下呂市への移住はどう?暮らし・仕事・支援の特徴を解説|縁結び大学
この記事では、地方移住を検討している方へ向けて、岐阜県下呂市での暮らしについてご紹介します。
下呂温泉で有名な下呂市は、およそ9割を山林が占める緑豊かな地域です。下呂・萩原・小坂・馬瀬・金山の5つのエリアにそれぞれ異なる特色があり、移住の際は目的に合わせてエリアを選択することもできます。
また様々な地域活動家を随時募集しており、個性豊かな事業を営む移住者の方が多いのも特徴です。
この記事では下呂市役所地域振興課の中田さんにお話を伺いつつ、下呂市への移住に役立つ生活・仕事・支援の情報を解説していきます。
下呂市の特徴は?3つのポイントに注目
市全体で様々な生活支援を行っている下呂市は、移住先で安定した生活を営みたい方にぴったりのまちです。実は20~30代の若い移住者が多いのも特徴で、子育てや起業志望といったライフスタイルに合わせて移住してくる方も多いのだとか。
もとは4町1村であったのが合併した下呂市は、全ての地域に温泉があり、豊かな自然資源を満喫できるまちです。観光業に携わりたい方はもちろんのこと、農業や民泊などの事業を始めたい方にも人気があります。
またこども園や、小学校から高校までの様々な子育て支援があるのもポイントです。季節の行事も多く、人と人との温かなつながりが生まれやすい土地だといえるでしょう。
以下のような方は、下呂市への移住を検討してみてはいかがでしょうか。
- 都会の喧騒を離れ、自分に合った環境でスローライフを送りたい
- 飲食業や観光業・農業などに興味がある
- 地元の行事や近所づきあいを通して人間関係を充実させたい
- 子育て支援が充実していて、ゆったり暮らせる場所を探している
それでは、なぜこのような方におすすめなのか、その理由を3つの視点から解説していきます。
特徴1:自然の恵みの中でスローライフが送れる
下呂市は、豊かな山林に恵まれた飛騨南部の都市です。豊富な温泉資源をはじめとし、一級河川・飛騨川や日本百名山・御嶽山といった様々な自然資源を活かしてスローライフを営むことができます。
下呂エリアの中心市街は観光地らしい街並みですが、周辺には農村風景が広がっており、がらりと雰囲気が変わるのも特徴です。観光業に携わることはもちろん、新しい事業を始めやすい環境でもあります。
また「空気がきれい」や「水が美味しい」という声も多く、移住後に家庭菜園や農業にチャレンジすることも可能です。いつか自分のお店や農園を持つことを夢見る方にとって、とても魅力的な地域といえるのではないでしょうか。
特徴2:地元の行事で交流が生まれやすい
下呂市は市域全体を通して、季節の行事や文化施設が多い土地でもあります。
初春には田の神祭り等、地域の伝統を感じられるはずです。夏には下呂温泉まつりをはじめ、5つのエリアすべてで夏祭りが行われ、七夕や花火といった夏の風物詩を満喫できます。
秋は、下呂温泉神社の例祭や紅葉のライトアップが観光の目玉です。冬には、花火ミュージカルやキャンドルイルミネーションが温かな雰囲気を演出します。
また、実は市内全域に神社・仏閣が多いのも下呂市の特徴です。地域に根差した行事も多く、「人と人との温かな交流が心地よい」との声も寄せられています。なかには、ご近所づきあいから行事に参加し、いつの間にか運営側に回った方もいるとか。
ゆったりとした暮らしぶりの中で、都会とは一味違った人間関係を築きたい方におすすめの地域です。
特徴3:子育て支援も充実!
市内には多くの保育施設があり、下呂市は子育て世帯に優しいまちでもあります。
また、中学生までの医療費助成制度(所得制限なし)や産後のお母さんへのケア事業・子育て支援給付金をはじめとした公的援助も充実しています。(令和5年4月から医療費助成制度は高校生までに拡大します。)
市内には小学校が10校、中学校が6校あり、それぞれの地域から通学も可能です。高校は1校のみですが、通学バス補助制度があるため地元進学も多く、現在も約500人の生徒が在席しています。
近くに親戚のいない環境へ移住する場合でも、のびのびとした環境で親子ともに余裕をもって暮らすことができるはずですよ。
下呂市のエリアごとの特色
下呂市は大まかに5つのエリアに分かれており、それぞれに環境・文化の特色があります。住む場所によって暮らしぶりを変えることができるため、自分の目的によって移住先を選ぶ楽しみもあるのがポイントです。
国道41号線と並行するようにJR高山本線の停車駅があるため、市内の移動も気軽にできます。
ここでは各エリアについて、移住を考える際に知っておきたい情報をまとめてご紹介します。自分のやりたいこと・興味のあることと照らし合わせて、気になるエリアを探してみてくださいね。
下呂エリア
下呂温泉を中心とした観光業で栄える下呂エリアは、市内の中心市街地でもあります。他エリアは生活に自動車が欠かせませんが、下呂エリアでは徒歩圏内で普段の生活を送ることも可能です。
観光客でにぎわう風景はもちろん、少し南側に行けばのどかな田園風景が広がります。気ままな田舎暮らしをしたい方や新しい事業を始めたい方にはぴったりのエリアです。
また保育園・小学校・病院の多いエリアでもあり、子育て世帯にもおすすめ。雄大な山々と人の文化が共存する、過ごしやすい環境です。
萩原エリア
下呂市の北側にある萩原エリアは、高校をはじめとした公共機関の集まる地域です。未就学児から高校生まで地元で暮らすことができ、ご近所づきあいも特に盛んだといわれています。
高齢者向けの施設や支援も充実しており、大人から子どもまで、誰もが暮らしやすい環境が整っています。子育て世帯はもちろん、ライフステージの変化に合わせて移住を考えている方にもおすすめです。
また四季折々の風景が楽しめるのも魅力で、しだれ桜や紅葉、雪景色など季節感たっぷりの景色に囲まれて生活できます。日本酒や鶏ちゃんといった萩原グルメとあわせて、ここにしかない情緒あふれる文化を味わいたい方におすすめですよ。
小坂エリア
下呂市の北東部を広く占める小坂エリアは、「日本一滝の多い町」と言われています。自然の恵みをもっとも色濃く感じられる地域で、滝めぐりや釣り・アウトドア・雪遊びなど、全身で自然を満喫できます。
また、観光ガイドといった、個性豊かな事業を始める方が多い土地でもあります。地域おこしの一環として、自分たちで観光資源を作り出していくパワフルなエリアです。
他エリアに比べると学校や病院が少ない傾向があるため、子育て世帯よりは、セカンドライフや開業を目的に移住する方が多そうです。
馬瀬エリア
清流・馬瀬川をシンボルとする馬瀬エリアは、「日本で最も美しい村」連合に加盟しており、農林水産省の「食と農の景勝地」にも認定されています。
昔ながらの里山や集落を活かした「馬瀬里山ミュージアム」は、交流人口の増加を図るシンボル地域です。のどかな景勝地でもあり、地域おこしの意欲の高い活気ある地域でもあります。
また豊かな水資源は川魚・米といった特産品にも活かされています。2007年には馬瀬川の鮎が日本一美味しい鮎に選ばれたそう。馬瀬川の水で育てられたコシヒカリも「水源米馬瀬ひかり」としてブランド化されており、田舎暮らしのスローライフを夢見る方にぴったりの土地です。
金山エリア
下呂市の南部・金山エリアは総面積の9割を森林が占め、飛騨川のダムやカヤック体験が特徴的な地域です。名古屋などの都市部へのアクセスがよく、飛騨の玄関口としても知られています。
また、この地域でしか見られない路地裏の風景「筋骨」は昭和の面影を残しており、隠れた観光スポットにもなっています。金山の巨石群とともに、古き時代を遡るような体験のできるエリアです。
日帰り温泉・温水プール・スポーツセンターといった健康施設が充実しているのも特徴です。子どもはもちろん、年齢を重ねてからの健康づくりにもうってつけの地域になっています。
下呂市の暮らし情報
続いて、実際に下呂市に移住する際に気になる暮らしの情報についてまとめていきます。まずは以下の概要をチェックしてみましょう。
気候 | 1月:平均気温0.6℃ 8月:平均気温24.8℃ ※参考:気象庁ホームページ 夏・冬共に地域・時間で大きく気温差がある。梅雨の降水量が多め。 |
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人口 | 30,158人(2022年12月1日現在) |
病院 | 病院・クリニック・歯科を合わせて市内34か所 |
学校 | ・こども園:6園 ・子育て・保育ステーション:2か所 ・特別支援学校:1校 ・小学校:10校 ・中学校:6校 ・高等学校:1校 ・専門学校:1校 |
文化 芸術 |
温泉施設、地歌舞伎の芝居小屋あり |
食べ物 | 鶏ちゃん、朴葉寿司、栃の実せんべい、鮎、コシヒカリ、飛騨牛 |
交通 | 【鉄道】 ・中心駅:下呂駅(JR東海・高山本線) ・市内全駅:飛騨金山駅-焼石駅-下呂駅-禅昌寺駅-飛騨萩原駅-上呂駅-飛騨宮田駅-飛騨小坂駅 【バス】 ・路線バス:げろバス(下呂市コミュニティバス) ・都市間バス:濃飛乗合自動車 【高速道路】 ・中央自動車道(中津川IC) ・東海北陸自動車道(郡上八幡IC) |
近隣都市 | 高山市、関市、中津川市、郡上市、加茂郡七宗町、白川町 (長野県:木曽郡木曽町、王滝村) |
高山地帯である下呂市は昼夜の寒暖差が激しいのが特徴で、夏でも熱帯夜になることはほぼありません。反対に、冬場は-10度近くまで冷え込む時期があるため、寒さ対策は必須です。
市内には上記のほか、国道41号・256号・257号が縦横に通っているため各地へのアクセスは良好。ただし市内であっても、下呂温泉付近以外は車がある方が便利です。
また山林地域ならではの豊かな水資源が産業の中心となっており、農業・酪農・林業などが盛んです。収穫期には農作物のおすそ分けで交流が生まれることもあり、昔ながらのあたたかな人間関係の起点にもなっています。
仕事:開業派が多数!求人ならハローワークに注目
岐阜県下呂市の正社員の求人情報を検索したところ、大手求人サイトではおよそ1,500件以上がヒットしました。同様の検索で、ハローワークでは約200件がヒットします。
下呂エリアのホテル・旅館スタッフの割合が高く、フロントスタッフ・調理担当・運転手など幅広い業種で求人があるのがポイントです。観光業に携わりたいと考える方や、関連する資格・免許を持つ方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
さらに観光関連以外では工業・林業関連の現場作業や経理、医療・介護関連の求人が多いです。特に下呂エリア以外で仕事を探す際は、上記の職種を検討してみてもいいかもしれません。
市外では高山、美濃加茂へ働きに行く方もおり、どちらも車で30~50分程度だそう。
また下呂市では、移住後に起業する方がかなり多いそうです。特に「地域おこし協力隊」に参加した方は、そこでの経験を活かして定住・起業することが多いといいます。
移住者向けの就業・起業支援としては以下の2つが挙げられます。
下呂市転職者等事業所訪問補助金 | 東京圏から下呂市内事業所に就業することを前提に、下呂市内事業所の職場の確認や住居確保のために下呂市を訪問する費用の一部を補助。 |
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下呂市空き店舗等活用事業補助金 | 市内の空き店舗および空き家の解消と有効利用を促進し、地域商業の活性化を図るため、空き店舗等を活用して事業を営もうとする方に対して補助金を交付。 |
※詳細は必ず公式サイト等でご確認ください。
住まい:家賃補助や公営住宅が利用可能
大手住宅情報サイトで検索してみると、下呂市内では以下のような物件情報が出ています。
賃貸 | 17件 |
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売買 | 6件 |
賃貸としてはマンション・アパート・戸建が選択でき、売買はすべて戸建てでした。賃貸家賃の相場は部屋の広さに対して比較的安い傾向があり、およそ5万円前後です。
これだけ見ると物件情報が少なめのように思われるかもしれませんが、下呂市に移住する際には空き家を有効活用することができます。市内では空き家物件が増えてきており、紹介・補助制度を利用することも可能です。
また2022年12月現在は市営住宅にも空きがあり、市のホームページから入居者募集を見ることができます。
賃貸・売買物件は下呂や萩原に多く、市営住宅は小坂・金山にもありますが、全体として移住者が多く住むエリアに偏りはないそうです。前述のように下呂市内の5つのエリアにはそれぞれ違った特色があるため、移住の目的や雰囲気の好みに合わせて選ぶ方が多いのではないでしょうか。
下呂市に移住した人の声:人とのつながりがあたたかい
- 地域とのつながりを強く感じて、もしもの時にも安心感がある。
- 行動範囲も、時間の使い方も広がった。
- 市の職員さんが親身になってくれて、移住の不安が払しょくされた。
- 都会ではわからなかった、季節の景色や食べ物の旬を感じることができる。
移住者の中には東京や名古屋から来たという都会出身の方も多いですが、移住してきて「不便だ」という声はあまり見られませんでした。特に最近は、インターネット環境があれば仕事・趣味・買い物にも困らないため、むしろ使える時間が増えて暮らしやすくなったという声も多いんです。
地域に根差した暮らしが心地よいといわれ、いい意味で人と人との距離感が近い下呂市の雰囲気は、外部からの移住者の方に安心感を与えてくれるのかもしれませんね。
下呂市へ移住するためのステップ
ここからは、実際に下呂市へ移住する際におすすめの手順を紹介していきます。
ステップ1:先住者の声で地域の特色をチェック
下呂市の公式サイト内の移住者向け特設ページや、下呂の暮らしを発信するサイトでは、下呂市に住む様々な人の暮らしぶりを知ることができます。
先輩移住者がどのようなステップで移住を進めたのかも知ることができるため、移住を考えた際にはまずチェックしてみるのがおすすめです。
紹介されている方の住んでいる地域、仕事内容、移住の目的はさまざま。かなり細かく暮らしぶりに突っ込んだインタビューも掲載されているため、下呂市での暮らしを具体的に思い浮かべることができるのではないでしょうか。
※参考:岐阜県への移住・定住ポータルサイト「移住者インタビュー」
ステップ2:補助金・紹介制度を確認
下呂市へ移住する際には、以下のような県の助成制度を利用することができます。
東京圏からの移住支援金 | (単身)60万円 (世帯)100万円 |
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清流の国ぎふ移住支援補助金 | (単身)30万円 (世帯)50万円 |
また下呂市でも、以下のような移住者向け住宅支援を行っています。
U・I・Jターン促進家賃助成事業補助金 | ・内容:家賃の1/2(上限月額2万円) ・期間:支給開始から2年間 ・対象:55歳未満のU・I・Jターン |
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移住促進住宅購入費等助成事業補助金 | ・内容:住宅新築費用の1/10(上限100万円)、中古住宅購入費用の1/5(上限50万円)、住宅改築費用の1/2(上限30万円) ・対象:50歳未満のU・I・Jターン |
下呂市への移住に関するお問い合わせ
担当課 | 下呂市 地域振興部 地域振興課 |
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住所 | 〒509-2202 岐阜県下呂市森801番地10 |
電話番号 | 0576-25-2252 |
対応時間 | 平日8:30~17:15 |
公式サイト | https://www.city.gero.lg.jp/site/ijyu-teijyu/ |
参考サイト | ▶︎下呂市ホームページ ▶︎下呂ぽかぽか暮らし図鑑 ▶︎岐阜県移住・定住ポータルサイト |