【長野県】白馬村へ移住しよう!仕事・住まい・支援制度を徹底解説
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県白馬村」の魅力を紹介します。
白馬村は1998年の冬季オリンピックの舞台に選ばれた、日本有数のマウンテンリゾート地です。白馬三山や姫川源流・親海湿原などのさまざまな自然美を日常で楽しめます。
また、ウィンタースポーツのみならず、マウンテンバイクなど冬季以外のアクティビティも豊富で、シーズン問わず国内外から多くの観光客が訪れます。何度も足を運ぶうちに白馬村の心地良さに魅了され、移住を決める方も珍しくありません。
さらに、国際的な雰囲気やリモートワークの設備が整った環境は、多様性のあるライフスタイルを求める方にとって大きな魅力といえるでしょう。
今回はインタビューの内容をもとに、村の特徴や仕事・住まいなど移住生活に役立つ情報を詳しく紹介します。
「縁結び大学」や「マリピタ」で、取材記事の企画・編集を担当、編集歴3年。地方自治体や観光協会への取材記事を数多く手掛け、これまでに約3,000件を担当。地方自治体が取り組む最新の婚活情報や観光協会イチオシのデートスポットなどを読者へお届け。
白馬村の3つの特徴
白馬村への地方移住は、特に下記のような方におすすめです。
その理由とともに白馬村の特徴を紹介します。
特徴1.アルプスの麓から眺める絶景。地域一丸となって自然を守っている
▲『日本の道100選』の一つ白馬大橋。白馬三山を源流に持つ松川が流れるビュースポット
白馬村は3,000m級の山々が連なる北アルプスの麓にある村です。麓ならではのダイナミックな自然美を日常で堪能できます。
中でも、白馬連峰の八方尾根の中腹(標高2,060m)にある天然池「八方池」は白馬村を代表する絶景スポット。八方池山荘から八方池までのトレッキングコース(八方尾根自然研究路)には美しい景色が広がり、固有種を含む300種類以上の高山植物や、特別天然記念物の動植物も観察できます。
参考:白馬八方尾根 Hakuba Happo-one(八方池)
▲白馬連峰を水面に映す神秘的な雰囲気漂う天然池「八方池」
また、白馬岩岳の山頂(標高1,289m)から北アルプスの絶景を一望できる山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」も絶景のスポットの一つ。
四季折々の景色が楽しめ、毎年10月頃には「山頂の冠雪」と「山の中腹の紅葉」、「麓の樹木の緑」が織りなす白馬三山の三段紅葉、冬には海外を思わせる勇壮な銀世界を堪能できます。
そんな豊富な観光資源を保護するために、地域一丸でサステナビリティに取り組んでいる点も白馬村の大きな特徴です。2020年にはゼロカーボンシティ宣言を表明し、豊富で良質な降雪を守るために地球温暖化対策を進めています。
▲松川と桜、残雪の白馬三山が鮮やかな春の「大出の吊橋」。このような美しい景観を地域一丸で守っている
多面的な施策が世界的に評価され、持続可能な観光地として国連世界観光機関(UNWTO)の『ベスト・ツーリズム・ビレッジ2023』に認定されました(※)。※参考: 国連世界観光機関(UN Tourism)
2019年に地元の高校生の有志団体が「グローバル気候マーチ(※)」に参加したことを機に、村全体で環境保護への意識が高まりました。
※グローバル気候マーチ:気候変動への対策を求める国際的なデモ活動
特徴2.スキーやMTBなど、四季折々の遊びを堪能できる
白馬村は四季を通じて豊富なアクティビティを楽しめるため、遊び場に困りません。冬には1998年の冬季オリンピックの舞台となった良質なパウダースノーを求めに、国内外から多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。
例えば、白馬村・小谷村・大町市にまたがる国際山岳リゾート「HAKUBA VALLEY」は、世界的にも有名なエリアです。
その中心となる白馬村には、初心者向けのなだらかなコースから、全長8,000mにも及ぶロングクルージングが楽しめる上級者向けコースまで、幅広いレベルに対応した5つのスキー場が整備されています。
その雪質や北アルプスの絶景に魅了され、移住を決めるウィンタースポーツ愛好家も少なくありません。
▲サイクリング ロード付きの公園「白馬岩岳MTB PARK」で白馬村の大自然を駆け抜けよう
さらに、グリーンシーズンの遊びも盛りだくさん。スキー場の冬季営業が終了するGW明け頃からは、登山やMTB(マウンテンバイク)、SUPなど、多彩なアクティビティを満喫できます。
日本最大のMTBレース『春岩・秋岩』の開催地にもなった「白馬岩岳MTB PARK」には、山頂から下るダウンヒルコースや木々の間を走り抜けるクロスカントリーコースがあり、自然の中で爽快なライディングを楽しめます。
また、お隣の大町市にあるエメラルドグリーンの湖面が美しい青木湖では、涼を感じられるSUPも人気です。
▲SUPの乗り方から教えてくれるので初心者でも気軽に挑戦できる
青木湖は、長野県で有数の高い透明度を誇る湖としても有名です。北アルプスの山々が水面に映り、まるで空中に浮いているような感覚を味わえるのは青木湖ならではの特別な体験。心地よい風と荘厳な自然に包まれながら、リラックスした時間を過ごせますよ。
その他、八方尾根の絶景を一望できるパラグライダーや熱気球、高山植物を愛でながら登るトレッキングなど、さまざまなアクティビティが体験できます。
アウトドア好きはもちろん、スポーツが好きな方は新たな趣味を見つけられる楽しみがありますね。
特徴3.国内外問わず観光客・移住者が多く活気に溢れている
白馬村は観光目的の方と実際住んでいる方どちらも多く、まち全体が活気に満ちています。
観光客の多くはリピーターで、海外観光客に関しては何週間も滞在するケースが一般的です。海外の方はウインターシーズンの訪問が特に活発で、冬は白馬駅前が外国人観光客で溢れます。オーストラリアやニュージーランドに加え、最近ではシンガポールや中国などのアジア圏の観光客も増加中です。
白馬村が活気に溢れているのは、このようにリピーターや海外からの観光客が多いのも理由の一つです。
2015年には、白馬駅前エリアにアウトドアブランド「THE NORTH FACE」のショップとカフェが一体となった『THE NORTH FACE GRAVITY』がオープン。白馬でのアウトドア体験ができるイベントを開催するほか、白馬三山を眺めながら飲食を楽しめるコーヒースタンドがあるショップとしても賑わっています。
▲THE NORTH FACE GRAVITYの2Fでは天候の良い日に白馬三山を眺めることができる
さらに体験型複合施設「Snow Peak LAND STATION HAKUBA」が2020年にオープンしました。世界的な建築家、隈研吾氏がデザインした外観は白馬エリアのランドマークとして親しまれています。e-BIKE(電動アシスト自転車)をレンタルし白馬村内を周遊することや、スノーピーク製品をレンタルしてピクニック体験、デイキャンプ体験を楽しむこともできます。カフェ、レストラン、宿泊施設もそろっているので、初めて白馬村に訪れた人も手軽に村の魅力を満喫できそうです。
▲隈研吾氏が手掛けたオシャレな外観が目を引く「Snow Peak LAND STATION HAKUBA」
また、エコーランドエリアには、オーストラリア仕込みのコーヒーが味わえるカフェや国内の厳選したウィスキーが堪能できるBARなど、おしゃれかつ個性的なショップが並びます。
国際的な雰囲気の中で暮らしたい方や、異文化交流・地域交流など多様なコミュニケーションを楽しみたい方は、理想の暮らしが叶いやすいでしょう。
多様な観光客のニーズに応えるべくトレンドを取り入れたお店が次々と開店しているため、まちの雰囲気は都会とさほど変わりません。
白馬村の暮らしに関する情報
気候 | 1月平均気温:-2.8℃ 8月平均気温:22.6℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 人口:9,524人 世帯:5,276戸 ※2025年1月時点 |
医療機関 | クリニック:6院 歯科:2院 |
学校 | 保育施設:4園 小学校:2校 中学校:1校 高校:1校 |
交通 | 【電車】 ・JR大糸線「白馬駅」 【路線バス】 ・アルピコバス(栂池線・猿倉線) ※猿倉線は夏秋のみ運行 【車】※最寄りのIC ・東京方面:上信越自動車道「長野IC」より約1時間30分 ・中京方面:長野自動車道「安曇野IC」より約1時間 ・北陸・関西方面:北陸自動車道「糸魚川IC」より約1時間 |
隣接地域 | 長野市、大町市、小谷村、小川村 |
※2025年1月時点
白馬村はウィンタースポーツで有名なリゾート地であるように、当然ながら積雪量は多いです。盆地のため最深積雪は1月82cm、2月91cm(※)に及び、雪かきが必要です。
移住にあたって車の雪対策や雪下ろしに必要な道具などを詳しく知りたい場合は、お問い合わせや下見の際に村役場の窓口で聞いてみましょう。
村内には白馬駅前エリアを中心にスーパー・ホームセンター ・ドラッグストアなどがあり、日用品の買い物に困りません。日用品以外の他の買い物は、大町市と松本市が便利です。
大町市は車で約30分、松本方面へはJR大糸線、車ともに約1時間30分で移動できます。また、長野市までは有料道路「オリンピック道路」利用で約1時間で行けるため、週末のお出かけの幅も広がるでしょう。
村内にはクリニックが点在しています。総合病院は大町市や長野市にあるため緊急時はそちらを利用しましょう。
なお、子どもたちが遊べるスポットも豊富です。雪遊びや川での水遊びはもちろん、ファミリー向けのイベントも多数開催されています。過去にはオリンピックで使われたジャンプ台をウォータースライダーとして楽しめるイベントがあり、多くの家族連れで賑わいました。
このように、白馬村の暮らしは利便性を確保しながらも、日常で雄大な自然を存分に堪能できます。
【教育】海外出身の生徒も多いグローバルな環境
▲白馬北小学校にある本格的なジャンプ台
白馬村の教育の特色として、本格的なスキー学習とグローバルな環境が挙げられます。
冬に村内2つの小学校で開催される「スキー学習」は白馬村の特徴的な教育の一つ。白馬北小学校には校庭にジャンプ台があり、ただ滑るだけでなくコーチ指導のもと本格的なスキージャンプを学ぶことが可能です。
▲冬になると白馬北小学校にあるジャンプ台では、子どもたちがスキージャンプの指導を受ける
また、白馬南小学校は裏山にスキー場があり、雪山に作られた傾斜のあるコースを滑るアルペンスキーに挑戦できるなど、全学年で本格的なスポーツ体験ができます。
白馬村は海外からの移住パターンもあるため、欧米系を中心に海外出身の子が多く、校内には日本語が話せない生徒もいます。そのため、英語を話せる子を通じてコミュニケーションを取るなど、子どもたち同士で工夫しているようです。
日常生活で自然に語学力を育めるのはもちろん、外見や文化の違いに対する理解が生まれ、早いうちからグローバルな感覚が身につきますね。
各学年に一人はハーフや海外出身の生徒がいる点は、海外からの移住も多い白馬村の学校ならではの特徴だと思います。
【仕事】観光業が盛ん。起業では上限100万円の創業支援補助あり
白馬村の住民の多くは村内で働いています。
全国屈指のリゾート地である白馬村は観光業が盛んで、宿泊施設からアクティビティ関連、飲食店など働き口は多岐に渡ります。建設業なども含めて一定の時期に雇用される季節雇用が多い点も特徴です。
大手求人サイトに掲載されている白馬村の求人数
正社員求人数 | 約200件 ※求人一例 |
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※参考:インディード(2025年1月時点)
長野市や大町市へ出なくても仕事があるので、通勤時間が短縮できて育児に時間を割けるため、子育て世帯も働きやすいですね。
その他、移住を機に起業する方も多く、起業を目指す際は以下の白馬商工会による創業支援を受けることも可能です。
白馬創業塾 | 白馬商工会による起業希望者向けの支援 ・補助制度や融資制度の情報提供 など ・修了者には創業支援補助あり(上限100万円) |
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村内にはコワーキングスペースも豊富に揃っており、リモートワークにも不便がありません。
1998年の長野オリンピックの際に建設された選手団の宿泊所を、コワーキングスペース「白馬ノルウェービレッジ」として改装し、Wi-Fi・ディスプレイ・デスクなどを整備して貸し出しています。
さらに、白馬岩岳エリア一帯をワークスペースとして提供している「Funny hours HAKUBA」もあります。ゴンドラリフトで登った先にある山頂ワークスペースや北欧のヴィンテージ家具を配置した一室などがあり、気分によってセレクト可能です。さらに、エリアによっては託児サービスやカフェも利用できます。
場所や時間にとらわれず、ワーク・ライフ・バランスを重視して働きたい方にもピッタリの環境ですね。
【住まい】物件を探すなら春から夏にかけて。海外からの移住者も多い
白馬村は豊かな自然と年中アクティビティが楽しめる魅力あるまちとして、海外の投資家からも人気が高く、地価は上昇傾向にあります。みそら野・エコーランドエリアは、2024年1月の地価公示で全国4位の上昇率30.2%を記録しました。(※)※参考:令和6年地価公示|国土交通省
そんな白馬村の賃貸物件を大手住宅情報サイトで検索したところ、2025年1月時点で数件の物件が
見つかりました。件数は少ないので、小まめにチェックしておくことがおすすめです。
参考:白馬村の不動産会社
賃貸住宅は常に満室というわけではなく、春から夏にかけては
空きが出ることもあるようです。
白馬村へ移住した方の体験談
ここでは、実際に白馬村へ移住した方の体験談を一部紹介します。
- 自然の美しさと豊富なアクティビティに魅力を感じて移住を決意。北アルプスの雄大な景観を間近で体感できるのは山の麓にある白馬村ならでは。
- 自然やアクティビティが好きな方はもちろん環境問題に関心が高い方も多い。まち全体をよくしようという住民の熱気も感じられる。
- 外国の方が多く住んでいることに驚いた。早いうちからグローバル社会の適応力を養える点は子育て世帯にとって大きなメリットだと思う。
白馬村へ移住する方は、村民と同じくらいの地域愛を持っている印象を受けました。村民・移住者関係なく住民主体で環境保護に取り組む姿勢が、白馬村の魅力をさらに高めています。
加えて海外の方の観光・移住による流入も多いため、人口約8,000人ながらも多文化共生を意識したオープンで先進的なまちだと感じました。
観光やウィンタースポーツを目的に毎年足を運んでくださる方も多いですが、何度も訪れる中で移住を決める方も珍しくありません。
白馬村への移住に関するお問い合わせ
▲白馬村への移住を検討する際は役場の方々に相談してみましょう
担当課 | 総務課 情報環境係 |
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住所 | 〒399-939 長野県北安曇郡白馬村大字北城7025 |
電話番号 | 0261-72-7002(総務課 情報環境係) |
対応時間 | 08:30〜17:15 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く |
公式サイト | https://www.vill.hakuba.lg.jp/ |
白馬村は県内でも積雪量が多いため、移住の下見では冬のようすをご覧いただきたいです。冬を知った上で、比較的過ごしやすい他のシーズンもぜひご体感いただければと思います。