京都の周山 慈眼寺で歴史探訪!明智光秀像と御朱印・御城印を楽しむカップルデート

この記事では、京都府京都市にある「周山 慈眼寺(じげんじ)」で御朱印・御城印を授けてもらうデートプランをご紹介します。

「周山 慈眼寺」は明智光秀像「くろみつ大雄尊」を所蔵していることで知られるお寺です。うすさま明王や周山城址の資料展示など見どころも満載で、歴史好きのカップルに特におすすめですよ。また、御朱印・御城印も授けているので、集めている方はぜひ本記事を参考にしてみてください。

今回は「周山 慈眼寺」の住職である寺井さんに話を伺いました。

周山 慈眼寺の歴史と明智光秀公ゆかりの「くろみつ大雄尊」

周山 慈眼寺の本堂外観

慈眼寺は「くろみつ大雄尊(明智光秀公墨塗りの黒坐像)」を収蔵する曹洞宗の禅寺です。京北周山にあり、春は枝垂れ桜、秋はもみじとイチョウの鮮やかな紅葉が楽しめます。11月には冬の無病息災を願う伝統行事「大根炊き法要」も開催されていますよ。

ここからは、慈眼寺の魅力について詳しく聞いていきましょう。

京都駅からバス運行中。周山の自然豊かな環境も魅力

周山 慈眼寺の山門

編集部

慈眼寺は京都市京北にあるお寺ですよね。詳しいロケーションやアクセスについて教えていただけますか?

寺井さん

当寺は、西日本ジェイアールバス高雄・京北線終点「周山」から徒歩約5分のところにあるお寺です。京都駅から周山まで85分ほどのため、遠方からもたくさんの方がご来山くださいます。

車だと京都市内中心部から周山まで50分程度です。慈眼寺周辺は無料の駐車スペースが多くあり、自家用車やレンタカーでお参りくださる方も多いですね。

京都から周山を結ぶ周山街道(国道162号線)は、北山杉の木立に包まれていて、古都とはまた一味違う景観を楽しんでいただけます。

編集部

京都市内からも訪れやすい立地なのですね。お寺がある周山はとてものどかな場所だと伺いました。

寺井さん

はい。「周山」は明智光秀が地名を名付けたと言われており、その字のごとく周りを山に囲まれた静かな田舎町です。

周山の真ん中に流れる上桂川は嵯峨嵐山へと続き、昔は林業が盛んなこの地から丸太をいかだにして流し、京都の町家建築を下支えしたと言われています。

水がきれいで、夏場は水遊びを楽しむ人たちで大変にぎわいますよ。

春は河川敷の桜が満開になり、秋は山々が紅葉し杉やヒノキの緑とのコントラストがとても美しいです。参拝の折は、自然いっぱいの周山で美味しい空気を思いっきり吸い込んでみてくださいね。

明智光秀公ゆかりの地:築城采配の拠点としての歴史

周山 慈眼寺の境内に植えられている枝垂桜

編集部

慈眼寺の御本尊は聖観世音菩薩立像だそうですね。

寺井さん

はい。慈悲恩愛に満ちた母性愛の如く、親しみの深い現実救護の仏さまです。

寺伝によるとこの像の歴史は古く、上宮太子の作とされています。昔、兵火に罹り堂宇(どうう※1)がことごとく消失した時、この本尊だけが難を免れ、以降災厄を防除する観音さまとして永きにわたって村人に厚く崇敬されてきました。

※1 四方に屋根が張り出した建物のこと

毘沙門天と地蔵菩薩を脇に置き、須弥壇(しゅみだん※2)奥の厨子(ずし※3)に秘仏として今日まで伝えられています。

※2 本尊を祀る場所のこと
※3 仏像を安置する箱のこと

編集部

慈眼寺の起源についても教えていただけますか?

寺井さん

慈眼寺の起源は悠久で、詳しくを知ることができませんが、承応元年(1652年)に功山花心和尚(こうざんかしんおしょう)が旧跡を再興したと伝わっています。

その後、安永5年(1776年)には曹洞宗僧侶朴龍自興大和尚(はくりゅうじこうだいおしょう)によって中興(※4)開山され、曹洞宗の寺院として現在があります。

※4 一度途絶えたものを復興させること

戦国時代には、明智光秀公が周山城築城の際に、ここ慈眼寺を築城采配の拠点にしたとされ、慈眼寺裏山の洞穴は周山城の井戸に繋がっていたという伝説も残されていますよ。

周山 慈眼寺で授かる多彩な「御朱印」と「御城印」

周山 慈眼寺の御朱印・御城印

慈眼寺では御朱印・御城印を授けています。どのような御朱印・御城印をいただけるのかさっそく聞いてみましょう。

通常の御朱印・御城印から特別版まで

編集部

受けることのできる御朱印や御城印はどのようなものか教えていただけますか?

寺井さん

慈眼寺が背にする城山には、明智光秀公が築城した山城「周山城」の遺構が当時そのままに残されています。

御城印として、通常の「周山城址」、手書き金文字の「周山城」の2種類を慈眼寺でお受けいただくことが可能です。

御朱印は、定番として慈眼寺本尊の「大悲殿」、明智光秀公の「くろみつ大雄尊」があり、特別なものとしては「天井絵御朱印」、「大判御城印」などがあります。

天井絵御朱印は、開山堂182枚の天井絵から季節に応じた一枚をはんこにし、住職が絵にちなんだ文字を書き込む限定の御朱印で、天井絵御朱印シリーズとして年に4回頒布していますよ。

周山 慈眼寺の天井絵御朱印
▲2022年秋の限定天井絵御朱印 「柿渋」

編集部

御朱印・御城印はどこでいただけますか?

寺井さん

御城印、御朱印ともに慈眼寺の本堂でお受けいただけます。

お代は以下のとおりです。

御朱印・御城印 料金
通常御城印「周山城址」
定番御朱印「大悲殿」「くろみつ大雄尊」
300円
金文字御城印「周山城」 400円
特別御朱印「天井絵御朱印」
大判御城印」ほか
800円

受付時間は午前10時から午後4時までを基本としておりますが、住職在寺のときは適宜対応いたします。

御朱印帳は持参がベター。郵送もOK!

編集部

御朱印帳は持参した方がよいですか?

寺井さん

御朱印帳をお持ちくだされば、定番の御朱印「大悲殿」と「くろみつ大雄尊」をお書きいたします。

また現在、当山オリジナル御朱印帳はご用意しておりません。住職不在のときや御朱印帳を持参いただいていない場合は、特別御朱印・御城印の書置きをお渡しいたします。

編集部

最近は全国的な自粛の影響により「郵送」で御朱印や御城印をいただきたいとの需要が多いようですが、対応は可能でしょうか?

寺井さん

当山でも御城印、御朱印、お札、またお守りの一部について郵送のご依頼が多くなっています。

遠方や事情があってお越しいただけない方のために、積極的に郵送のご希望に応じていますよ。詳しくは慈眼寺までお問い合わせいただけると幸いです。

>>詳細はこちらから

慈眼寺の最大の見どころ:京都市指定文化財「くろみつ大雄尊」

凛々しい表情の周山 慈眼寺のくろみつ大雄尊
▲墨塗りの光秀坐像から「くろみつ」、釈迦堂正面の扁額「大雄尊」を配し心安く親しみのある存在になるよう願い命名された「くろみつ大雄尊」

編集部

デートや観光で訪れた際にぜひ見てほしいお寺の見どころがあれば教えてください。

寺井さん

釈迦堂に安置されている京都市指定文化財の「くろみつ大雄尊」はぜひご覧ください。

明智光秀は歴史資料が少なく戦国武将の中でも謎多き人物ですが、織田信長の重臣として次々と戦果を挙げる優れた武将であり、家臣や住民への配慮を忘れない稀代の名将でした。

周山に伝わる墨塗りの黒坐像は、厳しい表情に鋭い眼力を携え、一般に知られる顔や表情とはまったく違う容姿をしています

光秀は領主としてこの地域に善政を敷き、その人柄を讃え崇敬の念から作られた坐像は、やがて逆臣の汚名からか墨で真っ黒に塗られ、人知れぬ秘像として今日までひっそりと祀られてきました。

ぜひご自身の目でご覧いただき、くろみつ大雄尊の「眼力」でパワーチャージしてみてください。

編集部

「くろみつ大雄尊」は慈眼寺でしか見られない貴重な像ですから、参拝の際はぜひ拝見したいです!

釈迦堂にはほかにどんなものが納められていますか?

寺井さん

旅の僧を救ったと伝えられるうすさま明王、光秀と因縁の降魔釈迦如来像、周山城址の資料展示などがあります。小さなお堂にぎっしりと歴史が詰まっていますよ。

周山 慈眼寺の釈迦堂
▲釈迦堂は小規模ながら見どころ満載!

編集部

慈眼寺には開山堂もあると伺いました。こちらの魅力や見どころについても教えていただけますか?

寺井さん

開山堂「鳳凰閣」には、格子天井一枚一枚に植物や花の水彩画が描かれています(※5)

※5 絵天井は非公開(代わりに季節ごとに天井絵御朱印を頒布)

また、檀家各家の位牌御霊も安置されており、安らぎの香でお包みして大切にお守りしておりますよ。

カップルで楽しむ慈眼寺デートプラン

周山 慈眼寺の大イチョウと本堂

ここまで慈眼寺の歴史や御朱印について伺ってきました。ここからはデートでの楽しみ方・過ごし方について聞いてみましょう。

四季折々の景色とキャラクター「くろみつくん」との記念撮影スポット

編集部

慈眼寺の境内は自然も豊かですよね。季節ごとの楽しみ方についても教えていただけますか?

寺井さん

春は枝垂れ桜、秋はもみじと大イチョウのコントラストが楽しめますよ。

京都市指定文化財樹木の大イチョウは毎年大粒の実がなり、慈眼寺の「福ぎんなん」として境内で販売していますので、こちらもぜひ購入してみてくださいね。

周山 慈眼寺で販売している福ぎんなん
▲福ぎんなんはお土産にもぴったり

編集部

デートの記念撮影をしたいカップルも多いと思います。おすすめの記念撮影スポットなどはありますか?

寺井さん

慈眼寺のキャラクター「くろみつくん」と一緒に記念写真を撮るのはいかがでしょうか。

くろみつくんは6月生まれで、「くろみつ大雄尊さまのようになりたい」と慈眼寺に居候して修行に励む武将妖精です。戦国武将・明智光秀の堅いイメージを和らげ、たくさんの人に気やすく坐像をご覧になっていただきたいとの願いから誕生しました。

釈迦堂内でくろみつくんと一緒に撮れる大型パネルや、境内で写真映えする手持ちくろみつくんなど、楽しい思い出の写真が撮れるものをご用意していますのでぜひ活用してみてくださいね。

記念撮影用のくろみつくん

くろみつくんのパネル

スクロールでくろみつくんの写真が見られます→

編集部

くろみつくんは口コミでもカワイイと評判ですよね。

寺井さん

そうなんです!ただ、「くろみつくん」と「くろみつ大雄尊」を同一に考え、両方まとめて「くろみつくん」と呼んでいる方をしばしばお見かけすることがあり、少し悔しくもあります。

「くろみつ大雄尊」「くろみつくん」それぞれに御朱印や授与品をご用意しておりますので、気軽に立ち寄っていただけると嬉しいです。

「しおりお守り」や「うすさま明王御祈祷札」など授与品の種類も豊富

慈眼寺の授与品

編集部

授与品も色々ご用意されているようですね。

寺井さん

ええ。田舎の小さなお寺ですので、授与品には特にこだわっています。

たとえば「しおり」と言うと、本にはさんで続きを読むのに便利な薄い短冊状のもの、というイメージがありますよね。でも本来は、草や木の枝を結んで目印にして帰り道に迷わないようにする、というのが「しおり」の意味なんです。

慈眼寺では、「しおりお守り(くろみつくん棒)」をはじめ「くろみつ大雄尊の護身お守り」「周山城登城お守り」などオリジナリティーのある授与品をご用意しています。

くろみつくんの「しおりお守り」▲「しおりお守り(くろみつくん棒)」は本好きの人へのお土産におすすめ!

周山 慈眼寺で授けていただけるくろみつ大雄尊の「護身お守り」
▲くろみつ大雄尊の「護身お守り」は黒色なのが特徴的

また昔から女性に人気があるのは、トイレに貼る女性の護り仏「うすさま明王御祈祷札」です。

うすさま明王が腹痛に苦しむ旅の僧を救った噂が京の都まで広がり、祇園から舞妓さんや芸子さん、多くの町民たちが訪れて良縁・安産を成就させたと伝えられています。

ぜひデートで訪れましたら、授与品も手にとってみてくださいね。

慈眼寺周辺のおすすめデートスポット

新緑が眩しい周山 慈眼寺の境内

編集部

慈眼寺と合わせて訪れてほしいデートスポットなどはありますか?

寺井さん

そうですね。歩くことがお好きな人には、周山城址への登城がおすすめです。

天正年間築城の山城の天守台や堀切、石垣が当時のままに遺構として残っており、山城好きには見ごたえ十分なスポットですよ。

それなりの服装や準備が必要ですが、登城を成し遂げた達成感は爽快ですから、ぜひ挑戦してみてくださいね。


参考URL:京都府観光連盟公式サイト 「周山城址」

また慈眼寺の近くには、お食事処やお菓子屋さんもあります。

歩いて約5分のところにある道の駅「ウッディー京北」では、地元産の農産物やお土産品のお買い物ができますので、こちらもおすすめです。週末になるとドライバー客でにぎわいますよ。


公式URL:道の駅 ウッディー京北

慈眼寺からのメッセージ

周山 慈眼寺のイメージポスター

編集部

これから訪れるカップルへ、今回のインタビューで伝えきれなかった思い、アピールポイントなどあればお願いします。

寺井さん

周山街道は別名「高浜街道(西の鯖街道)」とも呼ばれ、日本海で獲れた鯖を京の都へ届けるルートのひとつです。数ある街道のうちもっとも西のもっとも険しくも短距離なのが、この高浜街道なんですね。

若狭高浜から、名田庄、美山、周山、そして京見峠を下った京都市北区鷹峯までを高浜街道と呼びます。若狭は朝廷に海産物を供する役割を担い、現在の京料理があるのは若狭と京を結ぶ鯖街道があったからだと言われます。

その昔、遠く高浜より荷をかついで出発した行商人は、やっとの思いで辿り着いた京見峠から、眼下に広がる京の眺望に安堵したことでしょう。

戦国時代、京と若狭を結ぶ高浜街道を制し、西に広がる丹波の國入口となる街道をおさえることは、領地を守るため戦略的に重要でした。

飛行機や測量技術がない時代に、交通の要衝としてこの山深い周山を見出し、街道を見張るために広大は山城を築城した古人の知恵と労力には驚かせられます。

そんな歴史ある高浜街道と周山をドライブで楽しんでみてはいかがでしょうか。単なる山あいの田舎道ですが、車がない時代の人々の苦労と偉大さが実感できると思いますよ。

編集部

歴史的に見ても周山は重要な土地だったのですね。慈眼寺を訪れる際は周辺の景色も合わせて楽しむと充実したデートになると思います♪

御朱印・御城印も授けていただけるので、集めている場合は御朱印帳を忘れないようにしたいですね。

本日はお忙しい中、ありがとうございました。

慈眼寺の口コミ・よくある感想

秋の周山 慈眼寺

慈眼寺を訪れた方からはどんな感想が寄せられているのでしょうか。

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テレビでくろみつ大雄尊を見ましたが実物は全然違います。重圧感があって、観に来て本当に良かったです
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慈眼寺へは初めて訪れました。くろみつ大雄尊の勇ましい姿に感動しました
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明智光秀の像を拝観しに来館。丁寧に説明していただいたので、細かいところまで見ることができました
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明智光秀について想いを巡らすのにぴったりのお寺です。散策にもちょうど良いですね
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お寺の方がとても親切でした

くろみつ大雄尊を目当てに訪れる方が多いため、口コミでも像に関する感想が多く寄せられていました。また、お寺の方の対応が良いという声もたくさんありましたよ。

慈眼寺はこじんまりとしたお寺ですが、見どころも多く静かなお寺でゆったり過ごしたいカップルにおすすめのスポットと言えます。

歴史好きはもちろん、周山デートを考えているカップルはぜひ訪れてみてくださいね。

慈眼寺の拝観料・拝観時間(予約)

周山 慈眼寺の釈迦堂にあるのぼり

釈迦堂の拝観料 高校生以上は300円以上
釈迦堂の通常拝観時間 土・日・月曜日の午前10時から午後4時まで
※上記以外も住職がいる場合は対応可能
※土・日・月曜以外に訪れる場合は事前予約しておくとスムーズ

「周山 慈眼寺」の基本情報(アクセス・営業時間)

住所 〒601-0251
京都府京都市右京区京北周山町上代4
連絡先 075-852-0213
アクセス 京都駅からJRバスで終点「周山」で下車し、徒歩約5分
拝観時間 釈迦堂の通常拝観は土・日・月曜日の午前10時から午後4時まで
※他の曜日は基本休観。ただし住職在寺のときは場合によって拝観可能
※留守をしなければならない場合もあるため、土・日・月曜以外は事前予約が必要
駐車場 あり
飲食施設 なし
予約 火、水、木、金曜日は事前予約があるとスムーズ
公式URL https://jigenji.kyoto/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。