普代村への移住!豊かな自然と子育て支援が魅力の岩手の村

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「岩手県普代村」をご紹介します。

岩手県沿岸北部に位置する普代村は、人口2,450人(2022年11月時点)という小ささながら、たくさんの魅力がギュギュッと詰まった村です。

まず村内には「三陸ジオパーク」(ジオパーク=地球科学的な価値のある遺産を守りながら開発する地域)に認定される地域があり、縁結びの神様として知られる、歴史の古い鵜鳥神社があります。

そしてビーチヨガやトレイルなど、美と健康につながる取り組みがたくさん。大自然に囲まれて、アクティブ&ヘルシーなライフスタイルを目指したい方にピッタリの移住先なんです。

さらに「子どもは地域の宝」という考えから手厚い子育て支援が行われているので、子育て世帯の方にもおすすめです。

そんな普代村への移住に役立つ情報をたっぷりとお届けします。

普代村移住コーディネーターの鬼束さん

普代村の暮らしの魅力:移住前に知っておきたい4つの特徴

普代村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には普代村がおすすめです。

  • 壮大な自然に囲まれた暮らしに憧れる
  • 神社やパワースポットに興味がある
  • 文化的なもの・歴史あるものを身近に感じたい
  • 体を動かすことが好きで、健康的な生活を目指している
  • 子どもに優しい自治体で、のびのびと子育てしたい

なぜこのような方に普代村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、普代村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:三陸ジオパークに認定された絶景と自然に囲まれた村

黒崎上空からの眺望

普代村の黒崎地域は、三陸海岸に広がる「三陸ジオパーク」に認定される地域です。

ジオパークとは、地球科学的な価値のある遺産を守り活用しながら、持続可能な開発を進めるプログラムを指し、「大地の公園」などと表現されます。

三陸ジオパークは「五億年前からの時を刻み、今を生きる」をテーマとし、太古の昔から続く地球の営みが作ってきた、ダイナミックな自然の造形に出合えるのが特徴です。

黒崎上空からの眺望

展望台からは遥かな水平線を望むことができるうえ、断崖絶壁を流れ落ちる「アンモ浦の滝」は、落差100m以上と、岩手県一のスケールです。

こんな壮大な自然と絶景がすぐ身近なところにあるのが普代村。「都会の喧騒を離れたい」「人込みやビル群とは正反対の風景の中で暮らしたい」という方におすすめの移住先ですよ。埼

また、その黒崎地域には「白亜の灯台」として親しまれる「陸中黒埼灯台」があります。

陸中黒崎灯台

陸中黒埼灯台は、標高130mの断崖に立つ、コンクリート造の灯台です。その美しさから、1998年には「日本の灯台50選」、2019年6月には日本ロマンチスト協会が選ぶ「恋する灯台」に認定されました。

近くには「カリヨンの鐘(幸せの鐘)」もあり、家族やカップルで鳴らすと幸せを運んでくれると言われているそう。デートで訪れるのにピッタリですね。

特徴2:800年以上の歴史を持つ鵜鳥神社で縁結び祈願

鵜鳥神社
▲鵜鳥神社では、境内の松の枝を男性が左手、女性が右手で結び合わせると、願いが叶うといわれる

普代村にある鵜鳥神社は、大漁と海上安全、そして縁結びの神様として知られる神社です。

大同2年(807年)に開山されたといわれるとても歴史の古い神社で、参道には推定樹齢500年の夫婦杉があります。パワースポットの好きな方、これから結婚を控えたカップルの方などは、ぜひ訪れたいスポットではないでしょうか。

鵜鳥神楽
▲鵜鳥神楽は例大祭のほか東北各地での巡行も行われる。遠方から駆け付けるファンも多い

また、例大祭で行われる鵜鳥神楽は、2015年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

文化的なものに興味がある方にとっても、暮らすまちが誇らしくなりますよね。

特徴3:ビーチヨガやトレイルで楽しむアクティブ&健康的な生活

浜辺でビーチヨガをする人々
▲ビーチヨガは、雄大な自然との一体感が最大の魅力

普代村では、健康的なライフスタイル作りにつながるイベントが多数行われています。

その代表的なものが、5~9月の最終日曜日に開催されるビーチヨガ。美しい白い砂浜が広がる普代浜で、朝日を浴び波の音を聞きながらヨガを行う、人気のイベントです。参加料1,000円がかかりますが、村内で使用できる1,000円分のクーポンが進呈されるので、実質無料になりますよ。

また普代村には、青森県八戸市から福島県相馬市までをつなぐ長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」が通っています。

全長1,025kmという長い道のりの中でも、普代村を通る区間は、崖の海岸線をのぞむ迫力ある風景が見どころです。断崖絶壁が連続する雄大な自然の中を歩けば、心も身体もスッキリしそうですね。

みちのく潮風トレイル
▲初心者から上級者まで楽しめる、さまざまなモデルコースも紹介されている

体を動かすのが趣味の方や、健康的な生活を目指している方にとって、いろいろなイベントが後押ししてくれる普代村は、理想的な環境といえるかもしれません。

特徴4:「子どもは地域の宝」。手厚い子育て・教育支援

芋掘りをする園児たち

普代村では「地域の宝」として子どもをとても大切にしており、子どもをもつ方にとっては嬉しい支援や体制が整っています。育児・教育支援としては、たとえば次のようなものがあります。

  • 育児祝金(第1子から30万円)
  • はまゆり子ども園、小・中学校の給食費無料化
  • 小3~中3までを対象に、無料学習塾で学力アップをサポート(テキスト代別途必要)

そして何よりの魅力は、やはり豊かな自然環境でしょう。

普代浜で遊ぶ親子

普代村は、海や山、川などがすぐ身近にあり、自然を遊び場としてのびのびと子育てをすることができます。都会暮らしで「子どもを土と触れ合わせる機会がない」「子どもが騒ぐと周囲に迷惑をかけるのではないかと気をつかってばかりいる」というお悩みを抱えている方には、特におすすめです。

村内の「つちのこ保育園」は、岩手県初となる常設型の「森のようちえん」です。

「森のようちえん」とは、自然環境をベースとした保育や教育を行う保育施設や団体を指します。幼少期に豊かな自然と触れ合うことは、子どもにとってかけがえのない体験であるのはもちろん、非認知能力(生きていくために必要な、数値化できないさまざまな力)を伸ばすのに役立つと言われています。

また小学校では、4年生時に「子ども神楽宿」を体験します。普代村の大切な財産である「鵜鳥神楽」は、こうして子どもたちに受け継がれていくのですね。

「子ども神楽宿」の様子
▲神楽の演目に子ども達も真剣に見入る

普代村での生活:気候・交通・医療など暮らしに関する具体的情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、普代村の暮らしに関してのさまざまな情報をお届けします。

気候 1月:平均気温−0.7°C
8月:平均気温21.7°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:2,450人
世帯:1,110世帯
(令和4年11月30日時点)
近隣都市 下閉伊郡岩泉町、田野畑村、九戸郡野田村
公共交通 鉄道:三陸鉄道
バス:普代村営バス(全線全区間無料)、田野畑村営バス(一部路線が普代駅へ乗り入れ)
大都市へのアクセス 盛岡へ:電車で約3時間10分
東京へ:新幹線と電車で約5時間半
病院 診療所1、歯科1
学校 中学校1、小学校1、保育施設2
行事 ふだいまつり、ビーチヨガ、音楽の広場
名所・観光 普代浜園地キラウミ、RVパーク、黒崎オートキャンプ場、鵜鳥神社
食べ物 ウニ、昆布、松茸、原木しいたけ、豆腐田楽、昆布そうめん、寒じめほうれんそう

普代村は日本では珍しい「西岸海洋性気候」に属し、夏はそれほど暑くならず、冬も高緯度の割には気温が下がらないのが特徴です。

村の中心部には商店街があり、生活に必要な品が一通りそろいます。村営バスは、便数は多くないものの全線全区間無料というのが嬉しいところですね。

例年9月には、普代村の秋の風物詩「ふだいまつり」が行われます。絢爛豪華な山車が村内を巡行したり、伝承芸能の発表会が行われたりと、村はにぎわいに包まれますよ。

「ふだいまつり」の2台の山車
▲「上組」と「下組」の2台の山車が普代駅前にそろい、各組の歌い上げからお祭りがスタートする

冬の旧正月には「なもみ」が子どものいる家をまわります。なもみとは、ナマハゲに似た来訪神のことで、子ども達の健やかな成長を祈る行事です。

なもみ

【食】三陸の海の幸と山の幸に恵まれた豊かな食生活

普代村には、海と山の豊かな自然が育む、おいしい食材がたくさんあります。

三陸漁場の中でも、資源の豊富な漁場として知られているのが黒崎沖。初夏にはウニ、冬にはサケ、昆布やワカメなどの海藻類に、イカやタコも水揚げされます。

ウニを割っている人の手元

山からは、ホウレンソウやシイタケ、秋になると松茸もでてきます。三陸は国内有数の松茸の産地でもあり、旬のころには村のあちこちで収穫されるそうですよ。

葉の上に並べられた松茸

そして昔から親しまれている伝統食が、硬い豆腐にニンニク味噌を塗り、軽くあぶった「豆腐田楽」です。

囲炉裏で焼かれている豆腐田楽

おやつやおかずに、またお祭りや行事の際にも必ず登場する、普代村の人々のソウルフードです。

このように食生活が豊かなことも、普代村の大きな魅力の1つです。

【仕事】地域に根差した求人と「地球のしごと大學」との連携

大手求人情報サイトで普代村の正社員求人を検索すると、約70件がヒットしました。(※2023年1月時点)
参考:求人情報の一例

そのほか、普代村では「人と自然と社会と調和したしごと」をコンセプトとする「NPO法人地球のしごと大學」と連携した人材募集をしています。

2023年1月時点では「林業」「保育士」「観光拠点の魅力化」といった仕事の求人があり、仕事への応募前にオンライン面談や現地ツアーを利用することもできます。

「地域にしっかりと根差し、地域のためになる仕事をしたい」と考えている方は、ぜひお問い合わせをしてみてください。

公式サイト:地球のしごと大學(少しスクロールすると、人材募集画面があります)

【住まい】空き家バンクと村営住宅の活用:移住希望者向け住居情報

普代村で民間の住宅物件は、賃貸・分譲とも見つかりませんでした。(※2023年1月時点)

村内には空き家バンクがあり、村役場で空き家の紹介や下見の案内などをしてもらうことができます。また、村営住宅も随時公募が行われているので、ご希望の方は、まずはお問い合わせをしてみてください。

お問い合わせ先は下記のとおりです。

空き家の紹介 普代村役場政策推進室 空き家バンク担当
0194-35-2114(月曜~金曜、8:30~17:00)
村営住宅 普代村役場建設水産課 村営住宅担当
0194-35-2116(月曜~金曜、8:30~17:00)

普代村移住者の声:豊かな自然と温かいコミュニティの魅力

普代村へ移住した方の体験談

ここでは、実際に移住して普代村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 豊かな自然と、神楽などの昔ながらの文化が残る、素敵なまち
  • 「子どもの声が聞けるのが嬉しい」など、子どもに対する地域の目線がとても温かい。「公園で遊ぶ声がうるさい」などと言われる都会とは正反対と感じる
  • 地域の方が家族のように接してくれて、移住前と比べ人との関わりが増えた
  • おすそ分けの文化があり、野菜や魚介類などたくさんの新鮮な食材をいただけてありがたい
  • 村の中にコンビニはないけれど、生活に必要なものは商店街などでそろう

自然や文化といった、古き良き暮らしを満喫できるという声が多く見つかりました。

人と人とのつながりが希薄になりがちな都会と比べ、地域の人々の温かさが魅力的だと感じている方も多く、特に子どもを育てる環境としては恵まれているといえそうです。

普代村への移住ステップ

ここでは、普代村への移住に向けて、具体的に起こせる行動をご案内します。

「定額住み放題プラン」で普代村暮らしを体験

村内の「国民宿舎くろさき荘」には「定額住み放題プラン(HafH)」が用意されています。移住を検討中の方はこのプランを利用して、実際に村の中を歩いてみたり、仕事や住まい探しの活動をしたりなど、普代村の暮らしを味わってみてはいかがでしょうか。

テレワークやワーケーションを検討している方には、同宿舎内にあるワークスペース「BLUE BASE FUDAI」がおすすめです。ワークスペースでは、机の向こうに海と空のパノラマが広がる絶景が楽しめます。

移住して村民となれば2時間500円(村外の方は2時間750円)で利用でき、コーヒー2杯まで無料のうえ、海が見える大浴場に入り放題ですよ。

公式サイト:国民宿舎くろさき荘
公式サイト:BLUE BASE FUDAI

普代村への移住に関するお問い合わせ

担当課 政策推進室
住所 岩手県下閉伊郡普代村第9地割字銅屋13番地2
電話番号 0194-35-2114
対応時間 平日8:30~17:00
公式サイト https://www.vill.fudai.iwate.jp/lifescene/teijyu.html