=10-0-0-0-0