富良野市への移住を考える!四季折々の魅力と子育て・仕事環境を紹介
この記事では、北海道での移住を検討している人に向けて、富良野市の暮らしに役立つ情報を紹介します。
北海道の中心に位置する富良野市は、スキーや温泉、ラベンダー畑などの観光地として有名なエリアです。
さらに近年は「演劇のまち」としても力を入れており、富良野市の小学校から高校で演劇の授業が取り入れられています。
今回は富良野市総務部シティプロモーション推進課・課長の竹下幸志さんと、係長の松野健吾さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、富良野市の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
富良野市の魅力:移住者を惹きつける3つの特徴
市の7割を山林が占める(※)富良野市では、一年を通して北海道ならではの美しい風景を楽しめます。
(※)参考:北海道富良野移住促進情報「リビング・フラノ」
一方で、中心部には病院やスーパーなどの生活に必要な施設がコンパクトに集まっているので、雪国でほど良い田舎暮らしがしたい人にとってはぴったりのまちと言えるでしょう。
そんな富良野市には、次のような特徴があります。
ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。
特徴1:アクセスの良さと充実した起業支援で注目の移住先
北海道の中央にある富良野市は、利便性の良いまちとして知られています。旭川市までは車で約1時間20分、札幌市までは2時間から2時間半ほどで移動できるので、都心部まで日帰りで遊びに行くことも可能です。
道内にある3つの空港へは以下の所要時間でアクセスできるため、旅行や出張の際には行き先に合わせて使い分けできるメリットがあります。
- 旭川空港:約1時間
- 新千歳空港:約2時間20分
- 帯広空港:約2時間20分
また、アクセスの良さから多くの観光客が訪れるため、飲食店やカフェなど自分のお店を持ちたい人の起業場所に選ばれることも多いとのこと。
富良野市には、市内で起業する方に向けた融資制度や補助金、支援事業もあるので、興味のある方は、以下の公式サイトもチェックしてみてください。
公式:フラノジョブスタイル(富良野市の融資制度・補助金・支援事業)
▲市内には飲食店も多く、ご当地グルメ「富良野オムカレー」も食べられます
特徴2:自然と都市機能が調和した暮らしやすい環境
富良野盆地の中心都市にあたる富良野市は、富良野岳や夕張山地などの十勝岳連峰に囲まれ、田園地帯が広がっている地域です。
一方で、駅や市役所などがある市の中心エリアは活性化され、スーパーやコンビニ、ホテルや飲食店などがあります。
北海道ならではの自然環境を持ちながら、都会的な面も兼ね備えている富良野市は、「田舎暮らしをしてみたいけど、不便なのはちょっと…」という方でも暮らしやすいまちと言えるでしょう。
また、富良野市は医療機関も充実しており、市内には総合病院が2つあります。
そのうちの一つ「富良野協会病院」は、富良野市はもちろん、上富良野町から占冠村(しむかっぷむら)などの一市三町一村を含む富良野圏域の「地域センター病院」として機能しています。
地方では数が少ない「小児科」や「産婦人科」などの専門医療にも対応しているので、子育て世帯も暮らしやすいのではないでしょうか。
参考:富良野協会病院
▲「富良野協会病院」にはさまざまな診療科があり、地元の方の健康を守っています
内科や外科、整形外科や歯科など、個人クリニックも充実しています。
特徴3:四季折々の北海道の魅力を堪能できる豊かな自然環境
富良野市は「スキーのまち」として知られ、アルペンスキー・ワールドカップやスノーボードワールドカップの開催地として有名な「富良野スキー場」があります。
公式:富良野スキー場
▲富良野スキー場の北の峰ZONEの山頂からは市内が見渡せます
冬季にはインバウンドで海外からの観光客が訪れ、市内に3週間から1ヶ月程度滞在してスキーを楽しむ方もいるそうです。
そんな富良野スキー場は街中から10分ほどの場所にあるため、思い立ったときにゲレンデへ向かい、好きなだけスキーを楽しむこともできます。
ナイタースキーもあるので、仕事帰りにスキーに行く人もいます。
また、富良野市は季節折々の景色が楽しめるのも魅力です。国道237号線沿線は花畑が点在していることから「花人街道」(※)の愛称で親しまれ、夏のラベンダー畑のほかさまざまな花を観察できます。
(※)参考:ふらの観光協会
- 春:ルピナス、チューリップ
- 夏:ブルーサルビア、ポピー、ひまわり、コスモス
- 秋:キガラシ、ダリヤなど
参考:ふらの観光協会
高地や山では、その場所でしか見られない花も観察できるので、気候の良い季節は周辺を散策してみるのもいいでしょう。
スクロールで四季折々の風景写真が見られます→
美しい景色が広がるまちなので、雑誌に載っているような風景を家の窓から眺めることができます。
▲職員さんの自宅から、スキー場を一望できるそうです
富良野市での生活:移住後の暮らしに役立つ具体的情報
それでは、富良野市の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 年平均気温:6.7℃ 最高気温(平均値):26.3℃(8月) 最低気温(平均値):-14.4℃(1月) ※参考:気象庁ホームページ 富良野観測データ |
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人口 | 19,712人 (2024年4月末時点) |
病院 | 病院:3、診療所:8、歯科:12 |
学校 | 市立保育所:4、私立幼稚園:4 小学校:6、中学校:3、義務教育学校(小中一貫):1、高等学校:2 看護専門学校:1 |
交通 | ・【電車】JR北海道(根室線、富良野線) ・【バス】ふらのバス、占冠村営バス、北海道中央バス、 道北バス・北海道拓殖バス・十勝バス(共同運行) ・AIオンデマンド交通「ふらのり」 |
近隣都市 | 上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村、芦別市 |
富良野市の冬は厳しく、-30℃になる日もあるとのこと。11月中旬から4月上旬にかけては雪が降り、市内の積雪深は1m内外、山間部では2~3mに達します。
参考:北海道富良野移住促進情報「リビング・フラノ」
市内で生活するうえで「雪かき」は欠かせませんが、富良野市の雪はさらさらとしたパウダースノーで軽く、雪かきがしやすいそうです。
雪かきは毎日するときもあれば、1週間に1回程度のときもあります。
また、富良野市での生活に車は必須ですが、市内でのちょっとしたおでかけであれば、AIオンデマンド交通「ふらのり」が便利です。
決まった路線や時刻表はなく、通院や買い物の際にスマホや電話で予約すると、AI(人工知能)が乗車場所から降車場所までの時刻を瞬時に計算し、8人乗りの車両で送迎してくれます。
料金は大人300円、子ども(小学生)150円で、乗降場所は市内の病院やスーパー、公共施設などを中心とした50ヶ所が対象です。
対象エリアは市街地となりますが、車の運転ができない方はもちろん、家族が車を使用していて外出できないときなどにも気軽に利用できるのではないでしょうか。
※利用者は市民に限定しており、事前に会員登録が必要となります。
公式:富良野市役所(AIオンデマンド交通「ふらのり」)
子育て支援:妊娠期から充実のサポート制度で安心の子育て環境
富良野市では、市内に住む子育て世帯に向けた「乳児子育て世帯応援事業」に取り組んでいます。
出産応援給付金 | 市内で妊娠届を提出し、保健師相談を受けた妊婦へ5万円を支給 |
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子育て応援給付金 | 出生した子ども1人につき5万円の支給 |
乳児子育て世帯応援ギフト | 出産祝金5万円分(ふらの市内共通商品券)を交付 |
出産祝品 | 市内に住む保護者を対象に、市が指定する撮影者に子どもの写真を撮影してもらい、フォトフレームに入れてプレゼント |
参考:富良野市役所(乳児子育て世帯応援事業について)
妊娠・出産のタイミングで応援金がもらえるのはありがたいですね。
また、赤ちゃんの写真を撮影してプレゼントしてもらえる珍しい取り組みもあります。産後は慣れない育児でバタバタすることも多いので、あっという間に過ぎ去っていく乳児期の可愛い写真が手元に残るのは嬉しいものです。
この他にも、0歳から高校生(18歳の誕生日以後はじめての3月31日まで)の医療費無料など、多くの子育て支援があります。
富良野市には、医師や看護師などの医療従事者を目指す人に修学資金を支援する「医師養成確保修学資金貸付」と「看護職員養成修学資金制度」があり、対象は以下の通りです。
- 医師養成確保修学資金貸付:旭川医科大学医学部医学科の新入生、在学生
- 看護職員養成修学資金制度:富良野看護専門学校の在学生
どちらも免許取得後に、富良野市内の医療機関等で一定期間働けば、貸付金の償還が免除されます。貸付や修学資金の返還免除については細かな条件があるので、気になる方は以下の公式サイトをご確認ください。
公式:富良野市役所(医師養成確保修学資金貸付)
公式:富良野市役所(看護職員養成修学資金制度)
富良野市独自の教育:スキーと演劇で育む子どもたちの心と体
富良野市では、子どもたちの冬期間の体力づくりのため、小学1年生から高校生までスキー学習を行っています。
職員さんのお話では、1シーズンに2~3回ほどスキー場まで出向き、自分の技術に合った班で各自課題に取り組むそうです。
▲スキー場での授業は、富良野市の冬の風物詩です
ちなみに富良野スキー場では、小学生以下のリフト料金が無料ですが、富良野市では市内在住の中学生にも同様のサービスが受けられる「富良野スキー場リフト無料搭乗券」を発行しています。
参考:富良野市子育てガイドブック(2024年春夏版)※PDF
シーズン券の料金は中学生だと49,500円(※)なので、スキーに行くことが多い家庭ならかなりお得ですし、気軽にウィンタースポーツを楽しめるのではないでしょうか(2024年1月時点)。
(※)参考: 富良野スキー場シーズン券
さらに富良野スキー場では、高校生以上にも市民割引があり、2024-2025シーズンからはさらに市民を対象とした支援制度も検討されているようです。
▲富良野市の子どもたちにとって、スキーは身近なアクティビティ
富良野で育った人は「スキーが上手に滑れる」と言っても過言ではないくらい、地元では身近なアクティビティです。
また、テレビドラマ『北の国から』のロケ地として有名な富良野市は、「演劇のまち」としても発展しつつあります。
市内全ての小学校・中学校で演劇が授業に取り入れられています。さらに富良野高校では、演劇的手法を取り入れた「表現化」の授業を履修することができます。
参考:富良野市文化芸術基本条例
▲子どもたちは富良野演劇祭に向けて、一生懸命練習します
▲衣裳を身にまとい、本格的なリハーサルも行います
演劇手法を取り入れた授業を通して、子どもの頃からコミュニケーションや表現力を磨ける富良野市は、子どもたちが明るく、表情豊かに育つ環境が整っています。
参考:広報ふらの※PDF
学校演劇の支援は、市民のボランティア団体「NPO法人ふらの演劇工房」(※)のみなさんが行っています。
(※)公式:NPO法人ふらの演劇工房
充実の子どもの遊び場:屋内外の施設で四季を通じて楽しめる環境
富良野市には水遊びができる公園や広い芝生広場、遊具が充実している公園など、子どもたちの遊び場が充実しています。
参考:富良野市役所(子育てガイドマップ)
天気を気にせず遊べる場所としては、富良野市複合庁舎の1階に屋内型公園「へそキッズランド」があります。小学3年生以下を対象とした施設で、利用には保護者の同伴が必要なので、小さな子どもでも安心して遊べます。また、年末年始を除き、平日や土日祝も利用(10:00~17:00)できるのも魅力です。
「公園に行けない日でも、走り回れるスペースがあって助かる」などの声もあり、リピート訪問も多いので、小さい子どもがいる方は移住後の遊び場として活用してみてはいかがでしょうか。
参考:Nativ.media(へそキッズランド)
へそキッズランドには、遊具だけではなく絵本もたくさんありますよ。
仕事事情:地元雇用が豊富で観光関連の求人も多数あり
富良野市の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、632件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、811件の求人情報がありました。(2024年1月時点)
※参考:求人情報の一例(富良野市のみ)
※参考:求人情報の一例(富良野市から25km圏内)
富良野市では市内で働く人が多く、求人はハローワークや富良野市が運営する求人サイト「フラノジョブスタイル」で探せます。
公式:フラノジョブスタイル
観光地ならではの求人もあるので、観光業に関心のある方やインバウンドで来日した観光客から生きた語学を学びたい方にはおすすめのエリアです。
また、富良野市では市内での新規就農を希望する方に向けたサポートがあります。就農地の事前確保や実地研修、資金支援などもあるので、富良野市で農業をはじめたい方は、以下の公式サイトで詳細をご確認ください。
公式:富良野市農業担い手育成機構「FARMING FURANO」
ほかにも、市内で起業する方に向けた支援サポートなどもあるので、富良野市で自分のお店を持ちたい人と考えている人は、以下の公式サイトで詳細をチェックしてみてください。
▼富良野市の中小企業支援事業、融資制度
公式:富良野市「中小企業振興事業について」
公式:富良野市「中小企業への融資制度について」
空き店舗探しの相談やサポートもできるので、起業を検討している方は気軽にご相談ください。
住まい探し:充実の賃貸物件と季節を押さえた物件探しのコツ
大手住宅情報サイトで富良野市の賃貸物件を検索したところ、142件の物件が見つかりました。家賃相場は5.9万円となっており、間取りは1K~4LDKまでさまざまです。(2024年1月時点)
職員の方によると、市内はアパートが充実し、3~4月頃の移動の時期になると物件数は増えるとのこと。また、市内に空き家物件はあるものの、賃貸、販売ともに希望者が多く、あまり数は多くないそうです。
富良野市の移住サイト「リビング・フラノ」でも、市内の物件が掲載されているので、移住を検討している方は一度チェックしてみてください。
富良野市移住者の声:実際の暮らしぶりと感想を紹介
富良野市の魅力や暮らしについてご紹介しましたが、やはり気になるのは移住者の口コミなのではないでしょうか。ここでは、実際に富良野市に移住した方の声を紹介します。
- 生活に必要な施設がコンパクトにまとまっているので、不便なく暮らせる
- 冬は厳しいが、近くにスキー場があるので、仕事の時間を調整しながら楽しんでいる
- 身近な場所に綺麗な景色が溢れているので、日々の生活が豊かになった
- 祭りや集会など地域の行事が多く、地元の方と交流しやすい
口コミにもあるように、富良野市では北海道ならではの自然に囲まれながら、利便性を損なわずに生活することができます。
また、豪雪地帯で冬の寒さが厳しいものの、スキー場が近くにあるので、ウィンタースポーツを思いっきり楽しみたい方にとっては最適なエリアなのではないでしょうか。
富良野市の移住支援:充実のサポート制度と相談窓口
富良野市にはお試し移住専用の住宅はありませんが、民泊施設やドミトリー(※)、民間のマンスリー住宅などは多数あるそうです。
(※)ホステルなど、複数の人が共同で生活する場所
観光地などでテレワークを活用しながら休暇をとる「ワ―ケーション」事業にも力を入れているので、まずはシーズンステイなどをしながら、移住後の生活をイメージしてみてはいかがでしょうか。
「ワ―ケーション」については、以下の公式サイトで詳しく詳細されているので、興味のある方はご確認ください。
公式:ワーケーションフラノ
富良野市の移住に関するサポートには、「富良野市新規就業移住支援金等交付事業」や「富良野市UIJターン新規就業支援事業」といった制度もあります。移住が決まったら、対象者にあてはまるかチェックしてみましょう。
富良野市新規就業移住支援金等交付事業 | 富良野市に移住して就職する対象要件を満たす方。基本額10万円支給で、3年間にわたり毎年申請することが可能。 |
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富良野市UIJターン新規就業支援事業 | 東京圏から移住して就職する対象要件を満たす方。単身での移住の場合は60万円、世帯での移住は100万円の支給。 |
富良野市ではZoomを使った「オンライン移住相談」も実施しているので、富良野市への移住を検討している方は活用してみてください。
公式:富良野市役所(オンライン移住相談について)
移住は人生の大きな転機になるので、移住前に何度か地元に足を運んでいただきたいです。富良野市での暮らしを知ることはもちろん、地元の方との交流を図りながら、自分に合っているかどうかを選んでいただくと良いと思います。
令和6年度から移住や雇用の支援策が拡充しました。詳しくはフラノジョブスタイルやリビング・フラノで随時お知らせしますので、チェックしてください。
公式:フラノジョブスタイル
公式:リビング・フラノ
富良野市への移住に関するお問い合わせ
富良野市への移住については、富良野市総務部までお問い合わせください。
担当課 | シティプロモーション推進課 |
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住所 | 〒076-8555 北海道富良野市弥生町1番1号 |
電話番号 | 0167-39-2277 |
FAX | 0167-23-2120 |
iju.soudan@city.furano.hokkaido.jp | |
対応時間 | 8:30〜17:15(月曜日から金曜日) |
公式サイト | ▼富良野市移住促進情報「リビング・フラノ」 https://furano-iju.com/ ▼富良野市役所 https://www.city.furano.hokkaido.jp/ |